投資信託の始め方
初心者でも安心!上手な投資信託の選び方をご紹介

初心者でも安心!上手な投資信託の選び方をご紹介

投資信託を始めたいと思った人がまず直面する問題、それが商品選びです何を選べば良いのか、どうすればリスクを回避できるのか、一番気になる部部であることはもちろん、投資信託を始める上で最も重要となる部分でもあります。

投資信託を選ぶときには、種類で選ぶ、リスク・リターンで選ぶ、タイプで選ぶ、という3つのポイントがあります。今回は、初心者でも安心できる投資信託の選び方について、詳しくご紹介していきましょう。

投資信託を選ぶ3つのポイントをチェック

まずは、投資信託を選ぶ上で重要となる3つのポイントをご紹介していきましょう。

投資信託を選ぶときのポイント
  • 投資信託の種類
  • 投資方法
  • 投資対象(リスク・リターン)

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきます。

投資信託の種類

投資信託には、次の2つの種類があります。

  • インデックス運用
  • アクティブ運用
名前を見ただけだと、さっぱりわかんないや。
この2つは、投資の運用スタイルを意味しています。
投資スタイル・・・?
インデックス運用は株価指数など特定の指数に連動して機械的に運用するスタイル、一方アクティブ運用は運用会社の方針に沿って銘柄などを決定・投資していくスタイルです。

特定の指数には、次のものが挙げられます。

  • 日経平均株価
  • TOPIX
  • MSCIコクサイ(日本を除く先進主要国の株価指数)

では、この2つの運用スタイルがどのように違うのか、比較してみましょう。

インデックス運用 アクティブ運用
メリット 値動きが比較的抑えられる
信託報酬が安い
リスクが低い
より高い運用効果を目指すので
高い収益が期待できる
デメリット リターンはそこそこ 信託報酬が高め
値動きのブレが大きくなる
ファンド選びの手間がかかる

多少コストがかかって市場平均を下回ってしまう恐れがあっても高い収益を狙うならアクティブ運用、低コストで収益は低くても確かな運用を希望するならインデックス運用がオススメです。

まずは、自分がどのような投資をしていきたいのかを考えて、運用スタイルを決めるようにしましょう。

投資方法

投資信託の方法も、1つではありません。投資信託では、資金を預けて得られた収益(分配金)によって資産を増やしていきます。

分配金はリターンとも呼ばれ、この分配金には配当・利子収益と売却益の2つがあります。受取方法は「分配金受取型(※1)」と「分配金再投資型(※2)」2種類です。

※1:分配金受取型とは

支払われた分配金を、投資家がその都度受け取る方法です。

※2:分配金再投資型とは

分配金を受け取らず、再投資にまわすことです。

また、投資信託をする際には決算頻度についての検討も必要となります。

決算頻度は、毎月収益分配を行う「毎月分配型」と、年に1回分配を行う「1年決算型(※2)」の2種類。それぞれ次のような人にオススメです。

オススメの人
毎月分配型 ・定期的に分配金を受け取りたい
・老後資産を増やしたい
1年決算型 長期的に資産運用を行いたい

どのような方法があるのか、どのような違いがあるのか、しっかり押さえておきましょう。

投資対象(リスク・リターン)

投資信託をする目的は、当然資産を増やすことにあります。資産を増やすために重要となるのは、投資対象をどう選ぶかという点です。

投資対象にも多くの種類があり、それぞれリスク・リターンに特徴があります。

投資対象の種類には、主に以下の物があります。

  • 国内株式
  • 海外株式
  • 国内債券
  • 海外債券
  • バランス

それぞれの種類の概要を、簡単にチェックします。

投資対象 概要
国内株式 国内の株に投資する
為替リスクがなく分かりやすい特徴がある
海外株式 特定の国に投資するタイプや
複数の国・地域に分散投資をするタイプもある
グローバル型は全世界に投資するタイプ
先進国と新興国なども選択できる
為替変動リスクがある
国内債券 日本の国際や地方債、社債などに投資
ローリスク・ローリターン商品と言える
海外債券 特定の国に投資するタイプや
複数の国・地域に分散投資するタイプがある
ローリスクの債権からハイリスクの債権まで
様々な投資商品がある
株式よりもローリスクではあるが為替変動の影響を受ける
バランス 国内、海外に関わらず株式や債券などを投資対象として
バランスよく組み合わせるというもの
複数の商品を購入しなくても、1つのファンドを購入すれば
分散投資ができるメリットがある

