住宅ローンの審査
住宅ローンの審査に落ちた人が知っておくべき事とは?

住宅ローンの審査に落ちた人が知っておくべき事とは?

住宅ローンは審査が厳しいローンですが、それでも申込者の8割程度は審査に通過しています。しかし逆に言えば、5人に1人は審査で落とされているという事でもあります。

このページでは、住宅ローン審査で落とされる理由について説明していきます。また、住宅ローン審査で落ちてしまった人が、どのように対処すればよいのか、その方法も考えていきます。

住宅ローン審査に絶対通らない2つの理由

まず住宅ローン審査で、必ず落とされる理由が2つあります。

  • 個人信用情報機関に異動登録されている。
  • 税金を滞納している。

これらの条件に当てはまっている人は、住宅ローンを組むのは不可能です。先に問題を解決してから、住宅ローンの申込みをしなければいけません。

審査の時にバレなければ、大丈夫だったりしませんか?
住宅ローン審査の時には、信用情報の照会に同意しなければいけないので、異動を隠すのは無理です。税金滞納も確定申告書などからわかりますので、隠し通すのは困難ですよ。
そう上手くはいかないってことですねえ。
いえいえ、万が一バレずに審査に通ってしまったら、その方が怖いですよ。後になって嘘がバレたら、ローンの一括返済を求められてしまうかもしれませんから。

ブラックリストの人が住宅ローンを組むのは無理

個人信用情報機関に異動登録(ブラックリスト)してある人は即アウトです。

信用情報に関する詳しい説明と、ブラックリストに載ってしまった人がどうすればよいのかについては、このサイトのコチラの記事にも載っています。

税金滞納

税金滞納も、それだけで審査落ちする案件です。

税金と住宅ローン審査の関係については、コチラの記事で詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。

住宅ローン審査に通らない人にありがちな8つの状態

住宅ローンに落ちた人に共通する状態が、8つほどあります。これらは、1つだけで即アウトとまではいきませんが、条件が組み合わさるほどに審査落ちの可能性が高まります。

  • 返済比率が不適当。
  • 他の借り入れが多い。
  • 物件の担保価値が低い。
  • 収入が不安定な仕事。
  • 高齢。
  • 信用情報に傷(延滞履歴等)がある。
  • 持病がある。
  • 申請書類に不備がある。

返済比率が不適当

収入に対する返済額の比率が、30~35%以下というのが、融資上限額の目安になります。他にローンを組んでいると、その分だけ返済額が増えてしまうため、借入可能な金額が減ってしまいます。

注意したいのは、返済比率30~35%というのがあくまで上限値ということです。可能なら返済比率を20~25%程度に抑えておくと、審査に通りやすく、返済にも余裕が持てます。

ただし、高収入の人は返済比率を高めに設定しても問題ありません。

他の借り入れが多い

他の借り入れが多すぎると、返済比率に関わってくるだけでなく、審査通過率も悪くなってしまいます。

特に消費者金融を利用していると、それだけで落とす金融機関もありますので注意してください。

物件の担保価値が低い

購入物件の資産価値が低いと、審査で落ちてしまいます。購入物件に、借入金額以上の担保価値がなければ住宅ローンは借りられません。

新築物件を購入する場合は、この問題が起きる可能性はほとんどありません。中古物件を購入する場合、購入価格と査定価格に差が出ることがありますので、注意が必要です。

収入が不安定な仕事

公務員や正社員なら問題ありません。しかし派遣社員や契約社員、パート、アルバイトの場合、審査で不利になります。

また、正社員の場合でも、勤めている会社に倒産のおそれなどがあれば、審査通過は困難になります。

自営業の場合は、それぞれの状況により大きな差ができるため、一概には言えません。しかし正社員よりも、厳しく審査されると覚悟しておきましょう。

高齢

高齢というのは、それだけで審査に不利となる条件です。50歳を超えていると、住宅ローンを組むのが難しくなると考えておいてください。

もちろん、安定した会社の役員をしている、資産をたくさん持っている、などの条件があれば話は別です。

信用情報に傷(延滞履歴等)がある

異動は即アウトですが、信用情報に延滞履歴があるだけでも審査で不利になります。

持病がある

病気だと審査で不利になります。特に団信に入れないような持病があると、かなり厳しいでしょう。

病気と住宅ローンの関係については、特集記事も合わせてご確認ください。

申請書類に不備がある

申請した書類に誤りがあると審査に通りません。特に事前審査に出す書類が間違っていると、虚偽の申告をして、お金を借りようとしたと思われ、非常に印象が悪くなります。

住宅ローン審査に落ちたらまず確認する事

もしも住宅ローン審査に落ちてしまったら、なぜ落ちたのか原因を特定するのが先決です。以下のような方法で、問題点を洗い出してみるのが良いでしょう。

  • 信用情報を調べる。
  • 不動産屋やFPの助言を受ける。
理由把握が一番ですか。たまたま銀行さんの基準に合わなかっただけ、って可能性はないですかね?
たしかに金融機関ごとに、審査基準は異なっています。だからといって、理由を把握せずに違う金融機関に申し込んでも、また落とされてしまう危険性が高くなってしまいますよ。
数撃ちゃ当たるの精神で、たくさん申し込むってのはダメですかい?
おすすめできません。審査申し込みをしたという履歴は残ってしまうので、申し込み数が増えると、どんどん印象が悪くなってしまいますよ。

