株式投資の勉強
株の配当金って何?その仕組みや税金など気になる疑問に答えます!

株の配当金って何?その仕組みや税金など気になる疑問に答えます!

株を始めたい、株に興味がある、そんな方は少なくないのでは?そして、株の配当金によって利益を得たい、そう思っている人が多いはず。ただ、株の配当金がどのようなものなのか、きちんと理解してるかと聞かれたらどうでしょうか。

株の配当金って何?配当金には税金がかかるの?株って実際どのくらい配当金がもらえるの?このような疑問を感じていませんか?そんな方の為に、株の配当金についての基本情報だけでなく、かかってくる税金などの情報も詳しくご紹介していきましょう!株に興味がある方は、ぜひチェックしてくださいね。

株の配当金って何?基本情報をチェック

では、そもそも株の配当金とは何なのでしょうか。

配当金とは

会社や企業が利益を出した際に、その利益の一部を株主に還元するお金のこと

つまり、株を持っていれば企業の利益に応じて配当を受けることが出来る、配当金がもらえるというわけです。

配当金は1株あたりいくらという形で還元

配当金は、1株あたりいくらという形、つまり株数で還元されるものです。多くの株を持っている人はそれだけ多くの配当金を受け取ることができるというわけですね。

例として、1株当たり5円の配当金を出している場合を見ていきましょう。

持っている株数 受け取る配当金
1,000株 5,000円
5,000株 25,000円
10,000株 50,000円
1株当たりの配当金は、企業によってその金額が異なります。もちろん、業績に応じての変動もあり、業績が悪ければ配当が行われない、配当金が減額される【減配】が行われる可能性もあるということは覚えておきましょう。

配当金をもらえる頻度は年2回が基本!

配当金は、年に2回支払われることが一般的です。

ただ、企業によっては年に1回、もしくは4回といった配当を出すところもありますので、株を購入する際には配当金の支払われる時期についてもチェックしておきたいところです。

株の配当金は税金が取られる!その金額とは

株で得られた配当金は残念ながら課税対象となり、税金を支払う必要があります。

ただ、その税率については持っている株によって異なります。まずは、配当金にかかる税金についてチェックしてみます。

配当の種類 源泉徴収税率
上場株式の配当
(大口株主を除く)
平成26年1月1日から
平成49年12月31日
一律20.315%
上場株主の配当(大口株主)
未上場株式など
平成25年1月1日から
平成49年12月31日一律20.42%

配当金は、だいたい20%程度の税金が取られてしまうということを認識しておきましょう。

配当金も期間限定の課税対象になっている!?

東日本大震災からの復興のための施策として、その財源を確保するために一定期間内に生じた所得には新たに所得税額の2.1%が課税されています。

これは、復興特別所得税と呼ばれるもので、その期間は平成25年1月1日から平成49年12月31日までとなっています。

この復興特別所得税は、株式などで得られた配当金も対象となっているので、源泉徴収税を徴収される際に一緒に徴収されることになっているのです。

先ほど紹介した源泉徴収率には、実はこの復興特別所得税が含まれています。平成50年1月1日

配当金にはどのような税金がかかるのか、しっかり押さえておきたいですね。

株の配当金は確定申告をすれば得をするってホント?

株の配当金は、課税対象となることを紹介しました。株の配当金は源泉徴収されるものですから、特に確定申告をする必要はありません。

しかし、実は確定申告をすることで、配当控除が適用される、損益通算ができる場合があります。

まず、配当金の税金支払い法は3つあります。

  • 総合課税
  • 申告分離課税
  • 申告不要(源泉徴収のみ)