投資信託の基本は、大きな収益・ハイリターンを狙うならそれだけリスクも大きくなる、ローリスクを希望するとローリターンとなるというものです。

では、どの種類のリスク・リターンが大きいのかを見ていきましょう。

リスクが高い(リターンが低い)→リスクが小さい(リターンが大きい)

海外株式→国内株式→バランス型→海外債券→国内債券

また、投資対象にはオルタナティブ(REIT・金や原油を投資対象とするコモディティ)と呼ばれるものがありますが、これは最近の傾向ではハイリスク・ローリターン傾向にあります。

基本的にオルタナティブはハイリスク・ハイリターンの分類にはなるのですが、どうしても景気変動の影響を受けやすいので、その情勢によっては大きくリターンが下がってしまうのです。

投資信託の評価機関が選ぶファンド・オブ・ザイヤーとは

投資信託には非常に多くの数のファンドがあり、どのファンドが良いのか初心者が選択するのは簡単ではありません。

そこでぜひご紹介したいのが、ファンド・オブ・ザ・イヤー※です。

ファンド・オブ・ザ・イヤーとは

投資信託の評価機関【モーニングスター】が優れた運用実績とマネジメントを持つファンドを選考したもの。

1,999年から発表を行い、2017年の発表で19回目となりました。

ファンド・オブ・ザ・イヤーでは、部門ごとに受賞ファンドの発表を行っています。

  • 国内株式大型部門
  • 国内株式中小型部門
  • 国際株式(グローバル)部門
  • 国際株式(特定地域)型部門
  • 債権型部門
  • 高利回り債権型部門
  • REIT型部門
  • オルタナティブ部門
  • バランス(安定)型部門
  • バランス(成長)型部門

今回は、これらの中からいくつか部門をピックアップして、最優秀ファンド賞に輝いた商品をご紹介していきましょう。

国内株式大型部門

こちらの最優秀ファンド賞は、優良日本株ファンド『愛称:ちから株』です。

項目 内容
2017年トータルリターン ・36.63%
・類似ファンド分類平均を6.69%上回った
過去5年のリターン推移 ・全ての月で2桁以上のプラス
・レーティングは64か月連続で4つ星以上
特徴 ・5年間で4度のファンド・オブ・ザ・イヤー受賞

国際株式(グローバル)部門

こちらの最優秀ファンドは、グローバル・フィンテック株式ファンドです。

項目 内容
2017年トータルリターン ・46.44%
・類似ファンド分類平均を28.20%上回った
ファンド方針 ・世界の上場株式のうちフィンテック企業の株式を
 主要投資対象とするアクティブファンド
特徴 ・他のファンドは80%を超えることもある米国の割合が
 65.3%と比較的低くなっているのが特徴
・国・地域別で分散されている一方で
 他ファンドよりも組入銘柄数は少ない

債権型部門

債権型部門の最優秀ファンドは、日本金融ハイブリッド証券オープン(毎月分配)円ヘッジありコース『愛称:ジェイブリッド』です。

項目 内容
2017年トータルリターン ・4.52%
・類似ファンド分類平均を3.05%上回った
過去3年のリターン推移 ・過去17か月間のうち16か月で同平均を上回っている
特徴 ・ベテランを中心に構成された運用体制

バランス(安定)型部門

最優秀ファンドを受賞したのは、インベスコ プレミア・プラス・ファンド『愛称:真分散革命』です。

項目 内容
2017年トータルリターン ・7.02%
・類似ファンド分類平均を2.07%上回った
過去3年のリターン推移 ・3.32%
・類似ファンド分類平均を2.28%上回っている
特徴 ・アメリカのチームが運用
・5名のファンドマネージャーは運用・調査経験実績年数が
 全員20年以上

