保険の基礎知識

医療保険とがん保険ならどっちを選ぶ?保障内容の違いと選ぶポイント

医療保険もがん保険も医療保障ですが、けがや病気全般を保障する保険とがんに特化して保障する保険という違いがあります。

あらゆる保険に加入して備えておくのが理想ですが、保険料が高くなってしまうのでなかなかそうはいかないでしょう。がんは一生涯で2人に1人が発症すると言われています。

保険貧乏にならないように医療の保障を厳選して自分にあった保険探しをしてみてください。がん保険と医療保険の違いや特徴を知り、選び方のポイントをおさえてみましょう。

医療保険とがん保険とは?特徴や違いを比較

医療保険とはけがや病気の時に入院・手術にかかる医療費に備える保険です。入院日数の上限が決められていて加入時に設定します。手術は病院に書いてもらう診断書に記載されている手術名から保険金の支払い対象となるか保険会社が判断します。

がん保険とは医療の保障の中でも「がん」に特化して保障する保険です。最初にがんと診断された時にも給付金がもらえます。入院日数の制限は通常の医療保険より長めに設定されています。

特徴 医療保険 がん保険
加入年齢上限 満85歳まで 満85歳まで
保障期間 10年〜終身 10年〜終身
保障内容 けが・病気全般 がん(悪性新生物・上皮内新生物)
払込期間 満60歳〜終身 満60歳〜終身
免責期間 なし 90日間
入院限度日数 60日〜120日程度 1,000日
がん給付金 がんによる一時金なし がんによる一時金あり

両方とも死亡保障は基本的についていません。医療保険とがん保険を比較すると上の表のような特徴があります。

医療保険と生命保険の違いに注意!

生命保険と医療保険はまず保障の対象が異なります。生命保険は死亡への保障、医療保険は医療への保障がメインです。ただし特約を付加することによって別の保障をつけることは可能です。

特約には以下のようなものがあり、生命保険よりも医療保険は医療費に関する特約が多いのが特徴となっています。生命保険の方がつけることができる特約は多いです。

生命保険 医療保険
定期保険特約 先進医療保障特約
収入保障特約 三大疾病特約
災害割増特約 通院特約
リビングニーズ特約 女性疾病入院特約
入院特約 特定損傷特約

特約の中で注目度が高いのが先進医療保障特約。先進医療技術を利用する病気といえば「がん」が知られています。しかし、それだけではなく目の病気でも利用されています。

高齢者が多くなっている現代の日本では成人病である「白内障」の患者が増えています。

この病気は先進医療技術の超音波を利用して水晶体を砕き、人工のレンズを入れる手術をします。がん保険だけではなく、医療保険にも先進医療保障をつけておくと安心です。

医療保険のメリットとデメリットは?

医療保険は入院・手術をした時の費用を保障するものであり、特約をつけることで保障が上乗せされます。

医療保険に加入していれば、金銭面を気にせずに病気やけがの回復に専念でき精神的に安定するでしょう。また、月々の保険料が比較的安いので家計を圧迫しないこともメリットです。

会社でもらえる年末調整の書類は保険の払込証明書を添付して計算すれば所得税と住民税の課税を抑えることもできます。これは医療保険だけではなくがん保険も同様です。

しかし医療保障には基本的に死亡保障が付いていません。公益財団法人生命保険文化センター「平成28年度 生命保障に関する調査」によると日本人の男女ともに80%が、万が一の場合に備えていて、40代〜50代の加入率が特に多くなっています。

家族がいる場合は死亡保障を備えておきたいのが理想です。

加えて医療保険は解約返戻金があまり期待できない金額です。掛け捨ては特に返戻金がありません。しかし、保険は保障が1番の目的なので解約はできるだけ最終手段と考えましょう。

医療費には公的な制度がある上、貯蓄が多い人は医療保険に加入しなくても問題ない人もいます。

保険料を支払っているよりそういった制度を利用した方が損をしない可能性もあります。上限を超えた分の医療費が戻ってくる高額療養費制度は所得や年齢で上限が決まっています。

女性向け医療保険があると聞きました。普通の医療保険と比較してどんな違いがあるのですか?
乳がんや子宮頚がんなど女性特有の病気を重点的に保障してくれる医療保険です。もちろんそれ以外の病気やけがでも保障されます。

がん保険のメリットとデメリットは?

