学資保険
学資保険は「いつから」加入するかが大事!入る時期で変わる保険料

学資保険は「いつから」加入するかが大事!入る時期で変わる保険料

子供が生まれて喜びにあふれる家庭。おじいちゃんおばあちゃんは早くも将来はどんな職業につくのかしらと嬉しそうに話しています。

将来のことを考えると、気になるのが教育資金のことです。学資保険が良いと聞いたので加入を考えますが、子供が生まれた後はイベントや行事が盛りだくさん。

予防接種に健康診断、お食い初めから始まって、初節句に誕生日。七五三を迎えるともうすぐ小学校に入学です。しかしちょっと待ってください。

学資保険は加入するのに年齢制限があり、また加入する時期で保険料が高くなったり安くなったりします。

そこで今回の記事では、次のような疑問に対しシミュレーションを交えて解説していきます。

  • 学資保険の受け取り時期は選べるのか?
  • 子供は、親は何歳まで契約できるのか?
  • 早めに契約するメリットは?

学資保険はいつから加入できるのか、どのタイミングで入るのがベストなのかを、いっしょに考えていきましょう。

学資保険の加入時期を考えるポイント

学資保険の加入時期の問題は、契約者(親)の年齢と、被保険者(子供)の年齢の問題に分かれます。ここではそれぞれについて見ていきます。

子供の加入年齢はいつからいつまで?

多くの学資保険では、契約できる被保険者(子供)の年齢を0歳~6歳としています。

しかし「小学校に入る頃までに決めればいいのか」とのんびり構えていてはいけません。

学資保険は子供が小さい時に入った方が保険料が安くなる=返戻率(預けたお金がどれくらい増えて戻ってくるかの利率)が高くなるからです。

これには資金の運用の問題が関係しています。

保険会社は契約者から預かった保険料を運用して増やし、将来の学資金として戻します。0歳から加入した契約者のお金は17、18年間運用できますが、7歳から加入した契約者のお金は10年程度の間しか運用できません。

将来受け取ることのできる金額は同じですから、支払う保険料は後者の方が多くなるというわけです。では具体的にどれ位代わるのか、シミュレーションで見てみましょう。

子供の年齢別 比較シミュレーション

子供が0歳で契約する場合と7歳で契約する場合を、同じ学資保険で「大学入学時」と「卒業時」に学資金を受取るタイプでシミュレーションしてみます。

契約者(父親)30歳/満期保険金額100万円/保険料払込期間11歳まで
子供の年齢 0歳 7歳
毎月の保険料 14,354円 40,105円
払込保険料総額 1,894,728円 1,925,040円
受取総額 2,000,000円 2,000,000円
返戻率 105.50% 103.80%

返戻率で1.7%、支払い金額で約3万円ほどの差が出ています。また11歳までの短期払いということもありますが、月々の保険料がかなりの額になっているのが分かります。

ちなみに出産前でも学資保険の加入は可能なのかしら?
保険会社によっては「出生前契約」といって出産予定日の140日程度(保険会社によって異なる)前から契約できる場合がありますよ。

出産後は様々な手続きや、健康診断、予防接種、育児、授乳、家事などかなり忙しくなり、そのため学資保険の検討をしなくてはと思いつつも、ついつい後回しになってしまいます。

出生前契約をすれば落ち着いて、余裕を持って検討することができるのでおすすめです。

親(契約者)の加入年齢は?

契約者である親の加入年齢には制限があります。これには学資保険のメリットのところであげた「払込免除特約」が深く関わっているのです。

契約者にとってはメリットの多い払込免除特約ですが、保険会社としては支払いリスクを抱えることになります。

あまりに高齢な契約者だと保険料払込終了前に死亡する確率が高くなり、保険会社としては保険料を全額受け取らずに学資金を支払わなければならないリスクが増えます。

そのため契約者の年齢に制限をかけるのです。保険会社によっても異なりますが、60歳位までが契約できるリミットとなっています。

契約者年齢別 比較シミュレーション

子供の契約年齢で返戻率が変わってきたように、契約者である親の年齢も返戻率に影響を与えます。こちらもシミュレーションで比較してみましょう。

親が30歳で契約する場合と50歳で契約する場合をF社の大学入学時と卒業時に学資金を受取るタイプでシミュレーションしてみます。

被保険者(子供)0歳/満期保険金額100万円/保険料払込期間11歳まで
親の年齢 30歳 50歳
毎月の保険料 14,354円 14,676円
払込保険料総額 1,894,728円 1,937,232円
受取総額 2,000,000円 2,000,000円
返戻率 105.50% 103.20%

返戻率で2%以上、払込保険料で4万円以上の差となっていることが分かります。

学資保険の受け取り時期を考えよう

返戻率も大切ですが、せっかく貯めた教育資金を「いつ受取るか」という受け取り時期も大切な問題です。

小学校から公立に通い、一番お金のかかる大学のみ私立に通うパターンと、小学校から私立の付属校に通い、そのまま大学までエスカレーター式で進学するパターン。ほかに途中から海外に留学するパターンでは「教育資金がかかる時期」が全く違うからです。

