保険の基礎知識

生命保険と医療保険はどっちが必要?それぞれの違いや特徴、選び方

人の人生はいつまでも続くものではなくいつか終わりはやってきます。また、病院にお世話になったことがないという人は一人もいないでしょう。

万が一のときに備えて保険に加入しておきたいけどいろんな保険がありすぎてどの保険に入ればわからないという人もいるのではないでしょうか。加入しておくべき保険の代表として生命保険や医療保険が挙げられます。

生命保険と医療保険にはそれぞれ違いがあるので特徴や仕組みについて比較してみましょう。生命保険と医療保険について学び、自分のライフプランにあう保険を探してみてください。

生命保険と医療保険とは?特徴や違いを比較

生命保険とは死亡保障を備える保険です。死亡保険とも言われています。

亡くなった場合・高度障害の場合に保険金が支払われる仕組みとなっています。

主契約は死亡保険金となり、特約を付加することで死亡保険金が上乗せされたり、死亡保険金以外の給付金が受け取れたりします。

医療保険とは入院や手術した時の医療保障を備える保険です。生命保険とは違い死亡した時の保障はありません。入院日数には保険の商品によって条件が決められています。

手術に関しては保障される手術内容は決まっていて、診断書に記載される手術名で支払い対象となるか決まります。

生命保険と医療保険の違いを表にして比較するとこのような違いがあります。

生命保険と医療保険の違い
特徴 生命保険 医療保険
加入年齢上限 満75歳まで 満85歳まで
保障期間 10年~終身 10年~終身
保障内容 死亡保障 医療保障
払込期間 満50歳~終身 満60歳~終身

保険商品によって違いはありますがおよそはこの通りです。

生命保険といえば終身保険が思いつくでしょう。終身保険は名の通り一生涯にわたって保障が続きます。他には定期保険や収入保障保険が挙げられます。このふたつは掛け捨てタイプの生命保険なので保険料が安いのが特徴です。

定期保険の保障期間は5年か~10年で更新する「更新型」と加入時に保障期間を決める「全期型」があります。

保障期間の比較
種類 保障期間
更新型 10年・15年ごとに更新
全期型 加入時に必要な期間を決める

収入保障保険は保障期間に近づくと保障額が下がっていく「三角の保険」です。もし被保険者が亡くなった・高度障害になった場合は年金として分割で保険金が支払われます。

医療保険とがん保険の違いとは?

医療保険はさまざまな病気やけがの保障対象になりますが、がん保険はがんの保障のみ対象となる保険です。

他にもこのような違いがあります。

医療保険とがん保険の違い
  1. 免責期間の違い
  2. 入院限度日数の違い
  3. 給付金の違い
医療保険とがん保険の特徴を比較
特徴 医療保険 がん保険
免責期間 なし 90日間
入院限度日数 60日~120日程度 1,000日
がん給付金 がんによる一時金なし がんによる一時金あり

医療保険は「がん特約」を付加して保障を上乗せすることもできます。そして特約とは別にがんの保障には「がん保険」という独立した保険商品があります。

がんは日本人の2人に1人が発症すると言われているためこのような保険商品を各保険会社で取り扱っています。

生命保険のメリットとデメリットは?

生命保険に加入することで残された家族のためにお金を残すことができます。このお金を「お葬式費用」「ローンの返済」「こどもの養育費」に充てることができます。そんな死亡保障のある生命保険のメリットとデメリットは以下の通りになります。

生命保険に加入するメリット

  • 貯蓄ができる
  • 亡くなった時の費用や不安が軽減される
  • 相続税の対策になる
  • 解約返戻金がある

積立があると資産形成をすることができます。解約返戻金を利用して老後の生活費として利用することもできます。終身保険は解約返戻金がありますが、掛け捨てタイプの収入保障保険や定期保険はほとんど解約返戻金がありません。

もし亡くなった時に残されたローンなどの費用に充てることができるので家族の不安が軽減されます。子どもが小さいうちは保障額を大きくしておくと良いでしょう。日本政策金融公庫の教育費に関する調査結果によると子どもの学費は1,000万円以上かかります。

子どもに教育にかかる費用
公立 私立
幼稚園(3年間) 67万円 150万
小学校(6年間) 190万円 920万円
中学校(3年間) 140万円 400万円
高校(3年間) 120万円 300万円
大学(4年間) 485万円 ・文系695万円
・理系879万円

生命保険に加入することで貯金をしておくよりも相続税の課税を抑えることができます。

保険には非課税枠があるので、うまく活用してみましょう。

500万円×法定相続人の数=非課税限度額
※相続の放棄をした人も含める
※養子がいる時には実子がいる場合1人まで、実子がいない場合は2人まで含めることができます。

生命保険に加入するデメリット

  • 解約をすると元本割れする可能性がある
  • 入院や手術の保障がない
  • 医療保険より保険料が割高

早い段階で解約してしまうと元本割れしてしまう可能性があります。特に「低解約解約返戻金型終身保険」は払込期間を満了しないと返戻金が低いままです。加入時に解約返戻率を確認しておき、解約をするときには注意する必要があります。

生命保険(死亡保険)は医療保障が基本的についていません。もし必要な場合は特約としてつける必要があります。生命保険に加入を検討していて医療保障が欲しい人は「医療特約」をつけておきましょう。

医療保険のメリットとデメリットは?

