投資信託の始め方

WealthNavi(ウェルスナビ)の特徴は?手数料とデメリット

ウェルスナビ株式会社が運営するロボアドバイザーサービス「ウェルスナビ(WealthNavi)」。

全自動で資産運用ができるサービスで一般社団法人日本投資顧問業協会の調べによると、平成30年3月末時点における「ロボアドバイザー預かり資産・運用者数」がNo.1とのこと。

ウェルスナビは業界でも特に人気の高いロボアドバイザーなんですね。

この記事ではウェルスナビがどのようなサービスを提供しているのか、その内容について深く掘り下げていきます。

ロボアドバイザー「ウェルスナビ」のサービス内容

ロボアドバイザーって、そもそもどんなサービスなのですか?
ロボアドバイザーとは、AIを使用した投資助言サービスのことです。助言といってもそれぞれで本当にアドバイスしかしないサービスもあれば、ウェルスナビみたいに全自動で資産運用をしてくれるサービスまであります。ウェルスナビは資産運用の作業をすべて全自動でやってくれるので、初心者でも利用しやすいですね。

ウェルスナビの基本情報

ウェルスナビの基本情報は次の通り。

運営会社 ウェルスナビ株式会社
サービス開始時期 2016年7月13日
最低投資金額 1万円から30万円(サービスによって最低金額が異なる)
利用料・手数料 年率0.5%から1.0%
積立投資の可・不可 可能
ウェルスナビのサービス内容一覧
  • リスク許容度の診断
  • 最適なポートフォリオの自動構築
  • 自動発注
  • 自動積立
  • 分配金の自動再投資
  • 自動リバランス
  • 自動税金最適化

ウェルスナビの投資対象は?

次にウェルスナビの主な投資対象を見ていきましょう。

ウェルスナビが選定するETFの種類
  • 米国株
  • 日欧株
  • 新興国株
  • 米国債券
  • 物価連動債
  • 金(コモディティ)
  • 不動産 

ウェルスナビではこれらを対象にしているETFの中から「長期投資に適している優良なETF」を選定します。

ETFとは証券取引所で売買ができる投資信託のことです。詳しくは「ETFの仕組みや始め方などを解説!初心者向け運用マニュアル

ウェルスナビの最低投資金額は1万円から

ウェルスナビの最低投資金額は利用するサービスによって異なり、「ウェルスナビ」のマメタスのサービスを利用することで、1万円からの利用が可能になります。

マメタスとは
ウェルスナビの資産運用アプリのことです。

このアプリには、スマホで資産運用ができるという特徴があります。マメタスを使用すると家計簿アプリと提携することで、買い物で生じたお釣りを資産運用に回すことができます。

マメタスを利用しない場合「ウェルスナビ」の最低投資金額は10万円です。

さらにウェルスナビは各社と提携サービスを組んでおり、サービスによって最低投資額が異なります。

最低投資額 サービス名
1万円 マメタス
10万円 WealthNavi
WealthNavi for イオン銀行
WealthNavi for 横浜銀行
WealthNavi for JAL
30万円 WealthNavi for SBI証券
WealthNavi for 住信SBIネット銀行
WealthNavi for ANA
WealthNavi for ソニー銀行
※キャンペーンにより減額あり

「WealthNavi for SBI証券」、「WealthNavi for 住信SBIネット銀行」、「WealthNavi for ANA」、「WealthNavi for ソニー銀行」といったサービスを利用する場合、最低投資金額が30万円となります。ただし、キャンペーンによって、10万円まで減額されることがあります。

WealthNaviを利用する場合、10万円以上用意しておけば、問題なく運用を始められるでしょう。

ウェルスナビの利用料(手数料)は年率1.0%(税別)

ウェルスナビの手数料は、預かり資産が3000万円以内ならば年率1.0%(税別)です。

ただし預かり資産が3000万円を超えると、超過分の手数料が年率0.5%(税別)となります。

手数料以外のコストはなく、入出金手数料や取引手数料、口座開設手数料などはすべて無料。しかし銀行振込にかかる振込手数料は、ユーザー負担ですので注意しましょう。

ウェルスナビでは海外ETFの中でも、特にコストが安いETFを対象に投資を行っています。そのため低コストな運用が可能となっているのです。

ウェルスナビの特徴を解説

ウェルスナビの特徴は主に次の3点。

ウェルスナビの特徴
  • 少額から始められる
  • 運用コストが安い
  • 全自動での運用が可能

ウェルスナビなら、最低投資額が10万円から始めることができます。サービス次第では1万円からの利用も可能なため、少額からであっても資産運用を始められるという気軽さがあります。

