
つみたてNISAのおすすめ商品は?銘柄を選ぶポイントを解説
同じNISAでも、つみたてNISAには一般のNISAにはない魅力があります。
つみたてNISAで資産運用を始めると、運用益が発生しても非課税となります。税金が安くなる分、投資効率が上がるため、普通に積立をする以上のリターンが期待できます。
それに加え、つみたてNISAは一般NISAと違い、最長で20年間もの長期にわたって非課税にできるという利点があります。まさに老後の資産を作るにあたって非常に役立つ制度です。
ただ、長期にわたって税金を非課税にできるつみたてNISAを始めたところで、銘柄選びに失敗してしまうと意味がありません。つみたてNISAで資産運用を始めるなら、どのような商品を選べば良いのか悩む人も多いでしょう。
今回は、つみたてNISAで投資可能な商品の中で、一体どれに投資をすれば良いのか、おすすめの銘柄について解説します。
つみたてNISAの投資対象とは?
上限こそありますが、税金が非課税になるつみたてNISAは非常にメリットの大きい制度です。まだ投資を始めたばかりで、少額での運用しかしていないという方からすると、利益のほとんどが非課税になるでしょうから、その恩恵を最大限に享受できるでしょう。
ただつみたてNISAで投資できる対象は決まっており、金融庁が指定した条件をクリアし、認められたファンドのみとなります。
たとえ条件をクリアしていたとしても、金融庁が認めていないファンドには投資ができません。この金融庁が認めているファンドの一覧は、ネット上で公表されているので、いつでも確認することができます。
金融庁が提示する条件とは?
つみたてNISAの投資対象は、金融庁が定めた条件をクリアできる投資信託やETFに限られるのですが、それはそもそもどのような条件なのでしょうか?
金融庁は「ファンドの種類によって信託報酬に上限を設けるなどの条件」を課しています。
信託報酬 | |
---|---|
国内のインデックスファンド | 0.5%以下 |
海外のインデックスファンド | 0.75%以下 |
国内のアクティブファンド | 1%以下 |
海外のアクティブファンド | 1.5%以下 |
このように、ファンドの種類に応じて信託報酬に上限を設けている他にも次のような条件が共通してあります。
- 運用期間が無期限もしくは20年以上
- 毎月分配型ではない
- ヘッジ目的以外のデリバティブ取引による運用を行っていない
- 購入手数料無料
これらの条件をクリアしている上で、金融庁が認可した投資信託のみがつみたてNISAの対象となります。
ポイントは「低リスクであること」と「、長期投資向きの投資信託であること」です。
なぜ金融庁はこの条件に絞り込んだのか?
金融庁は投資初心者であっても安心して資産形成をしてもらいたいという想いから、つみたてNISAの投資対象にはそれに相応しい条件を課しています。
実際つみたてNISAの投資対象というと、運用コストが安く、インデックスファンドのようなリスクの低い投資信託ほど条件がクリアしやすい内容となっています。
インデックスファンドは、指数と連動する動きをするという特徴を持っている他、運用コストが安いという利点があります。
そのため初心者であってもインデックスファンドなら余計なリスクを背負わず、気楽に運用することができます。
投資で成功すると資産を増やすことができます。しかし失敗すると元本割れを起こす恐れがあります。
それだけに初心者ほど銘柄選びに躊躇するものです。しかしつみたてNISAならば、金融庁が厳選した商品だけを選べるので、初心者でも迷うことなく安心して運用を始められます。
金融庁の条件をクリアした投資信託であれば、低コストでそして低リスクな資産運用を始められるでしょう。
投資信託の種類とは?
つみたてNISAの投資対象は、確かに金融庁の条件をクリアした投資信託とETFだけなのですが、それでもその種類は多く様々な銘柄が存在します。投資信託やETFにはどのような種類があるのでしょうか?
投資信託の種類というと、インデックスファンドやアクティブファンド、バランスファンドなどがあります。
さらにETFもありますがつみたてNISAで取引をする場合、投資信託とETFではそれほど大きな違いは生じません。
- インデックスファンド
- アクティブファンド
- バランスファンド
- ETF
インデックスファンドとは?
