親が倒れた!家族の入院に備えて知っておくべき病院とお金の知識
高齢になると、家で転んだだけで骨折してしまうなど、ちょっとしたきっかけで急に入院する人がたくさんいます。
入院準備は何をどうしたらいい?お金はどれくらい必要?保証人が必要って言われたけど、何それ?入院するときにまとまったお金が必要なんて知らなかった、どうしよう?
心の準備ができていないと、慌てますし、わからないことだらけで不安も大きくなります。
家族の急な入院に備え、必要な知識を身につけましょう。
入院には保証人が必要!入院に絶対必要な持ち物と書類
入院に必要なのは、入院中に使う衣類やシャンプーなどの日用品だけではありません。
入院申込書を書いて印鑑を押して、病院に提出しなくてはいけません。そして、その書類には、連帯保証人などの「保証人」の記載が必要です。
入院するときに必要なモノとヒトについてご説明します。
印鑑は必須!入院に絶対必要な日用品とお役立ちアイテム
入院前には、病院から持ち物リストを渡されることが多いです。保険証、診察券、印鑑は当然として、よく掲載されているのは、これらです。
- タオル
- パジャマ・下着
- 上履き
- コップなどの食器
- 歯磨き・洗顔・お風呂用品
- イヤホン
- ティッシュ
病院のリストには載っていないけれど、こんなものも持っていくと便利。
- クリアファイル
- 消臭剤
- 洗濯ばさみ
さらに詳しい持ち物リストは「入院に必要なものリスト!必要書類と持ち物を確認しよう」で紹介しています。
病院内で買える可能性が高いものや、小銭はいくら持っていけばいいのかもお伝えしています。ぜひ参考にしてください。
入院には保証人が必要!保証人が見つからないときの対処法も紹介
ほとんどの病院の入院申込書に、連帯保証人や身元保証人を記入する欄があります。
保証人には、こんな役割があります。
- 患者本人が医療費を払えない時に代わりに払う
- 緊急時の連絡先になる
兄弟姉妹や親戚で話し合い、事前に保証人になる人は決めておくのもいいですね。連帯保証人は家族でなくてもかまいません。
ただ「同居している家族は連帯保証人になれない」「保証人は2名必要」などの条件がつくことが多く、保証人がいなくて困る人もいます。
保証人が見つからないときは、こんな対策が考えられます。
- クレジットカードで払う
- 入院保証金を払う
- 身元保証代行を利用
- 任意後見人をつける
保証人の役割や条件、保証人がいない時の対処法は特集記事で説明しています。
入院費用は平均22万円!入院費用の内容と負担軽減方法
入院には平均で22万円程度のお金がかかります。
また「入院費用は退院時にまとめて払う」と思っている人も多いですが、「入院するときに、一部を前払いしてください」という病院もたくさんあります。
入院に関するお金について紹介します。
入院にはどんなお金がかかる?差額ベッド代が負担大
入院すると、診察や看護の費用を含む入院基本料のほかに、食費、差額ベッド代がかかります。
個室などを希望した時にかかる費用。保険が適用されず、全額が患者の自己負担。金額は病院によって異なり、1日7,000円~150,000円ほど。
そのほか、暇つぶしのための雑誌代やテレビカード代もかかります。
すべてをまとめた入院費用の総額は、平均22万円程度。
「入院費用は22万円が平均!入院費用の内訳と負担軽減策をご紹介」では、入院費用の中身、差額ベッド代をめぐるトラブルなどを詳しく説明しています。
入院時にまとまったお金が必要!入院保証金の準備をしよう
入院するとき、病院によっては「入院保証金」という前払い金が必要です。
入院保証金は入院費用にあてられ、退院時や月1回の精算時には、患者は残額を支払います。
保証金の額は5~10万円の病院が多いですが、「保証人がいない」「個室を利用する」などの場合には、増額されることも。
