個人向け国債

個人向け国債の仕組みからメリット・デメリットを解説します

超低金利時代の今、預貯金だけでは十分に資産を増やすことができません。しかし、株や投資信託などを始めても元本割れリスクがあると聞けば、始めるのに抵抗を感じている人も多いはずです。

そんな方にご紹介したいのが、個人向け国債です。個人向け国債は、元本保証があるだけでなく最低金利保証もあり、確実に資産を増やすことができます。個人向け国債とはどのようなものなのか、詳しくご紹介していきましょう。

個人向け国債とは何?その仕組みをご紹介

まずは、個人向け国債についてご紹介していきましょう。

個人向け国債は、簡単に言うと国にお金を貸し、利子を受け取るというものです。

国債で得られたお金は、国の事業などを目的として使われます。お金を貸す相手が国なので、安心できる債権です。

債権ってよく聞くけど、結局どういうもの?借金が債権?
債権は、お金を借りた際に作る借用証書の1つです。お金を借りたという証拠ですね。

国債を用いた投資法は個人向け国債だけでなく、国債の標準物を対象とした国債先物取引というものもあります。国債先物は架空の債券を用いて取引を行うもので、低コストでの取引が可能です。

国債先物取引についての情報は、こちら架空の債券で取引する国債先物取引の特徴を徹底解説で紹介しています。

個人向け国債は半年ごとに利子が受取れる

個人向け国債は、決められた期間お金を貸して、満期になればそのお金が返ってくるという仕組みです。

ただ、貸したお金がそのまま戻ってくるだけなら、貸す方にメリットはありませんよね。

個人向け国債は、半年ごとに利子を受け取ることができ、これがメリットになるのです。

個人向け国債で受け取ることができる利子は、その時代、経済情勢によって変動します。

ただ、個人向け国債の場合は金利の下限が0.05%に設定されており、貸したお金に対して最低0.05%の利子は保証されるという特徴もあります。

個人向け国債の購入タイミングは年に12回

個人向け国債は、いつでも購入出来るわけではありません。個人向け国債は年に12回、つまり毎月発行されることになります。

そして、毎月募集期間と発行日が決まっていますので、この期間に申し込みをするよう気を付けましょう。

ちなみに、購入する際には個人向け国債取り扱い金融機関の口座開設、そしてその金融機関での申し込み手続きが必要となります。

国債の購入方法や手数料などについてもっと詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事をチェックしてください。

個人向け国債の種類を分かりやすく解説

個人向け国債には、3つの種類があります。

  • 変動10年
  • 固定5年
  • 固定10年

この3つの違いを、比較・解説していきましょう。

項目 変動10年 固定5年 固定10年
満期 10年 5年 10年
金利 基準金利×0.66%
(半年ごとに適用利率変動)
基準金利-0.05%
(固定金利)
基準金利-0.03%
(固定金利)

満期の期間が異なるのはもちろんですが、大きな違いとしては金利が固定か、変動かという点でしょう。

個人向け国債の変動10年については、こちら今買うなら個人向け国債の変動10年がオススメ!その理由を徹底解説の記事で特集しています。

特に変動金利の場合は、半年ごとに金利が見直されますので、基準金利が上昇すれば適用金利も上昇することになります。

変動金利の場合は、金利が上がる可能性があるのはもちろん、逆に下がってしまう可能性もありますよね。

ほとんど金利がゼロになったら、せっかく国債を購入した意味が無くなる気がするのですが…。

個人向け国債は、固定金利はもちろん変動金利も最低0.05%の金利が保証されています。ですから、0.05%より金利が下がることは無いのです。

元本割れリスクなしでも要注意?個人向け国債のメリット・デメリット

個人向け国債は、最低金利保証があるので元本割れすることはありません。これもメリットなのですが、他にも個人向け国債のメリットはあります。

また、個人向け国債はメリットだけでなく残念ながらデメリットもあるので、メリットとデメリット、両方を知ることが大切なのです。

では、メリットとデメリットをそれぞれ詳しく見ていきましょう。

メリット

個人向け国債には、3つのメリットがあります。

  • 元本と利息支払いが保証されている
  • 1年以上で中途換金が可能
  • 1万円から購入できる

元本保証と最低金利保証については、先ほどから紹介している通りですね。特に、現在は超低金利時代ですから、普通預金に預けるよりも個人向け国債の方が高い金利が見込めるのです。

