養老保険とは?終身保険との違いや一時払い・満期などの疑問を解決!
積立保険のひとつである養老保険ってどんな保険かご存知ですか?保険は様々なものがありますが、他の積立保険とどのような違いがあるのか・税金はかかるのか詳しく説明します。
養老保険は積立と保障がセットになった保険
将来に備えて満期が来るまで払い込んだお金を貯蓄していく養老保険は、積立と保障がセットになっています。
保障には死亡した時の保障や契約によっては入院した時の保障もついています。万が一死亡した時の保障として「死亡保険金額」が設定されていますが、疾病よる死亡なのか災害による死亡なのかによって保険金額は変わる場合もあります。
同じ保険会社の養老保険でも契約年数によって保障内容が違う場合もあるので、保険証書や約款を確認すると自分がどんな契約をしているのかわかります。また、現在どのくらい積み立てられているのかは保険会社に問い合わせをすれば確認することができます。
積立タイプと一時払い(一括)タイプの違い
積立タイプは年・月ごとに保険料を支払うのに対し、一時払い(一括)タイプは一度にまとめて保険料を支払い満期までおいておきます。一時払いで払い込むと積立より返戻率が高くなります。
養老保険は年末調整時に生命保険料控除の対象になります。
しかし保険料を支払った年の控除なので、年払い・月払いは毎年控除を受けることができますが、一時払いで支払うと最初の年しか控除されません。
最高で4万円しか控除されないので、一時払いで払うより少しずつ積み立てて支払う方が利率によっては実質お得ということになります。
一体どんな違いがあるかとういうと、解約した時や万が一のことがあった時はお金が戻ってきますよね。全期前納の場合は未経過分の前納した保険料が戻って来るのです。
そうすると全期前納の方が良いように思えますが、一括払いは全期前納より保険料が安いという特徴があります。払込方法は契約時の利回りなどを考慮しながら決めましょう。
養老保険に加入するメリットとデメリットは?
養老保険には以下のようなメリットとデメリットがあるので参考にしてみましょう。
- 使い道のないお金を運用できる
- 貯金が苦手な人でも自動引落で手軽に貯蓄できる
- 法人の場合は損金として計上できる
- 満期後に契約がなくなってしまう
- 保険料が高い
- 中途解約すると経過年数によっては元本割れする
あくまでも養老保険は「貯蓄」がメインの保険と考えた方が良いでしょう。貯蓄をしつつ、死亡した時の保険金もおりる契約としてサブの生命保険として考えるのが良いですね。
保険会社によって医療保障のセットプランも取り扱っています。保障が充実した生命保険に加入したい人は入院・手術保障が付いているものをチェックしてみましょう。
養老保険は満期を迎えると更新がなく、契約がなくなるので保障が欲しい人は再加入する必要があります。また、積立部分があるので保険料が高くなります。
養老保険と他の積立保険の違い
養老保険をはじめ、積立保険にはさまざまな種類があります。一体どのような違いがあるのか終身保険と個人年金と比較して説明していきます。
養老保険と終身保険の違い
2つの保険の大きな違いは以下の通りです。
養老保険 | 満期が来ると契約が消滅する |
---|---|
終身保険 | 亡くなるまで一生続く |
また、終身保険の方が保険料は安く、解約しない限り生きている間に積立金をもらうことはありません。解約すると元本割れする可能性がありますが、払込期間を満了しても一生涯保障が続きます。
養老保険と個人年金保険の違い
続いて養老保険と個人年金保険の大きな違いは以下の通りです。
養老保険 | 満期にまとまった保険金がおりる |
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個人年金 | 積み立てたお金を年金として分けて受け取る |
貯蓄をするという目的はどちらも同じですが、個人年金は投資という資産運用をしています。
為替によって利回りは変動しますが、最低保証利率が決められています。
他にも、被保険者が亡くなった場合に個人年金は支払った保険料分ほどの保険金が受け取れますが、養老保険はいつ亡くなっても満期と同じ額の保険金が受け取れます。
個人年金保険については「個人年金保険の仕組みを解説!気になる年金額や保険料は?」の記事で詳しく解説しています。
養老保険の受取人を考えるときに知っておくべき注意点
契約するときに「満期保険金受取人」と「死亡保険金受取人」を指定します。
受取人によってかかる税金が異なる
まずは満期保険金受取人について説明します。
満期保険金の受取人 | 税金の種類 |
---|---|
契約者 | 所得税 |
配偶者など(第三者) | 贈与税 |
上の表のように受取人によってかかる税金が変わります。贈与税は満期の金額から課税されますが、所得税は払込総額が差し引かれた利益分のみ課税されます。
死亡保険金の受取人は法定相続人にすることによって「相続税」が課税され、それ以外の人を受取人にすると「贈与税」が課税されます。
生命保険料控除を受けると控除額が戻ってくる
