在宅介護サービス
訪問介護と訪問看護の違いを知ろう!サービス内容や料金の違いを紹介

訪問介護と訪問看護の違いを知ろう!サービス内容や料金の違いを紹介

訪問介護と訪問看護って、名前がよく似ていて違いがわかりにくいですよね。

訪問介護と訪問看護それぞれに、できることとできないことがあります。

最も大きな違いは、訪問看護では、訪問介護ではできない医療ケアができるということ。

反対に、訪問介護では掃除などの生活援助ができますが、訪問看護ではできません。

訪問介護と訪問看護の違いや、どちらを利用したらいいのかなどについてご紹介します。

訪問介護と訪問看護でできること・できないことの比較

訪問看護では医療ケアができ、訪問介護では原則として医療ケアはできないというのが大きな違いです。

訪問介護と訪問看護でできることとできないことを比較して紹介します。

なぜ訪問介護では医療ケアができないのかも説明しますね。

訪問介護と訪問看護でできること・できないことはどう違う?

訪問介護では食事・トイレ・お風呂の世話などの身体介助と、掃除・調理・洗濯などの生活援助を行います。

訪問看護でも訪問介護と同様に食事・トイレ・お風呂などの介助は可能です。さらに、医師の指示にもとづいて、床ずれの処置・血圧測定・カテーテルの管理なども行うことができます。

訪問介護でできること・できないこと
できる 清拭・入浴、体位変換、掃除、洗濯、調理、買い物
できない 注射・採血、カテーテル管理、導尿、床ずれ処置、血圧測定など医療行為全般
できる場合あり たんの吸引、経管栄養
訪問看護でできること・できないこと
できる 医師の指示のもとに行う注射・採血、カテーテル管理、導尿、床ずれ処置、血圧測定、リハビリなどの医療行為、清拭・入浴、体位変換、食事の介助
できない 掃除、洗濯、調理、買い物
訪問介護の「できる場合あり」ってどういうことですか?
必要な研修を受けたヘルパーのみ、医療行為であるたんの吸引や経管栄養ができると認められているんです。詳しくは「訪問介護でヘルパーができること・できないことを紹介します!」を読んでくださいね。

訪問介護と訪問看護は利用者宅に来るスタッフが持つ資格が違う

なぜ訪問看護では医療行為ができて、訪問介護ではできないんでしょうか。それは、訪問するスタッフが持っている資格が違うからです。

訪問介護と訪問看護の訪問スタッフ
訪問介護 介護福祉士、訪問介護員
訪問看護 看護師、准看護士、保健師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士

訪問看護では、看護師や准看護師が利用者宅を訪問します。リハビリを行う場合には、理学療法士や作業療法士が訪問することもあります。

看護師や理学療法士は、医療行為を行える専門職です。

訪問介護と訪問看護の利用条件の違いや使い分けの注意点

訪問介護と訪問看護を利用できる条件はどう違うのでしょうか。また、どちらも利用できる場合には、どちらを利用したらいいんでしょうか。

訪問介護と訪問看護の併用についても説明します。

訪問介護は要介護1~5なら利用可能!訪問看護は要支援でも利用可

介護保険で訪問介護と訪問看護を利用する場合の条件は、以下のようになっています。

訪問介護と訪問看護の利用条件
訪問介護 要介護1~5
訪問看護 要支援1~2または要介護1~5

訪問看護は「医師の指示書」にもとづいておこなわれるので、主治医が訪問看護の必要性を認めることも条件です。

なお、訪問看護は医療保険でも利用できますが、要介護認定を受けている人は介護保険での利用が優先されます。

訪問看護での医療保険と介護保険の利用条件について詳しくはコチラをご覧ください。

えっ、要支援1~2だと訪問介護は頼めないんですか!?
介護保険では利用できません。要支援の人向けの訪問介護は、自治体が実施する「総合事業」というものに組み込まれたんです。総合事業でほぼ同様のサービスを受けられますので安心してください。

訪問介護と訪問看護の使い分けは自己判断せず専門家に相談を

訪問介護と訪問看護をどちらも利用できる場合、どっちを利用したらいいのか悩みますよね。

例えば、入浴や清拭(体を拭くこと)は訪問介護でも訪問看護でも対応できます。どちらを選ぶのが適切なんでしょうか。

それは利用者の体の状態によります。入浴や清拭での体位変換が大きな負担になり、特別な配慮が必要な人などは、訪問看護が適切でしょう。

いずれにしても、利用者や家族の自己判断ではなくて、主治医やケアマネージャーに相談して決めましょう。

訪問介護と訪問看護は併用が可能!同日の利用もできます

訪問介護と訪問看護は併用可能です。

例えば、訪問介護を毎日利用して、週1回だけ訪問看護を利用するといったケアプランができます。

原則として訪問介護と訪問看護を同じ日の同じ時間帯には利用できませんが、必要だと認められる場合には、同時に利用することもできます。

訪問看護のほうが料金は高い!費用の違いを紹介します

訪問介護も訪問看護も基本料金は時間制で、訪問看護のほうが料金は高く設定されています。

費用の目安の比較や、負担軽減策の違いについて紹介しますね。

訪問看護のほうが料金は高い!基本料金の比較

訪問介護は身体介助か生活援助かによって、訪問看護は訪問するスタッフや事業所の種類(訪問看護ステーション、病院・診療所)によって、料金が異なります。

地域加算がなく、1割負担の場合の利用者負担額を紹介します。訪問看護の料金は、訪問看護ステーションを利用する場合のものです。

訪問介護と訪問看護の基本料金
訪問介護(身体介助) 20分未満 165円
30分未満 248円
1時間未満 394円
1時間半未満 575円
訪問介護(生活援助) 20~45分未満 181円
45分以上 223円
訪問看護(看護師) 20分未満 311円
30分未満 467円
1時間未満 816円
1時間半未満 1,118円
※准看護師は看護師の90%の料金
訪問看護(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士) 20分 296円

また、訪問介護も訪問看護も、住んでいる地域、利用時間帯、事業所が満たしている条件などによって追加料金がかかります。

それぞれの料金について詳しくはコチラをご覧ください。


医療費控除の対象になるかならないかも違いがあります

訪問看護は医療系サービスなので、医療費控除の対象となります。

訪問介護は、医療系サービスと併用する場合のみ、医療費控除の対象です。

ただし生活援助(掃除、調理、洗濯など)中心のサービスは対象外なので注意してください。

訪問介護と訪問看護の医療費控除
訪問介護 医療系サービスと併用する場合のみ対象(生活援助中心型は対象外)
訪問看護 対象
医療費控除以外にも、介護費用の負担を軽減できる「高額なんとか」という制度があると聞いたような…その制度は、どっちも使えるのかね?
どちらのサービスでも高額介護サービス費の払い戻しや高額医療・高額介護合算制度を利用できます。詳しくは「あなたの介護保険の自己負担割合はいくら?自己負担割合の決まり方」の「負担の減らし方」の項目をご覧ください。

訪問介護と訪問看護の大きな違いは医療ケアができるかどうか

訪問介護と訪問看護の大きな違いは、医療ケアができるかできないかです。

料金は訪問看護のほうが高く、医療費控除の対象になるかどうかの取り扱いも違います。

訪問介護と訪問看護ではどちらも入浴・清拭、食事、排せつの介助ができますが、どちらを利用するかは利用者本人の体の状態によって決めます。

くれぐれも「訪問介護のほうが料金が安いから、訪問介護で頼もう」なんて安易な考え方はやめて、主治医やケアマネージャーに相談してください。