個人向け国債の金利については、こちら定期預金よりもお得!?個人向け国債の利率を徹底解説!の記事で詳しくご紹介しています。

また、個人向け国債は5年や10年預け入れる必要がありますが、実は1年以上経過すれば一部、または全額を換金する中途換金が可能です。

中途換金をすると、直近2回分の受取利息相当額に0.79685を掛け合わせた金額が差し引かれてしまいます。つまり、受け取り利子が減ってしまうのですが、それでも元本割れすることはありません。

個人向け国債の中途換金について興味がある方には、こちらの記事がオススメです。

更に、個人向け国債は1万円から購入が可能です。

無理なく、余裕のある資産で購入できるという点も、個人向け国債の魅力だと言えるでしょう。

個人向け国債は1万円から購入できるということですが、いくらまで、どのくらいの単位で購入出来るのでしょうか。
最低1万円から、1万円単位で購入することができます。また、購入金額に上限はありません。

無理のない金額を購入すると良いでしょう。

デメリット

個人向け国債のデメリットとしては、次の2点が挙げられます。

  • 金利上昇時に弱い
  • 途中で解約すると受け取り利息が減ってしまう

個人向け国債は、最低金利が保証されているため低金利時代には預貯金よりも魅力的になります。ただ、金利が上昇した際には預貯金の方がお得になりますので、5年、10年といった期間満了までその金利が適用され続ける固定金利は不利と言えるのです。

ただ、変動金利を選択していれば、基準金利が上がれば個人向け国債の適用金利も上がります。

低金利時代だからこそ、金利上昇時に備えて個人向け国債は変動10年を選択することをオススメします。

また、1年以上経過すれば中途換金が可能ということをメリットとして挙げましたが、受け取り利息が少なくなってしまうのはデメリットとも言えるのです。

基本的に、個人向け国債は満期まで換金しないよう考えておきましょう。

また、個人向け国債の受け取り利子には、20.315%が税金として差し引かれてしまいます。個人向け国債の税金について更に詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてくださいね。

国債は日本だけじゃない!より高金利のアメリカ国債をチェック

国債は日本だけが発行しているわけではありません。様々な国で発行されています。

その中で人気なのが、アメリカ国債です。アメリカ国債の最大の魅力は、その高い利回りになります。

アメリカの10年国債は、その利回りが2.472%となっています。日本国債の利回りが0.1%を切っている現状では、かなり魅力的に思えますよね。

もちろん利回りは変動しますので、その時々の利回りをチェックするのが大切です。

また、アメリカ国債も破綻リスクについて心配する必要はないと考えられます。経済大国であること、そして世界一のGDPを誇ることから、10年程度で破綻するとは考えにくく、安心して保有することができるのです。

アメリカ国債を購入する際は為替変動リスクに注意

高い利回りと信用が魅力のアメリカ国債ですが、まったくリスクが無いという訳でもありません。

アメリカ国債の場合は、為替リスクに注意する必要があります。

アメリカ国債は、国債の利回りが変わっていなくても、為替が変われば円換算したときに元本割れするリスクがあるのです。

ただ、この為替リスクもドルで受け取れば特に問題はありません。円として受け取りたい場合は、そのタイミングに注意しておけば良いのです。

アメリカ国債については、こちらの記事でも特集しています。

毎月購入可能な個人向け国債は元本割れなし・最低金利保証ありで安心

個人向け国債は、最低金利保証として0.05%が設定されています。固定金利・変動金利問わず、この金利を下回ることはありません。超低金利時代の今は、預貯金よりも高い金利になります。

また、国が破綻しなければ元本と利子の支払いは保証されます。日本の国債が10年程度で破綻する可能性は極めて低いですから、安心して購入することができるのです。

ただ、個人向け国債は固定金利の場合、金利上昇時に預貯金の金利を下回る可能性もあります。変動金利であれば金利上昇に伴い個人向け国債の金利も上がりますので、まずは変動金利を検討することをオススメします。

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