バランス型を検討している方は、コチラの特集記事をご覧ください。
バランスファンドとは?初心者でもわかるメリット・デメリット

ファンド・オブ・ザ・イヤーで受賞するファンドの特徴

いくつかの部門をピックアップしてご紹介しましたが、受賞したファンドには共通した特徴があります。

  • 他の類似ファンド分類平均を上回ったトータルリターンを得られている
  • 過去のリターンも優良
  • 他のファンドよりも優れた特徴がある
他のファンドよりも優れた特徴って、たとえばどんなこと?
経験・実績のあるファンドマネージャーがいる、ファンド・オブ・ザ・イヤー受賞実績があるなどの特徴です。

つまり、ファンド・オブ・ザ・イヤーを受賞しているのは安定したリターンを得ることができ、投資家が安心して任せることができる特徴があるファンドだと言えるのです。

投資信託の選び方に迷ったら、まずはファンド・オブ・ザ・イヤーをチェックしてみるのも良いでしょう。

楽天やSBIが取り扱っている人気の投資信託をランキングで比較!

では、楽天証券や住信SBIネット銀行では、どのような投資信託が人気になっているのでしょうか。証券会社別にご紹介していきましょう。

楽天証券ファンドセレクション

楽天証券では、ファンドアナリストが選ぶファンドセレクションが発表されています。

楽天証券ファンドセレクションでは、おすすめのファンドについて以下の点が細かく紹介されています。

  • 分類
  • 買い付け手数料
  • ファンドの管理運用
  • ファンドスコア
  • 特徴(POINT)
  • アナリストコメント
  • パフォーマンス(リターン、リスク等)
  • パフォーマンスチャート(基準価格、分類平均、純資産)

まずは、どのような商品が紹介されているのかをピックアップしてチェックしてみましょう。

ファンド名
【種類】
特徴
三井住友・配当フォーカスオープン
【国内株式】
・配当に着目して銘柄をセレクト
・約3割は委託会社独自に
 投資魅力度の高い銘柄に投資
・5年リターン24.31%
エマージング・ソブリン・オープン
(毎月決済型)為替ヘッジあり
【新興国債権(広域・米ドル建)】
・主に米ドル建て新興国債権に投資
・為替ヘッジを行うので為替リスクを回避
・5年リターン4.46%
iTrustロボ
【先進国・新興国株式(広域)為替ヘッジなし】
・世界のロボティクス関連企業に投資
・事業全体に占めるロボティクス関連の事業費率を重視
・1年リターン39.95%
楽天資産形成ファンド
【バランス(固定配分・中リスク)為替ヘッジなし】
・先進国の株式、債券に分散投資
・アクティブ運用だが信託報酬率がインデックス並みに安い
・5年リターン12.68%
AMC/ステート・ストリート・
リスクバジェット型バランス・オープン
【バランス(可変配分)為替ヘッジなし】
・国内外の株式と債券に投資
・国内債券比率を高めてリスクを軽減
・5年リターン5.8%

おすすめしているだけあって、いずれのファンドも5年リターンは大きくプラスとなっていますが、この年率リターンはあくまでも過去の運表実績となります。

基準価格の推移やリスクもチェックしつつ、投資信託選択の参考にすると良いでしょう。

また、楽天証券のファンドセレクションではファンドの紹介だけでなく、投資信託を行う上で必要な情報(投資信託とは・投資対象市場・運用方法・コストや分配金についてなど)が色々と紹介されています。

図も多く分かりやすく紹介されていますので、投資に興味がある方は公式サイトからダウンロードしてみることをオススメします。

住信SBIネット銀行販売実績ランキング

住信SBIネット銀行取り扱いの投資信託のうち、販売実績が上位のものをご紹介しましょう。

こちらのランキングは週単位で発表されますので、タイミングによって結果は違います。あくまでも参考としてチェックしてみてください。

ファンド名 種類 特徴
【レオス】
ひふみプラス
国内株式 ・上場株式が主要投資対象
・市場価格が割安な銘柄を選別し
 長期で投資
・組入比率を状況に応じて変え
 資産を守りながら増やす
【ニッセイ】
ニッセイ外国株式
インデックスファンド
海外株式 ・主要先進国の株式に投資
・MSCIコクサイインデックスに連動する
 投資成果を目指す
・購入時及び換金時の手数料無料
【楽天】
楽天・全米株式
インデックスファンド
海外株式 ・CPSP USトータル・マーケット・
 インデックスに連動する
 投資成果を目標として運用
【三菱UFJ国際】
eMAXIS Slim先進国株式
インデックス
海外株式 ・MSCIコクサイインデックスと
 連動する投資成果を目指して運用
・為替ヘッジは行わない
【三井住友TAM】
世界経済インデックスファンド
バランス型 ・国内、先進国、新興国の
 公社債および株式へ
 分散投資を行う

