住宅ローンの金利
住宅ローンの金利は交渉次第で下がるってホント!?

住宅ローンの金利は交渉次第で下がるってホント!?

住宅ローンの金利は、変動、固定いずれも金融機関との契約で決まっているものです。しかし、この金利が交渉次第で下がる可能性があるということは知っていますか?

住宅ローンの金利は交渉できるものなのか、そして、値引きをすることができるとすればどのような方法があるのか、気になる疑問について徹底解説していきます。

現在住宅ローンを利用していて、金利が高いので借り換えを考えている人は必見ですよ。

金融機関によって異なる優遇金利って?

まず、住宅ローンの金利について基本的な情報をご紹介します。住宅ローンの金利には、基準金利というものがあります。

基準金利とは

短期プライムレート※に基づき設定される金利で、各金融機関の原則的な住宅ローン金利。金融機関によって、店頭金利または店頭表示金利と呼ばれます。

※短期プライムレートとは、銀行が優良で信頼できる企業に貸し付けをする際に設定する金利です。

短期プライムレートを基に定められた基準金利から、実際に住宅ローンを借りるときに適用される適用金利がきまります。

つまり、住宅ローン金利の【定価】を意味するのが基準金利なのです。

しかし、実際に適用される住宅ローン金利は基準金利よりもかなりお得な金利になっています。これが、適用金利です。

適用金利は、各金融機関で割引をした後の金利で、ここが各金融機関で差が出てくる部分でもあります。

この割引をした金利を、優遇された金利、つまり優遇金利とも呼ぶのです。

優遇金利は各金融機関によって優遇率が異なるので、そこをチェックしておくことでお得な住宅ローンを利用することができると言えます。

実際に適用される金利は基準金利よりお得になってるってことか。

じゃあ、優遇金利がお得なところを探せば良いってことだね。

優遇金利については、その都度状況が変わっていきます。

最新の情報をチェックするようにしておきたいですね。

各金融機関優遇金利を比較

優遇金利は、一定ではなく見直しが行われるものです。ですから、申し込み・契約を考えているタイミングで直近の金利状況を知ることが大切になってきます。

ここでは、2019年10月時点(変動金利)の優遇金利を比較してみましょう。

金融機関名 商品名 適用金利
ソニー銀行 変動セレクト住宅ローン 0.457~0.507%
住信SBIネット銀行 ネット専用全疾病保障付き住宅ローン 0.418%
りそな銀行 りそな住宅ローン
(金利プラン全期間型)
融資手数料型 変動
0.470%
横浜銀行 住宅ローン 変動 0.470%
みずほ銀行 住宅ローン
全期間重視プラン
0.525%

ちなみに、適用金利は変動金利、固定金利選択型、全期間固定金利の順に高くなっていきます。どの金利プランを選択するかによっても変わってくるので注意しておきたいですね。

金利プランは、契約後に変更をする方法もあります。金利プラン変更について興味がある方は、こちらの記事がオススメです。

住宅ローンを新規で申し込むときに金利交渉は可能?

では、気になる金利交渉についてご紹介していきます。

まず、住宅ローンを新規で申し込むとき、金利交渉をすることは可能なのでしょうか。結論から言えば、金利交渉は可能です。

交渉するときの流れが、次の4ステップです。

①各金融機関の金利を比較
②ハウスメーカー・不動産仲介業者との金利交渉
③銀行との金利交渉
④金利優遇サービスの利用

それぞれのステップについてご紹介します。

①各金融機関の金利を比較

住宅ローンを申し込むにあたって、まずは各金融機関でどのような金利条件になっているのかをチェックすることが大切です。

自分が利用する住宅ローンが、全体的に高いのか、低いのか、しっかり見ておきましょう。このとき、自分の契約を考えている金利が最も低い金利設定になっている場合は、金利交渉は難しいと言えます。

住宅金利には、変動金利と固定金利があります。どちらにするかについても、じっくり検討しておきたいですね。

固定金利について詳しい情報が知りたいという方には、こちらの記事がオススメです。

変動金利についての情報に興味がある方は、ぜひこちら住宅ローンの変動金利は損?お得?メリット・デメリットを解説の記事をチェックしてみてくださいね。

また、ここでチェックしておきたいのが金利以外の条件面です。

特に繰り上げ返済手数料は、その有無によって大きく負担が変わってきます。

繰り上げ返済の手数料については各金融機関でそれぞれ定められます。◯◯円まで無料、ネットバンキング使用で無料など様々なプランがありますので、金融機関を選ぶ際の一つの指標にするとよいでしょう。