特定の指標(インデックス)と連動した値動きをする投資信託のことです。
指標というと、例えば日経平均株価やNYダウなどがあります。インデックスファンドはこれらの指標と同じ値動きをするため、価格の動きがシンプルで読みやすいなどの特徴があります。
インデックスファンドは、この特定の指標と同じ値動きをするという特徴があるだけに、その指標の価格が上昇するとインデックスファンドも値上がりしますし、反対に指標が値下がりするとインデックスファンドの価格も値下がりする傾向があります。
それどころか、ファンドが複数の銘柄に投資をすることで、分散投資まで同時にできるなどの利点があるほどです。
インデックスファンドは、特定の指数に連動するという簡単な仕組みで作られたファンドということもあってか、手数料が安いです。特につみたてNISAの対象銘柄はどれも購入手数料が無料で、信託報酬も安いので、より低コストな運用ができるでしょう。
アクティブファンドとは?
それぞれのファンド独自の運用方針を基に資産運用をする投資信託のことです。
指標に連動するインデックスファンドとは対照的なファンドで、優秀なファンドマネージャーのいるファンドともなると、非常に高いリターンを期待できます。
市場の平均以上の利益を追求する投資信託となりますので、成功するか否かはファンドの方針や手腕にかかっています。そのため、コストが高くなりやすく、信託報酬も高めです。
つみたてNISAでも、アクティブファンドはインデックスファンドと比べ、信託報酬が高めに設定されています。
ただし、アクティブファンドといっても、すべての信託報酬が高いわけではありません。中には信託報酬が安いアクティブファンドという例外もあります。
運用成績が良く、なおかつ信託報酬も安いアクティブファンドを見つけることが出来ると、インデックスファンド以上の成果を期待できるでしょう。
バランスファンドとは?
一つの投資信託に対して複数の資産がバランスよく配分されている投資信託のことです。
株や債券、不動産など、種類が異なる様々な資産に投資をしているという特徴がバランスファンドにはあります。
バランスファンドのメリットというと、資産を複数に分散することで価格変動リスクを下げることができる、そして分散投資が簡単にできるなどの利点があります。
リスク分散に重点を置いている投資信託となるため、低リスクな運用に向いています。なにより、ファンドが自動的に資産のリバランスを行ってくれるので、自分で運用をするよりもはるかに楽な資産運用ができます。
ただし信託報酬が少し高めになることが多いので注意しましょう。
ETFとはリアルタイムな価格で売買ができる投資信託
ETFとは上場投資信託のことで、株と同じようにリアルタイムな価格で売買ができる投資信託となります。ETFの場合、上場しているということもあってか、信用売りもできるなどの利点が本来はあります。
ただしつみたてNISAの場合、運用方法が積立方式のみとなりますので、株のデイトレードのような短期売買に向いていません。つみたてNISAは長期投資向きの制度のため、ETFの信用売りができるという利点は活かせないのです。
他にもETFは投資信託よりもコストが安いなどの利点が本来はあるのですが、つみたてNISAの投資信託は金融庁の条件があるため、どれも信託報酬が安く、ETFとそうでない投資信託との間に費用面での違いはほとんどありません。
つみたてNISAで取引をしている限りにおいて、ETFと投資信託との間にこれといった相違点は特にないので、どちらも同じようなものだと考えて取引できます。
つみたてNISAでおすすめな商品
つみたてNISAで選べる商品は、どれも金融庁の条件をクリアした商品のため、とりたてて危ない銘柄というのはそう滅多にないです。
どんな金融商品にもリスクはあるので絶対に安全とは言い切れませんが、それでも他のハイリスクな金融商品と比較すれば、つみたてNISAで選べる商品はどれもコストが安く、そして低リスクです。
ただ、それでもつみたてNISAで選べる商品の数は非常に多く、どれを購入すれば良いのかで迷いやすいです。
そこで今回は、つみたてNISAでおすすめできる商品を3つ紹介します。
- ひふみプラス
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
- ニッセイ外国株式インデックスファンド
ひふみプラスの特徴
ひふみプラスといえば、アクティブファンドでありながら、手数料が非常に安い低コストな投資信託として人気があります。
