就業不能保険はいらない?いる?分かりやすく解説
生きていく中で、どうしても不安になるのが【万が一のときの生活】ですよね。病気やケガによって入院や通院が必要になったとき、もちろん医療保険に入っていればある程度の費用カバーは可能です。
ただ、医療保険だけでは生活費までをカバーすることは困難となります。そこで最近注目されているのが、就業不能保険です。就業不能保険は本当に必要なのか、どのようなメリット・デメリットがあるのか、詳しく解説していきましょう。
就業不能保険って何?
まずは、就業不能保険について基本的な情報を確認しておきましょう。
働けなくなったときに一定の金額が支払われるというもの。病気やケガが原因で働けなくなった場合に適用される。
契約者が死亡した際に遺族への収入保障金が支払われるのが収入保障保険、契約者が働けないことで自分で保険料を受け取るのが就業不能保険ですね。
就業不能保険は、万が一のときの生活費を保障するものとして注目されている保険なのです。
就業不能保険について興味がある方はこちらをチェック!
就業不能保険は生活費が保障されるのが最大のメリット!
では、就業不能保険にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
もちろん、就業不能保険最大のメリットは、病気やケガで長期療養が必要、または働けない状況になった時に毎月一定の金額を得ることができるという点です。
しかし、他にも就業不能保険のメリットはあります。どのようなメリットがあるのか、チェックしておきましょう。
- 一定の金額を長期間受け取ることができる
- 介護医療保険料控除の対象
それぞれのメリットについて解説していきます。
一定の金額を長期間受け取ることができる
就業不能保険は、契約時に毎月いくら受け取るかを決めます。その金額に応じて払い込む保険料が設定されるのです。
つまり、就業不能保険は万が一働けなくなったときに毎月いくら受け取ることができるかが確定しているという安心が魅力だと言えます。
また、就業不能保険は60歳や65歳といった決められた年齢までずっと継続してもらい続けることが可能です。
他の保険制度の場合、最長2年間などの制限がある場合もあるのですが、就業不能保険は指定年齢までは一定の金額を毎月確実に受け取ることができます。
この金額は自分で決められるのかしら?
10万円、15万円、20万円など、いろいろ設定できる商品が多いですから、まずは就業不能時に毎月いくら必要になるかを計算しておくと良いですね。
介護医療保険料控除の対象
実は、就業不能保険による保険金については、介護医療保険料控除の対象となっています。
介護医療保険料控除金額は最高40,000円までで、この金額は就業不能保険と他の介護保険料が合算された上での上限となります。
知っておくべき就業不能保険の3つのデメリット
働けなくなったときに給与収入のように毎月一定額を得られる就業不能保険ではありますが、実はデメリットもあります。それが、以下の3点です。
- 就業不能となっても保険料支払いが免除にならない商品がある
- 対象外となる事象がある
- 公的制度だけで十分な場合もある
では、これらのデメリットについて1つずつ詳しく見ていきましょう。
就業不能となっても保険料支払いが免除にならない商品がある
就業不能保険は、働けなくなったときに一定の金額を得ることができるという保険ですが、実は保険料の払込については就業不能時に免除となる商品と払い続けなければいけない商品があります。
せっかく毎月一定額を得られるようになったのに、そこから保険料を支払わなければいけないというのは少し損な気がしませんか?
就業不能保険には、就業不能と認定されれば保険料の支払いが免除となる商品があります。就業不能保険を選択する際には、保険料の払い込みが免除となるかどうかもチェックしておきたいですね。
対象外となる事象がある
実は、就業不能保険のほとんどは、少なくとも6月以上就業できないと判断された状態になってからでなければ給付の対象にはなりません。
また、就業不能と言ってもその原因が精神性疾患やリストラの場合は、給付対象外となるという点も覚えておきましょう。
就業不能保険におけるうつ病などの精神疾患の扱いが知りたい方は、こちらの記事をチェックしてください。
給付までの時間が長くかかること、軽度障害や短期の療養では対象外となってしまうということは、しっかりチェックしておきたいですね。
公的制度だけで十分な場合もある
決して安くはない保険料を万が一の時のためにわざわざ支払い、結果的に公的制度で十分だったということになれば残念ですよね。
公的保障制度をチェックして十分なようであれば検討を見送る、というのも1つの方法です。
でも、実際いくらぐらい出るの?条件って厳しかったりする?
働けなくなったときに使える公的保障をチェック
では、就業不能となった場合、国や自治体が行っている公的保障制度にどのようなものがあるのかをチェックしてきましょう。
主な制度としては、以下のものが挙げられます。
- 傷病手当金
- 特別障害者手当
- 重度心身障害者手当
では、それぞれ受け取ることができる金額について見ていきましょう。
傷病手当金 | 特別障害者手当 (国の制度) |
重度心身障害者手当 (国の制度) |
---|---|---|
給与の3分の2 | 月額26,940円 | 月額60,000円 |
このように、公的制度だけでも給与分ほどの金額が保障される場合もあります。
公的制度には、国の制度だけでなく各地方自治体が行っている制度もあり、国の保障に上乗せして受け取ることが可能です。
足立区を例に紹介しましょう。
手当名 | 金額 |
---|---|
障害者福祉手当 (足立区の制度) |
●身体障害者手帳1級2級・愛の手帳1度2度3度 …月額15,500円 ●身体障害者手帳3級・精神障害者保健福祉手帳1級 …月額4,000円 |
病気で働けなくなったときに使える公的制度について更に詳しく知りたい方には、こちら知らなきゃ損!病気で働けないときに受けられる公的保障制度の記事がオススメです。
病気やケガの程度によっては利用できない制度もありますので、まずはどのような公的制度があるのかをしっかりと把握しておくことが大切です。
あ、でもこれ自営業者の場合はどうなりますか?
自営業者の方は、そこも踏まえて貯蓄などの対策を考える必要がありますね。
就業不能保険は独身者には不要!?オススメなのはこんな人!
就業不能保険のメリット・デメリットについてご紹介してきましたが、どのような人に就業不能保険は向いているのでしょうか。
先ほども紹介した通り、会社員の場合は健康保険から傷病手当金が支給されるため、一定期間は給与の3分の2が保障されます。これと公的制度だけで十分だと思えば、終業保険は不要です。
また、独身者の場合は扶養する家族がいない分、必要となる生活費の金額が抑えられます。入院などの医療費は医療保険から捻出し、就業不能時には公的制度で生活費を補うと考えることもできますね。
一方で就業不能保険がオススメの方もいます。それが、以下の条件を満たす方です。
- 家族の生活費を確実に確保したい
- 自営業者で公的制度だけでは不安がある
貯蓄が十分ある、公的制度で十分、扶養する家族がいないといった場合は、就業不能保険はそこまで必要正を感じないかもしれません。
ただ、傷病手当金が出ない自営業者や、公的制度だけの金額では不安があるという人は、ぜひ一度就業不能保険を検討してみてほしいですね。
就業不能保険は公的制度を使っても不安にオススメ
就業不能保険なしでも生活費を賄える場合は、特に就業不能保険を検討する必要はありません。ただ、就業不能保険があった方が安心できる、公的制度だけでは不足する場合には、就業不能保険はおすすめです。
まずは、就業不能となった場合にいくら受け取ることができるのか、いくら不足するのかをしっかりとシミュレーションしてみることが大切ですね。
同じものだと考えて良いのかしら?