介護保険でサービスを受けよう!介護保険の基礎知識をまとめて紹介
「80歳以上で28%、85歳以上だと半数以上の人が要介護認定を受ける」という、生命保険文化センターのデータがあります。
「うちの親はまだまだ元気」と思っていても、ある日突然脳梗塞や骨折で介護が必要になることも多々あります。
ですから、高齢の親を持つ人にとって、介護の知識は必須。
介護保険の仕組み、どんな人が介護保険の対象になるのか、申請方法、サービス利用にかかるお金や、介護の相談窓口についてお伝えします。
介護保険ってそもそも何ですか?介護保険の仕組みと利用方法
介護保険を使うと、介護サービスを1~3割の自己負担で利用することができます。介護保険は、介護にかかる負担を減らしてくれる公的保険なんです。
介護保険でサービスを利用するには、要介護認定を受けて「介護や支援が必要な状態である」と認められないといけません。
介護保険や要介護認定の仕組み、介護保険の対象になる人の目安を紹介します。
介護保険は介護の負担を減らすための保険!介護保険の仕組み
介護保険は、介護を必要とする人が介護サービスを利用する際の負担を軽減するための保険です。
40歳以上の国民全員が保険料を払い、被保険者になっています。
介護保険で利用できるサービスは、施設で受けるものと在宅で受けるものに分かれます。一例として、このようなサービスがあります。
- 特別養護老人ホームなどへの入所
- 訪問介護
- 訪問看護
- 訪問リハビリテーション
- 通所介護(デイサービス)
- 通所リハビリテーション(デイケア)
- 福祉用具のレンタル
- 特別福祉用具の購入
- 住宅改修の補助
介護保険の仕組みについて詳しくはコチラをご覧ください。
介護保険を使えるのはどんな人?介護保険の被保険者と対象者とは
介護保険を利用できるのは、被保険者である40歳以上の人です。
40歳以上64歳以下 | 特定の病気(16種類)が原因で介護が必要になった人のみ |
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65歳以上 | 介護が必要になった原因を問わず、介護が必要になった人は誰でも |
介護が必要だと認められるには、自治体の要介護認定を受けて、要介護度が「要支援1~2」または「要介護1~5」と認定される必要があります。
もっとも介護の必要性が低い「要支援1」だと、「食事やトイレはほとんど自分でできるが、掃除に手助けが必要」などの状態があてはまります。
もっとも重い「要介護5」だと、寝たきりの状態だと思ってください。
要介護度の目安や、40~64歳の人が介護保険を利用できる病名など、詳しくはコチラの記事にて紹介しています。
介護保険を使いたいときはどうすればいいの?介護保険の申請方法
介護保険を利用したいと思ったら、まずは以下のところで申請や申請代行の依頼をして、要介護認定を受けます。
- 役所の介護保険担当
- 地域包括支援センター
- 居宅介護支援事業所
介護保険を利用できる状態に当てはまるか不安なら、まず地域包括支援センターに相談に行くことをおすすめします。
申請が終わったら、調査員が家や病院に調査しにきます。食事、トイレ、歩行、着替えや認知機能など74の項目についての評価を行うためです。
申請から1ヶ月程度で結果が通知され、「要支援1~2」または「要介護1~5」と認定されると、介護保険でサービスを利用できます。
申請に必要な書類や、認定調査の内容についてなど、詳しくはコチラで紹介しています。
介護保険と医療保険が併用できるって本当?2つの保険の違いとは
介護保険は介護サービスを利用するときに使う保険で、公的医療保険(健康保険)は病院で治療を受けるときなどに使う保険です。
まったくの別物ではありますが、訪問看護やリハビリについては、介護保険で利用する場合と、医療保険で費用する場合があります。
また、介護保険のリハビリと、医療保険のリハビリを併用することもできます。
「介護保険と医療保険は併用できる!覚えておきたい条件をご紹介」では、介護保険と医療保険の違い、使い分け、併用について解説しています。
介護保険でのサービス利用料と保険料はいくら?介護保険とお金の話
介護サービスを利用すると、どれくらいお金がかかるのでしょうか。
自己負担割合や限度額、介護保険料といった、「介護にまつわるお金」について解説します。
自己負担は収入によって違います!うちの親は何割負担?
