NISAでも外国株の売買はできる!運用時の課税と控除の注意点
今回はNISAで外国株の取引をする場合のメリットとデメリット、そして注意点を解説します。
NISA口座でも外国株の売買はできる
NISAの対象となる金融商品とは、上場株式、公募株式投資信託、上場REIT、上場投資信託(ETF)、指数連動証券(ETN)など。
そのためNISA口座でも、外国株の売買はできますし、上限枠内であれば譲渡益に対する税金も非課税になります。
ただし現地の税金だけはNISAとは関係ありません。国内株と外国株の違いをしっかり見ていきましょう。
外国株は課税される?ケースによって異なる税金の仕組み
NISA口座で外国株の取引をする場合、課税されるケースと非課税になるケースがあります。なぜ日本株と違って外国株だけケースバイケースになるのかというと、それは外国株の場合、日本の税金とは別に、現地国の税金を納める必要があるからです。
そのため外国株を購入し、配当金が発生すると、常に現地国の税金分だけ配当金の額が減ることになります。
ただ配当金と違って売却益に関しては現地国でも非課税になることが大半なため、外国株の売買をしている限りにおいては税金がかかることはないでしょう。
外国株の取引をすると何に課税される?
NISA口座で外国株の取引をした時に発生する税金は、配当金への現地国の税金と、為替差益が出た時の税金などになります。
配当金への現地国の税金
外国株を購入し、配当金が出た場合、その配当金に対して現地国の税金が源泉徴収されます。つまり、配当金が発生した時点で既に税金分の金額が引かれているということです。
為替差益が出た時の税金
NISAで外国株の取引をした時にかかる費用というと、現地国の税金以外にも、売買手数料や為替のスプレッドなど、様々なコストがあるので注意しましょう。
外国株の取引を通じて為替差益が発生した場合、この利益に対して確定申告の義務が発生します。
為替差益はNISAの対象外となるため、その利益に対して税金が課されることになります。
NISA口座でも外国税額控除は受けられるのか?
NISAであっても外国株を購入するとなると、現地国の税金を支払うことがわかりましたが、NISAでも外国税額控除を受けられるのでしょうか?
日本と外国それぞれに課税される二重課税の負担を減らすための制度です。確定申告をすることで、外国株の取引で生じた税負担を減らすことができます。
通常の口座ならば外国税額控除を受けられるのですが、NISA口座の場合は外国税額控除は受けられません。
なぜならNISA口座の場合、日本では税金が非課税となり二重課税が発生しないからです。外国税額控除はあくまで二重課税が発生している場合において適用される制度ということ。
とは言え日本の税金は海外の税金よりも高いだけに、たとえ外国税額控除を受けられないとしても、NISA口座で取引をした方が税負担は少なく済むことでしょう。
NISA口座で外国株を売買するデメリット
たとえ外国株の取引であってもメリットの多いNISA口座ですが、それはあくまで利益が出ている限りにおいて言えることです。もしも損失が発生した場合、NISA口座だとむしろデメリットの方が多くなります。
NISAでは「外国税額控除」に加え「損益通算」と「繰越控除」ができません。
その年の利益と損失を相殺することで、課税対象となる所得の額を減らせる制度のことです。損益通算をすると、税金が安くなるなどのメリットがあります。
その年に発生した損失を、翌年以降に繰り越すことができる制度のことです。繰越控除を利用すると、今年の損失を翌年の利益と相殺させることで、翌年の税金を安くすることができます。
このように、節税面でメリットのある損益通算と繰越控除が使えないため、NISA口座で損失が発生したとしても、他の証券会社の口座で発生した利益と相殺ができなくなります。
しかしそのような大損が発生しても、NISA口座の損失は他の証券口座の利益と相殺することができません。
損益通算が出来ない分、外国株に投資をする際には確実なリターンが期待できる配当金狙いの長期投資の方が本来は望ましいということなんですね。
外国株を買うならNISA口座の選び方は慎重に
NISA口座は一人につき一つしか持てません。一旦NISA口座を開設してしまうと、他の証券会社ではNISAを利用できなくなってしまいます。
NISAで外国株を購入するのであれば、外国株の銘柄を多く取り扱っている証券会社がオススメです。
他にも、手数料やキャンペーンなどを比較した上で証券会社を選ぶのがよいでしょう。
米国株だけじゃない!さまざまな外国株
外国株といってもそれぞれ、米国株から中国株、ロシア株、韓国株、アセアン株などがあります。
米国株は人気のある外国株のため、取扱っている証券会社は多いです。ただ中国株などの米国株以外の外国株ともなると、取扱っているかどうかは証券会社によります。
例えばSBI証券ならば、米国株から中国株、韓国株、ロシア株、アセアン株など、様々な国の銘柄を取り扱っています。
NISA口座で外国株の売買をはじめてみよう!
税金がかからない分、通常の口座よりも有利な条件で外国株の売買がNISAならば行えます。
ただしNISAであっても、現地国の税金まで非課税にすることはできません。外国株の取引をする際には、この点に注意しましょう。
確かに現地国の税金こそかかりますが、トータルで比べれば、通常の口座で取引をするよりも、NISAで取引をした方がコストが安くなります。外国株への投資を検討しているのであれば、NISAから始めてみることをオススメします。