学資保険
学資保険の返戻率とは?利率と合わせて考えたい保険を選ぶポイント

学資保険の返戻率とは?利率と合わせて考えたい保険を選ぶポイント

お腹に小さな命が宿り嬉しいものの、これから教育資金を貯めていかなければいけません。大学まで進学するには2,000万円以上の資金が必要になると言われています。

全て私立だった場合はかなりの費用になります。子どもの進学などについて考え、学資保険への加入を検討する人もいるでしょう。

学資保険を選ぶときには契約者の支払総額に応じて受け取ることができる「返戻率」が重要になっていきます。

この記事では学資保険返戻率とはなにかや、返戻率の平均について紹介します。特徴や仕組みを知って、学資保険を賢く選びましょう。

学資保険とはどんな保険?

学資保険は子どものための保険です。0歳〜7歳くらいまでが加入年齢であり、契約者となる親の年齢は18歳から契約可能です。

満期を子どもの進学する年に合わせて、教育資金として充てるために加入する人が多いでしょう。親が万が一、死亡・高度障害になったときには「払込免除」となります。

免除となっても満期は契約時の金額分受け取ることができるので安心してください。

保険会社の商品によっては、子どもがけがや病気で手術・入院したときにも保障されるものもあります。

満期保険金はどのくらいの額になるよう加入時に設定しておいた方が良いですか?
一番多いのは100万円〜200万円ほどですが、300万円あると安心ですね。授業料や入学金など大学の進学による費用はおよそ200万円ほどかかります。

満期をどのタイミングにするのかも考えて満期保険金額を決めると良いです。公立の方が安いですが、将来どのような進学をするのかは子ども次第なので私立と想定して貯めておきましょう。

子どもの教育資金はおよそどのくらい?

日本政策金融公庫の教育費に関する調査結果によると、子どもの教育資金は次の表のような金額が必要となります。

公立 私立
幼稚園(3年間) 67万円 150万
小学校(6年間) 190万円 920万円
中学校(3年間) 140万円 400万円
高校(3年間) 120万円 300万円
大学(4年間) 485万円 ・文系695万円
・理系879万円

全て国公立であれば1,000万円、全て私立であれば2,000万円以上です。他にも大学へ進学して親元を離れて一人暮らしをする場合、仕送りや部屋を借りる手続きに必要な費用が加算されます。

教育資金ってこんなに必要なんですね・・・。これはしっかりと教育資金を用意しておきたいです。仕送りってどのくらいかかるのですか?
平均では7万円ほどですね。毎月7万円も仕送りするのは結構な負担でしょう。

学資保険の返戻率とは?

「返戻率」という言葉を保険や預金で聞いたことがあると思います。この言葉について知っていますか?

なんとなくこの言葉を聞いていたけれど、いざ説明できるかというと難しいです。
貯蓄タイプの保険に加入するときに「返戻率」は大事なポイントになります。しっかりと確認しておきましょう。
返戻率とは

満期保険金と給付金がどのくらいの割合で戻ってくるのかを表したものです。

返戻率の計算式は次のとおりです。

満期・給付金の合計額÷支払保険料総額×100=返戻率(%)

もしチラシに数字が書いてある場合、%の数値が大きい方が魅力を感じるかもしれません。しかし実際に計算をしてみないと、どれくらいのお金がもらえるかはわかりません。数字を見て簡単に判断しないように注意してくださいね。

学資保険の平均的返戻率は約105%です。103%くらいから高いところでは108%となっています。

2016年にマイナス金利が導入されてから、その影響で学資保険の返戻率は下がってきています。

返戻率の算出方法

返戻率の算出方法を具体的に説明します。
年間の保険料186,480円を10年間払込する学資保険に加入したとします。受け取れる保険金は200万円となります。

2,000,000円÷(186,480円×10年)×100=107.2なので、返戻率は「107.2%」です。

契約の途中で返戻率が変わることはあるのか

学資保険の場合、すでに契約をしていれば返戻率が途中で変わることはありません。一方で年金保険のような変動型利率の場合は、返戻率が変わってしまうので気をつけてください。

学資保険は基本的に固定されています。もし学資保険の乗り換えをしてしまった時は保険料が高くなり、返戻率が下がってしまうこともあります。

とにかく貯蓄をしたい・高い返戻率が良いという人はしっかりといろんな保険会社の商品の返戻率を比較しましょう。

解約したタイミングによって返戻率は異なるので、年数ごとの返戻率を確認したい時は保険会社に確認しましょう。満期近くまで置いておくほど返戻率は高まります。

学資保険の元本割れとはどういう意味?

