つみたてNISAでアクティブファンドが選ばれる理由と商品の選び方
つみたてNISA(積立NISA)を利用すると税制優遇を受けられます。
本来納める必要性があった税金の分だけ利益が増えます。その浮いた利益を再投資にまわせば、複利効果を十二分に発揮させることができるでしょう。しかし利益そのものが低いと大した複利効果は期待できません。
資産を増やしていくためには、時にはリスクを受け入れ冒険する必要があります。
「既に資産運用を始めてみたもののなかなか利益が得られない」もしくは「少しでも多くの利益を投資で得たい」と考えている方におすすめなのが「アクティブファンド」です。
この記事では「つみたてNISAでアクティブファンドのメリットを最大限活用する方法」や「おすすめのアクティブファンド」を紹介します。
つみたてNISAにおける投資信託とファンドの種類
つみたてNISAのメリットは「一般NISAよりも年間の非課税枠が小さいものの、非課税期間が長く、最大で800万円まで非課税枠として運用できる」ことでしょう。
これだけの情報だと一見自由な投資が可能に見えますが、つみたてNISAの投資対象は金融庁の条件をクリアした投資信託とETFのみ。国内株式など、ほかの金融商品は取り扱っていません。
ETFも取扱っている銘柄はわずか3本だけと非常に少なく、購入できる証券会社も大和証券のみとなります。そのためつみたてNISAでは投資信託を選んで運用する人が多いのです。
単に「投資信託」といっても、ファンドによってそれぞれ種類や特徴が異なります。まずどのようなファンドがあるのかを知っていくと良いでしょう。
投資信託は大きく分類すると「インデックスファンド」「バランスファンド」「アクティブファンド」の3種類に分けることができます。
今回は「アクティブファンド」をメインに、それぞれのファンドの特徴や違いを見ていきましょう。
インデックスファンドは特定の指標との連動を目指す
インデックスファンドとは、日経平均株価やNYダウなどの特定の指標(インデックス)と連動することを目的としたファンドのことです。
特定の指標と同じような値動きをするので、同じ指標をベンチマークしているのであればどのファンドも似たような値動きをします。
インデックスファンドのメリット・デメリット
インデックスファンドには手数料が安いというメリットがあります。アクティブファンドと違って低コストな取引ができるので、安く資産運用を始めたい方にほどおすすめのファンドです。
常に特定の指標と同じ動きを目指すという仕様上、大損するリスクが低く安定した利回りを狙えるというメリットもあります。
しかし動きが安定しているということは、大きく稼げることは滅多にありません。アクティブファンドのように、平均以上のリターンは期待できないでしょう。
インデックスファンドはできるだけリスクを避け、平均的なリターンを期待したいという方におすすめのファンドなんです。
バランスファンドはバランスの良い資産配分で分散投資を行う
バランスファンドとは複数の投資対象に対して分散投資をし、バランスの良い資産配分を行っているファンドのことです。
バランスファンドは特定の対象に固執せず、様々な分野に投資をするので、購入すればそれだけで分散投資をするのと同じ効果を得られます。
バランスファンドのメリット・デメリット
分散投資のメリットは、たとえ特定の投資対象の価値が下落したとしても損失を最小限に抑えられること。そのためバランスファンドは基準価額の極端な低下などを防げているんです。
他にもバランスファンドにはファンドが自らリバランスを行う特性から、投資側のリバランスの手間がかからないというメリットがあります。
このようにメリットの多いバランスファンドですが、一方でデメリットも。様々な分野に投資をしているので、内容が把握しづらく、結果的にもリターンが小さくなりやすいです。手数料が高いこともひとつの欠点でしょう。
アクティブファンドは平均利回り以上の利益を目指すファンド
アクティブファンドとは、それぞれのファンド独自の運営方針に基づき、市場の平均利回り以上の利益を目指すファンドのこと。
市場の平均を目指すインデックスファンドとは対称的なファンドですね。アクティブファンドはさらに運用方針で分けることができます。主な3種類を紹介しましょう。
投資対象 | |
---|---|
グロースファンド | 今後の成長が期待できる銘柄 |
バリューファンド | 割安な銘柄 |
セクターファンド | 特定の業種の銘柄 |
アクティブファンドのメリット・デメリット
