家が売れない7つの原因と、売主がすべき対処法を紹介
とはいえ長期的に売り出されている家は「売れ残り」というイメージがつく恐れもあります。早めに原因を突き止め、対処法を考えましょう。
この記事では家が売れない原因別と、その対処法について説明します。まだ売却を始めていない人も、「スムーズに売るためのコツ」としてぜひ読んでみてください。
(売りたいのが一戸建てではなくマンションの場合は、別記事「マンションが売れない理由と対処法【すぐに処分したい人必見】」もオススメです。)
家が売れないときはどうする?6つの原因と、その対処法
家が売れないのには、何かしらの原因があります。原因を明らかにして、状況に応じた適切な対処法を選びましょう。
家が売れない場合、原因として考えられるのは主に次の6つです。
それぞれの原因について、詳しく説明します。該当する項目がないか確認してみてください。
家が売れない原因1:売り出し価格が適正でない
まずは、売り出し価格が適正であるかどうか確認してみましょう。
不動産の相場は自分で調べることができます。手順については次の記事で分かりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
家が売れない原因2:ライバル物件がある
売りたい家の近隣に、似たような条件(立地や間取りなど)の家が売られていませんか?このような物件を「ライバル物件」といいます。
ライバル物件が自分の物件より条件が良い、安いなどの場合は、そちらが先に売れ、自分の物件が残ってしまうこともあるのです。
- ライバル物件と自分の物件の価格を比べてみる
- 自分の家にしかないメリットをアピールする
まずはライバル物件の売り出し価格を見て、自分の物件の価格設定が適正であるか確認してみましょう。判断がつかない場合は、不動産会社の担当者へ相談してみるのも1つの手です。
また売りたい物件とライバル物件を比べ、「自分の物件にしかない魅力」を買い主にアピールすることで差をつけると、選んでもらえる可能性が高まります。
家が売れない原因3:物件の魅力が伝わらない公告である
家の購入を考えている人は、たいてい物件の公告(物件情報)を見ます。
もしあなたが買い手だったとしたら、公告を見て「魅力的な物件だな」と思わないかぎり、わざわざ内覧には行かないですよね。
そのため家が売れない場合は、公告の内容も見直すことが大切です。
魅力的な物件情報には、次のような特徴があります。
- メリットが伝わりやすい
- 写真が適度に多い
- 写真の撮り方を工夫している
物件情報は具体的で伝わりやすいものが理想です。
写真は多く載せたほうが、家のイメージが伝わりやすくなります。最近では360度カメラでの写真撮影・バーチャルで内覧を体験できるシステムも取り入れられつつあるので、良い印象を与えられるよう活用するといいでしょう。
明るさだけでなく、広さなども撮り方によって大きく変わるのでチェックしてくださいね。
また売り出しの際、クロスを張り替えるなどの簡単な補修をしておくと、写真の見栄えがさらに良くなります。内覧・売買に繋がる可能性も高まるのでオススメです。
家が売れない原因4:内覧がうまくいかない
「内覧(内見)に来る人はいるけれど、そこから成約につながらない」という場合は、内覧時の家の状態・対応のしかたを見直してみましょう。
内覧の際、家が次のような状態になっていませんか?
- 掃除や整理整頓が不十分
- 生活臭対策が不十分
- 物が多くて狭く見える
また内覧時に次のような対応をしてしまうと、成約につながりにくくなる原因になることも。
- 物件の不具合を隠す
- 頻繁に話しかける
- 見学者からの質問にうまく答えられない
- 過剰なおもてなしをする
- 対応者だけでなく、その家族も家にいる
物件の不具合を隠すと、後々買主とのあいだでトラブルになる恐れがあります。「目立つ不具合があり、売買成立までの修繕が難しい」という場合は、「売却が決まれば修繕します(売買代金の一部で修繕します)」と伝え対応するほうが好印象です。
また内覧対応者を交代してみるのも1つの手。「旦那さんではなく、奥さんが行う(女性のほうが質問しやすいという人もいるため)」「仲介業者に完全に任せる」など検討してみましょう。
内覧は、買主が物件をじっくり見られる環境をつくること、そして都合の悪いことも必要に応じてきちんと伝えることが大切です。
内覧を成功させるためのコツ・注意点については、次の記事でさらに詳しく解説しています。ぜひ読んでみてください。
家が売れない原因5:長期間売りに出している
長期間売りに出されている家は「売れ残り」というイメージがつく恐れもあるため、ますます売れにくくなる場合もあります。
しかし家には売り時があるため、「ずっと売れていなかったけれど、売り時になったら購入希望者が出てきた」となる可能性もあります。
家の売り時は、主に次のとおりです。
- 引越しシーズン(1~3月)