それぞれの特徴について、ご紹介していきましょう。

総合課税

総合課税とは、所得が高くなればなるほど税率が高くなる累進課税となっていて、その税率は15~55%となっています。

ただ、こちらの課税方法を選択すれば配当控除を受けることが可能となり、給与と配当を合わせた所得金額が695万円以下の場合は、配当の税率がお得になるのです。

配当控除の割合は、所得税・住民税ともに課税所得金額によって異なります。

課税所得1,000万円以下 課税所得1,000万円超え
所得税に対する配当控除 控除率10% 控除率5%
住民税に対する配当控除 控除率2.8% 控除率1.4%

ではこれをふまえて、結果的に配当控除を使えば所得税と住民税合わせた税率がどううなるのかを、課税所得金額別に見ていきましょう。

課税される所得金額 税率
330万円以下 7.2%
330万円超え
~695万円以下
17.2%
695万円超え
~900万円以下
20.2%

源泉徴収では20.315~20.42%の課税となりますので、年収が695万円以下であれば総合課税の方が支払う税金を抑えることができるわけです。

ただ、復興特別所得税などもありますので、自分が総合課税で得をするか損をするかについては、慎重に計算をして判断するようにしたいですね。

申告分離課税

申告分離課税は、他の所得と区別して配当金のみで税金を計算するというものです。

こちらの課税方法は株や投資信託などの 売却損失と損益通算ができるというメリットがあります。

通常は、1つずつの利益に対して税金を支払わなければいけません。A株で10万円の利益を得たらその10万円が課税対象となり、B株で5万円の損失が出た場合はB株で課税されることはありません。

申告分離課税を選択すればA株とB株の損益を合計でき、10万円+(-5万円)=5万円の利益に対する課税のみで済むのです。株などで出た利益と損失、それを合わせることで税金額を減らすことができるのは嬉しいですよね。

ただ、申告分離課税を選択した場合は配当控除を受けることができませんので注意しましょう。

申告不要(源泉徴収のみ)

配当金は、源泉徴収された金額が私たちに支払われることになっています。つまり、あらかじめ課税された金額が差し引かれていることになりますので、申告不要を選択すれば当然何の手続きをする必要もありません。

課税所得の金額や売却損の有無によっては他の課税方法を選択することで得をすることがありますので、一度確認してみることをオススメします。

ただ、源泉徴収のみ(申告不要)での課税は、上場株式の配当(大口株主)または未上場株式の配当で少額配当以外の場合、選択することはできません。この場合は総合課税のみの課税方法となりますので注意しておきたいところです。

自分はどの課税方法を選べばお得?

では、実際どの方法で税金を支払えばお得になるのでしょうか。課税方法別にオススメできる人はどのような人なのか、それをチェックしてみましょう。

課税方法 オススメの人
総合課税 ・配当を含めた課税所得が695万円以下の人
・配当以外の所得がなく、株の利益や配当所得の合計が38万円以下の人
申告分離課税 ・株やETF、株式投資信託による売却損がある人
申告不要 ・手間をかけたくない人

また、それぞれの課税方法は選択できる人、出来ない人があるのも要注意です。

課税方法 選択可能な場合
総合課税 ・どのような株式配当でも可能
申告分離課税 ・上場株式の配当など(大口株主を除く株主)
申告不要 ・上場株式の配当など(大口株主を除く株主)
・上場株式(大口株主)や未上場株式の配当で少額配当の場合

課税方法を選択することで、得をする場合があります。だからこそ、その違いについてはしっかりと押さえておきたいですね。

株式投資の税金に関する情報をもっと知りたい方はコチラの特集記事へ
株式投資にかかる税金はいくら?確定申告がいる人いらない人の違い

配当がいくらか知りたいときは配当利回りを見よう!

では、実際配当金はどのくらい受け取ることができるのでしょうか。

配当金でもらえる金額は、利回りを見れば知ることができます。

利回りとは

利子も含めて年間収益の投資金額に対する割合。つまり、元金に対してどのくらいの割合で配当が得られるかというもの。

利回りは、1株当たりの配当金額を株価で割れば計算可能です。

例を挙げてみましょう。

1株あたりの金額 配当金 利回り
1,000円 20円 20円/1,000円=2%
2,000円 20円 20円/2,000円=1%

利回りが高い株を購入すればするほど、より高い配当金を得ることができると言えます。

『利回りが1~2%=利益が少ない』とは言えない!