急な入院に備え、ある程度の額をすぐに引き出せるようしておくのがおすすめ。
入院保証金が必要な理由や、入院保証金が用意できない時の対処法は「入院保証金は病院への前払い金!入院に備えてお金を準備しておこう」で紹介しています。
高額療養費とは?高額になった医療費の払い戻しを受ける方法
入院費用などの医療費が高額になったとき、負担を軽減できる「高額療養費制度」があります。
1ヶ月間(1日~末日まで)の医療費が自己負担限度額を超えたら、払い戻しを受けられる制度です。
例えば70歳以上で年収156万~約370万円なら、1ヶ月の自己負担限度額は世帯全体で57,600円。外来(通院)は個人ごとに限度額が設けられていて18,000円です。
ただし、以下の費用には使えません。
- 入院中の食費・居住費
- 差額ベッド代
- 先進医療の費用
- 保険外併用療養費の差額部分
世帯で医療費を合算したり、何度も高額医療費制度を利用していたら自己負担限度額が下がったりと、特に医療費がかさむ世帯には嬉しいシステムになっています。
自己負担限度額の計算方法や申請手続きは特集記事で説明しています。ぜひ活用してください。
高額療養費制度の対象外になってしまうケースや注意点なども紹介しています。
入院中も退院後も不安は尽きない!相談窓口を知ろう
入院中には、入院費用の心配を含め、いろんな不安が頭をよぎります。
最近は入院できる期間が短いため、「このまま退院しても、自宅で今まで通り生活なんてできない!」という退院後の生活の不安を抱える人が特に多いです。
当サイトでは、そんな不安を解消する方法をご紹介しています。
入院期間は意外に短い!入院直後から退院後の予定を立てよう
「一旦入院したら、完全に元気になるまで病院にいられる」というのは間違いです。こんな事情で、2週間や3週間でなかば強制的に退院させられる人が続出しています。
- 次の患者を受け入れたい
- 長期入院の患者が増えると病院は儲からない
特に私たちが急な病気やケガで入院することが多い、急性期の治療を担う病院では、症状が安定すれば、自分でトイレや食事ができない状態でも退院させられます。
ですから、場合によっては入院直後から退院後の生活のことを考え、情報収集を始めないといけません。
退院後の選択肢としては、次の5つがあります。
- 自宅に戻る(在宅介護)
- 療養病棟(転院)
- 回復期リハビリテーション病棟(転院)
- 地域包括ケア病棟(転院)
- 老人介護保健施設
入院期間や退院後の選択肢についてはコチラで解説しています。
病院での不安の相談窓口は医療ソーシャルワーカー
「入院直後から、退院後のことを考えなくてはいけない」と言われても、どうやって情報収集したらいいのか、わかりませんよね。
それなら、病院の「地域連携室」「患者支援センター」などの部署にいる医療ソーシャルワーカー(MSW)に相談しましょう。
病院内で、福祉サービスの窓口になるスタッフ。治療や入院に関する相談にのり、利用できる福祉・医療サービスや公的制度などを紹介し、困りごとの解決を支援します。
転院や退院についてだけではなく、経済的な心配、治療方針への疑問、病室内や病院スタッフとの人間関係の悩みなども相談できます。
医療ソーシャルワーカーに相談できる内容、相談時の注意点など詳しくは「入院中の不安について相談したいならソーシャルワーカーを活用しよう」をご覧ください。
親の入院に備えよう!日ごろの準備と心構えが大切
だからこそ、事前に入院に関する知識を身につけ、必要になるものをチェックし、保証人の目星をつけ、まとまったお金を準備しておきましょう。
特に覚えておきたいのは、意外に早く退院する可能性が高いこと。
入院直後からMSWに相談したり、家族・親戚で話し合ったりして、本人や家族の状況や希望に応じた、退院後の予定を立てる必要があります。
当サイトの記事は、あなたの心の準備に役立つはず。ぜひ活用してくださいね。