医療保険に加入すると入院や手術に備えられ、特約をつけることで先進医療や三大疾病、女性特有の疾病の時には給付金がもらえます。

医療保険の主な特約
  • 先進医療保障特約
  • がん特約
  • 女性疾病特約
  • 三大疾病特約
  • 七大生活習慣病特約
医療保険に種類はあるのですか?
医療保険にさまざまな種類がありますよ。女性向けの疾病に特化した女性向け医療保険や健康状態に不安がある人でも加入しやすい引受緩和型医療保険などもあります。
主な医療保険の種類
  • 終身型医療保険
  • 定期型医療保険
  • 引受緩和型医療保険
  • 無選択型医療保険
  • 女性向け医療保険

医療保険に加入するメリット

  • 金銭面を気にせず安心して治療を受けられる
  • 生命保険より保険料が安い
  • 年末調整で税金の控除を受けられる

急に病気になって入院した場合、高額な医療費がかかると心配になるでしょう。保険に加入していなければなるべく入院せずに通院で済ます人もいるかと思います。そんな医療費の心配をせずに医療保険に加入しておけばまとまったお金を受け取ることができます。

死亡保障のある生命保険より保険料は安いです。ただし、積立のある医療保険は保険料が割高になります。

医療保険に加入するデメリット

  • 死亡保障がついていない
  • 解約返戻金がほとんどない
  • 貯蓄や公的制度で賄える場合がある

基本的に死亡保障がついていないため死亡保険金がありません。

医療保険は掛け捨てで加入することが多いので解約返戻金はほとんどありません。その分保険料が安いので、安い生命保険(死亡保険)と一緒に加入しておくと安心です。

保険適用の治療であれば高額療養制度などの公的制度でまかなうことができます。

また、貯蓄をしっかりしている人であれば医療保険に加入する必要がないかもしれません。

生命保険は相続税以外にも税金の課税を抑えられますか?
生命保険も医療保険も年末調整時の保険料控除を受けることができますよ。
所得税の保険料控除限度額
控除の種類 新制度 旧制度 両方の制度が適用
一般生命保険料控除 40,000円 50,000円 40,000円
介護医療保険料控除 25,000円
個人年金保険料控除 40,000円 50,000円 40,000円
住民税の保険料控除限度額
控除の種類 新制度 旧制度 両方適用
一般生命保険料控除 28,000円 35,000円 40,000円
介護医療保険料控除 28,000円
個人年金保険料控除 28,000円 35,000円 40,000円

新旧とは保険の制度区分。区分によって控除額が異なります。

生命保険と医療保険セットの保険って?

生命保険と医療保険がセットになっている保険はお得だと感じる人もいるかもしれません、また、ひとつの保険なので管理もしやすいかもしれません。

しかし、実際には医療保障の部分は「更新型」のものが多いのがデメリットです。

更新は年齢に応じて保険料が高くなるので、あまりおすすめはしません。

医療部分は更新すると保険料が上がるんですね!でもセット保険でも保険料が変わらないのはなぜですか?
死亡保障部分の積立が調整されて保険料が変わらないような仕組みになっています。そのためなかなか積立部分が増えません。

生命保険と医療保険どちらに入るべき?選び方のポイント

どちらに加入すべきか迷った時は以下のポイントをチェックしましょう。

生命保険と医療保険で悩んだときのチェックポイント
  • 結婚して家族がいるか
  • 被保険者の収入
  • 進学を控えている子どもはいるか

生命保険に加入すべき人は「家族がいる」人です。そして被保険者が世帯主であり支えている立場であれば亡くなったときに家族が不安になってしまいます。そういった人はまず生命保険に加入しておきましょう。

未婚の人や若い人はまず医療保険に加入しておくことをおすすめします。ただ、保険料の負担が辛いのであれば無理して加入する必要はありません。医療制度があり、若いうちはけがや病気も少ないのですぐに加入せずゆっくり落ち着いて保険を探してみましょう。

最終的にはふたつとも加入しておきたい保険

どちらに加入すべきか迷いますが、選び方のポイントを自分に当てはめながら考えてみましょう。自分のライフプランを知ることが大切です。結婚をすると生命保険に加入しておくことが望ましいですが、いずれは医療保険にも加入しておくと安心です。けがや病気は年齢が上がるとリスクも高くなるのでどちらも加入しておく方が望ましいです。

デメリットはありますが、生命保険に医療特約をつけるプランなどもあるので、保険料の金額や保障内容に満足すればセット医療に加入するのも一つの手です。保険会社の窓口などで相談してみましょう。