お墓・葬送

お墓に名前を入れるには?墓石の戒名彫りの費用と手順を徹底解説!

戒名とは仏教において受戒した者に与えられる名前であり、仏門に入った証となります。その戒名を誰が納骨されているか分かるようにお墓に彫っておくことを「戒名彫り」といいます。

今回はお墓に名前を入れたときにどのくらい費用がかかるのか・名前を彫らなくても良いのかなどの疑問を解決できるように詳しく説明していきます。お墓のデザインを気にしている人は文字の色の意味についてもチェックしてみてください。

お墓の戒名彫りが初めての人にもわかりやすいよう、初心者向けにやさしく解説していきますのでぜひ参考にしてみてくださいね。

お墓に名前を入れるときの費用の相場は2万円〜5万円

お墓に名前を入れる費用は、最初に墓石の代金を支払うときに含まれていることが多いのでなかなかわかりづらいですよね。

墓石に故人の名前を彫る費用は2万円〜5万円が一般的な相場です。

この費用は文字数や装飾によっても異なります。

文字数はそんなに変わるものかしら?
名前か戒名か、没年月日を彫るかによっても異なりますね。お墓に名前を彫るときの名前は一般的に「戒名」です。戒名がない場合は「俗名(生前の本名)」を彫ります。
戒名の例
男性 道号+戒名+居士(位号)
女性 道号+戒名+大姉(位号)

キリスト教徒の場合は「洗礼名・世俗の氏名」が彫られることが多いです。

ちなみに名前や戒名は絶対に彫らなければいけないのですか?
一般的には彫りますが、名前は必ず彫らなきゃいけないものではありません。代わりに座右の銘や好きな文学作品の一節を入れる人もいます。

ただしお寺のお墓に入る場合は必ず戒名が必要となります。

戒名がない場合は戒名をもらって再び葬儀を行ってからでないと入れない可能性もあるので注意しましょう。

名前は墓石の右側面に彫ることが多い

名前を彫る位置は特に決まっていませんが、墓石の面に対して何が彫られるかはおおよその決まりがあります。

棹石の正面 家名・題目・言葉
右側面 戒名・没年月日
左側面 建立年月日・建立者名
裏面 建立者名

戒名や没年月日はお墓の右側面に彫られることが多いです。

先祖代々の戒名や没年月日を彫っていくと彫るスペースがなくなったりしないのですか?
墓石にスペースがなくなるときには、墓誌を新たに建ててそこに彫っていくのもひとつの方法です。

墓地のスペースが狭くて「墓誌」を作るのが難しいという人は、新しく竿石を作りなおす方法もあります。ただし、魂抜きや魂入れの法要を再び行う必要があるので費用と手間がかかってしまいます。

建て替える場合は、彫刻に故人の名を入れるのではなく「〇〇家代々之墓」など彫刻しておくことで、また建て替えなければいけないという必要がなくなるでしょう。

なお費用の相場は「墓誌を新たに建てる場合は5万円〜20万円」、「墓誌に追加で名前を彫刻する場合は1人3万円〜5万円」となっています。

戒名彫りは納骨式までに済ませよう

基本的にお墓に名前を彫る時期は決まっていませんが、一般的には納骨式までには彫刻を済ませます。

ただし彫刻は依頼したらすぐにできるものではないので、依頼するタイミングも重要です。

納骨式までに完成するためには何日前から依頼するのが良いでしょうか?
1カ月前には依頼しておきましょう。納骨式まで余裕がないと石材店も困ってしまいます。
石材店は名前を入れるとき、まず原稿を用意します。文字の大きさや書体の確認が終わったら、下書きのゴム板を作成してゴム板を墓石にセットして、彫刻に取り掛かります。こだわりのある彫刻であれば、数週間かかってしまうケースもあるのです。

また霊園やお寺が石材店を指定する場合があるので確認しておきましょう。指定している石材店がないのであれば自由に石材店を選ぶことができます。新しく建てる場合は墓石を注文している石材店に依頼するとスムーズですよ。

文字の色は何色にするべき?実はそれぞれ異なる色の意味

お墓に使用される文字色は以下の基本の5色です。

仏陀の歯。黒同様よく使われる文字色。経年劣化で汚れが目立ってしまうことがデメリット。
黒(紫) 仏陀の袈裟。黒御影石などの黒っぽい墓石以外ではよく使われる色。
仏陀の体。文字を強調したいときに利用されることが多い。
仏陀の血液。生きているうちに自分や家族が入るためのお墓を建てるときに使用されることが多い。
青(緑) 仏陀の頭髪。お墓の色や位置、形などを意識して建てられた墓相墓に多い。

他にもグレーや金色、文字色を付けないという選択肢もあります。

お墓の名前彫りは早めから考えておきましょう

墓石に彫る名前は納骨式までに間にあわせる必要があります。そのため早い段階からどんな文字を彫るのか考えておきましょう。

文字の色には特に決まりはありませんが、赤色は生きている人が生前墓を建てたときに使用する色と言われているため、実際に入るときには白色に変えるということもあります。故人の供養になるような色を選択するのがおすすめです。

お墓は故人のためのものなので、生前にどんなお墓にしたいのかなど詳しく決めておくのも良いでしょう。墓石の材質やデザインだけではなく、名前の彫刻についてもしっかりと考えてみてくださいね。