個人年金保険
個人年金保険を払い済みにするメリット・デメリットとは

個人年金保険を払い済みにするメリット・デメリットとは

老後資金確保のために注目されている個人年金保険。この個人年金保険は、60歳や65歳といった決められた年齢まで払い込み続けるのが原則です。

ただ、保険料の支払いが負担になってくることもありますよね。そんなとき使えるのが、以降の保険料支払いを不要とする払い済み保険です。

払い済み保険とはどのようなものなのか、そしてそのメリット・デメリットにはどのような点があるのか、詳しくチェックしていきましょう。

個人年金保険の払い済みって何?

まず、個人年金保険の払い済みというのがどのようなものかをご紹介しましょう。

払い済み保険とは

将来の保険料の払い込みを中止。その時点での返戻金をもとに保険料払い込み済みの保険商品に変更するというもの

つまり、払い済み保険とは個人年金保険に限らず、養老保険や終身保険でも、今後の保険料払い込みをせずに、現時点で支払った保険料に該当する商品内容に変更するというイメージです。

個人年金保険は長期での継続した払い込みが前提の保険ですが、払い済みにすることが可能の場合もあります。払い済みにしても、契約自体は有効ですからきちんと保障を受けることはできるのです。

個人年金保険については、こちらで詳しく解説しています。

これからの保険料払い込みがなくなるのに、保険契約は続いてくれるってこと?

超お得じゃん!さっそく見てみるわ。

確かに保険料支払いが無くなるのは魅力ですが、払い済み保険にはデメリットもあります。デメリットはこれから紹介しますのでそこでチェックしてくださいね。

また、契約内容によっては保険料払い済みにできない場合もありますので注意しましょう。

個人年金保険には色々と種類もあります。どのようなものがあるか興味がある方には、この記事がオススメです。

払い済みにする手続きは簡単!

保険の契約変更と聞けば、面倒なことになると考えてしまう人がいるかもしれません。しかし、払い済みにする手続きはさほど手間ではありません。

明治安田生命の場合をご紹介しましょう。

①連絡
②書類が届く
③書類に記入・必要書類添付後返送
④手続き完了

ここで注意すべきなのは、必要書類です。必要書類は、契約内容や請求内容で異なっていますからしっかりと確認しておきたいところですね。

主に必要となるのは、以下の2点であることが多くなっています。

  • 変更請求書(生命保険会社所定のおの)
  • 本人確認書類

ただ、保険会社によって手続きや必要書類が異なる場合もあります。ちなみに、日本生命の場合は、担当者が直接書類を持ってきてくれ、そこで手続きを行うようになっています。

個人年金保険を払い済みにするメリット

では、個人年金保険を払い済みにするメリットを見ていきましょう。

主なメリットが、以下の3点です。

  • 払い済み保険への変更後は保険料支払いが不要
  • 主契約の保障は継続する
  • 解約返戻金は予定利率に従い増加する

個人年金保険を払い済みにする最大のメリットは、以降の保険料支払いが不要になるという点です。

保険料支払いが負担になって解約してしまうと、当然老後の保障を受けることはできなくなってしまいます。

しかし、払い済み保険に変更すれば、保険料支払いがなくなっても主契約の保障自体は生きていますので、老後資金の確保が可能となるのです。

払い込みを早く終えられて、その上しっかりと保障は得られるというのは助かります。

払い込みが早く終わったということは、受け取りも早まることになるのでしょうか?

予定より早く保険料の支払いを終えたからと言って、受け取り開始日が早まるわけではありません。

指定日・指定年齢に達するまでは受け取ることができませんので注意しておきましょう。

また、老後資金を確保する方法として、個人年金保険の他に確定拠出型年金(ideco)もあります。

解約返戻金が増えるってどういうこと?

