ショートステイとは?活用法、料金、利用できる期間を知ろう
ショートステイは、特別養護老人ホームなどに短期間入所して、介護や機能訓練を受けるサービスです。
在宅介護を担っている家族が病気になったときなどに利用されます。家族の負担軽減のために使ってもOKです。
ショートステイは人気があるサービスで、施設によっては予約が取りづらいことも。また、介護保険を使って連続して利用できるのは30日までといった条件もあります。
ショートステイの概要、利用条件、費用などについてお伝えします。
ショートステイとは?まずは実施施設や利用可能期間を知ろう
ショートステイには「短期入所生活介護」と「短期入所療養介護」があります。
また、有料老人ホームが介護保険外(全額利用者の自己負担)で実施している有料ショートステイもありますよ。
ショートステイの概要や利用できる日数についてお伝えします。
短期入所生活介護と短期入所療養介護の違いと使い分け
短期入所生活介護と短期入所養護介護では、実施している施設やサービス内容が違います。
短期入所生活介護 | 特別養護老人ホーム、ショートステイ専門施設などに入所し、生活上の世話、レクリエーション機能訓練などを受ける |
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短期入所療養介護 | 介護老人保健施設、病院などに入所し、生活上の世話、医療、看護、機能訓練などを受ける |
短期入所療養介護は、医療ケアが必要だったり、健康に不安があったりするときに利用します。
ショートステイの利用期間は?連続利用できるのは30日まで
ショートステイを介護保険で連続利用できるのは30日までです。
31日目を介護保険対象外として全額自費で支払って、32日目からまた介護保険対象で利用する方法で、長期滞在(ロングショートなどと呼びます)している人もいます。
利用日数には「要介護認定の有効期間の半分まで」という制限も
ショートステイの利用期間には「累積日数が、要介護認定の有効期間の約半数を超えないこと」という決まりもあります。
要介護認定の有効期間は6~36ヶ月で、人によって違います。介護保険の保険証(介護保険被保険者証)で確認しましょう。
やむを得ない事情がある場合は、半数を超えての利用も認められます。
要支援1~2でも利用可能!ショートステイの利用条件と利用方法
ショートステイを利用したい場合には、どうしたらいいのでしょうか。そもそも、自分の親はショートステイの利用対象者なんでしょうか。
ショートステイの利用条件、どんなときに利用すればいいか、利用方法をご紹介します。
ショートステイの利用条件は?要支援も要介護も利用可能
介護保険が適用されるショートステイは、要支援1~2、要介護1~5の人が利用できます。
要支援1~2の場合は、介護予防短期入所生活介護か介護予防短期入所療養介護を利用することになります。
介護保険対象外のショートステイなら、要介護認定を受けていなくても利用可能な場合もあります。
ショートステイはどんなときに利用したらいいの?
ショートステイは、以下のような人が利用しています。
- 利用者の心身の状況が悪く、在宅での介護が難しい
- 介護を担う同居家族が病気になった
- 同居家族が出張や冠婚葬祭でしばらく家を離れる
- 同居家族の負担を軽減したい
特別養護老人ホームの入居待ち中のつなぎや、退院直後に自宅に戻るのが不安なのでしばらく施設にいたいという理由で、利用する人もいます。
まずはケアマネージャーに相談して!ショートステイの利用方法
ショートステイを利用したいときは、要支援1~2なら地域包括支援センター、要介護1~5なら担当ケアマネージャーに相談します。
ケアプランが作成されたらショートステイを利用できます。予約は担当ケアマネージャーを通して行います。
施設によってはすぐに予約が埋まってしまうので、早めの申し込みがおすすめです。2~3ヶ月前から予約できる施設が多いようです。
ただ、予約が取れたとしても、利用当日にインフルエンザやノロウイルスに感染している場合には入所を断られます。
ショートステイの費用は?基本料金や追加料金を紹介
介護保険でショートステイを利用する場合、以下のような費用がかかります。
- 1日あたりの基本料金
- 特定の条件を満たす事業所を利用する場合の追加料金
- 機能訓練など利用サービスによる追加料金
- 全額自己負担になる食費、居住費、理美容代
費用の目安をご紹介します。
要介護度で違う!短期入所生活介護の基本料金の目安
短期入所生活介護の1日あたりの基本料金は、以下の条件によって違います。
