がん保険

がん保険と医療保険のがん特約の違いは?保障内容を比較して選ぼう

がんへの保障を準備しておきたいものの、医療保険やがん保険などいろいろあってどちらに加入するべきか迷ってしまわないでしょうか?医療保険でがんに備えるとなるとがん特約をつけることになることになります。最近のがん治療の傾向を把握しながらどちらの方が良いか比較してみてください。

がん保険につけられるオススメの特約も紹介していきます。どのようにがんに備えるのが自分にあっているのか見極めるためにそれぞれの特徴を学んでみましょう。

「がん保険」と「がん特約付きの医療保険」の違い

がん保険とがん特約付きの医療保険は保障の範囲が違います。がん保険はがんのみが対象となり、医療保険はさまざまな病気やケガが対象となります。広範囲を保障してくれる医療保険は良いですが、がんの保障はやはりがん保険の方が上回っています。

そもそもがんの保障とはどんなものを備えなければいけないのですか?
みなさんがんに罹ったとき不安なのが高額な医療費です。まとまったお金がもらえるかどうか、長期的な入院費用に備えられるかという点を民間の保険で備えることができるか大事になってきます。

すでに医療保険に加入している人は、まずがん特約が付いているかどうかチェックしてみましょう。

がん保険 がん特約付き医療保険
一時金 あり あり
入院日数 無制限 60日〜120日
入院費用 日額10,000円から 医療保険加入時の日額×2倍
先進医療 あり あり
通院 あり ほとんどなし
手術 入院給付金の20倍・40倍etc… 入院給付金の20倍・40倍etc…
免責期間 90日間 なし

がん保険には90日の免責期間があります。

この間にがんに罹ってしまった場合はがん保険の契約が成立しません。医療保険はがんだけではなく他の病気やケガに対しても保障されるので面責期間はありません。

あとは入院日数の限度が大きな違いです。医療保険は1入院あたりの入院限度日数が限られているので、あまり長期化するがん治療だと超えた日数分は補償の対象外になってしまいます。

がん保険の主な特約6つを紹介

医療保険に「がん特約」をつけて備えることもできますが、この病気は再発する恐れもあります。長期的に考えるとがん保険に必要な特約をつけて手厚い保障を受ける方が良いでしょう。

がん保険にはいろいろな特約があります。オススメ順に紹介していくので参考にしてみてください。

1.先進医療特約

先進医療とは厚生労働大臣が認めた、一般医療水準を超えている最新の医療技術です。今100種類以上の治療方法があります。

先進医療は保険適用外になってしまうので高額な費用がかかってしまいます。そのため特約をつけて先進医療の技術料の負担をなくすことができます。

がんだけではなく、白内障の手術でも用いられることが多いです。月100円程度でつけることができる特約なので、病気になったときの治療費が不安な人は最新技術を受けられるように付加することをおすすめします。

2.がん診断特約

がんと診断されたら「がん診断給付金」としてまとまったお金が受け取れます。この給付金の用途は特に決まっていなく、休職中の生活費だったり手術費用に充てたりすることもできます。

入院を伴うがんの治療は50万円〜60万円はかかると思っておきましょう。治療をしても再発する可能性があるのでさらにかかってくる可能性があります。

3.抗がん剤特約

抗がん剤とはがん細胞の増殖や成長を妨げる薬です。保険会社で指定している治療方法をする時に対象となります。保険料は数千円上乗せされるので優先順位は低めです。上乗せになる保険料分を万が一の時の治療費として別に貯蓄をしておく方が良いでしょう。

抗がん剤治療はどのくらいかかるのかは治療期間に個人差があるので一概には言えませんが、1サイクルで30万円ほどかかります。

1サイクルとは投薬期間から休止期間までのこと。副作用があるのでずっと薬を使い続けるわけではありません。良くならない時にはこのサイクルを2〜3回繰り返すこともあります。

投薬期間に個人差はあるのでしょうか?
はい。身体の大きさだったり、治りの早さによって薬の量は変わってきます。

4.女性がん特約

女性は子宮や乳房にがんを患った時に乳房を再建しなければいけないこともあり、さらに費用が増えます。この特約をつけることでもらえる給付金が増えます。

そもそも女性の方ががんにかかる確率が高いのも、このような特約がある一因でしょう。ただし特約をつける分、保険料は上がってしまいます。女性がん特約をつけるか悩んだときは、がんと診断された時にまとまったお金がもらえる診断給付金をつけることを優先しておきましょう。