そのため各保険会社とも、様々な受け取りパターンを用意しています。ここではソニー保険のプランを例に紹介しましょう。

Ⅰ型:大学進学時だけではなく、中学・高校入学時の費用にも備えるプラン

17歳または18歳満期で満期時に受け取れる金額が100万円だとすると、中学・高校進学時にはその30%にあたる額を受け取れます。

年齢 12歳 15歳 17歳または18歳
学資金額 30万円 30万円 100万円

Ⅱ型・・・大学進学時に重点を置いたプラン

17歳または18歳の満期時に一括して学資金を受け取ります。

年齢 17歳または18歳
学資金額 100万円

Ⅲ型・・・大学生活にかかる費用をカバーするプラン

22歳の満期時の満期金を40万円とすると、同額を毎年受け取ることができます。

年齢 18歳 19歳 20歳 21歳 22歳
学資金額 40万円 40万円 40万円 40万円 40万円
へえ、いろんなプランがあるんですね!
お子さんの人数や歳の差なども踏まえて、ご家庭にあったプランを選ぶのがよいですね。

学資保険に加入する5つのメリット

まず学資保険とはどんなものなのか。代表的な5つのメリットを紹介しながら解説します。

学資保険とは、「子供の教育資金の貯金と親の死亡保障がセットになったもの」ということができます。お金を貯めるという意味では貯金と同じですが、親に万一のことがあってその後の支払いができなくなっても、きちんと満額の学資金が受け取れるというメリットがあります。  

メリット1、高い貯蓄性

学資保険を検討する人にとって最大のメリットは貯蓄性です。学資保険の高い貯蓄性をみてみます。

学資金を18歳~22歳の間に5回に分けて、毎年受取ることができるタイプ
契約者(親)/30歳男性/被保険者(子供)が0歳の場合
受取額資金総額 200万円
保険料払込期間 10年
払込保険料総額(月払) 1,864,800円
返戻率 107.2%

返戻率とは預けたお金がどれ位増えて戻ってくるかを表した比率です。100%を超えていれば、増えて戻ってくることになります。金額的には約130,000円ほど増えています。

比較対象として積立定期預金でもシミュレーションしてみましょう。

現在の平均的金利0.1%で、月々17,000円を10年間積み立てると、元金が2,040,000円。

それに対する利息は10,248円。更に20.315%の税金が引かれるので、受取ることができる利息はわずか8,167円となります。約130,000円に対し、約8,000円しか増えていないのです。

積立定期預金と比べたら、学資保険の高い貯蓄性が見えやすくなりましたね。

メリット2、強制的に貯金ができる

今月こそはいつもより多く貯蓄にまわそうと思うのだけれど、なかなかやりくりがうまくいかないわ。
貯金が苦手な人には学資保険がおすすめなんです。その理由を解説しましょう。

計画的に毎月貯蓄ができれば良いのですが、なかなかそうは行きません。住宅ローンや自動車ローン、外食や家族旅行などで出費はかさみ、ついつい「来月からでいいか」となってしまいがちです。

その点、学資保険は毎月の保険料として引き落とされますし、途中解約がしづらい事もあり強制貯蓄効果があると言われています。

メリット3、親に万が一の事があっても安心の払込免除特約

ほとんどの学資保険には「払込免除特約」がついています。

これは契約者である親に万が一の事があった場合(死亡した場合、保険会社所定の高度障害状態になった場合)、それ以降の保険料の払込が免除されるというものです。

もちろんその場合でも満期になれば満額の学資金を受取ることができます。

メリット4、年末調整でお金が戻ってくる!生命保険料控除

学資保険は生命保険会社が販売する生命保険の一種なので、生命保険料控除が受けられます。所得税からは最大40,000円、住民税からは最大28,000円課税所得額から控除されます。

年収500万円の家庭で所得税、住民税の税率が10%だった場合、それぞれ4,000円、2,800円、合計6,800円が戻ってきます。

貯蓄ではこのような控除はありません。学資保険のメリットの一つです。

メリット5、増えたお金に税金がかからない!学資金受取時の所得税控除

満期の時に受取る満期金は、税法上「一時所得」に分類されます。

この時の課税対象額は、
(満期時受取額-既払込保険料-特別控除50万円)×1/2 となります。

例えばある学資保険で18歳の満期時に200万円受取る契約をした場合をシミュレーションしてみましょう。

契約者30歳男性/被保険者0歳/払込期間10年/毎月払いの場合
(2,000,000-1,908,000-500,000)×1/2=-204,000

課税対象額がマイナスなので、税金はかかりません(※他に一時所得が無かった場合)。

つまり余程の高額加入をしない限り、学資保険の満期受取金に税金はかかりません。これに対し預貯金など(財形貯蓄などを除く)の利息には20.315%の税金がかかります。

毎月10,000円を18年間、0.1%の金利で積み立てていったとしましょう。この時元金は2,160,000円となり、それに対し19,509円の利息が付きます。学資保険に比べると少ないですね。

そして更にここから20.315%の税金が引かれます。3,961円が引かれ、受取る利息は15,548円となります。高い返戻率に加えて満期時の課税面でも有利。これも学資保険のメリットです。

学資保険にはできるだけ早く、若い時期に入るべき

学資保険は子供、親共にできるだけ若い時に入ると返戻率が上がる=保険料が安くなる事がわかりました。

特に余計な手間もなく、ただ「早めに契約するだけ」で保険料を安くできるのでしたね。 メリットの多い出生前契約も利用できます。妊娠が分かったタイミングで資料を取り寄せてみるのも良いでしょう。

学資保険に入るタイミングははやくから検討しておくのがおすすめですよ。