アクティブファンドは特定の銘柄に集中的に資本を投下するのため、狙い通りに価格が動くと市場平均以上のリターンを得ることができます。
しかしもしファンドが銘柄選びに失敗すれば、見込めるリターンが大きい分、想定される損失も大きくなります。
成功するかどうかはファンドの実力次第です。そのような背景もあってアクティブファンドはインデックスファンドと比べて手数料が高い傾向があります。
しかしつみたてNISAで購入できるアクティブファンドに限っては、信託報酬は比較的に安くなっています。それは信託報酬が高すぎると金融庁の定めた条件を達成できないからなんです。この点は次の章で詳しく説明します。
つみたてNISAでアクティブファンドを運用すべき意外なメリット
そんなアクティブファンドの世界ですが、つみたてNISAの投資対象に限定すると、様相がうって変わります。つみたてNISAでは金融庁の条件を満たすことが出来る、一部のアクティブファンドしか取り扱っていないからです。
言い換えればつみたてNISAの投資対象であるアクティブファンドは、金融庁のお墨付きの銘柄だということ。金融庁の条件もあってか、信託報酬はどれも安い銘柄ばかりです。
アクティブファンドならではの「手数料が高い」という欠点はつみたてNISAで運用するならば当てはまりません。
アクティブファンドがつみたてNISAの商品に選ばれる基準
アクティブファンドがつみたてNISAで扱われるためには、金融庁の条件を満たす必要があります。
投資対象 | 株、債券、REIT |
---|---|
買付手数料 | 無料 |
売却手数料 | 無料 |
信託報酬 | 国内資産は1.0%以下、海外資産は1.5%以下 |
運用期間 | 5年以上 |
純資産額 | 50億円以上 |
これらの条件を満たしているアクティブファンドのみが、つみたてNISAで投資対象になれるんです。
つみたてNISAの商品は信託報酬に条件があるほか、販売手数料も無料でないといけません。そのため信託報酬以外のコストは基本的にかからないなどのメリットがあります。
失敗しないアクティブファンドの選び方
いったいどこを見れば、良いアクティブファンドを選ぶことができるのでしょうか?
将来の値上がりが期待できる銘柄を探しているのであれば次の3点を必ずチェックしましょう。
- 運用方針
- 手数料
- トータルリターン
運用方針がしっかりしているアクティブファンドならば、将来のリターンが期待できるでしょう。
そして手数料についても必ずチェックすることが大切です。つみたてNISAは全体的に信託報酬が安いのですが、銘柄によって安さに違いがあります。銘柄をどちらにするか決めかねたら信託報酬が安い銘柄を選びましょう。
最後にもっとも重要な点をお伝えします。アクティブファンドを選ぶ際には必ずトータルリターンを確認してください。データは嘘をつかず、そのファンドの真実の姿を見せてくれます。
本当に利回りが良いファンドならば、時系列とともに純資産総額が増えているでしょう。反対に運用成績が悪ければ、純資産総額が減るため基準価額もだんだんと落ちているはずです。
つみたてNISAのおすすめアクティブファンドはひふみプラス
つみたてNISAではインデックスファンドの本数が138本であるのに対し、アクティブファンドの本数は17本です。(2018年9月10日時点)
国内型の株式と海外型の株式を対象にしているアクティブファンドがもっとも多く、海外のREITを対象にしているファンドが少数存在します。
おすすめのアクティブファンド「ひふみプラス」
筆者がおすすめするアクティブファンド「ひふみプラス」は、時系列に合わせて基準価額が順調に上がっている人気のファンドです。
2013年頃は基準価額が1万円台だったのですが、2018年には4万円台に到達するなど、4倍以上の値上がりを見せています。
当初より購入していた方は、今頃資産を大きく増やすことに成功しているでしょう。値上がり率が高い上に、信託報酬も1.0584%と安いです。
現状において利回りが高く信託報酬も安いため、今後も期待できるアクティブファンドとなります。
つみたてNISAでアクティブファンドのメリットを活かそう
アクティブファンドを選ぶ以上、インデックスファンド以上のリターンを目指すべきでしょう。もしもインデックスファンドよりも利回りが低いアクティブファンドを選んでしまった場合は、できるだけ早めに損切りしましょう。
しっかりと利益が出るようなアクティブファンド選びに成功すると、つみたてNISAの非課税枠を利用することで、より効率の良い資産運用を実現できます。税金が安くなる分、複利効果の真価をより多く発揮させることでしょう。