住宅ローンの基礎知識

ペアローンで住宅ローンを有利に!ただし意外な落とし穴も?

賃貸物件に暮らしている人は、思い切ってマイホームを買ってしまったほうが、得になるケースが多くあります。

とはいえ若い夫婦などで、家を買えるほどの収入は得ていない、という状態も考えられます。そういう時に有効なのが「ペアローン」です。

このページでは、ペアローンのメリットとデメリットについて、徹底解説していきます。

ペアローンとはどんなローンなの?

通常は1つの物件に対して、1つの住宅ローンを組みます。

「ペアローン」の場合、1つの物件に対して2人(ペア)で2つの住宅ローンを組みます。

借りるお金に対して、それぞれがどれくらいの債務を負担するかは、自由に設定可能です。

しかしペアになった2人は、相手が組んだ住宅ローンの連帯保証人になりますので、実質的には、両者ともにすべての債務に対して返済責任を負うことになります。

ペアローンですか。共働きの夫婦が、住宅ローンを借りやすくする方法というわけじゃな。
たしかに働きに出る妻が増えていることが、ペアローンが流行りだした大きな理由です。でもペアローンは夫婦だけのものではありませんよ。
ほう、夫婦以外にも、ですかな?
そうです。親子でペアローンを組むこともできますので、検討してみると良いかもしれませんよ。

ペアローンを利用するための条件は?

ペアローンは、どんなペアでも利用できるわけではなく、以下のような3つの条件をすべて満たしている必要があります。

  • 1.ペアの双方が、購入予定の物件に居住すること。
  • 2.家族からなるペアであること。
  • 3.ペアの双方に安定した収入があること。

1.そもそも住宅ローンは、購入予定の物件に居住することが、契約の前提条件になっています。そのため両者ともに居住しなければ、ペアローンは組めません。

2.家族といってもさらに条件があり、基本的に夫婦か親子のペアしか認められません。ただし未婚でも、新居に入居予定の婚約者ならペアローン契約が可能です。

3.ペアの双方が、定職についていることが求められます。主婦、年金生活者、アルバイト、パートなどでは認められないのが普通です。

ペアローンの4つのメリット

ペアローンには以下のような、4つのメリットがあります。

  • 借入上限額の増加。
  • 双方が住宅ローン控除を受けられる。
  • 双方が団体信用生命保険に加入できる。
  • 返済プランを柔軟に設定できる。

借りられるお金が増える

ペアそれぞれの収入を合計した金額を基準にして、融資を受けられます。

借りられるお金が増えれば、それだけ選択肢が増えますので、希望する物件を手に入れられる可能性が高まります。

また収入が増える分、返済に余裕ができますので、借入期間を短く設定して金利負担を抑えるという方法も考えられます。

住宅ローン控除を2人で受けられる

住宅ローン控除を受けられるのは、債務者だけと決められています。

しかしペアローンの場合、両者ともに主債務者になるので、住宅ローン控除を受けられます。

ただし控除を受けられるのは、自分が分担している借入額の分だけとなります。

たとえば、2人で2000万円ずつ、合計4000万円のペアローンを組んだ場合、住宅ローン控除で計算されるのは、自分の2000万円の分だけになります。

詳しく知りたい方は特集記事をご覧ください。

団体信用生命保険も2人とも加入可能

2つのローンを組みますので、双方が団体信用生命保険に加入可能です。

共働き夫婦が収入合算で住宅ローンを組んだ場合などは、妻が亡くなってしまった時に返済が困難になります。しかしペアローンなら、団信が適用されますので、問題ありません。

返済プランの柔軟性が高まる

2つの住宅ローンのそれぞれの条件を変えることができます。

たとえば、夫のローンには「固定金利」を選び、妻のローンには「変動金利」を選ぶというような事が可能です。金利の安い変動金利は魅力だがリスクは抑えたい、と考えている人に適した方法でしょう。

