
より広範囲で万が一のリスクを保障!団信の八大疾病保障を徹底解説
団信は、死亡時や高度障害が生じた際にローン残高が免除になるというものです。しかし、最近では他の病気でもローン残高が免除となる、より広範囲で保障してくれる三大疾病保障や八大疾病保障が登場しています。
八大疾病保障って具体的にどんな状態をカバーしてくれるの?どのくらいお得なの?そもそも普通の団信だけじゃダメなの?八大疾病保障について気になる疑問を徹底解説していきます。
団体信用生命保険の八大疾病保険の保障内容をチェック
まず、八大疾病保険にはどのような保障がついているのか、その内容を見ていきましょう。
八大疾病というのは、8つの病気に対応するということです。
その8つが、こちらです。
- がん(上皮内がんを除く)
- 急性心筋梗塞
- 脳卒中
- 高血圧症
- 糖尿病
- 慢性腎不全
- 肝硬変
- 慢性膵炎
このように、多くの病気をカバーしているのが8大疾病保険の特徴だと言えます。
ただ、これらの病気になればすぐにローン返済が免除されると言うものではありません。
住宅ローンの残高がゼロになるためには、特定の条件を満たさなければいけないのです。
その条件については、次で詳しくご紹介していきましょう。
8大疾病保障を受けるためにクリアすべき条件
8大疾病保障が適用されるのは、どのような条件を満たした場合なのでしょう。
ここでは、借入時の年齢が20~46歳未満で三井住友銀行を利用するケースをご紹介しましょう。
疾病名 | 適用基準 |
---|---|
がん | ・診断されればOK ・上皮内がん、大腸の粘膜内がん、膀胱、尿路、乳管等の非浸潤がんは対象外 |
急性心筋梗塞 | ・所定の状態が60日以上継続 *所定の状態 …労働制限を必要とする状態 |
脳卒中 | ・所定の状態が60日以上継続 *所定の状態 …言語障害・運動失調・麻痺等の他覚的な神経学的後遺障害がある |
高血圧症・糖尿病・肝硬変・慢性腎不全・慢性膵炎 | ・就業不能状態が1か月を超えて継続 →約定返済相当額を最長12カ月間保障※ ・就業不能状態が13か月超えて継続すればローン残高ゼロ |
三井住友銀行の場合は被保険者本人の経験・能力に応じたいかなる業務にも全く従事できない状態で、医師の診断書等の資料を元に保険会社が判断します。
同じように、基本の団信にも満たさなければいけない条件があり、特に高度障害状態は【永久にその用を失うこと】等の厳しいハードルをクリアしなければいけません。
細かい適用条件についても、しっかり確認しておきたいですね。
団信の基本情報については、こちらでも詳しくご紹介しています。
3大疾病保障と7大疾病保障とは何が違う?
団信に付与できる特約には、8大疾病保険だけでなく3大疾病保険や7大疾病保険というものもあります。
それぞれ、どのように保障内容が違うのでしょうか。
種類 | 対象疾病 |
---|---|
3大疾病保障 | がん(上皮内がんを除く)・脳卒中・急性心筋梗塞 |
7大疾病保障 | 3大疾病+高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変 |
8大疾病保障 | 7大疾病+慢性膵炎 |
また、8大疾病保障の場合は、その他の病気やケガ、入院などの場合も保障を受けられるような商品もあります。
各金融機関によって特徴がありますから、保障対象となる疾病について確認しておきましょう。
また、三大疾病保障について興味がある方は、ぜひこちらの記事を読んでみてくださいね。
各金融機関の保障内容や保険料をチェック
団信に付与する三大疾病保障や八大疾病保障といった特約は、保険料を金利に上乗せして支払うのが一般的です。
特約を付ける際に上乗せとなる金利については、いずれの金融機関も0.2~0.3%程度というのが多くなっていますね。
金融機関名 商品名 |
内容 | 保険料 |
---|---|---|
ソニー銀行 3大疾病保障特約付団体信用生命保険 |
・3大疾病を保障する | 住宅ローン金利+0.3% |
三井住友銀行 8大疾病保障付住宅ローン |
・20~45歳と46~55歳で 保障内容が異なる ・8大疾病を保障 |
金利+0.3% |
りそな銀行 特定状態保障特約住宅ローン |
・病気・怪我による16の状態に該当 もしくは所定の要介護状態になったとき 特約保険金が支払われる |
金利+0.3% |
住信SBIネット銀行 全疾病保障 |
・8大疾病も含め、病気やケガで 就業不能状態が継続した際も 保険金の支払い対象 |
無料 |
各金融機関によって保障内容や上乗せ金利が異なることが分かります。この中でも特徴的なのは、住信SBIネット銀行が保険料無料で全疾病保障してくれるという点です。
8大疾病だけでなく、他の病気やケガも保証してくれるので、興味がある方はぜひチェックしておきたいところですね。
住宅ローンの8大疾病保険は本当に必要?判断するポイントとは
住宅ローンの8大疾病保険は、必ず加入した方が良いものなのでしょうか。
8大疾病保険はあくまでも任意のものであり、不要だと思えば加入する必要はありません。
ほとんどの8大疾病保障は、保険料が無料ではなく金利に0.3%の上乗せ、もしくは別途保険料の支払いが必要となります。
その負担をかけてでも万が一のリスクを考えたいと希望すれば8大疾病保険を付与しても良いでしょう。また、医療保険などで8大疾病時の治療費については確保できるから不要だと考えるのであれば、付けなくても良いのです。
ただ、注意すべきなのは医療保険では治療費はカバーできても住宅ローン残高はカバーしてくれないという点です。
万が一のとき、毎月の住宅ローン返済を確実に行えるかどうかというのを1つの判断基準として、慎重に検討してみることをオススメします。
団信の八大疾病保障は万が一のリスクをカバーしたい人にオススメ
ただ、通常の金利に+0.3%程度の保険料をプラスして負担しなければいけないため、保険料と保障について確認しておくことが必要となります。
また、保険料を支払う条件も各病気によって細かく決められていますので、しっかりチェックしておきたいですね。
超低金利であると言われている今、団信に対する意識が金融機関とユーザーの両者ともに高まっていることを感じます。そのためか、去年の条件と今年の条件が変わっているだけでなく、更にまた来年の条件でいろいろと様変わりすることが考えられます。そのため団信の検討については幅広い情報収集がとても大切です。

4年ほど専任の宅建士として不動産業者に勤務し、現在はマンション管理士・消防設備士として独立。
宅建士としての知識や立場を活かし、不動産売買時の疑問点などの相談を受けている。
就業不能というのは会社に行くのが難しくなったら、と考えて良いのでしょうか。