5.払込免除特約

払込免除特約をつけることによって、がんにかかった時に保険料の払い込みをしなければ保障がなくなってしまうという心配をすることなく治療に専念することができます。

がん闘病中は今まで通り仕事をすることができなくなり、収入も減ってしまうので保険料の支払いが困難になってしまうことが考えられるのでこの特約をつけておくと安心です。

特に終身払いを考えている人は特約の付加の確認をおすすめします。

6.通院保障特約

がんの治療は医療技術の進歩によって入院は少なくなり、通院が増えてきています。

通院保障特約は「入院後に通院をした場合」に給付金が支払われるという仕組みのものがたくさんあります。最近のがんの治療は手術をしないケースも多く、そうなると入院社手術をしていない状態での通院では給付金はもらえません。そのため、つける必要はないと考えられます。

がん保険の特約の必要性・自分が必要か判断するポイント

がん保険にどんな特約をつけようか迷ってしまうのですが、必要か見極めるポイントはありますか?
自分にあっているのか判断するポイントとして以下の点に注目してみましょう。
  • 資産状況
  • 主な収入源となっているか
  • 性別

診断給付金は重要な特約なので基本的につけるかと思いますが、がんにかかった人が治療をすることで収入を得られなかったりする場合にはなるべくつけた方が良いです。

また、女性も月に1万円〜2万円程度かかる抗ホルモン剤や乳房再建術など男性にはない治療方法があるので費用がかかります。まとまったお金をもらうことで治療費の軽減に繋がります。

抗ホルモン剤を使うような部位は次の通り。

  • 前立腺
  • 甲状腺
  • 乳房・乳腺
  • 子宮・子宮頸部

使う用途のないまとまった貯蓄がある人はあまり特約をつけすぎずに貯金からまかなう方が保険料の節約になります。

がん保険で特約をつける場合に事前に知っておいた方が良い注意点

がんになったときを考えると、どの特約もつけたくなってしまいます。
特約のつけすぎには注意しておきましょう。魅力的な特約がたくさんありますが、保険料が高くなりすぎると家計を圧迫してしまいますので注意してください。

他にも給付金を受け取れるように特約をつけたのは良いものの、給付金を受け取ることができないケースも存在します。

  • 告知義務違反だった
  • 免責期間中である
  • 上皮内新生物が対象外である
  • 請求手続きをしていない
  • 条件を満たしていない

こういった事例もあるので注意しておきましょう。

がん保険の特約を解約することは簡単だが、途中で「追加」するのは難しい

がん保険の特約は途中で解約をすることもできます。ただし、新たに付ける場合は再告知が必要になってしまいます。すでにがんにかかったことがある人は付けることができない可能性があるので注意しましょう。

特約を外すのは簡単だけど、途中でつけることは難しいということは必ず覚えておいてくださいね。

また途中でつけた場合は保険料が上乗せされますが、中途付加する時点の年齢が適用されます。特約の種類によってはつけられないものもあるので保険会社に確認してみましょう。契約内容の変更も解約も保険会社のコールセンターや代理店で受付してもらえるので問い合わせをしてみてください。

特約と特則の違い

特約は付け外しのできるオプションであり、特則は基本的に外すことができなく主契約に組み込まれているものです。

ただ最近の保険契約によっては特則でも外せるものもあるようです。

従来のルールとは異なってきているので解約したい特則がある場合には、はやめに保険会社へ直接確認してみましょう。

がんに備えるなら、必要な保障内容をしっかり見極めよう

がんになったときの治療費や生活費が心配なら1番はがん保険に加入することです。しかし病気全体にも備えたいなら無理せずがん特約付きの医療保険に加入しておくだけでも良いでしょう。若いうちは医療保険で幅広いケースに備えて、医療保険に加入してある程度の年齢に達したらがん保険で備えておくというのも手です。

上皮内新生物にかかったとして軽度ですが、部位によっては切除だけでは済みません。どんな症状が保険の対象になるかも考えておくことが大切です。