がんの治療に手厚い保障がある「がん保険」はがんと診断されると一時金がもらえたり、がんが再発しても保険金を受け取れたりできます。そんながん保険のメリットとデメリットは以下の通りです。

がん保険のメリット

  • がんへの手厚い保障が受けられる
  • 保険料が比較的安い
  • 入院日数制限が長い

がんが重い病気という印象を誰もが持っていると思います。長期的に治療をしなければいけない場合も多く、入院費や治療費などどのくらいかかるのかとても不安になるでしょう。がんを重点的に保障してくれ、まとまった一時金がもらえるので経済的に安心します。

保険料が比較的他の保険より安いので、気軽に加入しやすいのもポイントです。がんの発症リスクは年齢が高くなるごとに上がっていき、女性は20代後半からリスクが一気に高まります。

入院日数は1,000日や無制限と長期間なのが医療保険との違いです。

医療保険にもがん特約をつけてがんへの保障を手厚くすることはできますが、入院日数制限が大きく異なります。

がん保険のデメリット

  • 「がん」しか対象とならない
  • 免責期間(待機期間)がある
  • 貯蓄や公的制度で賄える場合がある

がん保険という名の通りがん(悪性新生物)しか対象となりません。医療保険と同様、がんの治療も保険適用の治療であれば公的制度の対象となります。また、がん保険の中でも上皮内にできたがんは保険商品によって対象となるか異なります。軽いがんは上皮内がんのことも多いので、がん保険に加入するときは確認しておきましょう。

がん保険は90日の免責期間があり、その間に発症した場合は保険金が支払われません。

また、契約自体も無効となってしまいます。

医療保険とがん保険どちらに入るべき?選び方のポイントとは

結論から言うと、医療保険とがん保険は別々に加入するのが本当は望ましいです。それぞれ医療全般の保障とがん重点の保障と目的が少し違います。もしもけがや病気の時にまとまった費用を支払える人なら良いですが、保障があった方が安心という人の方が多いでしょう。

日本人が罹りやすいがんは加入しておきたい保険ですが、無理に加入することはありません。まずは医療保険に「がん特約」をプラスして加入するのも一つの手です。ひとつ気をつけて欲しいのががんの治療には保険適用外の治療があることです。

先進医療保障特約をつけておくことで負担が軽くなるので、医療保険に加入する人は「先進医療保障特約」も検討しておきましょう。

医療保険とがん保険がセットになっている保険の特徴

がんの保障と医療の保障がまとまっているのってなんだかお得に感じるな〜!
セット保険はがん保険+医療特約などがありますが、セットだとがんの保障部分を解約することができなくなってしまいます。特約は主契約がないと一緒に消滅してしまうんですよ。デメリットもあるので注意して加入しましょう。

手続きが簡単なのがメリットですが、保険料を安く抑えたい時に思い通りに減額することができなくなる場合があります。

医療保険もがん保険も年末調整の生命保険料控除を活用しましょう

医療保険もがん保険も生命保険の一種であるため控除を受けることができます。控除の限度額は次の通りです。

所得税の保険料控除限度額
控除の種類 新制度 旧制度 両方の制度が適用
一般生命保険料控除 40,000円 50,000円 40,000円
介護医療保険料控除 25,000円
個人年金保険料控除 40,000円 50,000円 40,000円
住民税の保険料控除限度額
控除の種類 新制度 旧制度 両方適用
一般生命保険料控除 28,000円 35,000円 40,000円
介護医療保険料控除 28,000円
個人年金保険料控除 28,000円 35,000円 40,000円

もしも他にも保険に加入しているのであればうまく活用して無駄に支払うことのないように税金を節約しましょう。

「がん保険」と「医療保険」のメリット・デメリットを比較しよう

がんも発症すると高額な医療費がかかったりと不安はありますが、医療保険に加入してがんの保障がないわけではありません。

少し物足りなさはあるかもしれませんが、日常で生活していてけがや他の病気になってしまうリスクはあります。医療全般の保障をつけてまずは広範囲のケースに備えておきましょう。

がん特約をつけておき、数年後に見直しをしてみると良いでしょう。医療の技術は進歩してきているので医療保険も仕組み改訂が行われることが度々あります。ずっと同じ保障で契約するのではなく、定期的に見直しをしてみてください。