株式投資の勉強

NISAでも外国株の売買はできる!運用時の課税と控除の注意点

NISAといえば、株式投資で得た利益に対する税金が非課税になることで有名な制度です。NISA口座で株の取引をしている限り、上限の範囲内であれば税金がかからないため、通常よりも儲けを多くすることができます。

ただ、株といっても今の時代、日本株だけが取引の対象というわけではありません。外国株も取引の対象です。特に、成長性が高く、高配当が期待できる米国株は、投資家にとって非常に魅力的な外国株です。

NISAで取引をする場合、これらの外国株であっても非課税になるのでしょうか?

今回はNISAで外国株の取引をする場合のメリット、デメリット、そして注意点を解説します。

NISA口座でも外国株の売買はできる

NISAとは、少額投資非課税制度のことで、その主な特徴は金融商品から得た利益に対する税金が非課税になる点です。

株の売却益や配当金に対して、本来であれば約20%の税金が課せられます。しかし、NISA口座で発生した利益に関して言えば非課税となるため、税金を納める必要がありません。税金が非課税になる分、投資家は自由に使えるお金が増えるというメリットがあります。

ただ、NISAといっても、すべての金融商品が非課税の対象というわけではありません。NISAの対象となる金融商品とは、上場株式、公募株式投資信託、上場REIT、上場投資信託(ETF)、指数連動証券(ETN)などです。

このうち、株の売買はNISAに含まれるので、利益が出ても非課税になります。ただ、それは外国株についても同じなのでしょうか?

NISA口座でも、外国株の売買はできますし、譲渡益に対する税金も非課税になります。

もちろん、年120万円の上限枠を超えれば課税されます。NISAで外国株の取引をする場合、上限の範囲内であれば、どれだけ株の売買をしたとしても非課税になります。ただし、すべての税金が非課税になるわけではありません。

外国株を購入する場合、日本の税金は原則非課税になります。ただし、現地の税金はかかるので注意しましょう。

譲渡益は非課税になるっていうけど、譲渡益って何のことなんですか?
今回のケースでは、譲渡益というのは株の売却益のことです。株を売却した時の金額が、購入時の価格を上回っていれば、譲渡益が発生します。外国株の売買で利益が発生しても、NISAなら非課税になるってことですね。

外国株は課税されるのか?

NISA口座で外国株の取引をする場合、課税されるケースと非課税になるケースがあります。なぜ日本株と違って外国株だけケースバイケースになるのかというと、それは外国株の場合、日本の税金とは別に、現地国の税金を納める必要があるからです。

外国株の取引をするケースであっても、NISA口座での取引ならば、原則として日本の税金は非課税になります。しかし、現地国の税金、例えば配当金に課される現地国の税金などは、非課税にはできません。

そのため、外国株を購入し、配当金が発生すると、常に現地国の税金分だけ配当金の額が減ることになります。

ただ、配当金と違って売却益に関しては現地国でも非課税になることが大半なため、外国株の売買をしている限りにおいては、税金がかかることはないでしょう。

NISA口座は、外国株の短期投資には向いていますが、配当金目当ての長期投資には向いていないかもしれません。もちろん、通常の口座であれば、配当金に対して現地国と日本、両国の税金が課されるので、NISA口座で配当金を貰った方が利益率が高いことは言うまでもないでしょう。

外国株の取引で課税されるモノ?

