
終身保険とは?加入のメリットとデメリットをわかりやすく解説!
「終身保険という名前は聞いたことがあるけれど、実際にはどのような内容の保険なのかわからない」という方、実は多いのではないでしょうか。
終身保険とは、死亡保険に貯蓄性がプラスされている保険のこと。掛け捨ての保険とは異なり、途中解約した場合にも「解約返戻金」としてお金が戻ってきます。
貯蓄することが苦手な人には向いている保険ですが、掛け捨てよりも保険料が高いうえ保障額が低いことが特徴。そのため、できる限り保険料を安く抑えたいという人には向いていません。
老後の資金が気になる方、親の老後が気になる方にも、終身保険とはなにかわかりやすく説明していきます。
知らないと損!終身保険の内容や特徴とは
終身保険とは、死亡保険に貯蓄性がプラスされている保険のこと。
死亡した際に必ず保険金がもらえるのはもちろんですが、解約しない限り死亡するまで保障が一生涯続きます。また途中解約すると「解約返戻金」としてお金が戻ってくるのが特徴です。
終身保険を途中解約した際に戻ってくるお金のこと。保険期間が長くなればなるほど、解約返戻金の返戻率は上がります。
満期を迎える少し前に、支払った保険料よりも解約返戻金の方が高くなるのが一般的です。
また死亡保険には次の2種類あります。
- 終身保険のような「積み立て型」
- 定期保険のような「掛け捨て型」
「保障が一生涯続くのか、10年や20年といった決められた期間なのか」という点も異なりますよ。
積み立て型の場合には先ほど説明した解約返戻金という制度があり、途中解約しても支払った保険料がある程度は返ってきます。
ですが掛け捨て型の場合、契約期間内に死亡してしまった場合には保険金がもらえるものの、生存したまま満期を迎えると保険金をもらうことはできません。
そのため支払った保険料は掛け捨てとなり戻ってくることはなく、損だと感じる人も多いのが特徴です。
一方で終身保険はその名の通り解約しない限り保障が一生涯続く保険です。ですが、定期保険の場合、10年や20年というように保険の期間が決まっています。
決められた期間が終わっても自動更新となる保険が多いものの、保険を更新する際には保険料が値上がりする場合がほとんどです。
終身保険と定期保険のどちらに加入しようか悩んでいるという人は、次の記事も参考にしてみてくださいね。
終身保険のメリットとデメリットは?迷っているあなたに教えたい!
終身保険も選択肢に入れている方にぜひ知っておいてほしいのが、終身保険のメリットとデメリット。終身保険についてより詳しく知り、自分にとって終身保険が本当に必要なのか考えていきましょう。
終身保険のメリットはこの3つ!
- 支払う保険料が変わらない
- 解約返戻金がある
- 相続税対策になる
終身保険は支払う保険料はずっと変わりません。そのため支払い計画が立てやすい保険といえます。
加えて終身保険には先ほど説明した解約返戻金があるのも大きな特徴。そのため、終身保険を学資保険として利用する人も増えています。
いくら貯蓄性があるとはいっても、学資保険の代わりにならないのでは?
学資が必要な時期で終身保険を解約すれば、保険料を上回る解約返戻金をもらうことができるケースも。そのため終身保険を選ぶ人も増えているんですよ。
学資保険の返戻率は以前と比較すると下がりましたね。そのような背景もあり、終身保険で学費を貯める人も増えているのですよ。
学資保険は途中で一定の金額だけを引き出すということはできません。ですが、終身保険ならば必要な金額だけを解約返戻金として受け取ることもできます。
学費を貯めておきたい人は終身保険も考慮してみましょう。
学資保険については「学資保険とはどんな保険?必要性や加入にまつわる疑問を解決!」の記事でも詳しく取り上げています。
また、終身保険は相続税対策にもなります。
それなら、親にも教えとかないと!