投資対象は国内外の上場株式で、ひふみプラス独自の視点で銘柄の選定を行います。
ただでさえコストが安いひふみプラスは、ここ数年において基準価額が右肩上がりに上昇している銘柄でもあります。
2012年頃まで基準価額が1万円台だったひふみプラスは、2018年には4万円を超えるという、驚異的な成長率を見せています。
コストが安く、値上がり率も高いファンドのため、おすすめです。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの特徴
「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」は、無期限のインデックスファンドで、アメリカを中心とした先進国株式を投資対象にしている投資信託です。
手数料が安いことに加え、ここ数年間における高い値上がり率がおすすめのポイントとなります。
2017年3月頃における基準価額が1万円未満であったのに対し、2018年8月には1万1000円と、順調なペースで値上がりが続いています。
2017年2月27日が設定された、まだ比較的新しいファンドです。そのため、まだ基準価額がとても安く、少額からでも購入しやすいファンドでもあります。
ニッセイ外国株式インデックスファンドの特徴
「ニッセイ外国株式インデックスファンド」は、日本以外の主要先進国の株式に投資をするインデックスファンドです。手数料が安く、値上がり率の高い銘柄となります。
2014年の基準価額が1万円台であったのに対し、2018年8月には1万5000円台まで上昇しています。
長期にわたって順調に値上がりを続けているファンドなだけに、今後の値上がりも期待できる投資信託です。
投資に値する投資信託の見つけ方とは?
他のケースと異なり、つみたてNISAの場合、金融庁が選んでいる低リスクな投資信託となるため、どれを選んでも大損するような事態は滅多にないでしょう。ただ、資産を増やそうと考えている場合、できるだけ将来のリターンを期待できる銘柄を選ぶ必要があります。
そのような、投資に値するだけの価値のある投資信託はどうやって見つければ良いのでしょうか?
- 投資対象
- 運用方針
- 手数料
- 純資産総額
- トータルリターン
投資対象を調べる
投資に値する投資信託を探す場合、まずその投資信託が何に投資をしているのか、投資対象を調べましょう。
同じ株の投資信託でも、投資対象が新興国か、先進国か、国内かでリスクやリターンに違いが生じます。
一般的に、新興国ほどハイリスクハイリターンで、先進国ほどローリスクローリターンになる傾向があります。そして、日本株を対象にしている投資信託は、他の先進国以上にリスクが低く、リターンも低い傾向があります。
できるだけリスクが低く、尚且つリターンの大きい地域で投資をするなら、日本以外の先進国、例えばアメリカなどを中心に投資をする投資信託が良いかもしれません。
運用方針をチェックする
投資対象が決まったら、次に運用方針をチェックしましょう。
投資信託は、アクティブ型か、それともインデックス型かによって、運用方針が変わります。ただ、インデックス型と違ってアクティブ型の場合、本当に優秀なファンドを見つけるには、良いファンドか否かを見抜けるだけの見識が求められます。
まだ投資を始めたばかりの初心者の場合、インデックス型を選んだ方が良いかもしれません。
それ以外にも手数料や純資産総額、トータルリターンなどもチェックしておきましょう。いくら良さそうな銘柄だからといって、ここ数年ずっと純資産総額を減らしているような銘柄はかなり危険です。
同様に、トータルリターンが減っている銘柄や、手数料が高い銘柄も避けた方が賢明でしょう。
ここ数年において純資産総額が増えており、手数料が安く、トータルリターンがプラスになる銘柄がオススメとなります。
投資対象や運用方針、手数料、純資産総額、トータルリターンなどを比較することで、本当に投資するだけの価値のある銘柄を見つけられます。
つみたてNISAは投資対象の選び方が重要!
もっとも、金融庁が厳選した投資信託しか選べないのですから、ハズレを引く可能性が低く、初心者でも安心して銘柄を選べます。
その中でも、特に運用実績が良く、今後の値上がりが期待できる投資信託を選べば、10年20年後には資産を増やすことができるでしょう。
ここで紹介した銘柄以外にも、おすすめできる銘柄は多く存在します。それぞれの銘柄を比較し、もっとも価値のある投資信託を選びましょう。