元本割れとは支払った保険料よりも受け取る保険金の方が少ないことを指します。

学資保険にも元本割れする商品はもちろん存在します。元本割れをすると聞くと損した気分になるかもしれませんが、そんなことはありません。

元本割れする学資保険の特徴

払った分より多く戻ってきてほしいよ〜。元本割れって何かメリットあるの?
元本割れする学資保険にはいくつかの特徴があります。保障が欲しい人にはメリットがあるかもしれませんね。

元本割れしてしまう学資保険は、子どものための医療保障や親が亡くなった時の払込免除が付いているケースが多いです。

子供は熱を出して入院してしまうこともあります。このような場合、入院費用だけではなく付き添う親の交通費やご飯・日用品などの費用もかかります。すべて合わせると結構な負担がかかるので、元本割れだったとしても手厚い保障を備えた保険を選ぶ人もいます。

学資保険を選ぶポイントをおさえよう

学資保険を選ぶ時には

  • 貯蓄性の高さ(返戻率)
  • 保障の充実さ
  • 払込期間

と3つのポイントがあります。

貯蓄性の高さと保障の充実さを兼ね備えた学資保険を探すのは正直難しいです。どちらに重点を置くか考えて加入しましょう。

払込には一括・5年・10年、さらに短期間のタイプがあります。家計の状況に合わせて無理のないように保険料を支払っていきましょう。

保険金の受け取り方は分割と一括から選択することができます。

受け取り方の分割と一括それぞれどのような人に向いていますか?
大学の多額な入学費用に集中したい場合は一括の方が良いかもしれませんね。中学や高校などの進学に合わせて、お金を受け取りたい人は分割にしましょう。

分割は高校・中学・大学と進学のタイミングごとに保険金を分けて受け取ります。分割で受け取ると最終的な満期の保険金は一括より安くなるので、一番高い大学の教育資金に十分なお金を備えたい人は加入時に保険金額を考えて設定しましょう。

私立大学で200万円くらいの入学費用がかかることから、基本的に200万円〜300万円ぐらいの保険金を受け取るようなプランが多いです。

このプランだと学資保険だけで大学進学の費用を全て賄えるわけではないので、もちろん保険に加えて貯蓄やローンが必要になります。

無配当と有配当とは?

学資保険の中に無配当プランと有配当プランがあります。この違いは配当があるかないかなのですが、無配当は保険料が安いです。

配当は必ず受け取れるわけではなく、経済情勢によって異なってきます。配当があっても保険料は高いので、特にこだわりがないのであれば無配当で良いでしょう。

保険料はどのくらい?

ソニー生命が行った保険によると20代〜30代の子を持つ親からは学資保険の受取総額200万円〜300万円、払込期間が10年〜15年のものが多く選ばれています。

選ばれている保険内容だと毎月の保険料が15,000円くらいになります。また、年払いにすると月払いより保険料が安くなるため返戻率も高くなります。

もしも学資保険の保険料を軽くしたいという人は医療保障を付加せず、貯蓄から医療費を賄うという方法が良いでしょう。

学資保険の加入は返戻率と保障内容をチェック

満期時にもらえる保険金の返戻率は保険会社によって数値に幅があります。途中で解約しまうことのないようにするのが1番ですが、元本割れする可能性があるのでもし学資保険を中途解約してしまった時の返戻金も加入時に確認しておくと良いでしょう。

最近の学資保険の返戻率は下降傾向なので早めに加入を検討しておきましょう。赤ちゃんがお腹にいるうちから加入できる商品もあります。

保障内容を充実させると安心ですが、その分保険料が高くなってしまいます。

あれもこれも特約(特則)を付加して、保険料を払えない事態にならないよう気をつけましょう。

公的な傷病手当金の確認や、子どもだけではなく親の保険の見直しもしてみてください。利率と返戻金の違いに注意しながら、自分の家族にあった良い学資保険を探しましょう。