収入があると、その収入に対して「所得税」と「住民税」が課せられます。会社で働いていると毎年末に「年末調整」の書類をもらいます。年末調整は生命保険に加入していると所得税と住民税に対して控除を受けることができます。
支払った保険料を計算し、表にて算出すると控除額が決まります。先ほど説明した通り、所得税は4万円・住民税は2万8,000円が限度額になります。
勘違いしやすい点が一つあります。税金が4万円・2万8,000円と戻ってくるのではなく、控除額×10%が戻ってくるという点です。
生命保険料控除を受けるには、年末調整の書類と一緒に「払込証明書」を添付しなければなりません。この証明書は保険会社から届くものです。紛失してしまった場合は再発行してもらえるので、保険会社に問い合わせてみましょう。
満期の受取金の課税対象について
契約者本人が満期受取人の場合は「所得税」、配偶者など第三者の場合は「贈与税」と説明しました。所得税は契約者本人が保険料を払っているので、支払った分は満期保険金から差し引かれた利益に課税されます。
この満期保険金は「一時所得」という扱いになります。しかし、一時所得には50万円の「特別控除」があります。
この計算式で算出された金額がマイナスであれば、特別控除以内に収まっているので税金がかかりません。
満期保険金を一度に受け取るのではなく、分割で受け取る場合は「雑所得」の対象になります。雑所得は税率・控除額が所得金額によって違いますが、保険金で受け取る利益はほとんど195万以下の税率に当てはまるでしょう。
195万円以下の場合は控除がなく、税率は5%です。
養老保険を途中で解約したらどうなるの?
養老保険はマイナス金利になる前、利率が良く人気がありました。その時代に契約した人はお宝保険なので、安易に解約しないようにしましょう。
今では利率が低く、魅力がないものがほとんどなのでどこの保険会社でもあまり勧めていません。利率の良いものは満期まで残しておき、定期預金などがあればそちらを優先して崩していくのが良いかもしれません。
定期預金は短期間の預金なので分離課税が利息から引かれ、保険ほど利益がありません。保険も満期までの年数が浅い場合は分離課税が差し引かれるので、気になった場合は契約当初の書類などを確認してみましょう。
法人契約の養老保険の仕組み
法人の代表者が養老保険を契約する場合、代表者に万が一のことがあった時に会社のために保険金を利用することができます。
代表者に万が一のことがあると金融機関から融資をしてもらっている場合、信用に関わることがあります。このような場合に備えて経営者は法人契約の養老保険に加入しておくと良いでしょう。
経営者だけではなく雇っている社員にも保険を契約しておくと退職金として貯蓄することができます。社員に養老保険を契約することによって福利厚生の充実にもつながります。
福利厚生が良い会社は社員の仕事のやる気にもつながったり、新しい社員の募集にもメリットがあるでしょう。まとまったお金が必要になった時の備えだけではなく、節税効果もあります。
法人契約の保険料の帳簿上の扱いは?
会社は利益に対して法人税が課せられますが、この法人税を節税する方法として保険が利用できます。保険料は経費として扱い、損金計上できるのです。
決算前に黒字経営を赤字経営にしたい時も法人契約で保険に加入すれば、無駄な費用を増やさず貯蓄しながら節税できます。
保険に加入して節税したいと思った時は早めに契約の手続きをしましょう。保険なので健康状態を告知しなければならず、健康状態によっては病院で診断する必要があります。契約が成立するまで日数がかかるかもしれないので、3週間前には準備をしておくのが理想です。
養老保険に加入する時に確認しておきたいポイント
では、養老保険の加入時のポイントをおさらいしましょう。
- 満期のタイミングを考えて契約する
- 受取人は契約者だと節税効果がある
- 満期を迎えると保障がなくなる
- 中途解約すると損してしまうこともある
上の4つのポイントを確認して養老保険に加入しましょう。
貯蓄する目的によって満期のタイミングを調整すると必要な時に満期保険金を受け取ることができます。
また、受取人は契約者(保険料を払っている人)にした方が満期時に利益から差し引かれる税金を抑えられます。
満期を迎えると、死亡保障がなくなります。年齢が上がるほど健康状態によって保険に新しく加入できなかったり、保険料が高くなったりします。
医療保障がセットになったものや、別の積立保険である「終身保険」に加入しておくことをおすすめします。
中途解約は損してしまうことがあります。一定の期間置いておけば、返戻金が払込保険料を上回る契約もあるので解約したい場合は保険会社で試算してもらいましょう。
養老保険は貯蓄が目的
昔から契約していた人は、大事に満期まで残しておきましょう。また、満期を迎える前に受取人が誰になっているのか確認しておくと良いでしょう。
受取人は途中で変更することもできるので一度自身の契約を見直ししてみてください。
受取人の変更には印鑑や身分証が必要になる場合があります。自分のライフプランにあった保険契約をしましょう。