繰り上げ返済手数料がかかるか、一括返済手数料はいくらになるのか、借り入れ前に確認しておきたいですね。

②ハウスメーカー・不動産仲介業者との金利交渉

前提となるのが、自己資金が足りない場合、家の購入は住宅ローンの審査に通らなければ不可能。

つまり、住宅購入の際、ハウスメーカーや不動産仲介業者もローンが組めるよう協力してくれます。

しかし不動産業者と銀行が提携をしている場合もあり、相場より高い金利の銀行を紹介されるケースもあるので、相場をしっかり理解した上で不動産業者と交渉しましょう。

銀行との金利交渉

いよいよ銀行との金利交渉です。

銀行と金利交渉と言われても…知識も少なくどうして良いのか分かりません。

素人での金利交渉なんて無謀なのでは…。

契約者と銀行1対1の交渉になることはありません。

基本的に交渉に当たるのは不動産仲介業者もしくは、契約者立ち合いの元で不動産仲介業者と金融機関が交渉をする、という形になりますので安心してください。

では、どのように交渉が進むのでしょうか。一般的な方法としては、以下のものがあります。

  • 金利を〇%に引き下げれば決める
  • A銀行とB銀行で迷っているので金利を〇%にしてもらいたい

このような交渉です。

つまり、不動産仲介業者などが交渉しやすいよう、自分の希望金利をしっかり伝えておくことが重要となるのです。

金利優遇サービスの利用

金融機関によっては、給与振り込みやカードローン利用、定期預金口座を持っているということで金利が優遇されるケースがあります。

普段から使っているサービスが優遇条件になっていればラッキーですし、これを機会にサービスを利用するということも可能ですね。

住宅ローンの利用を検討している金融機関の金利優遇サービスについて、確認しておきましょう。

住宅ローンの金利値引きでオススメのタイミングとは

住宅ローンの金利値引きは、新規契約時のみ行うことがわけではありません。現在利用している住宅ローンについても、金利値引き交渉を行うことは可能なのです。

では、現在利用している住宅ローンについて金利交渉をする方法やタイミングについて見ていきましょう。

まず、金利引き下げのタイミングとして挙げられるのは、借り換えです。

借り換えは、今の住宅ローンを完済して、今の金利よりも低金利になっている他の金融機関と新たに住宅ローンを契約するというものです。

このとき、ただ借り換えをするのではなく、「他行への借り換えを検討しているが、今の金利を少し引き下げられないか」という交渉をするのです。

金融機関が顧客を離したくないと思えば、金利交渉に応じてくれる可能性があるというわけですね。このとき、同じ金融機関の条件変更という形で金利交渉が成功すれば、借り換えにかかる手数料をかけずに金利を下げることができるというメリットがあります。

借り換え検討中と言うよりも実際に仮審査を受けた方が良い!?

借り換えは金利交渉の絶好のタイミングではありますが、ただ「借り換えを検討しているので金利を下げてください」、と言うだけではあまり伝わらない場合があります。

「この金融機関で仮審査を受けてこの結果が出ました」といった書類を持参すると、より本気度をアピールできるのです。

そして、金利を引き下げられるかどうか交渉してみると良いでしょう。このとき、具体的に何%まで引き下げてほしいと希望を言えるようにしておきたいですね。

金利は決められたら仕方がないものだと思っていました。

金利が下がる可能性があるのであれば、一度金利交渉について検討してみたいと思います。

金利交渉が成功するかどうかは、金融機関やそのときの状況・条件によって異なります。

ただ、金利を少しでも下げたいと思っているのであれば、他の金融機関の審査を受けるなどチャレンジしてみても良いですね。

知らなきゃ損!?住宅ローンの金利を考える前にチェックしたいポイント

住宅ローンの金利は、低ければ低いほどお得になります。これは間違いありません。そのために金利交渉を検討するわけですが、金利が低くても結果的に損をしてしまうケースも無いわけではありません。

それが、次の2つのケースです。

  • メインバンク以外の住宅ローンを利用
  • 借り換えをする場合に発生する手数料負担が大きい

それぞれのケースについて見ていきましょう。

メインバンク以外の住宅ローンを利用

メインバンク、つまり給与振り込みなどで利用しているメインバンクでの住宅ローン契約をしていれば良いのですが、他の金融機関の住宅ローンを利用する場合は振込手数料に注意が必要です。

毎月住宅ローン返済のためにメインバンクから指定口座に振り込みをするということになれば、金融機関によって600円~900円程度の振込手数料が発生することになります。

仮に、毎月600円の振込手数料が発生した場合、35年ローンだと総額で600円×420か月(35年)=252,000円もの手数料が発生してしまうのです。

せっかく金利差によってお得になったはずなのに、これだけ手数料がかかれば意味がなくなってしまう恐れがあります。

借り換えをする場合に発生する手数料負担が大きい

借り換えをして金利を下げる場合、手数料が発生します。その手数料は、主に以下の通りです。

  • 事務手数料
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 司法書士報酬

これらの総額は、30万円~100万円程度かかってしまう恐れもあります。

借り換えをする場合は、金利差によって得になる金額と、発生する手数料との金額差をしっかりチェックしておく必要があるのです。

住宅ローンの借り換えで失敗しないための情報は、こちらの記事でご紹介しています。

住宅ローンの金利は交渉次第で下げられる可能性がある!

住宅ローンの金利は、他行の金利状況をチェックして提案する、借り換えを検討して他行との金利差を提示する、これらの方法で、金利が下げられる可能性があるのです。

住宅ローン新規契約時は不動産仲介業者に、そして現在住宅ローンを利用している人は他行の金利情報をチェックして仮審査を受けてみるなど、交渉に向けて準備をしてみても良いですね。

ただ、金利交渉は必ず成功するとは限りません。そのあたりも把握しつつ、金利交渉にチャレンジしてみましょう。

監修者メッセージ

金利交渉で金利が下がるのであれば、諸費用や手間などの総合的なコストがかなり抑えられます。とはいえ、ただ「金利を低くして欲しいのですが…」という言葉だけでは単なるお願いになってしまい、銀行も検討のしようがありません。銀行にとって、他にメリットになるようなことを提示することを忘れないようにしたいですね。

プロフィール
不動産売却カテゴリー記事監修(吉田成志)
吉田成志
宅地建物取引士、マンション管理士、消防設備士などの資格を保有。
4年ほど専任の宅建士として不動産業者に勤務し、現在はマンション管理士・消防設備士として独立。
宅建士としての知識や立場を活かし、不動産売買時の疑問点などの相談を受けている。