介護保険サービスの利用者負担は、昔は誰でも1割でした。
しかし今は、65歳以上の利用者は、収入によって1~3割負担と違いがあります。
64歳以下の人は、全員1割負担です。
また、1~3割の自己負担で利用できるサービスの量には、要介護度に応じた上限があります。要介護度が高くなると(介護の必要性が高くなると)、支給限度額は上がります。
負担割合の決まり方や、要介護度ごとの上限額について詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。
介護にかかる費用を減らすための「限度額認定証」や「高額介護サービス費での払い戻し」、医療費控除についても解説しています。
40歳から一生払い続ける介護保険料!月々いくら?どうやって払うの?
介護保険料の支払いは「40歳の誕生日の前日が属する月」から始まり、死ぬまで続きます。
介護保険料の計算方法や支払い方法は、加入している健康保険、年齢、住んでいる市区町村によって違います。
40~64歳の会社員なら給料天引きで支払っていますし、65歳以上なら基本的に年金から引かれています。
「介護保険料っていくら払うの?保険料の計算方法と支払期間を知ろう」では、具体的な金額の例を挙げて、介護保険料の計算方法について説明しています。
減免制度や、介護保険料を滞納した場合のペナルティー、地域による介護保険料の差についても解説していますので、ぜひご覧ください。
介護の悩みを聞いてほしい!相談窓口と専門家をご紹介します
初めての介護、わからないことだらけで不安ですよね。
そんなとき力になってくれる、介護についての相談窓口や専門家をご紹介します。
介護の相談窓口は市役所や地域包括支援センター!専門家も紹介します
介護が始まる前でも、介護について相談できる窓口は、たくさんあります。
- 役所の介護保険担当
- 地域包括支援センター
- ブランチ(指定された居宅介護支援事業所)
- 社会福祉協議会
入院中なら、病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)に相談することも可能です。
要介護認定が終わって、いざ介護保険サービスを利用する段階になったら、以下の専門家が相談窓口になることが多いです。
ケアマネージャー | ケアプラン作成を担当。利用者が適切なサービスを受けられるよう支援する。 |
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生活相談員・支援相談員 | 特養や老健などのスタッフで、施設に入所している人から相談を受ける。 |
介護相談員 | 自治体から特養などの施設に派遣され、施設利用者の相談に応じる。 |
それぞれの相談窓口や専門家の違いや特徴について詳しくはコチラをご覧ください。
ケアマネージャー選びはとっても重要!探し方・選び方と変更方法
在宅で介護をする場合、もっとも身近な専門家は居宅介護支援事業所のケアマネージャー(介護支援専門員)ですが、担当ケアマネージャーに不満を持つ利用者や家族も多いです。
いいケアマネージャーの条件をご紹介します。
- 話をよく聞く
- 説明が一方的ではない
- 提案力がある
- 臨機応変に対応可能
- 介護保険以外の知識も豊富
- 中立的
詳しくは「ケアマネージャーの探し方と選び方教えます!いいケアマネの条件とは」をご覧ください。ケアプラン作成時にケアマネージャーに伝えるべきこともご紹介しています。
どうしても今の担当ケアマネージャーが合わないと思ったら、理由は問わず、いつでも変更可能です。
変更方法は3つあります。
- ケアマネージャーや事業所に直接伝える
- 別の居宅介護支援事業所に相談
- 地域包括支援センターや役所に相談
「ケアマネージャーは変更できる!3つの変更方法をご紹介」では、変更理由で多いものや、注意点、手続き方法についてご紹介しています。
高齢化社会で介護保険の知識は必須!最新情報のチェックを欠かさずに
介護保険は比較的新しい制度で、高齢化が進んでいることもあり、制度自体がよく変わります。
ニュースや自治体の広報など、介護関連の情報にアンテナを張っておくことをおすすめします。
当サイトでは「そろそろ親の介護のこと、考えておかないとな」と思ったときに役立つ記事をまとめています。ぜひご覧くださいね。