個人年金保険を払い済みにするメリットとして、解約返戻金が増えるという点を挙げました。

解約返戻金が増えるとは、一体どういうことなのでしょうか。

解約返戻金とは

保険契約を解約した場合に払い戻される金額のこと。年数経過に伴い返戻率が上昇し、払込保険料を上回る場合もある。積立型保険でよく見られる。

解約返戻金が設定されている保険では、長く払い込みを続ければ続けるほど返戻金の金額も上昇していきます。

保険を早期で途中解約してしまった場合は、その時点での返戻金を受け取ることになるので払込保険料よりも少額となる、つまり大きく損をする可能性も出てくるわけです。

個人年金保険も、保険料の支払いが厳しいからと言って解約すると損をする恐れがありますが、払い済みにした場合は契約自体は継続するので返戻金も決められた割合で上昇します。つまり、払込保険料より返戻金が高くなるまで待つことが可能なのです。

ただ、払い済みにしても損をするケースもあります。

低解約返戻金タイプや変額保険の場合は、解約返戻金がかなり少なくなってしまう場合もありますので、自分の保険契約内容をしっかりと確認してみることが大切です。

知っておきたい個人年金保険払い済みのデメリット

では、個人年金保険を払い済みにすることでのデメリットを見ていきましょう。

払い済み保険にするデメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

  • 払込総額が一定額に達していないと払い済み保険に変更できない場合がある
  • 受け取ることができる保険金の金額が少なくなる
  • 一度払い済みにした保険は元に戻せない

それぞれのデメリットについて詳しくご紹介していきましょう。

払込総額が一定額に達していないと払い済み保険に変更できない場合がある

保険金を支払わずに保障を確保できる払い済み保険ですが、実は払い済み保険は誰でも、いつでも変更できるという訳ではありません。

保険会社や商品によっては、一定の金額の保険金を払い込まなければ払い済み保険への変更が出来ない場合があるのです。

日本生命の場合をご紹介しておきましょう。

商品名 必要払い込み年金最低額 備考
ニッセイみらいのカタチ
(年金保険)
12万円 税制適格型の場合は
契約日から10年経過している必要がある

色々と条件がある場合がありますので、自分が契約している商品の概要をしっかりチェックしておきましょう。

払い済みにすれば少しの保険料で安心が確保できると思いましたが、やはり最低限の保険料払い込みは必要なのですね。

 

そうですね。契約後数か月だけ払い込んで即払い済みに変更、ということはできません。

基本的に個人年金保険は長期払い込みが前提であるということを忘れてはいけませんね。

受け取ることができる保険金の金額が少なくなる

払い済みにすると、予定よりも少ない保険金払い込み総額となります。少ない金額を払い込んで、当初の予定通りの保障を受けることができれば嬉しいのですが、それなら皆払い済み保険を選択しますよね。

実は、払い済み保険に変更するとそれまで払い込んだ保険料に応じた保障内容に変更されるので、受け取ることができる金額は少なくなってしまうというデメリットがあるのです。

もちろん、受取金額は減っても老後に一定額を受け取ることができるのは魅力ですし、保険料払い込みが終了するというのも大きなメリットです。

払い済み保険変更後の受取金額がいくらになるか、ここをチェックしてから払い済み保険に変更することをオススメします。

一度払い済みにした保険は元に戻せない

一度、個人年金保険を払い済みにしてしまうと、元に戻すことはできません。
 
少し金銭的に余裕ができたので、再び保険料を支払いたい、保障額を増やしたいと思っても、それは出来ないのです。

また、払い済み保険にすると付与されている特約が無くなってしまうことがほとんどです。せっかくの特約が無効となるのは残念ですので、そのあたりも確認しつつ慎重に検討することをオススメします。

個人年金保険の払い済みはデメリットもチェックしてから検討を

個人年金保険は、払い済みにすることでこれからの保険料払い込みがなくなるだけでなく、主契約となる保障はキープできるという点が魅力です。

ただ、得られる保障額が少なくなること、特約が無効となってしまうことなどデメリットもありますし、契約や現時点での払い込み金額によっては払い済みに変更できない場合もあります。

払い済み保険への変更は、メリットだけでなくデメリットもしっかり把握した上で検討するようにしましょう。