本来ならば、相続税がかかる場合でも終身保険をかけていれば相続税がかからなくできる可能性もあるんですよ。
将来の相続税が心配という方にも、終身保険はおすすめの保険といえます。
見逃せない!終身保険のデメリットはこの3点
終身保険には、デメリットももちろん存在します。終身保険のデメリットはこの3点です。
- 早期解約すると損をする
- 定期保険よりも支払保険料が高い
- 保険の見直しを行いづらい
終身保険は満期近くまで支払いを続けていれば、支払保険料よりも多い額の解約返戻金を受け取ることが可能です。ですが早期に解約すると返戻率が低いため、ほとんどの場合で元本割れを起こします。
終身保険と定期保険を比較すると、貯蓄性がプラスされている分保険料は終身保険の方が高くなります。
そのうえ、保障額も定期保険の方が高く、保障の部分だけを考慮すると定期保険の方がお得といえるのも事実です。
終身保険の加入を考えるときは慎重に
終身保険は一生涯保障が続く保険。そのため、保険料を払い込む期間は長くなりがちです。
保険料の支払期間が長いということは、返戻率が悪い時期も長いということ。となると、解約しても損をする時期が長いということになります。
そのため終身保険は一度加入すると保険の見直しをしにくい保険です。終身保険に加入する際には定期保険を契約する際よりも慎重に行うといいでしょう。
みんな意外と知らない?終身保険の種類と選び方
終身保険は、保険料の支払い方や返戻金の割合、積み立てるお金の種類などによって、さらに5種類もの保険に分かれます。
- 一時払い終身保険
- 低解約返戻金型終身保険
- 積立利率変動型終身保険
- 変額終身保険
- ドル建て終身保険
それぞれの特徴と向いている人について説明していきます。選び方を学び、自分に合った終身保険を選んでみましょう。
相続税対策を考えているあなたにピッタリ!一時払い終身保険
「一時払い終身保険」とは、終身保険の保険料を一括で支払ってしまう保険のこと。
終身保険の保険料は決して安くなく、数百万単位であることがほとんどです。そのため「退職金が出てまとまったお金が手に入った方」などに適している方法といえます。
「相続税がかかるのでは…」と心配になっている方も一時払いで終身保険に加入しさえすれば、上限はあるものの相続税が非課税となる可能性があります。「相続税の心配をしている方」にも終身保険はおすすめなんですね。
保険料を安く抑えたい!そんなあなたには低解約返戻金型終身保険
最近増えつつある終身保険が「低解約返戻金型終身保険」。
保険料の払い込みが終わるまでの返戻率が通常の終身保険より低くなっている終身保険。
保険料の払い込みが終わると返戻率は急激にアップし、最終的な返戻率は通常の終身保険よりも高くなります。
低解約返戻金型終身保険のメリットは、支払う保険料が安いことと最終的な返戻率が高いこと。対するデメリットは、早期解約すると通常の終身保険よりもさらに返戻率が低いという点。
つまり低解約返戻金型終身保険に加入する場合には、払い込みが終わるまでは保険料を払い続ける覚悟を持って契約をする必要があります。
「とにかく支払う保険料を安く抑えたい」という方におすすめの保険です。
インフレにも対応可能!積立利率変動型終身保険を解説!
「積立利率変動型終身保険」とは、市場の金利や景気に応じて積立利率が変わる終身保険のこと。インフレにも対応できる終身保険です。
同じ1,000円でも、コーヒー1本100円のときと1本150円のときではお金の価値が変わりますよね。
インフレになるとお金自体の価値は下がってしまいます。
インフレになってしまった場合にも、長期間同じ利率で終身保険を掛けていると受け取る保険金の価値が下がってしまうということも起こりえます。そのようなインフレの場合に備えるのが、積立利率変動型終身保険です。
しかしインフレになってこそ力を発揮できるのが積立利率変動型終身保険。逆に物価が下がるデフレになってしまうと、利率は最低の基準となり最終的に積み立てられる保険料も通常の終身保険よりも安くなります。
「将来のインフレに備えたい」という方におすすめの保険です。
多少のリスクは構わないなら変額終身保険がおすすめ!
もらう保険金の一部が資産運用される終身保険のこと。資産運用の結果によってもらえる保険金や返戻金が増えるのか減るのか決まります。
最低保障もあるため、保険金をまったくもらえないということはありません。投資性の高い多少のリスクも伴う終身保険と考えておくとよいでしょう。
「保険金が増える可能性があるならば、多少のリスクはあっても構わない」という方におすすめの終身保険です。
返戻率の高さが一番という方に!ドル建て終身保険とは
返戻率の高さを重視する方におすすめしたいのが、「ドル建て終身保険」。日本円で終身保険を積み立てるのではなく、ドルなどの外貨で終身保険の積み立てを行います。
通常の終身保険と比べて返戻率が高いことが魅力で、円安ドル高の際に解約すれば保険金をより多く得ることが可能です。
しかし逆に円高ドル安となってしまった場合は保険金が少なくなるため、為替リスクのある商品だと考えておきましょう。
「投資の一部として終身保険を考えている」という方には、ドル建て終身保険はおすすめです。
自分に合った終身保険を選ぶのが大切!
税金対策にもなるため相続税対策として加入する、途中解約し学資保険として利用するなど、様々な年代の人の用途に応じて様々な対応ができる保険です。
支払う保険料が安い低解約返戻金型終身保険など、終身保険も種類が増えつつあります。終身保険について理解を深め、自分に最適な終身保険を見つけましょう。