外国株の取引で課税されるモノというと、まず配当金への現地国の税金があります。

外国株を購入し、配当金が出た場合、その配当金に対して現地国の税金が源泉徴収されます。つまり、配当金が発生した時点で既に税金分の金額が引かれているということです。

次に、通常の口座の場合、配当金に対して日本の税金も課税されることになりますが、NISAは例外です。NISAなら日本の税金は課税されないので、通常の口座よりもお得ではあります。

NISAで外国株の取引をした時にかかる費用というと、現地国の税金以外にも、売買手数料や為替のスプレッドなど、様々なコストがあるので注意しましょう。

外国株の取引を通じて為替差益が発生した場合、この利益に対して確定申告の義務が発生します。

NISAで非課税になるのは、あくまでNISAの口座内で発生した利益です。為替差益はその対象外となるため、為替差益で利益が出た以上は、その利益に対して税金が課されることになります。

NISA口座で外国株の取引をした時に発生する税金は、配当金への現地国の税金と、為替差益が出た時の税金などになります。

NISA口座でも外国税額控除は受けられるのか?

外国株を購入し、配当金を受け取ると、現地国と日本でそれぞれ課税されることになります。NISAの場合、日本の税金こそ非課税になりますが、現地国の税金は課税されます。

このように、NISAであっても外国株を購入するとなると、現地国の税金を支払うことになるのですが、NISAでも外国税額控除を受けられるのでしょうか?

外国税額控除とは、日本と外国それぞれに課税される二重課税の負担を減らすための制度で、利用すると一定額の控除を受ける事ができます。

確定申告をすることで、外国株の取引で生じた税負担を減らすことができるのですが、ではNISAの場合はどうなるのでしょうか?

通常の口座ならば外国税額控除を受けられるのですが、NISA口座の場合は外国税額控除は受けられません。

というのも、NISA口座の場合、日本では税金が非課税となるため、二重課税が発生しないからです。外国税額控除は、あくまで二重課税が発生している場合において適用される制度なのです。

では、外国税額控除を受けられないNISAは、通常の口座よりもデメリットが大きいのかというと、そのようなことはありません。

そもそも日本の税金がかかっていないため、税負担が通常の口座で取引をする場合よりも少なく済むからです。

むしろ、日本の税金は海外の税金よりも高いだけに、たとえ外国税額控除を受けられないとしても、それでもNISA口座で取引をした方が、税負担は少なく済むことでしょう。

NISA口座で外国株を売買するメリットとデメリット?

日本株と違い、外国株を売買する場合、NISA口座といえど税金が課税されることがあります。日本の税金こそ非課税で済みますが、現地国の税金ついては非課税にはできないからです。

ただ、現地国の税金が課税されるのは通常の口座であっても同様なため、これに関してはNISA口座を選ぶことで発生する特有のデメリットというわけではありません。むしろ、日本の税金が非課税になる分、NISA口座で取引をした方がメリットが大きいくらいです。

このようにメリットが目立つNISA口座ですが、デメリットも存在します。

NISA口座で取引をする場合は、メリットだけでなく、デメリットにも注意を向けましょう。

現地国の税金がかかるといっても、日本の税金が非課税になるから、やっぱりNISAの方がお得よね。一体どんなデメリットがあるのかしら?
そうですね。非課税になる分、NISA口座を選んだ方が、利益が多くなるのでお得です。ただ、NISAだと損益通算ができないので、損失が発生する場合はNISAだとデメリットの方が目立つようになりますよ。

NISA口座で外国株を売買するメリット

NISA口座で外国株を売買するメリットは、税負担を減らせることです。

例えば米国株を売買する場合、売却益に対して日本の税金20.315%の税金が課税されます。この内訳は、所得税が15.315%、住民税が5%となります。

売却益の場合、米国に限らず、ほとんどの国で課税されないため、税金の支払いは日本の税金だけとなります。

ただし、配当金は違います。配当金の場合、約20%の日本の税金と、米国の税金として10%の課税があります。

確かに米国株の配当金は日本よりも高いことで有名なのですが、いくら配当金が高くても税金が高いと意味がありません。しかし、NISA口座ならば、この税負担を減らすことができます。

