株式投資の勉強
株の特定口座と一般口座の違いとは?それぞれの利用メリットを解説!

株の特定口座と一般口座の違いとは?それぞれの利用メリットを解説!

株式投資を始めるためには、株の取引をするための口座の開設が必要です。

証券会社で開設できる口座には「一般口座」と「特定口座」の2種類があります。

今回はこの特定口座とは一体どのような口座なのか、一般口座との違いや開設することで発生するメリット・デメリットを解説します。

特定口座と一般口座の違い

特定口座であろうと、一般口座であろうと、どちらでも株式投資を始められます。取引に関してこの2つの間にこれといった違いはありません。

特定口座と一般口座の違いは、主に税金の納め方となります。

一般口座の場合、確定申告の手続きにあたって、税金の計算をすべて自分の手で行う必要があります。

これは1年間にわたって行われた全取引における利益と損失を計算し、いくら利益を得て、そしていくら税金を納めないといけないのかを、自分の手で計算しないといけないということです。

取引の数量が少ない方であれば、手続きに苦労することはないでしょう。ただしデイトレードやスキャルピングのような、普段より大量の取引をしている投資家の場合、計算量が膨大になります。

しかし特定口座ならば、そのような面倒な計算の作業が不要です。

特定口座には源泉あり・なしの2種類がある

特定口座には「源泉ありの特定口座」と「源泉なしの特定口座」の2種類があります。

源泉ありの特定口座の場合

証券会社が投資家の代わりに税金の計算を行い、納税の手続きをしてくれます。

そのため株式投資で利益が出ても確定申告の手続きが不要となり、簡単に株式投資を始められるのです。

源泉なしの特定口座の場合

1年間の取引の結果をまとめた「年間取引報告書」を証券会社が投資家の代わりに作成してくれます。確定申告をする際にこの「年間取引報告書」を提出することで、簡単に手続きを始められます。

このように特定口座は投資家にとってメリットが多い口座です。株式投資を始める際には、特定口座の開設がオススメですよ。

このように特定口座を利用すると、一般口座と違って税金を納めるための手続きが簡素化されるため、面倒がありません。

特定口座にはメリットしかないように感じられるんだけど、デメリットってあるのかしら?
ええ。残念ながら特定口座にはメリットもデメリットもあります。詳しく解説していきますね。

特定口座のデメリット

源泉ありの特定口座のデメリットは、利益が出るとその都度必ず税金分の利益を引かれることになるため、税金分の利益を再投資に回せないという点です。

仮に税率が20%とした場合、株式投資で10万円の利益を得ても、そのうち2万円が税金として引かれ、残り8万円が口座に残ることになります。

利確したら即税金徴収ってことね!世知辛いわ~。
常に税額分の利益が引かれることになるため、源泉ありの特定口座だと思ったように資産を増やすことができないというデメリットがあります。

このデメリットは、源泉なしの特定口座ならば回避することができます。源泉なしの特定口座の場合、10万円の利益が出れば、そのまま10万円の利益を丸まる再投資に回すことができるため、複利効果の恩恵を受けやすいのです。

ただし確定申告の手続きは自分でやらなければなりません。

源泉ありの特定口座なら扶養から外れることはない

投資による利益が増えると、国民健康保険の金額も高くなるなどのデメリットが生じます。同時に扶養から外れる可能性も出てきます。

しかし源泉ありの特定口座の場合、源泉徴収された利益は所得金額から外れるため確定申告も不要、扶養から外れることはありません。さらに源泉ありの特定口座ならば国民健康保険の金額も上がりません。

そのため扶養のままでいたい場合は、確定申告がない源泉ありの特定口座がオススメとなります。

あのー、一般口座のメリットは?
結論から述べると、一般口座にはメリットらしいメリットはほとんどありません。投資で得た利益を全額再投資に回したいのであれば、源泉なしの特定口座を使用すれば良いだけの話です。

源泉徴収ありで税金を払いすぎてしまった場合

源泉ありの特定口座の場合、利益が出ると所得税と住民税が引かれます。所得控除を受けられる方の場合、源泉徴収時に所得税を払いすぎてしまう可能性があります。

例えば株式投資以外の収入源がない専業主婦の場合、38万円の基礎控除を受けることができます。このケースの場合、38万円以内であれば、株式投資で利益を得たとしても、所得税がかからなくなります。

仮に株式投資で得た利益が20万円ならば、基礎控除の範囲内となるため、本来であれば課税所得は0円となります。

しかし源泉ありの特定口座の場合、基礎控除の有無に関わらず、一律に所得税と住民税を引くことになります。つまり本来であれば払う必要のない税金を払っているということです。

え~!必要以上に税金を支払った場合はどうすれば良いんですか?
余分に税金を払ってしまった場合は、確定申告を行いましょう。確定申告を行うと、払い過ぎた税金を還付金として取り戻すことができます。

初心者には「源泉ありの特定口座」がおすすめ

「一般口座」と「源泉ありの特定口座」、「源泉なしの特定口座」の3つのうち、初心者にもっともオススメできる口座というと、それは「源泉ありの特定口座」です。

専業主婦や学生など扶養を受けている方の場合でも、扶養を外れないためには確定申告がない源泉ありの特定口座を選ぶと良いでしょう。

ただし株式投資で得た利益が20万円を超えない予定ならば、源泉なしの特定口座にすることも考えておきましょう。

投資額が少ないのであれば、少額投資非課税制度の「NISA」や「つみたてNISA」を利用することもおすすめです。

源泉徴収のあり・なしは切り替えられるが、期限あり

口座を開設した後であっても、特定口座の「源泉徴収のあり・なし」は変更することができます。

そのため、最初は源泉ありの特定口座で取引をし、経験を積んでから源泉なしの特定口座に変更することも可能です。ただし「源泉徴収のあり・なし」を変更する場合は、1月1日以降における、最初の売買を行うまでなので注意してください。

株式投資を始めるなら特定口座の利用がおすすめ

これから株式投資を始めるにあたり、どの口座にするかで悩んでいるのであれば、特定口座がオススメとなります。

特定口座ならば、面倒な計算の手続きが不要になります。特に源泉ありの特定口座ならば、確定申告の手続きまでも不要になりますので、税金を納めるための手続きが簡素化されます。

余計な手続きを省き、集中して株式投資をしたいという方にほど、源泉ありの特定口座がオススメになります。ただ、株式投資のやり方に慣れてきて、もっと高い利益を狙いたいという時は、源泉なしの特定口座に変更してみましょう。

源泉なしの特定口座ならば、投資による利益を全額再投資に回せるので、より多くの利益を狙うことができます。

源泉ありの特定口座と源泉なしの特定口座にはそれぞれ一長一短がありますが、どちらも確定申告の手続きが簡単になることに相違はありません。

株の口座を作る際には、一般口座よりも特定口座を選びましょう。