終身医療保険とは?定期医療保険との違いや必要性をやさしく解説
医療保険を検討しているあなた、終身医療保険という言葉を聞いたことがありますか?家計に多少余裕がある30代の方や50代以降の方に特におすすめしたい保険です。
終身医療保険とは、保障が一生涯続くうえ支払保険料は一生変わらない保険のこと。契約期間が決まっており、契約更新を行うと保険料が値上がりする定期医療保険とは対象的なシステムの保険です。
若いうちは月々の保険料が定期医療保険よりも高いもの。ですが、一生支払う保険料総額を比較すると、終身医療保険の方がお得になります。
医療保険を検討しているあなたにぜひ知っておいてもらいたい、終身医療保険について説明していきます。
40、50代だけじゃない!30代にもおすすめしたい終身医療保険とは?
「終身医療保険」とは、「保障は一生涯」かつ「保険料がずっと変わらない」医療保険のこと。
現在の医療保険の主流ともいうべき保険で、保険会社も終身医療保険に力を入れています。保険会社に終身医療保険を勧められた経験がある人もいらっしゃるかもしれません。
そんな終身医療保険と異なる特徴を持つのが、「定期医療保険」です。定期医療保険は、契約期間が決まっている保険。満期になると自動で更新されるものも多いですが、支払う保険料が上がるものが大半です。
終身医療保険について詳しく知るために、終身医療保険と定期保険のメリットとデメリットをみていきましょう。
知っておきたい!終身医療保険のメリットとは?
終身医療保険のメリットは
- 保障が一生涯続く
- 保険料はずっと変わらない
- 医療保険の主流ともいうべき保険
という点です。
終身医療保険の最大のメリットは、保障が一生涯続くことと保険料がずっと変わらないこと。契約期間が決まっており、満期を迎えると保険料が上がる定期保険とは異なり、保険料はずっと変わりません。
基本的に医療保険は、若いときに加入すればするほど月々の保険料が安いもの。
というのも、若いときの方が病気にかかるリスクが低く、高齢になればなるほど病気にかかるリスクが増えるためです。
また、終身医療保険は定期医療保険よりもよく売れている商品です。そのため、保険会社も終身医療保険に対して力を入れており、よりお客様に喜ばれるような商品を多く出しています。競争が激しいため保険料が下がりやすく、いい条件の保障が出やすい保険です。
知らなきゃ損!終身医療保険のデメリットとは?
終身医療保険のデメリットは
- 定期保険と比べると若いうちは保険料が高い
- 保障が変わらない
- 将来制度が変わると対応不可能
- インフレやデフレに対応しにくい
という点。
終身医療保険は一生涯保障が続く保険。長い目で見れば、月々の保険料は終身医療保険の方が安くなるものの、若い一時期のみに注目すると定期保険よりも終身医療保険の月々の保険料の方が高くなります。
そのため、まだ若く高い保険料を払うことができないという人には、終身医療保険はあまりおすすめできません。若い方ならば家計が安定するまで、定期保険にしておくのもおすすめです。
保障が変わらないという終身医療保険のメリットは、同時にデメリットにもなります。というのも、終身医療保険は一生涯加入し続けることが前提の、加入期間の長い保険。そのため、何十年も加入しているうちに保険制度自体大幅に変わる可能性があります。終身医療保険だと、そのような変化に対応できません。
また、今後日本の経済がインフレになるのかデフレになるのかは誰にもわかりません。急激なインフレが起こってしまうと、お金の価値が下がり現在の保障内容では足りないというケースが発生する可能性もあります。
急激にそのような変化が起こった場合、対応できないのが終身医療保険です。
長い目で見た変化に対応できないことが、終身保険のデメリットだと考えておきましょう。
終身医療保険と対をなすのが定期医療保険です。定期医療保険とはなにか、終身医療保険とはどう違うのかを解説しましょう。
実は知らない?定期医療保険のメリットデメリットとは?
定期医療保険のメリットは2点。
- 期間が決まっている
- 乗り換えの検討をしやすい
定期医療保険は終身医療保険と違い、保険の期間が決まっているのが特徴です。そのため、月々の保険料は終身保険の保険料よりも安くなります。
20代や30代の若い人ならば、より保険料が安くなるのが定期医療保険の特徴。そのため、貯蓄をしたいけれど保険にも入っておきたいという若い世代におすすめです。
また、期間が決まっているため、保険の乗り換えを検討しやすいのも定期医療保険のメリット。満期になると保険料が上がるため、そのタイミングで他の保険への乗り換えを考えることも可能です。
逆に、定期医療保険のデメリットは次の2点。
- 満期になると月々の保険料が上がる
- 更新し続けると支払保険料の総額は終身医療保険よりも高くなる
定期医療保険は、満期になると月々の保険料が上がります。というのも、満期を迎え更新する場合、年齢もそれだけ上がっているもの。となると、支払う保険料もどうしても値上がりします。
また、保険を変えるのが面倒だからといって定期医療保険を更新し続けると、支払保険料の総額は終身医療保険よりも高くなります。そのため、定期保険に一生涯加入し続けるのはおすすめしません。途中で終身保険に切り替えるほうがお得です。
終身医療保険に向いている人は?30代にもおすすめ?