住信SBIネット銀行では、海外株式が上位を占めていることが分かります。ただ、その中でも一番人気なのは、国内株を中心に購入するひふみプラスとなっていて、比較的安定・安心な商品です。

やはり、投資をする際にはリスクを避けたいと考えている人も多いということが言えるかもしれません。

AI(人工知能)が投資信託をおすすめ!?その仕組みとは

投資信託の選び方についてはわかったけど、自分で選べる自信がないなー。ちょっと面倒だし。
そんな人にオススメなのが、AI(人工知能)を用いた投資信託の選び方です。ロボアドバイザーとも呼ばれています。
なんか便利そうじゃん!どんな仕組みなの?
AI(人工知能)が投資家1人1人に合わせた資産運用方針を設定、買い付けを実施し、投資配分のリバランスまで自動的に行ってくれるようになっているんですよ。

主要な会社としては、次の4社があります。

ロボアドバイザーを利用できる主な会社
  • ウェルネスナビ
  • お金のデザイン
  • マネックス・セゾン・バンガード
  • 楽天証券
この投資方法であれば、AIがすべてを行ってくれるため投資信託を行うときの手間が一切かかりません。ロボアドバイザーの活用は、投資の知識がない、勉強する暇がない、初めて始めるから不安だ、何を買えば良いか分からないという人にピッタリだと言えます。

ただし「AIが運用するから必ず収益が得られる」というわけではありません。

投資方法である以上は、元本割れのリスクもあるということを認識しておきましょう。

小額からロボアドバイザーを始めたいならTHEOという選択も

住信SBIネット銀行が取り扱っているロボアドバイザーには、ウェルネスナビだけではなくTHEOと呼ばれるものもあります。

住信SBIネット銀行が取り扱っているウェルネスナビとTHEOの違いを比較してみましょう。

項目 ウェルネスナビ THEO
最低投資金額 30万円 1万円
自動積立 1万円以上1円単位 1万円以上1,000円単位
手数料 3,000万円まで年率1.0%
3,000万円を超える部分は年率0.5%
3,000万円まで年率1.0%
3,000万円を超える部分は年率0.5%
投資対象 海外ETF 海外ETF
運用パターン リスク許容度別に5通り 投資運用目的ごとに231通り
リバランス頻度 最低6か月
資産クラスが5%乖離した場合
毎月
ETFとは
上場投資信託のことで、証券取引所で売買ができる投資信託のことです。

詳しく知りたいアナタはコチラへ
ETFの仕組みや始め方などを解説!初心者向け運用マニュアル

ウェルネスナビは、最低30万円からの投資となりますが、THEOであれば1万円から投資を始めることが可能です。

毎月1万円から始められる、AIによって自動的に購入・運用・リバランスを行ってくれる、このようなメリットがあるTHEOは、投資を始めたいけど不安だという人でも気軽に始められるでしょう。

興味がある方は、元本割れリスクはあるということを踏まえた上で検討してみてはいかがでしょうか。

投資信託の選び方は証券会社や銀行などのオススメから見るのもアリ!

投資信託は、その種類や投資方法、リスク・リターンをチェックした上で自分に合った商品を選ぶことが大切になりますが、やはり投資初心者だとなかなか選べない、難しいということもあるでしょう。

そのときは、自動で投資やリバランスを行ってくれるAIを活用した投資や、証券会社や金融機関などが発表しているファンドランキングなどをチェックするのもオススメです。

多くの人が利用していること、そしてオススメされるだけの魅力があるということは、投資信託選びをする上で非常に参考となるでしょう。

投資信託は、商品選びが非常に重要となります。だからこそ、自分が納得できる方法でベストな商品を選択したいですね。