
つみたてNISAは途中で解約できる!手続きの流れと注意点を解説
できるだけ節税したい、そんな悩みを解決してくれるのが積立ができるNISA、通称「つみたてNISA」です。
つみたてNISAを始めると、最長で20年間にもわたって資産運用にかかる税金を非課税にすることができます。年間投資額の上限は40万円ですが、累計非課税投資上限額は800万円となりますので、長期的に見るとつみたてNISAは一般NISAよりも節税効果があります。
このように長期運用に向いているつみたてNISAなのですが、ただ10年以上も資産運用をすると、時にはより成績の良い商品に運用先を変更したくなることがあるでしょうし、スイッチングをしたくなる時もあるでしょう。
つみたてNISAではもしも別の銘柄に変更したくなった場合、現在保有している運用商品を途中解約し、別の商品を購入することも可能です。
この記事では「つみたてNISAにおける解約と変更方法」について詳しく解説していきます。
つみたてNISAは解約可能!換金前の注意点
つみたてNISAでは投資信託やETFはいつでも途中解約し、換金することが可能です。
解約時の手数料などを除き、途中解約をすることで特別な費用などは特にはかかりません。もし現在保有している商品の運用成績が下がり、これ以上保有すると損失が拡大するという場合は、早めに解約し、損切りをしておいた方が良いでしょう。
つみたてNISAは長期投資を前提とした制度ですが、長期保有を強制する制度ではありません。今後の見通しが悪い商品に関しては、早めに換金するのがおすすめです。
つみたてNISAの口座からはいつでも資産を引き出せる!
急にお金が必要になった!そんなとき「つみたてNISA」の口座に預けているだけで運用していないお金を引き出せたら助かりますよね。
一般NISAと同様、つみたてNISAの資産はいつでも引き出し可能です。
一方、よく比較される個人型確定拠出年金「iDeCo」の場合は、原則として60歳になるまで資産の途中引き出しができません。
売却前に注意!つみたてNISAの非課税枠の再利用は不可
いつでも商品の売却(解約)ができるつみたてNISAですが、非課税枠の再利用はできません。
非課税枠は投資信託を購入した時点で利用したとみなされます。そのため、例え年内に投資信託を売却したとしても非課税枠は戻らないのです。
商品解約時にかかる手数料は銘柄によって異なる
つみたてNISAで運用中の商品を途中解約する場合、銘柄によっては手数料がかかることもあります。
たとえば投資信託を途中解約すると必要となるのが「信託財産留保額」。この手数料は銘柄によっては異なり、かからないこともあります。
低コストな運用を目指すなら信託財産留保額が安い銘柄を選ぶと良いでしょう。
つみたてNISAで商品を解約するときの注意点まとめ
つみたてNISAであろうとも、投資信託はいつでも自由に解約できます。ただし解約時には3つの注意点があります。
- 解約までに時間がかかる
- 銘柄によっては手数料がかかる
- スイッチングができない
投資信託は株式投資と違って、実際に解約できるまでに時間がかかります。そのため予定していた基準価額通りに売れるとは限りません。さらに銘柄によってはさきほど説明したとおり、信託財産留保額などの手数料がかかります。
最後につみたてNISAでは基本的に「スイッチング(投資信託を買い換える行為)」ができません。非課税枠が限られているつみたてNISAでは、スイッチングをやると非課税枠が失われていってしまうためです。
つみたてNISAではスイッチングができないことを考慮し、常に非課税枠の使用分を把握しておくようにしましょう。
つみたてNISAの積立金額はいつでも変更可能
一般NISAと違って、つみたてNISAでは、定期的に事前に設定した金額を積み立てていくことになります。
最低積立額は、証券会社によって異なります。最低積立額が安い証券会社ともなると、100円以上1円単位で積み立てることも可能です。
100円から積み立てることができるとはいえ、これからつみたてNISAでの運用を進めていく上で現在の積立金を維持できなくなったときはどうしたらよいか不安な人もいるのではないでしょうか?
つみたてNISAの積立金額はいつでも変更できますので、その時の状況に応じて減額や増額ができます。
日頃から収支を考え無理のない範囲になるよう、事前に積立額を減額しておくのが良いですね。設定を変更すれば、積立額を減らせます。
つみたてNISAをはじめるのにおすすめの金融機関については、次の記事をご確認ください。
つみたてNISAで積立自体を休止することもできる
「どうしても積立ができなくなってしまった」という時は、積立そのものを休止することも可能です。証券会社の積立設定を解除することで、積立を一旦休止にすることができます。
積立を休止するといっても、つみたてNISAの口座における資産運用が止まるわけではありません。たとえ積立をせずとも、分配金などを再投資にまわせば、積立休止後であっても資産を運用できるでしょう。
つみたてNISAの金融機関は条件付きで変更可能
つみたてNISAの金融機関は、年単位であれば変更できます。
- 「金融商品取引業者等変更届出書」を現在の金融機関に提出する
- 送付される「非課税管理勘定廃止通知書」を変更先の金融機関に提出する
- 金融機関が税務署で手続を行い、つみたてNISAの口座を開設する
金融機関を変更する場合、保有中の投資信託は移管できない
つみたてNISAの金融機関を変更する場合、現在保有している投資信託はどうなるのでしょうか?
金融機関を変更する場合、つみたてNISA口座内にある投資信託などの資産を移管することはできません。
金融機関を変更するというのは、現在使用しているNISA口座を一旦停止し、別の金融機関で新たにNISA口座を開設するということです。以前まで使用していたNISA口座の資産をそのまま引き継いで資産運用をできるわけではありません。
そのため金融機関を変更する場合、一旦投資信託を売却し、口座内の資金を引き出した後新しい金融機関に資産を移動させるなどの手続きが必要になります。
金融機関を変更するときの注意点
つみたてNISAの買付は積立のみとなるため、金融機関を変更したからといって、一括で即座に商品を購入することはできません。
加えて金融機関によって取り扱っている投資信託やETFは異なります。変更予定の金融機関にも購入したい投資信託があるのか、必ず確認しましょう。
「つみたてNISA」解約できる!ただしデメリットにならないように注意
ただし頻繁に解約をすると、つみたてNISAのメリットである非課税枠が失われてしまうので注意しましょう。
またつみたてNISAの積立額はいつでも自由に変更することができますし、休止することもできます。必要とあらば金融機関の変更も可能です。
しかし金融機関を変更する場合は「保有中の投資信託は移管できない」「商品を一括で購入することはできない」などの注意点があります。
つみたてNISAを始める際はその後金融機関を変更することがないよう、慎重に口座開設先を選ぶと良いでしょう。