NISAなら、日本の税金が非課税になるので、非課税になった分だけ配当金の取り分が増えます。

このように、税負担が減るため、外国株の配当金を稼ぎたいという方ほど、NISA口座はオススメです。

NISAには他にも、非課税になるため、確定申告が不要になるというメリットがあります。

外国株の場合、本来であれば外国税額控除を受けるためにも、確定申告をした方が良いのですが、NISA口座では外国税額控除は受けられないので、どっちにしろ確定申告をする必要はありません。

NISA口座ならば税負担が軽くなるというメリットに加え、確定申告などの手続きが不要になるなどのメリットがあります。

NISA口座で外国株の売買をするデメリット

たとえ外国株の取引であってもメリットの多いNISA口座ですが、それはあくまで利益が出ている限りにおいて言えることです。もしも損失が発生した場合、NISA口座だとむしろデメリットの方が多くなります。

というのも、NISAでは外国税額控除だけでなく、損益通算と繰越控除ができないからです。

損益通算とは

その年の利益と損失を相殺することで、課税対象となる所得の額を減らせる制度のことです。損益通算をすると、税金が安くなるなどのメリットがあります。

繰越控除とは

その年に発生した損失を、翌年以降に繰り越すことができる制度のことです。繰越控除を利用すると、今年の損失を翌年の利益と相殺させることで、翌年の税金を安くすることができます。

このように、節税面でメリットのある損益通算と繰越控除が使えないため、NISA口座で損失が発生したとしても、他の証券会社の口座で発生した利益と相殺ができなくなります。

投資家の中には、証券会社に合わせて口座を使い分けている方もいることでしょう。

例えば、少額の取引は証券会社Aで、高額の取引は証券会社Bで行うといった具合で株の売買をするとします。

この時、証券会社AのNISA口座で100万円の損失が発生したとしても、証券会社Bの口座で発生した利益と相殺することができません。そのため、いくらNISA口座で損失が発生したとしても、証券会社Bの利益に対してそのまま課税されることになります。

仮にNISA口座の損失が50万円、通常口座の利益が50万円だった場合、損益通算ができれば税負担は0円となります。しかし、実際には損益通算ができないため、利益50万円に対して約20%の税金がかかることでしょう。

外国株の中には、日本の株以上に価格変動が大きい株もあります。特に米国株ともなると、資金の流れが大きい分、価格も大きく変動するものです。価格変動率が高いと、たとえ取引回数が少なかったとしても、大損することがあるでしょう。

しかし、そのような大損が発生しても、NISA口座の場合、他の証券口座の利益と相殺することができません。

損益通算が出来ない分、外国株に投資をする際には確実なリターンが期待できる配当金狙いの長期投資の方が本来は望ましいです。

ただ、NISA口座にはそもそも期限が存在します。

NISAには期限がある!非課税期間とは?

NISAの非課税期間は最長で5年です。たとえロールオーバーをしたとしても、2023年までしかNISAは利用できません。(2018年7月20日時点)

NISA口座で外国株の配当金を狙おうと思っても、非課税になる期間はそれほど長くはないため、思ったほど大きなリターンはNISAでは狙えないでしょう。

NISAのメリットを最大限に活かすためには、出来るだけ早めにNISA口座を開設し、早々に配当利回りの高い外国株を購入するに尽きます。

NISAは恒久的なサービスではありません。期間限定の制度です。NISA口座の開設が遅れれば遅れるほど、NISA口座を利用することで受け取れたはずの利益を逸失することになるでしょう。

税負担を減らした状態で、外国株の高配当を受け取りたいと思うのであれば、できるだけ早めにNISA口座を開設しておいた方が良いでしょう。

NISA口座の選び方

どこの証券会社を選んだところで、NISA口座で取引をしている限り、税金は非課税となります。では、NISAを始めるにあたって、証券会社はどこでも良いのかというと、そのようなことはありません。

まず、NISA口座は一人につき一つしか持てません。一旦NISA口座を開設してしまうと、他の証券会社ではNISAを利用できなくなってしまいます。

それだけに、NISA口座を開設する際には、よく慎重に証券会社を選びましょう。

特に外国株を選ぶのであれば尚更です。いくら外国株に投資したいと思ったところで、取扱っている外国株の銘柄の本数が少ないと、投資したい外国株を購入することもできないでしょう。

