
住宅ローン審査で「税金滞納」は赤信号!
税金滞納をしていると、住宅ローンの審査に通過できる可能性がほぼなくなります。税金滞納を気にすべきなのは主に自営業者ですが、サラリーマンでもうっかり税金滞納している危険性があります。
このページでは、税金滞納と住宅ローン審査の関係について説明していきます。税金の種類による住宅ローンへの影響の差や、税金滞納が住宅ローンに影響する理由についても解説します。
税金滞納は住宅ローン審査で一発アウト
税金を滞納している場合、住宅ローン審査を通過できる可能性は、ほぼ無いと考えてください。「所得税」「住民税」などの税金種別にかかわらず、同様に審査で落とされます。
とはいえ普通はサラリーマンの方なら、これらの税金を滞納することはまずありません。所得税も住民税も、給料から天引きされ、会社が支払っているからです。
ただし、従業員が2名以下の会社などでは、住民税を会社員自身が払うシステムにしている場合があります。こうした会社に勤めているなら、住民税の未納が無いが確認する必要があるでしょう
国保や年金の滞納も住宅ローン審査で危険
国民健康保険や国民年金を滞納している場合も、住宅ローン審査に通過しにくくなります。
税金滞納の場合のように、国保や年金の滞納だけで完全にアウトになるとは言い切れません。しかし住宅ローンの審査をする、金融機関や保証会社の印象が悪くなります。
ただしこちらも、サラリーマンの方なら基本的に問題ありません。普通は社会保険も年金も、会社が支払ってくれているからです。
気をつけたいのは自営業者と、「転職をした人」です。会社を辞めると、その時点で住民税の支払いがストップしますが、住民税の支払い義務自体は残っています。
再就職までに期間が空いた人などは、うっかり住民税を滞納してしまわないよう、注意が必要でしょう。
※住宅ローン審査と転職に関する記事はコチラで特集しております。
サラリーマンも自動車税に要注意!
ここまではおもに自営業者が注意すべき問題でしたが、サラリーマンも気をつけないといけない税があります。それは「自動車税(軽自動車税)」です。
自動車税は自分で納めなければいけないため、給与所得者でも滞納する恐れがあります。
自動車税を滞納すると、短期間で「差し押さえ」にまで至ります。うっかり支払いを忘れないよう、特に注意が必要です。
差し押さえられた場合の問題については後述します。
固定資産税の滞納で住宅ローン審査に落ちる人も
「固定資産税」の滞納も、住宅ローン審査で落とされる条件の一つです。
固定資産税は納める回数が多い分、うっかり滞納をしやすい税です。たとえ数千円程度の滞納でも、記録上は同じ税金滞納となります。
自分で固定資産税の振り込みをしていると、つい忘れてしまう危険性があります。口座引き落としを利用するなどして、問題を起こさないようにしたいところです。
なんで税金滞納すると審査で落ちるの?
税金滞納は、それだけで審査落ちするほど重要な問題だと説明してきました。どうして税金滞納は、これだけ厳しく見られるのでしょうか?
それは税金が、取り立ての「最優先権」を持っているからなのです。
誰かの借金がある場合、最初に徴収されるのは税金になります。税金徴収後に残った資産を、銀行などが分ける形になります。
たとえ住宅ローンの支払いが滞ったとしても、銀行は購入された住宅自体を受け取り、借金を回収することが可能です。
しかし税金滞納があった場合、そちらが優先されるため、資産がまるで残らないというケースもありえます。そのため、税金滞納は審査で厳しくチェックされるというわけです。
滞納していることがバレなければ大丈夫?
住宅ローン審査で真っ先に調べられるのは、個人信用情報機関の情報です。しかし実は税金滞納は、個人信用情報機関のデータには残りません。では、滞納していることを話さなければ大丈夫なのでしょうか?
ほとんどの場合、税金滞納は審査でバレます。隠しているのがバレたら、審査落ちは確実でしょう。
住宅ローン審査では、納税証明書や確定申告書などを提出します。これらを調べれば、税金滞納はすぐにバレてしまいます。
年金の滞納も、確定申告書の社会保険料などからバレる可能性が大です。また、国民健康保険料を長期滞納していると、「短期被保険者証」という保険証に切り替わるため、一発でバレます。
過去に滞納しただけなら大丈夫?
現在は滞納がなく、過去に滞納したことがある場合について説明します。審査でどうなるかは、状況と審査機関次第です。
一般的に、民間金融機関は、滞納履歴だけで審査に落とすところは少ないようです。フラット35などで知られる住宅金融支援機構などでは、滞納履歴だけでもNGになる可能性が高いです。
同じ税金滞納でも、以下の2つで状況が変わります。
- 所得税を滞納した場合。
- 住民税を滞納した場合。
所得税を滞納した場合、滞納した記録が残ります。納税証明書に滞納状況が記載されるため、すでに税金を払い終わっていたとしても、審査のマイナスポイントとなりえます。
住民税を滞納した場合、税金を払い終わっていれば、基本的には滞納した事実は記録に残りません。ただし、各自治体によって対応が異なるため、絶対に記録が残らないとは言えません。
差し押さえは住宅ローン審査に致命的な影響を与える
税金を滞納していると、国などから督促がおこなわれます。それを長期間無視していると「差し押さえ」がおこなわれます。
差し押さえされてしまうと、記録としてずっと残ってしまいます。これは住宅ローン審査において、大きなマイナスとなってしまいます。
これは高額な所得税などの滞納だけでなく、少額な自動車税などの差し押さえでも同様です。どのような形の差し押さえであれ、住宅ローン審査に強烈なインパクトを与えてしまいます。
とはいえ、一回差し押さえされたら、一生涯住宅ローン審査に通らないかと言えば、そうともいい切れません。差し押さえ後に、長い期間きちんと税金を納め続ければ、信用が回復し融資を受けられる可能性はあります。
住宅ローンを組みたいなら税金は最優先に納めよう!
住宅ローンを組もうと考えているなら、どのような税金であれ、すぐに納めてしまうのが最善です。
特に自動車税や固定資産税は、うっかり滞納してしまう人が多いため気をつけたほうが良いでしょう。
税金を払うのは国民の義務。義務である納税を怠っていたり忘れていたりすると、借金の返済も平気で忘れてしまう恐れがある…と金融機関が判断するのは無理のないことです。
また自営業者の方が住宅ローンの相談で、税額が0になっている確定申告書の写しを持って来られることがありますが、かなり厳しいと考えてほしいです。

中古住宅・中古アパートの媒介業務・調査業務に従事し、現在は札幌市内の宅建業者にて専任の取引士を務めている。
2006年より、住宅に関する無料の相談サイトを開設し、住宅リフォームや中古住宅購入の相談に応じている。