お墓はいらない?お墓を建てないメリット・デメリットと供養のかたち
お墓を建てると墓石や墓地の費用がかかるだけでなく、継続して管理費や跡継ぎが必要になります。
この記事ではお墓をもたない新しいかたちの供養方法について詳しく解説していきます。話題の0葬についても話していくので、ぜひ参考にしてみてください。
お墓はいらないという人必見!新しい供養の選択肢
そもそもなぜお墓が存在するのかというと、次のような理由で墓を建てる習慣が根付いたから。
そこで大きな石を置いて掘り起こせないようにしたというのが石を置く始まりと言われています。石を置くようになってからそこに遺体・遺骨が埋められているという認識が人々に植えつけられていきました。
鎌倉時代〜江戸時代に制作された「九相図」という仏教絵画をみれば、暮石を置くのは故人を供養するためという理由が連想できます。
九相図によると土に還った後に石塔を置いていることが描かれています。祖先を大事にする日本人はお墓を残された遺族の心のよりどころとしてきました。
亡くなったら火葬して遺骨をお墓に埋葬するのが一般的となっていますが、お墓は必ずしも持たなければいけないものではありません。
ただしお墓をもたないということは「お墓参り」をすることができないというデメリットが発生します。
お墓をもたない場合の供養方法を6種類紹介!
お墓をもたない選択をしたときにはどんな供養方法があるのか詳しく説明していきます。
(1)納骨堂
納骨堂は屋内の納骨スペースに遺骨を収蔵するタイプの供養方法。
新しくお墓を建てるよりも費用が抑えられ、比較的アクセスしやすい都心に建てられていることが多いため、お参りに行きやすいというメリットがあります。
(2)樹木葬
樹木葬とは暮石の代わりに樹木を標とするお墓であり、以下のような種類があります。
- 都市型・公園型
- ガーデニング型
- 里山型
都市型・公園型は1本の木に対して1人分の遺骨を埋葬するパターンと1本の木を植えた周りに複数の遺骨を埋葬するパターンがあります。1番多いのは複数の遺骨を埋葬するパターンです。
ガーデニング型は霊園や納骨堂で植えられている花などの植物に囲まれた場所へ遺骨を埋葬する方法です。
里山型は山林などの広いところに埋葬する方法であり、都心部からは離れてしまいますが1番自然を感じられます。
(3)散骨
散骨は海や山に細かく粉砕した遺骨を撒く方法であり、最近では宇宙に散骨したいという人も増えています。
散骨は撒く場所やマナーに注意が必要のため、業者に頼んで散骨をしてもらうのが一般的です。
(4)手元供養
仏壇を置くスペースがなかったり、定期的にお参りに行くことが困難な人が手元供養を選択することが増えてきています。
手元供養はミニ仏壇やミニ骨壷、遺骨ペンダントなどを利用して供養する方法です。
(5)永代供養墓
永代供養墓とは承継者がいなくても墓地の管理者が代わりに供養をしてくれるお墓です。
永代といっても保管期間には限りがあり、一定期間すぎると骨壷から遺骨を取り出して他人の遺骨と一緒に埋められます。
管理料や墓じまいの心配がないため、近年利用者が増えてきています。
(6)合祀
合祀とは他人の遺骨と一緒に埋葬する方法です。合わせて祀るという言葉の意味があります。
お墓にかけるお金がなかったり、跡を継いでくれるような家族がいなかったりする場合に選ばれることがあります。
墓じまいの方法とは?必要となる手続きを解説
墓じまいとはお墓を撤去すること。大まかな流れは暮石の解体をしてから墓地を管理者に返還し、遺骨を移すだけ。はじめに遺骨を移すための他の場所と永代供養等の供養のかたちを決めておく必要があります。
お墓が負担になるなら、建てない・墓じまいをする選択肢も
- 跡継ぎとなる人はいるのか
- 金銭的余裕はあるのか
- 定期的に管理することができるか
こういったポイントを押さえながらお墓の必要性を考えてみましょう。お墓は高額なものなのでじっくりと考えて自分や親族に合った供養のスタイルを見つけてください。