ペアローンの5つのデメリット

ペアローンには、以下のような5つのデメリットもあります。

  • 諸経費が増える。
  • 住宅ローン審査も2人分になる。
  • 団信が1人分しか適用されない。
  • 夫婦ペアローンだと出産や子育ての問題が持ち上がることも。
  • 夫婦ペアローンだと離婚時に大変になる。
なんかメリットよりもデメリットの方が多いですね。結局、ペアローンはお得じゃないんですか?
数は関係ありませんよ。問題は、ペアローンにはデメリットもあると知る事。それから、そのデメリットが自分の許容範囲内か確認することです。

諸経費が増加する

2つのローンを組むために、印紙代、登記費用、事務手数料などの諸経費が増えてしまいます。ただし、借入金額の割合で決まる項目に関しては、必要な費用は増えません。

つまり保証料が2%と決められているなら、4000万円のローン1本でも、2000万円のローン2本でも、必要な保証料は同じ80万円になるということです。

住宅ローン審査も2人分になる

ペアローンでは、ペアの双方が住宅ローン審査に通らないといけません。どちらかに問題があって住宅ローンに落ちると、契約ができなくなります。

団信が1人分しか適用されない

両者が団信に入れるのはよいのですが、団信がカバーする範囲が自分の借入分に限定されるという弱点があります。

たとえば、夫1人の住宅ローンなら、夫が亡くなれば団信で全額返済されます。しかしペアローンだと、最初に決めた夫の負担分の借金しか返済されず、妻の分の借金は残ってしまいます。

ただしこのデメリットは、「夫婦連生団信」で対応可能です。

夫婦連生団信やクロスサポートと呼ばれている団信に加入すると、夫婦のどちらかが亡くなった場合に、残りの借金が0になります。ただし、保険料は割高になります。

※団体信用生命保険の詳しい説明はコチラ。

夫婦ペアローンの場合は出産や子育ての問題が

夫婦の場合、妻の収入が出産や子育てで激減する可能性があります。妻の稼ぎを当てにしてローンを組むと、後で返済が困難になってしまうかもしれません。

また、片方の収入が無くなった場合、その人の分の住宅ローン控除が無駄になってしまいます。

夫婦ペアローンの場合は離婚すると大変になる

夫婦でペアローンを組んだ場合、一番ひどい状況になるのが離婚してしまったケースです。

お互いが所有権を持つために、勝手に家の処分もできず、パートナーの連帯保証人になっているため、相手の分の借金まで返済させられる危険性があります。

ペアローンとその他のローンはどう違うの?

住宅ローンを共同で契約する場合、ペアローン以外にも「収入合算」や「連帯債務」という方法があります。

どれが一番良いのかしら?
申し訳ないのですが、状況次第としか言えません。それぞれにメリットとデメリットがありますので。でも共働き夫婦なら、ペアローンをお勧めしますね。

ペアローンと収入合算の違い

収入合算はパートナー(妻)が連帯保証人になって、1つのローンを組む方法です。ペアローンと違い、パートナーは団信に入れず、住宅ローン控除も受けられません。

また、妻の収入すべてが審査時に加算されるわけではなく、割引かれて計算されることが多くなっています。

ペアローンと連帯債務の違い

連帯債務は、パートナーが連帯債務者となって、1つのローンを組む方法です。

パートナーも住宅ローン控除を受けられますが、団信には加入できません。

ただし、フラット35は例外的に団信加入ができるようになっています。

住宅ローンの連帯債務を詳しく知りたい方はコチラの記事へ。

共働き夫婦ならペアローンも視野に入れてみよう

ペアローンは借りられるお金が増えるため、共働き夫婦に適した住宅ローンになっています。

住宅ローン控除もそれぞれが受けられるため、納税額を大きく抑えられる可能性があります。

しかしペアローンは、離婚時や出産時などに問題が起こる危険性がありますので、デメリットについても検討してから利用するべきでしょう。