- 要介護度
- 部屋の種類(多床室、個室、ユニット型)
- 施設の種類(併設型、単独型)
ここでは特養などに併設されている、併設型施設での基本料金を紹介します。地域加算がなく、自己負担1割の場合の利用者負担金額です。都市部などでは料金が高くなりますよ。
おむつ代も基本料金に含まれています。
個室 多床室 |
要支援1 437円 要支援2 543円 要介護1 584円 要介護2 652円 要介護3 722円 要介護4 790円 要介護5 856円 |
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ユニット型 | 要支援1 512円 要支援2 636円 要介護1 682円 要介護2 749円 要介護3 822円 要介護4 889円 要介護5 956円 |
(2018年12月2日現在)
それぞれの部屋タイプの特徴はコチラをご覧ください。
なお、単独型(ショートステイ専門の施設)では、併設型よりも料金が高くなります。
短期入所療養介護の費用は?基本料金の目安
短期入所療養介護でも、以下の条件によって費用が変わってきます。
- 要介護度
- 部屋の種類(多床室、個室、ユニット型)
- 施設の種類(従来型老健、在宅強化型老健、病院、診療所など)
ここでは従来型老健での基本料金を紹介します。
個室 | 要支援1 578円 要支援2 719円 要介護1 753円 要介護2 798円 要介護3 859円 要介護4 911円 要介護5 962円 |
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多床室 | 要支援1 611円 要支援2 765円 要介護1 826円 要介護2 874円 要介護3 935円 要介護4 986円 要介護5 1,039円 |
ユニット型 | 要支援1 621円 要支援2 778円 要介護1 832円 要介護2 877円 要介護3 939円 要介護4 992円 要介護5 1,043円 |
(2018年12月3日現在)
短期入所生活介護も短期入所療養介護も、入所日も退所日も「1日」と数えます。
ショートステイ利用時にかかる追加料金とは
機能訓練や送迎を利用した場合や、職員の配置で一定の条件を満たしている施設を利用する場合などは、追加料金(加算)がかかります。
希望する施設で、希望するサービスを利用したら、いくらになるのかは、ケアマネージャーや施設の担当者に確認してください。
食費や居住費は全額自費!負担金額を抑えるコツとは
基本料金や上で紹介した追加料金(加算)は介護保険の対象ですが、食費、居住費(滞在費)、希望したときにかかる理美容代は介護保険適用外で、全額自費負担です。
レクリエーションやクラブ活動に参加するなら、材料費などが必要になる場合もあります。これら全額自己負担になる費用は、施設によって料金が違います。
なお、世帯収入が少ない場合、「負担限度額認定証」を受ければ、食費と居住費は軽減されます。
食費の負担軽減については「あなたの介護保険の自己負担割合はいくら?自己負担割合の決まり方」、居住費については「所得や介護度で違う特別養護老人ホームの費用を徹底解説!」をご覧ください。
なお、短期入所療養介護の費用は医療費控除の対象です。短期入所生活介護の場合は、訪問看護などの医療系サービスと合わせて利用している場合のみ医療費控除の対象です。
介護保険外のショートステイは高いの?料金例を紹介します
有料老人ホームなどで実施している、全額自己負担のショートステイだと、どれくらいの金額がかかるのかも紹介します。
いくつかの施設の例を挙げますね。
施設A(東京23区内) | 要介護度に関係なく23,760円(食事付、個室) |
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施設B(東京23区内) | 要介護度に関係なく14,040円(食事付、個室) |
施設C(東京23区内) | 自立・要支援1~2は受入不可 要介護1~5は10,800円(食事付、個室) |
ここで挙げた施設では、おむつ代は別途自己負担となります。
ショートステイで家族もリフレッシュ!利用はケアマネに相談を
短期入所生活介護のほか、医療ケアが必要な人が利用する短期入所養護介護、介護保険対象外の有料ショートステイ(有料老人ホームなどが受入)があります。
緊急で利用したい人向けの「緊急ショートステイ」もあるので、急な利用希望でも、すぐに諦めずにまずはケアマネージャーに相談してみましょう。