さらに運用コストについても、手数料以外のコストがほとんどかかりません。

そしてウェルスナビの最大の特徴は、資産運用のほとんどすべてを自動化させられること。ユーザーがするべき事というと、入金の手続きぐらい。一旦入金してしまえば、後はウェルスナビのAIが資金を管理し、運用を開始してくれます。

お金の管理をすべてAIに任せて大丈夫なのかしら?
不安な場合は失っても大丈夫な余剰資金を運用にまわすと良いですね。株価の変動は常に起きているので、長期的な運用を考えると良いでしょう。

ウェルスナビのリスク許容度とは?

ウェルスナビを利用する場合、ユーザーの適切なリスク許容度を診断してくれるのですが、このリスク許容度とは一体何なのでしょうか?

リスク許容度とは「これから長期にわたって投資をするにあたり、どの程度のリスクならば許容できるのかを示したモノ」です。

どんな金融商品にも、価値が落ちるリスクがあります。この不確実性に対して、どこまでのリスク、つまり損失を受け入れることができるのかをウェルスナビでは診断してくれるのです。

資産運用で成功をおさめるためには、ある程度のリスクは受け入れないといけません。投資でリスクは絶対に受け入れられないとなると、資産運用自体ができなくなってしまいます。

そこでウェルスナビでは資産運用を始める前に、どこまでのリスクならば受け入れられるのかリスクの許容範囲を診断します。

許容範囲を超える取引は基本的に行いませんので、ウェルスナビではユーザーの意図に沿った取引ができるんですね。

安全な取引をしたいならリスク許容度を狭く、リターン狙いの取引をしたいならリスク許容度を広めに設定すると良いでしょう。事前に定めたリスクの範囲内において、ウェルスナビが資産の自動運用を行ってくれます。

ポートフォリオは金融商品の組み合わせ

ウェルスナビでは、ユーザー一人ひとりに対して適切なポートフォリオを自動構築してくれるます。このポートフォリオとは「金融商品の組み合わせ」のことです。

ポートフォリオを自動構築するというのは、要するにユーザーに代わってウェルスナビのAIがもっとも適切な金融商品の組み合わせを構築してくれるということ。

どのETFを購入すれば良いのか、購入すべき量はいくらぐらいなのか、どのETFを売却するべきなのかなど、具体的に金融商品の組み合わせをAIが考えてくれるので、ウェルスナビを利用すれば、金融商品を選ぶのに頭を悩ますことがなくなります。

ウェルスナビでは自動積立で毎月自動購入ができる

ウェルスナビには自動積立のサービスがあります。この自動積立のサービスを利用すると、予め指定した銀行口座から設定した金額が毎月引き落とされ、ウェルスナビの口座へ入金されます。

入金が完了すると、その資金を元手にETFを自動購入することになります。入金からETFの購入まで、すべて全自動で積立は行われます。

ウェルスナビで行われるリバランス

ウェルスナビではリバランスを、半年に一回のペースで行います。前回のリバランスから半年が経過後に運用商品のバランスが崩れると、その崩れを調整するためにウェルスナビが自動的にリバランスを行ってくれるのです。

ユーザーがいちいち銘柄や数量を選定する必要なしに、リバランスの効果を享受できます。

DeTAXとは?

DeTAXとは運用益にかかる税負担を翌年に繰り越し、年内における税の負担を減らしてくれるウェルスナビのサービスです。

運用益が生じると、本来であれば税金が課税されます。ウェルスナビでは、税金が課税される場合、含み損を抱えている商品を一旦売却し、損失を確定させます。この損失と、運用益を相殺することで税負担を減らすのです。

そのためポートフォリオの中に含み損を抱えるETFが無いと、DeTAXが行えず、負担を減らすことができません。DeTAXの制度があるからといって必ずしも税負担を減らせるわけではないのです。

DeTAXは税負担が2万円を超えると、自動的に行われるウェルスナビの標準機能となります。

分配金はいつ、どのくらい入金される?