NISA口座で外国株を購入するのであれば、外国株の銘柄を多く取り扱っている証券会社がオススメです。

他にも、手数料やキャンペーンなどを比較した上で証券会社を選びましょう。

確かにNISAならば税金は非課税となります。しかし、売買手数料まで無料になるわけではありません。せっかく非課税になっても、手数料が高いと意味がないです。

できるだけ低コストな証券会社を利用したいなら、手数料が安い証券会社を選択しましょう。

取扱銘柄が多く、手数料が安い証券会社がNISAを始めるにあたってオススメとなる証券会社です。

外国株といっても色々あるけど、どこがオススメのなのかしら?
そうですね。人気のある外国株というと、やはり米国株ですね。米国株の中には世界的に有名な大企業もあるので、安心して投資ができますね。配当利回りが高い株も多いので、配当金を稼ぎたいという方にほど米国株はオススメですね。

証券会社によってNISA口座で買える外国株に違いはある?

NISA口座であっても、外国株を購入することは可能です。ただし、流石に証券会社が取り扱っていない銘柄は購入できません。

そのため、外国株をNISA口座で購入しようと考えた場合、購入したい外国株を取り扱っている証券会社を利用する必要があります。

外国株といってもそれぞれ、米国株から中国株、ロシア株、韓国株、アセアン株などがあります。

米国株は人気のある外国株のため、取扱っている証券会社は多いです。ただ、中国株などの米国株以外の外国株ともなると、取扱っているかどうかは証券会社によります。

米国株だけでなく、他の国の外国株にも興味があると言う方の場合、米国株以外の外国株も取り扱っている証券会社がオススメとなります。

例えば、SBI証券ならば、米国株から中国株、韓国株、ロシア株、アセアン株など、様々な国の銘柄を取り扱っています。SBI証券のNISA口座ならば、多種多様な外国株に投資することができるでしょう。

NISA口座で外国株を売買する時の注意点

NISA口座で株の売買をする場合、以下の注意点に気を付けましょう。

まず、日本株と違って、外国株の場合は現地国の税金がかかるので注意してください。

外国株の取引をする場合、この現地国の税金以外にもかかる費用があります。例えば、売買手数料や為替のスプレッドなどがまさにそれです。

せっかくNISA口座で取引をし、日本の税金を非課税にできても、手数料などのコストが高いと意味がありません。NISA口座を選ぶ際には、銘柄だけでなく、手数料にも注意しましょう。

さらに、外国株への投資は常に慎重に行ってください。

日本株と違って、外国株は情報の入手が難しいです。どの株に投資をすれば良いのか、素人目にはなかなか判断ができません。

もしもどこの外国株に投資をすれば良いのかで悩んだら、海外ETFを利用すると良いかもしれません。

海外ETFならば、初心者であっても悩むことなく、簡単に海外に投資ができます。

外国株って手数料が高いのね。どれくらいかかるのかしら?
外国株の手数料は証券会社によってそれぞれ異なります。ただ、どこを選んでも高くなる傾向があります。最低手数料も500円以上かかることが多いので、日本株より高いですね。

NISA口座で外国株の売買をはじめてみよう!

NISAで非課税になる対象は日本株だけではありません。外国株であっても、非課税で取引することができます。

税金がかからない分、通常の口座よりも有利な条件で外国株の売買がNISAならば行えます。

ただし、NISAであっても、現地国の税金まで非課税にすることはできません。外国株の取引をする際には、この点に注意しましょう。

確かに現地国の税金こそかかりますが、トータルで比べれば、通常の口座で取引をするよりも、NISAで取引をした方がコストが安くなります。外国株への投資を検討しているのであれば、NISAから始めてみることをオススメします。