- 秋の転勤シーズン(9~11月)
- 家のある地域で、再開発が行われる時期
- 道路拡張や新設整備が行われる時期
- 学校などが移転してくる時期
このような時期を迎えていない場合は、もう少し様子を見てみたほうがいい場合もあります。
家が売れない原因6:物件そのものに売れない原因がある
買い手がつきにくい物件は、主に次のとおりです。
再建築不可物件 | 建築基準法上、その建物を壊して新たな建築をするのが不可能 |
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事故物件 | 自殺や殺人・事故による死亡があった、反社会的勢力や性産業の拠点になっていたなど、心理的瑕疵がある (法律による指定がなくても、買主にとってマイナスな心象を与える事実がある) |
不整形地の物件 | 土地の整形がされておらず、三角形やL字型など利用が難しい形状である |
そのほか古すぎる物件や、狭すぎる物件も売れにくい場合があります。
このような物件の場合、状況の深刻さによっては値下げなどを行っても売れ残ってしまう可能性も。仲介という形ではなく、不動産会社に直接買い取ってもらうことも検討してみましょう。
詳しくは後ほど「家が売れないなら、不動産会社による直接買取も検討しよう」でお伝えします。
家が売れない原因7:不動産会社との相性が良くない
不動産会社(不動産仲介業者)は多く存在し、それぞれ異なった強み・戦略などがあります。
そのため物件・売主の希望に合わない不動産会社を選んでしまうと、家が売れないことも考えられるのです。
また担当者によっては、適切な販売活動を行ってくれていないなどの可能性もあります。
いい不動産会社を選ぶポイントは、次のとおり。
- 「売却」が得意なところを選ぶ
- その物件種別の売却に強いところを選ぶ
- 大手だけでなく地域密着型の企業も見る
不動産会社には、売買仲介が得意な業者もあれば、賃貸仲介に強い業者もあります。売買仲介が得意な業者なら、売却成功の可能性が高まります。
担当者の対応に気になる部分がある場合は、変更を申し出るのもいいでしょう。
「いまの不動産会社が自分に合っているか確認したい」「不動産会社を選び直したい」という方は、次の記事も参考にしてください。
不動産会社を選び直すなら、一括査定サイトの利用もオススメ!
ここまで家が売れない原因について説明してきました。原因によっては「任せる不動産会社を変えようかな」と思う方もいるでしょう。
しかし数多くある不動産会社から、どの会社を選べばいいか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
そのような場合は、一括査定サイトの利用がオススメです。
一括査定サイトとは、一度に複数の会社へ査定依頼ができるサイトのこと。無料で利用できます。
- 複数の会社を比較し、自分に合ったところを選べる
- 売却価格の相場を把握しやすい
複数の不動産会社の査定結果・対応を見れば、自分に合っている業者を見つけやすくなります。
また1社だけでなく複数の査定額を見ることで、売りたい不動産のだいたいの相場も把握しやすいのです。
ただし地域によっては、査定依頼できる不動産会社が少ないというデメリットもあります。
一括査定サイトのメリット・デメリットや活用方法については、別記事「おすすめな不動産一括査定サイトを厳選してご紹介!」をご覧ください。おすすめの一括査定サイトも紹介・比較しています。
家が売れないなら、不動産会社による直接買取も検討しよう
不動産会社のなかには、不動産の直接買い取りが可能なところもあります。
しかし直接買い取りの場合は、仲介による売却より価格が安くなる傾向にあります。いつまでに売りたいのか、いくらくらいで売りたいのかなど、希望に合うほうを慎重に選びましょう。
家が売れない場合は、その原因から対処法を考えよう
・価格は適正か
・ライバル物件に見劣りしていないか
・売り時を見逃していないか
・内覧で良い印象を与えられているか
・仲介業者による適切な売却活動が行われているか
場合によっては、依頼する不動産会社を変えたほうがいいケースもあります。
業者に任せきりにするのではなく、自分でも状況をしっかり把握しておくことが大切です。
訳あり物件の場合は、仲介による売却が難しい可能性も。不動産会社に直接買い取ってもらうことも検討したほうがいいでしょう。
不動産売買では、売主の思い入れや考えが売買の障壁となってしまう場合があります。
“〇〇だから高く売れるはず”という気持ちは大切ですが、その気持ちをうまく汲み取る方法や担当者に出会うことができているか、もしくは高望みしすぎていないか、という点について気を配ることはとても重要です。
4年ほど専任の宅建士として不動産業者に勤務し、現在はマンション管理士・消防設備士として独立。
宅建士としての知識や立場を活かし、不動産売買時の疑問点などの相談を受けている。