
住宅ローンの在籍確認は大事な審査点の1つ!
住宅ローンに申し込み、審査が順調に進んでいると、金融機関から勤め先に電話連絡があります。これがいわゆる「在籍確認」です。
在籍確認で問題がおこることはめったにないのですが、場合によっては、これ1つで審査落ちするケースもありえます。
このページでは、在籍確認で質問される内容や、注意したいことについて説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
住宅ローンの在籍確認ってどんなもの?
住宅ローン審査における「在籍確認」とは、ローンの申し込み者が、申告した会社でじっさいに働いているかどうか確認するものです。しかしただの確認行為だと、甘く見ていると痛い目にあう可能性があります。
在籍確認は住宅ローン審査の1つであり、この在籍確認で審査落ちする可能性もあるのです。
在籍確認で、申告した会社で働いているという証明ができなかった場合、住宅ローン審査に通る見込みはありません。
どうして在籍確認をするの?
住宅ローン審査では、収入を証明するために、会社員なら「源泉徴収票」、自営業なら「確定申告書」を提出します。しかしこれらの書類には、問題があります。
源泉徴収票も確定申告書も年に一度しか発行されないため、ローン申請をした時点での、正しい情報かわからないのです。
こうしたギャップを埋めるために、在籍確認が必要になっているというわけです。また、在籍確認には、なりすまし犯罪を防止するという効果もあります。
しかし会社に在籍していることが明白である場合は、在籍確認が省略されることもあります。たとえば、給与の振込口座を作っている銀行に、住宅ローンを申し込んだ場合などです。
ちなみに、給与の振込口座がある銀行に住宅ローンを申し込むと、「審査で有利」になります。あらかじめ、住宅ローンを組みたい銀行に振込口座を変更しておく、という方法も検討の価値があるでしょう。
在籍確認では何を聞かれる?
在籍確認でおこなわれるのは、「氏名」「生年月日」「住所」などの簡単な質問が一般的です。
ただし、購入予定の物件から会社までの通勤時間を尋ねたり、会社での業務内容を聞いてくる金融機関もあります。
しかしいずれにせよ、本人であれば簡単に答えられる質問だけしかきませんので、特に準備は必要ありません。
住宅ローンの在籍確認で勤め先に連絡があるのはいつ頃?
在籍確認のタイミングについては、各金融機関ごとにバラつきがあります。仮審査中におこなわれる事もありますが、多くの金融機関では本審査の時に在籍確認をおこなうようです。
ただ本審査中といっても、本審査に入ってすぐに在籍確認をおこなう銀行もありますし、本審査の終盤におこなう銀行もあります。
在籍確認前にどんな準備をしておくべき?
営業職などで、会社の電話に出れない時間帯がある人は、あらかじめ金融機関に申告しておいたほうが無難でしょう。
また住宅ローンの事を会社に知られたくない人は、金融機関名を名乗らないよう依頼しておいたほうが良いでしょう。
昔は金融機関名を名乗らず、個人名で在籍確認をすることが多かったのですが、最近では金融機関名を名乗って在籍確認をするケースが増えています。
なぜなら、個人情報保護のため、個人名での電話は取り次いでもらえない事が多くなっているからです。
会社と同じく、家族に住宅ローンのことを知られたくないという人がもしいるなら、その場合も事前に相談しておきましょう。自宅に在籍確認をする金融機関も、少なからずあります。
電話に出られなかったら審査に落ちる?
在籍確認の電話に出られなかったとしても、それだけで住宅ローン審査に落とされるということはありません。
在籍確認は、申請者が働いている事実を確認するものですので、申請者自身と話ができるかどうかは、重要な問題ではありません。
たとえば、同僚が電話に出たとしても、「〇〇(申請者)は営業で外出中です」などと言ってもらえれば、それで申請者の在籍確認がとれたとされるのが普通です。
転職する場合はどうすればいい?
転職準備中に住宅ローンに申し込む場合は、要注意です。
今の会社の情報で申請して在籍確認をしたのに、転職してしまうのは虚偽の申告にあたります。
現在の会社の情報で住宅ローンを申請し、審査中に退職してしまった場合、あとでローンの一括返済を求められる危険性もあります。
ローン契約が完了して、返済が始まってからの転職なら、法的な問題はありません。とはいえ、転職すれば収入も変わるため、返済比率も変化します。
安定した返済を考えると、住宅ローン契約直後の転職はおすすめできません。もちろん、収入が大きく増えるキャリアアップ転職なら、問題ありません。
※住宅ローンと転職に関する特集記事はコチラ
普通に働いているなら在籍確認を恐れる必要なし
しかし在籍確認では、簡単な質問をされるだけですし、もしも電話に出られなくても、それで審査落ちすることもありませんので、心配する必要はありません。
ただし、直近に転職を控えている場合は注意が必要です。審査中に転職してしまうのはよくありませんので、契約完了後まで転職を延期しましょう。
申込書に書かれている勤務先に本当に勤めているかどうか確認するのは、金融機関にとって当然のこと。
虚偽記載かどうかを確認するというよりも、駅のホームで駅員さんがやっている「指さし確認」と同じこと。在籍確認ができないと先に進めないわけです。
スムースに審査が進むよう、在籍確認に協力をするようにしましょう。

中古住宅・中古アパートの媒介業務・調査業務に従事し、現在は札幌市内の宅建業者にて専任の取引士を務めている。
2006年より、住宅に関する無料の相談サイトを開設し、住宅リフォームや中古住宅購入の相談に応じている。