空き家

損害賠償のリスクも?空き家でも火災保険に加入すべき理由を解説

今、日本各地で増え続けていると言われている空き家。あなたが住んでいるまわりにも放置されている空き家はありませんか?実際、人が住んでいない空き家でも火災のリスクはありますし、自然災害による損壊や倒壊の恐れもあります。

そのようなリスクに備えるために考えておきたいのが火災保険です。

「人が住んでいない空き家なのにわざわざ火災保険に入る必要はあるの?」と思うかもしれません。しかし空き家だからこそ火災保険に入っておくべき理由があります。

そこで今回は、空き家でも入れる火災保険についてご紹介していきたいと思います。

空き家の放置はデメリットだらけ!火災の責任を問われることも

固定資産税の関係から、土地に立っている空き家をわざと取り壊さずに放置している場合も多くみられます。

しかし、実は空き家を放置しておくことはメリットどころかデメリットだらけ。その理由と対策をご紹介したいと思います。

空き家を放置すると資産価値が下がってしまう

空き家に限らず、適切な管理をしないと建物は劣化してしまいます。特に空き家の場合、そのままにしておくと換気なども行われないため、湿気や害虫被害に遭ってしまうことも。詳しくはこちらの記事で解説しております。(「空き家①記事の内部リンク」)

このようにほったらかしにされメンテナンスの入らない空き家は思った以上の速さで劣化していきます。劣化した建物は誰からも「住んでみたい!」と思われることもなく、資産価値や利用価値の低下につながっていくのです。

空き家では火災のリスクが高まる

人が住んでいない空き家なのに、火災リスクなんてあるの?と思われるかもしれません。しかし、空き家だからこそ火災リスクが高くなる原因があります。

それは放火による火災です。

日本には失火責任法という法律があり、失火者に重大な過失がない場合はたとえ近隣の家屋を延焼させたとしても責任は問われないこととなっています。しかし、例え空き家の所有者に責任がないといってもお見舞金は出すでしょうし、そもそも空き家の管理を怠っていたという点が過失だと認められたら損害賠償責任からは逃れられません。

このように、空き家の所有者には火災の責任を問われることもあるということも覚えておきたいものです。

ボロい空き家だったら、いっそのこと燃えてくれちゃった方が解体する手間も省けるしラッキーじゃないっスか?
でも、火災で燃えてしまったとしても完全燃焼するとは限らないですよね?たいてい柱などの残存物が残ってしまうので、その処理費用もかかります。

火災になったらなったでいろいろと費用がかさむ空き家。もしこの先も空き家として所有し続ける予定なら火災保険に入っておきたいものですね。

空き家を解体・売却という選択肢もあり

空き家には火災リスクがあることから、火災保険に入っておくことをおすすめします。しかし、住んでもいない空き家に火災保険をかけるのは正直ちょっと保険料がもったいないな…と思う方もいるかもしれません。

その場合は、いっそのこと解体または売却という選択肢を検討してみてはいかがでしょうか?

今は空き家だけど数年後には住む予定があるというならまだしも、思い出の詰まった実家だからなんとなくそのままにしているという場合は、思い切って空き家を処分することも検討してみましょう。

空き家だと保険料が高い?火災保険の選び方を解説

ここまでは空き家にこそ火災保険は必要だとお伝えしてきました。では実際に空き家の火災保険にはどういった特徴があるのでしょうか?

空き家ならではの火災保険の選び方について解説していきましょう。

空き家の引き受けは断られることが多い

空き家に火災保険が必要なことはわかった、ではどこの火災保険がいいの?と考える前に知っておきたい事実があります。

それは、基本的に空き家が保険会社から火災保険の引き受けを断られることが多いということ。

えっ!?空き家だと火災保険に入れないのですか?それは困ったなぁ。
空き家はリスクが高いとみなされるんですね。なので「空き家は加入できません」と明示している保険会社も多いですよ。

空き家は放火犯に狙われやすいなどのリスクが高い物件です。保険事故が発生する確率が高い(=リスクが高い)と、保険会社としても引き受けが難しくなってしまうのです。

どの建物の種類に当てはまる?(専用住宅・併用住宅・一般物件)

火災保険では、補償対象となる建物がどういった種類の物件かによって加入できる保険の種類や保険料が異なっています。

では実際に、火災保険で補償対象となる建物の種類を見てみましょう。

専用住宅 住むための建物のこと。マンションの一室や一戸建てなど。
併用住宅 住宅に店舗や事務所が併設されている建物のこと。
一般物件 店舗や事務所等の建物こと。

この「建物の種類」と空き家にはいったいどういった関係があるのかというと、空き家がどういった種類の建物として認定されるかで火災保険の保険料が変わるという仕組みがあります。