ウェルスナビの分配金がいくら、そしてどのくらいの頻度でもらえるのかは、運用しているETFによってそれぞれ異なります。

分配金が年4回配分されるETFならば、1年間において4回も分配金を受け取れます。年12回分配されるETFを購入しているのであれば、毎月分配金がもらえます。

一方で「金などのコモディティのETF」の場合、分配金は発生しません。

分配金がいくらもらえるのかについても、どのETFを保有するかによって異なります。

ETFの分配金利回りというと、だいたい3%もあれば良い方。ただし、ウェルスナビの手数料が年率1.0%ほどかかるため、実質の分配金利回りはETFの利回りから1%の手数料を引いた金額となるでしょう。

ウェルスナビと他のロボアドバイザーとの間にはどのような違いがあるのでしょうか?
ウェルスナビではほかのアドバイス型のロボアドバイザーと違い、売買やリバランスは自分でやる必要はありません。ETFにしか投資ができないので、投資としての面白みには欠けるかもしれませんが、投資先の選定を一任したい人にはピッタリのロボアドバイザーでしょう。

ウェルスナビのデメリットとは?

続いてウェルスナビのデメリットを見ていきましょう。

ウェルスナビの利用デメリット
  • 自分で投資をするよりコストが高い
  • 短期投資ができない
  • カウンターパーティーリスクがある

ウェルスナビは結局のところ、投資信託を利用しているのとあまり大差がありません。ウェルスナビを利用すると年率でコストがかかるため、利用期間が延びれば延びるほど、コストが嵩むからです。

もちろんETFにもコストはあります。しかしETFの信託報酬は1%未満であることが多く、ウェルスナビほどのコストは滅多にかかりません。

自分で投資をしたいという玄人な方からすると、コストがある分、ウェルスナビは魅力が薄く感じるでしょう。

特にETFのデイトレードのような短期売買をしたい方からすると、長期運用向きのサービスであるウェルスナビは使い辛いと思うかもしれません。ウェルスナビは長期運用を基本としているサービスのため、短期売買との相性が悪くなってしまいます。
あのさ、もしウェルスナビが破綻したらどうなるの?
もしもウェルスナビ株式会社が破綻すると、投資できなくなるというカウンターパーティーリスクがあります。

ただし万が一ウェルスナビ株式会社が破綻しても、日本投資者保護基金が1,000万円まで補償をおこないます。

しかしそれ以上の資産は補償外となりますので、高額の資産を運用する際にはカウンターパーティーリスクに注意を払いましょう。

ウェルスナビを利用するまでの手順とよくある質問を解説

ここではウェルスナビを利用するにあたって覚えておきたいことを解説します。

そういえばウェルスナビでNISAやつみたてNISAは利用できますか?
残念ながらウェルスナビではどちらも利用することはできません。注意しておきましょうね。

利用までの流れと必須書類

ウェルスナビを始めるにあたり、次の4点が必要なので予め用意しておきましょう。

ウェルスナビの登録に必要なもの
  • 本人確認書類
  • マイナンバー
  • メールアドレス
  • 銀行口座

必要書類を準備したら、公式サイトにアクセスし、運用プラン診断を受けます。その後、オンライン上より口座開設の申込を行います。

口座開設時には本人確認書類とマイナンバーが必要となるので、事前に用意しておくのがおすすめです。

申込の作業が完了すると最短で2営業日で口座が開設され、簡易書留も届きます。申込から実際に利用できるまで、だいたい数日から1週間ほどです。

ウェルスナビの入出金のやり方と外貨の取り扱い

ウェルスナビに入金する方法は次の3種類です。

ウェルスナビの入金方法
  • 銀行振込
  • クイック入金
  • 自動積立

一方で出金する場合はウェルスナビの口座から、ユーザーの銀行口座へ出金することになります。

出金の申請を平日20時までに依頼すると、その当日中に出金額に応じたETFを売却し、その3営業日後に送金されます。出金時には日本円に両替されるので、外貨のままの出金はできません。

ウェルスナビは解約できる

運用を止めたい場合は、ウェルスナビより全額出金をすることで、いつでも運用を止められます。

ウェルスナビそのものを解約したいときは、お客様サポートから解約の申し入れをしましょう。

資産運用の完全自動化はロボアドバイザー「ウェルスナビ」におまかせ

ウェルスナビは、資産運用の完全自動化ができるロボアドバイザーのサービスです。

手数料以外のコストはほとんどかからず、いざ資産運用が始まると、ETFを中心に発注から入金、積立、リバランスなどを自動的に行ってくれます。

資産運用の作業のほとんどが自動化されるので、初心者であっても投資について悩むことなく、プロ同様の手法で資産運用ができます。

そしてアプリの「マメタス」を利用すれば、細かいお釣りを投資に回すことも可能。

コストが安く、少額から全自動で資産運用を始められるウェルスナビは、初心者でも気軽に利用できるロボアドバイザーです。