利回りの平均はだいたい1~2%前後です。

それじゃあ、せっかく株を買っても1~2%しか配当をもらえないってことじゃないですか!
たしかに平均の割合だけを見ると、そう思ってしまいます。でも利回りが1~2%だからって、利益が少ないとは言えないんですよ。

例えば、株を300万円分購入して、その配当金を考えてみましょう。

利回り 配当金
1% 300万円×1%
=30,000円
2% 300万円×2%
=60,000円
300万円も株を買ったのに、配当金は60,000円程度じゃないですか!
落ち着いてください!これを銀行に預け入れた場合と比較してみましょう。

銀行金利は低金利となっていて、預金金利が0.01%程度になっていることも珍しくはありません。仮に預金金利が0.01%だった場合、300万円をただ預けていても年間で300円しか利息が付きません。

300万円預けて300円の利息を得ることを考えると、300万円の株式投資で配当を60,000円(利回り2%の場合)を得ることができるのは大きいですよね。

なるほど、それなら納得です。
低金利時代だからこそ、配当金による利益は大きなものになると言えるかもしれませんね。

現在の銀行金利をチェック

配当金の方が預金金利よりも得られる金額が大きくなると紹介しましたが、現在の銀行金利はそんなに低くなっているのでしょうか。

いくつか銀行をピックアップして、金利を見ていきましょう。今回は、普通預金よりも金利の高い定期預金の金利で比較します。

銀行 定期預金金利
オリックス銀行 1年…0.15%
3年…0.25%
5年…0.30%
イオン銀行 1年…0.05%
3年…0.10%
5年…0.10%
じぶん銀行 1年…0.05%
3年…0.03%
5年…0.03%
新生銀行 1年…0.01%
3年…0.02%
5年…0.02%
ゆうちょ銀行 1年…0.01%
3年…0.01%
5年…0.01%
みずほ銀行 1年…0.01%
3年…0.01%
5年…0.01%

この中で最も金利の高いのは、オリックス銀行の5年定期です。その金利でも0.30%となっています。

300万円預け入れた場合でも、年間で9,000円の利息がつくだけとなりますから、いかに利回りが1%得られる配当金のメリットがあるかが分かるでしょう。

※株を購入したいと思った方はコチラの購入方法の手順を特集した記事をご覧ください。
株の初心者も安心!買い方やその手順を詳しくご紹介

高配当株が安心だとは限らない!?注意点をチェック

配当利回りが高いほど、多くの配当金を得られるんですよね?
はい。それだけ会社・企業が利益を上げているとも言えます。

しかし「高配当株は絶対に安定している」「高配当株なら安心」とは限りません。高配当株の選び方にもポイントがあるのです。

高配当株を選ぶ際にチェックしたいポイントは、次のとおりです。

  • 時価総額
  • 業種
  • 利益率
  • 株価

時価総額が低い企業だと、配当利回りは高くても減配となる可能性も十分考えられるので配当額が上下して安定しない恐れがあります。

また、時価総額が高くても景気に左右されやすい業種であれば、好況時期と不況時期で配当額が大きく変わってくる可能性があるという点も忘れてはいけません。

利益率が低い企業は、収益が不安定だといえます。経常利益率をチェックし、過去3年間にマイナスになっていないか、減少傾向にないか、極端に低くないかを見ておきたいところですね。

実は、株価が下がった時にも配当利回りが高くなる傾向にあります。

えっ!そうなんですか?
はい。そのため高配当株の会社・企業の業績が悪化していないかどうか、チェックすることが大切なんです。株価についてはチャートを見ればチェックできるので、しっかり押さえておきたいですね。

株の配当金は利回りと課税方法をしっかりチェックする必要がある!

株の配当金は、企業によって年に1~4回持っている株数に応じて受け取ることができるものです。ただ、配当金には税金がかかりますが、課税方法を選択することで支払う税金を抑えられる可能性もあります。3つの課税方法についてきちんと把握しておきましょう。

配当金がいくらになるかは、利回りを見れば分かります。利回りが高ければそれだけ受け取ることができる配当金も高くなりますが、高配当株が安心であるというわけでもありません。

時価総額や業種、利益率などをチェックして、株選びの参考にすると良いでしょう。