ちなみに専用住宅は火災保険料が安く、併用住宅、一般物件となるにつれて保険料が高くなっていくという仕組み。

ちなみに空き家が一戸建てだからといって必ずしも専用住宅として認められるわけではありません。物件の状況などによっても変わりますので、詳しくは保険会社にお問い合わせください。

空き家には「施設賠償責任保険」が必要

損害保険には「施設賠償責任保険」という保険があります。似たような保険に個人賠償責任保険がありますが、こちらの対象物は施設、つまり建物です。

空き家は近隣へ迷惑をかけるリスクが非常に高いです。火災の延焼リスクもそうですし、放置したままの物件ですと倒壊の恐れありますよね。

そこで建物がトラブルを起こしたときに所有者が賠償責任を負ったとしてもその補償をしてくれるような保険が必要となってきます。

昔加入した火災保険を空き家になっても継続する場合の注意点

火災保険を選ぶ際に、以前加入した火災保険を空き家になってもそのまま継続するような場合。例えば両親が亡くなった後の実家は空き家になっているが、生前暮らしていたときの火災保険を継続するといったケースがあるかと思います。

この方法で空き家にも火災保険をかける(継続して契約する)場合、必ず保険会社に空き家になったという旨を連絡しましょう。

というのも、その火災保険の保険会社が空き家は引き受けNGだったとしたら…保険料は払い続けていたのに保険金がおりなかったという恐ろしいトラブルも考えられるからです。

空き家でも入れる火災保険はある?各社の保険を紹介

空き家ということで引き受けを断られることもある火災保険ですが、空き家でも入れる保険はあります。そこで各社の火災保険の特徴を見てみましょう。

空き家でも入れる保険会社(東京海上日動・あいおい損保など)

空き家でも火災保険に加入できる保険会社はあります。例えば以下のような保険会社です。

  • 東京海上日動
  • あいおいニッセイ同和損保
  • セコム損保

東京海上日動の火災保険「トータルアシスト住まいの保険」では、居住用物件の他にも店舗や事務所などの一般物件でも入れるようになっています。

またあいおいニッセイ同和損保では、基本的に空き家はその他の建物(一般物件)とされるようです。しかし季節等に使用している・家財が常時備えつけられているなどの条件をクリアした場合は専用住宅として火災保険への加入が認められることもあります。

またホームセキュリティーで有名なセコムグループのセコム損保。こちらの火災保険も検討の余地があります。ただし空き家の場合は保険料のオンライン見積もりができませんので、気になる方は問い合わせてみましょう。

空き家は火災保険NGな保険会社(損保ジャパン・共済など)

例えば次の保険会社では、空き家は引き受けNGとなっています。

  • 損保ジャパン
  • 共済(全労災)

例えば、損保ジャパンのHPには次のように書いてあります。

住居として使用される建物を対象としていますので、空家はお引き受けできません。

ただ損保ジャパンの場合は、家具等を備えつけている別荘等については引き受けが可能だそうです。反対に全労災などの共済では別荘等も引き受けができないという違いがあります。

以上のことからも、火災保険を扱っている損害保険会社ならどこでも入れるというわけではないので注意しましょう。

地震保険

最後に地震保険についてご紹介します。

そうそう、最近地震が多いから空き家でも地震保険は必須なのかしら?
そうですね、できれば加入しておいた方が安心なのですが…。

地震保険とは、地震や噴火、津波を原因とする火災や損壊による損害を補償する保険のこと。

地震を原因とする火災が発生した場合などを考えると空き家でも地震保険には入っておきたいものです。しかし、火災保険に付帯する形でしか加入できない地震保険。

そもそも火災保険に加入できるのか?という問題もありますし、空き家が一般物件となった場合はそもそも地震保険には加入できない点には注意が必要です。

空き家でも火災保険は必要!賠償責任トラブルに備えよう

人が住んでいない空き家なら火災保険は不要なのではないか?という考えもあるかもしれません。しかし、空き家こそ様々なリスクが高いので火災保険には入っておくべきです。

しかし空き家だと保険会社によっては火災保険の引き受けがNGなところもあります。専用住宅として引き受けてくれるところもあれば、一般物件となり火災保険の保険料が高くなってしまうところも。

賠償責任トラブルに備えられるよう、必要な補償がついている火災保険を探してみましょう!