信用情報をチェックする

個人信用情報機関を使えば、自分の信用情報をチェックできます。まずは自分の信用情報に傷がついていないか調べてみましょう。

自分は延滞などしたことがない、と思っていても、うっかり引き落とし口座にお金を入れ忘れて数日支払いが遅れた、というようなことがあるかもしれません。たった1日遅れただけでも、延滞は延滞ですので、審査に悪い影響を及ぼします。

信用情報の調べ方については、「知らないと危険!住宅ローン審査に落ちるクレジットカードの使い方」で解説していますので、参考にしてみてください。

不動産屋やFPの助言を受ける方法も

不動産屋やFP(ファイナンシャルプランナー)といった、専門家のアドバイスを受けるのも良い手段です。

じつは多くの人は、同じような原因で住宅ローン審査に落ちています。専門家の助言を受ければ、高い確率で審査落ちの理由にたどり着けるはずです。

次の審査に通りやすくなる5つのコツ

住宅ローン審査に落ちてしまった場合、次の審査で受かりやすくなる、以下のような5つのコツがあります。

  • 借金を完済すれば審査通過率が高まる。
  • フラット35は審査基準が違う。
  • 頭金を増やすと審査に通りやすい。
  • 金利が高い金融機関に申し込んでみる。
  • 収入に問題があるならペアローンという手も。

借金を完済すれば審査通過率が高まる

税金滞納は当然完済すべきですが、その他のローンも、審査前に完済してしまえば、住宅ローン審査に通りやすくなります。

また、他のローンを完済すれば、借入可能額が増えるというメリットもあります。

フラット35は審査基準が違う

民間の金融機関の住宅ローンではなく、住宅金融支援機構の「フラット35」に申し込んでみるのも一つの手です。

別にフラット35の審査が甘いというわけではありませんが、フラット35は審査基準自体が他の金融機関と違います。そのため、他の銀行で落とされても、フラット35なら審査に通る可能性があります。

銀行は、契約者本人の信用状況を重視します。フラット35では、購入物件の「担保価値」を重視します。

フラット35の審査について詳しく知りたい方はコチラの記事へ。

頭金を増やすと審査に通りやすい

用意する頭金が多いほど、審査に通りやすくなります。物件価格の20%程度の頭金を用意できるなら、審査通過率は大きく上昇するでしょう。

もしも親などにお金を借りて、頭金を増額できるなら、試してみる価値はあります。

金利が高い金融機関に申し込んでみる

ネット銀行の住宅ローンなどは、金利が低く抑えられています。その代わり、審査が非常に厳しくなっています。

逆に金利が高い住宅ローンは、その分だけ審査が緩くなっています。

多少返済がキツくても、とにかく住宅ローンを組みたいという場合は、わざと金利が高いプランに申し込むのも1つの方策です。

不動産会社などに頼むと、金利が高いが審査に通りやすい金融機関を紹介してもらえます。

収入に問題があるならペアローンという手も

収入が少なくて審査に落ちている場合、夫婦でペアローンを組んだり、収入合算すれば審査に通りやすくなります。

ペアローンなら、妻の分の収入も丸々足されます。収入合算の場合でも、妻の収入の50~100%程度を足した条件で、住宅ローン審査に挑めます。

※ペアローンについて詳しく知りた方はコチラの記事へ

住宅ローン審査に落ちても方法はある!

住宅ローン審査は、さまざまな側面からされます。審査に落ちてしまった場合、その原因を探ることが、次の成功に繋がります。

原因がわかったら、それを解決するのは当然ですが、いざとなったら高金利の住宅ローンに申し込んだり、ペアローンで奥さんに協力してもらうという方法も検討してみるとよいでしょう。

監修者メッセージ

住宅ローンの申込をし審査に落ちた場合、まず考えたいことは「今年、住宅を購入することが本当に必要なのか? 」ということですね。

住宅を購入しなければならない特別な理由がない場合は、審査に通る条件が整うまで待つのも大切なことです。
どうしても購入しなければならない理由は、そんなに多くないのではないでしょうか。

プロフィール
不動産売却カテゴリー記事監修(弘中純一)
弘中 純一
宅地建物取引士、一級建築士の資格を保有。
中古住宅・中古アパートの媒介業務・調査業務に従事し、現在は札幌市内の宅建業者にて専任の取引士を務めている。
2006年より、住宅に関する無料の相談サイトを開設し、住宅リフォームや中古住宅購入の相談に応じている。