医療保険は何歳から入るべき?年齢ごとの加入率とタイミングの考え方
入院や手術に備えて医療保険には加入したいけれど、いつから加入すればいいのかわからない人も多くいるでしょう。
加入するタイミングを考えるには「もしけがや病気をした場合にどのくらいの医療費が必要なのか」を知ることが大切です。
この記事では加入年齢ごとの必要性とともに、人によって違う医療保険の加入のタイミングについてご説明します。もしけがや病気で入院・手術をすることになったとき、貯金で補えない場合は医療保険があった方が安心です。何歳から医療保険に加入すべきなのか、いっしょに考えていきましょう。
医療保険の年代別の加入率がどれくらい?
医療保険の年代別の加入率はどのようになっているのか確認してみましょう。(公財)生命保険文化センター「平成27年度生命保険に関する全国実態調査」のデータの情報を参照しながら説明します。
世帯主の医療保険加入率(年齢別)
年齢 | 加入率 |
---|---|
29歳以下 | 83.0% |
30歳~34歳 | 92.1% |
35歳~39歳 | 87.7% |
40歳~44歳 | 88.8% |
45歳~49歳 | 91.5% |
50歳~54歳 | 93.4% |
55歳~59歳 | 93.1% |
60歳~64歳 | 85.6% |
65歳~69歳 | 83.6% |
70歳以上 | 72.7% |
家計を支える世帯主はどの年齢も高い加入率です。60歳以降は年齢が高くなってくると加入率が下がっていきます。
世帯主年齢別の配偶者の加入率
年齢 | 加入率 |
---|---|
29歳以下 | 66.0% |
30歳~34歳 | 74.6% |
35歳~39歳 | 74.0% |
40歳~44歳 | 73.6% |
45歳~49歳 | 76.4% |
50歳~54歳 | 75.2% |
55歳~59歳 | 73.9% |
60歳~64歳 | 72.5% |
65歳~69歳 | 70.9% |
70歳以上 | 56.9% |
世帯主に比べると加入率は低い結果です。女性に関しては世帯員である配偶者であっても、女性特有の病気もあるのでそのことを考えながら検討しましょう。
医療保険は何歳から入るべきか、加入年齢の目安は?
加入年齢としてまず増えるのは20代~30代の就職や結婚などのライフイベントがあった時です。新社会人は親から勧められる人もいるでしょう。しかしお給料が安い人は無理して保険料を支払うよりも貯蓄をしておいた方が良いです。
医療保険に加入すると支払った分よりも積立が少ない・掛け捨てになってしまうので、健康なままであれば元本割れする心配もありません。もちろん医療保険に加入できる余裕があるのであれば、加入をおすすめします。
まだ保険に加入する余裕がないという場合は、結婚をするタイミングが多い30代を加入目安とすると良いでしょう。
結婚をしていないから加入しなくて良いというわけではなく、20代の時よりもけがや病気のリスクは高くなっています。
医療保険への加入に年齢制限(上限・下限)は?
「人生100年時代」と言われ、高齢者の医療保険の需要が高まってきています。長生きをすると年金だけでは医療費を支払えないという不安もあります。今ままで加入していた医療保険は80歳で保障が切れてしまうので、90歳でも加入できるものに再加入したという人もいるでしょう。
0歳とはお腹にいるうちから加入できる場合もあります。学資保険にセットで付いている医療保障などは加入できるケースが多いです。保険会社によって異なるので検討している人は窓口で問い合わせてみましょう。
医療保険は何歳まで(いつまで)入っておくべきか
医療保険にすでに加入しているものの、特に病気もなく必要ないのではないか?何歳まで入っておくべきか?と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。日本人の平均寿命はどんどん高くなってきています。
昔加入した医療保険だと60歳まで、80歳までと保障期間を決めていた人も多いです。しかし平均寿命が延びている今では、60歳より長く生きる人が多いでしょう。
80歳でも平均寿命以下だから不安だという人は「終身」保障で加入するのが1番の理想です。
「終身」と「歳満了」での保険料の差は、加入年齢によって異なります。
若いうちから加入すれば「300円~」40代・50代で加入すれば「1,500円~」という金額差になります。
赤ちゃんや子どもに医療保険は必要ない!公的制度を活用しよう
