個人向け国債は中途換金が可能!その際の注意点とは
個人向け国債は、元本や受取利息が保証されているので、低金利時代である今だからこそ人気の商品となっています。ただ、個人向け国債は3年・5年・10年といった種類はありますが、この期間ずっとお金を預けっぱなしになるということに不安を感じている人もいるのでは?
いざという時は購入した個人向け国債を換金したい、そんなこと無理かもと思っているかもしれませんが、実は個人向け国債は中途換金が可能なのです。個人向け国債の中途換金方法や、注意すべきポイントについて詳しくご紹介していきましょう。
個人向け国債の解約は『中途換金』という方法で可能!
個人向け国債を売却したい、解約したいという場合は、中途換金という方法を選択することができます。
満期前の個人向け国債の一部または全部を換金するというもの
中途換金をすれば、本来であれば3年~10年は手元に戻ってこない購入金額(額面金額)を、満期前に手にすることができるというわけです。
ただ、中途換金をするには条件があります。
個人向け国債の中途換金は、原則として購入後1年が経過してからでなければ行うことはできません。
1年が経過した後であれば、いつでも、全額・一部金額問わず換金することができます。
購入して1年経過する前に換金したいと思っても、それは無理なのでしょうか。契約者が亡くなってしまった場合などは、どうすれば良いのでしょうか。
個人向け国債の中途換金には、特例として認められている条件があります。この条件については、この次で詳しくご紹介しましょう。
知っておきたい個人向け国債売却の特例とは
個人向け国債は、原則として購入後1年が経過しなければ中途換金することg出来ません。
ただ、特例として認められている条件を満たせば、購入後1年未満での中途換金も可能です。その条件が次の2つです。
- 口座名義人の死亡時
- 災害救助法の適用対象となった時
それぞれの特例について、詳しく見ていきましょう。
口座名義人の死亡時
口座名義人、つまり個人向け国債を購入した人が死亡してしまった場合は、購入後1年未満でも相続人による中途換金が可能となっています。
申請のときに必要となる書類などについては、購入した金融機関によって異なるため、しっかり確認しておきましょう。
基本的には、相続人であるという地位を証明する書類などが必要となります。
災害救助法の適用対象となった時
災害救助法というのは、災害直後の生活を救済するための法律です。
申請に必要となる書類としては、以下の物が挙げられます。
- 罹災証明書
- 罹災届出証明書
手続きなどの詳細については、各金融機関に問い合わせてください。
個人向け国債の中途換金方法をご紹介
では、個人向け国債の中途換金は具体的にどのように行うのか、その方法をご紹介しましょう。
個人向け国債の中途換金は、購入した金融機関のコールセンターや窓口への問い合わせ、申し込みをするだけでOKです。
中途換金の申し込み先については各金融機関で異なりますので、ホームページなどで確認しておきたいですね。
この点については把握しておきたいですね。
中途換金の方法だけでなく、基本的な購入方法などについても確認しておきたい方にはこちらの記事がオススメです。
中途換金を申し込んでからお金を受け取るまでの期間は?
中途換金を申し込めば、購入した額面金額と利息を合計した金額を受け取ることができます。この時、利息に付いては若干中途換金調整額として差し引かれるのですが、この調整額については後ほど詳しくご紹介します。
申し込みをしてからその金額を受け取るまでの期間は、およそ4営業日です。
ただ、申し込んだタイミングによって日数がかかる場合がありますので、気になる方は金融機関に問合せをした方が確実ですね。
中途換金は1万円単位で金額の指定が可能!
中途換金は、全額しなければいけないわけではありません。1万円単位で一部だけの中途換金も可能ですから、必要分だけを中途換金して残りは満期まで残すこともできます。
個人向け国債の中途換金には手数料がかかる!?注意点をチェック
個人向け国債の中途換金をすると、その時点までの利息を含めた全額が手にできるわけではありません。実は、中途換金調整額として少しだけペナルティのようなものが引かれてしまうのです。
中途換金でかかる手数料は、この中途換金調整額のみです。
中途換金調整額の計算式は、変動10年、固定3年、固定5年いずれも共通となっています。
ただ、この計算式は3回以上利子を受け取った場合の適用式です。利子は半年ごとに受け取りますので、購入後1年6か月以上経過している場合ですね。
個人向け国債の利子については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
期間が短ければ、差し引かれる金額が大きくなったりするのですか?
ですから、利子受け取りが3回以上かそうではないかで、計算式が違っているのです。
では、他のパターンの計算式についてご紹介しておきましょう。
パターン | 計算式 |
---|---|
初回の利子支払い前に換金 (購入後6か月未満) |
額面金額+経過利子相当額 -〔経過利子相当額(-初回の利子の調整額(税引前)相当額)〕 |
初回の利子支払い日から 2回目の利子支払い前に換金 (購入後6か月以上1年未満) |
額面金額+経過利子相当額 -〔初回の利子(税引前)相当額×0.79685+経過利子相当額(-初回の利子の調整額(税引前)相当額)〕 |
2回目の利子支払いから 3回目の支払い前に換金 (購入後1年以上1年6か月未満) |
額面金額+経過利子相当額 -〔直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685(-初回の利子の調整額(税引前)相当額)〕 |
このように、中途換金する時期によって計算式が異なります。自分で計算するときは面倒だと思う方もいるかもしれませんが、安心してください。
実は、個人向け国債の中途換金は財務省のウェブサイトでシミュレーションをすることができます。
個人向け国債の種類、回号、中途換金実施日、金額を入力するだけで、簡単に中途換金額が計算できるのです。
ちなみに、個人向け国債で受け取る利息には税金がかかることになっていて、この税金を差し引かれた金額が口座へ入金されます。
この税金額は、20.315%となかなか大きなものです。この税金を非課税にする特例もありますが、気になる方はぜひこちらの記事で確認してみてください。
個人向け国債は1年が経過すれば調整額を引いて中途換金可能!
中途換金をする際は調整額が差し引かれてしまいますが、購入した個人向け国債の一部、または全部を一万円単位で換金できます。
中途換金する場合には原則購入後1年以上が必要であること、そして調整額という仕組みがあることを押さえておきましょう。
一度購入したら満期までお金を動かせないなら悩みましたが、思っていたより融通が利きそうなので安心しました。