終身医療保険のメリット・デメリットと定期医療保険のメリット・デメリットはわかりました。では、どのような人が終身医療保険を選ぶべきなのでしょうか?
ずばり、終身医療保険に向いている人は、「終身医療保険を支払う余裕のある30代」または「50代以降の人」です。
というのも、終身医療保険は若いうちに加入すれば月々の支払保険料は安いもの。そのため、まだ若い30代で加入すれば老後支払う保険料を安く抑えることができます。
ですが、いくら支払保険料が安く抑えられるからといって、家計に余裕がないにも拘わらず、支払保険料が高い終身医療保険に加入する必要はありません。余裕がない場合は、保険料が安い定期医療保険にしておくべきです。
また、入院した際の医療費を自分で支払うことができる貯蓄がある人も、終身医療保険に加入する必要性がありません。自分の貯蓄で医療費がまかなえるのであれば、そもそも保険に加入しなくとも生活していけるため、保険に加入しなくてもよいでしょう。
終身医療保険の支払保険料と定期医療保険の支払保険料は、50代になるとほぼ同じ程度の金額になります。そのうえ、60代になると保険に加入すること自体難しくなるのが現状です。そのため、50代の人が医療保険に加入する場合は終身医療保険に入るべきでしょう。
徹底比較!終身医療保険の終身払いと払い済みとは?
終身医療保険には「終身払い」と「払い済み」という2つの支払い方法があります。
終身払いとはその名の通り保険料を一生涯支払い続けること、払い済みとは60歳までというように保険料を払い込む期間が決まっている支払い方法をいいます。
払い済みのメリットは、決まっている期間保険料を払えば、それ以降は保険料を支払う必要がないこと。
例えば、60歳払い済みの終身医療保険に加入したとします。となると、60歳までに保険料を全額払いこんでいるため、老後に保険料を払い続ける必要がありません。そのため、老後の保険料の支払いはなくなります。老後に支払う金額を少しでも減らしたい人におすすめです。
ですが、払い済みにはデメリットもあります。それは、終身払いと比較すると月々の支払保険料が高くなるという点。本来ならば一生涯払い続ける保険料を期間を短くして払っているため、保険料は高くなります。
要注意!終身医療保険に加入する前に知っておきたいこととは?
終身医療保険について詳しくみてきて、お得な面も多くあることがわかりました。ですが、実は加入する前に知っておきたい注意ポイントもあります。
注意ポイントは3点。
- 予想よりも医療費がかからない可能性がある
- 数年先には医療の仕組み自体変化する可能性がある
- 貯金があり入院しても暮らしていける人は保険の必要性が低い
病気になり入院する必要が出てきた場合、医療費が必要です。ですが、多額の医療費が必要かというとそうではありません。
現在、日本には「高額療養費制度」という制度があります。
高額療養費制度とは、1か月の医療費の上限金額が決まっており、それを上回る医療費は払い戻される制度のこと。
事前申請しておけば、自己負担分のみを払うことも可能です。
また、現在日本には「後期高齢者医療制度」という制度があり、75歳以上ならば医療費は1割負担で済みます。1割ならば、高額な医療費でも実際に負担しなければならない金額はそれほど多くありません。実際に支払わなければならない医療費は想像よりも低く済むことが多いのが事実です。
そのうえ、数年先には医療が進歩し入院日数が短期化する、在宅医療が進歩し入院することが減るということも考えられます。そうなると、入院保障中心の現在の保険では対応できません。
終身医療保険はとてもお得な保険ではありますが、病気になり入院しても生活していける貯金がある人にはあまり必要がありません。
保険料には保険会社の人件費など約30%近くもの経費が含まれているといわれています。加入する必要性が低い人は、加入すると損をする可能性があることも覚えておきましょう。
医療保険検討中のあなたにぜひおすすめしたい終身医療保険!
ですが、定期医療保険と比較すると元々保険料が高いうえ、払い済みにすることでさらに保険料は高くなります。お得だからといって保険料で生活が破たんしてしまっては意味がありません。自分の生活に合った医療保険を選ぶようにしましょう。