妊娠・出産したら赤ちゃんや子どものうちから保険に入っておいた方が良いのか、検討をする人も多いでしょう。
しかし多くの自治体では子どもの医療費助成制度があるため、子供が小さいうちから無理に医療保険への加入をする必要はありません。
ただし医療費助成制度は住んでいる市区町村によって補助の内容が異なります。引っ越しをした・引っ越しを予定している場合は問い合わせて確認してみましょう。
特にいつまでの期間なのかは必ず確認しておいてください。自治体によって「未就学児まで」であったり、「中学生になるまで」であったりと期間が決められています。
子供にまつわる補助金や助成金については「子供の補助金・助成金を紹介!子育て・育児でお金がもらえる公的制度」でも紹介しているので、合わせて確認してみてくださいね。
医療費はどれくらい必要なのか
赤ちゃんは生後6カ月くらいから体調を崩すことがあります。これは母親の免疫物質の効果が切れるからです。幼稚園や保育園、小学校に行くようになれば「おたふく風邪」「水疱瘡(みずぼうそう)」などの感染症にかかる可能性も高まります。
自己負担のみだと年間1万円程度で済むので制度の大事さがわかるかと思います。
医療費助成制度が終了する頃に、再度民間の医療保険への加入を検討するのが良いでしょう。
若いときから医療保険に加入するメリットとデメリット
- 保険料が安い
- 保険に加入できない可能性が低い
- 所得が低くても安心感がある
低い年齢のうちから支払うと払込期間によっては保険料の負担が安く済みます。また、若いうちは健康体の人が多いため告知で引っかかることもほとんどありません。
- 保険料払済だと乗り換えしにくい
- 価格が変動して保障金額が足りなくなる可能性がある
保険料の支払いが満了してしまった後に現在の医療保険より良い条件の商品が登場してもせっかく支払った保険料が無駄になってしまうため、乗り換えをためらうことになります。そしてインフレによって入院費用などの価格が10年後には変わっているということもあります。
入院日額5,000円が給付される保険に加入していたけれど、数年後入院したときにはもっと大きな金額が必要になったというケースもあり得ます。
若いうちに加入するのであれば定期型で安く抑えて、新しい医療保険商品を探すのも手です。
医療保険に入るタイミングはどうやって考えるべきか
医療保険に加入すべきタイミングはライフイベントがあった時です。しかし特に何もなく独身で過ごしている場合などは周りで大きな病気にかかった人でもいない限り、医療保険の加入を検討する人はあまりいないでしょう。
若いうちに親が契約してくれていたものがあれば、その医療保険を引き継いで自分で払込して継続するのも良いでしょう。25歳・30歳・35歳と自分で医療保険について考えるタイミングを決めておきましょう。
今は老後にも医療保険の需要が高まってきています。長生きすればするほど入院や手術の可能性は高まるので、医療費の支払いや入院代などが心配な人は早めに医療保険に加入を検討しましょう。
これから医療保険に加入すべきか判断するためのポイント
- 子どもの医療費制度が対象外になる年齢
- 貯蓄があまりなく、多額の医療費を払えない
- 差額ベッド代や先進医療も利用したい
これらの項目に当てはまる人は医療保険に加入すると良いでしょう。子どもは外で活発に遊んだり集団で生活したりするのでけがや感染症のリスクが意外と高いです。
乳幼児の間はどこの市区町村でも医療費の制度はあると思います。小学生になったら対象外になるとこもあるのでその場合は医療保険をおすすめします。まだ若いので定期型で良いでしょう。
貯蓄がないと急にまとまった医療費が必要な場合治療に専念できなかったり、生活費がなくなったりするケースもあります。保険料の負担はありますが、万が一の備えをしておきましょう。先進医療は保険適用外になるので十分な治療をしたい人は先進医療特約を付加してください。
もし自分に医療保険が必要なのか迷ったら、次の記事も参考にしてみてくださいね。
医療保険を検討する時は公的な医療制度を確認!
制度の対象となる年齢や健康保険に加入しているのであれば民間の医療保険に無理して加入する必要はありません。
高齢者も所得が現役並みでなければ医療費の負担は1割です。高額療養費制度などの制度もあるので確認して自分には医療保険が必要か考えてみてください。
もし医療保険に加入しないという人はなるべく貯金を心がけて、急なまとまった費用にも対応できるようにしましょう。
公的医療保険については「ケガや病気で働けないときにもらえるお金一覧!公的医療保険のすべて」の記事を参考にしてくださいね。