子供が生まれたら保険に入るべき?教育費と公的制度から判断しよう
子供が生まれる予定がある時に確認しておきたいものといえば「お金」のこと。子供の教育費や養育費、生活費がどのくらいかかるのか気になりますよね。
何年後にどんな費用がかかるのか、把握しておけば保険で資金を準備することもできます。子供の公的給付金はどんなものがあるのか覚えておいてうまく利用しつつ、子供の将来のための貯蓄をしていきましょう。
また、子供は風邪など体調を崩しやすく入院することもあるかもしれません。子供に医療保障は必要なのか、親が万が一亡くなった場合はどうなるのか確認してみましょう。
子供が生まれる予定の人が知っておきたい公的給付金
公的給付金とは国から特定の条件でお金がもらえる制度です。「補助金」「助成金」とも呼ばれます。保険に加入して備えることも大事ですが、どんな時にどんな給付金がもらえるのか把握しておくと今後役に立ちます。
「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」について
遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。2つの違いは以下の通りです。
遺族基礎年金 | 遺族厚生年金 | |
---|---|---|
対象者 | 18歳未満の子のいる妻、または子 | 妻、子、孫、55歳以上の夫、父母、祖父母 |
支給期間 | 18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子 | 制限なし(30歳未満の子供がいない妻は5年間) |
年金額 | 定額 | 報酬比例 |
遺族基礎年金
子が18歳になるまで支給されますが障害者の場合は20歳までとなっています。「779,300円+子の加算」で計算され、子の加算は第一子・第二子がそれぞれ224,300円、第三子以降が74,800円です。
遺族厚生年金
遺族厚生年金は支給制限がありませんが、子供がいない場合は5年間と決められています。
遺族厚生年金の年金受給額は比例報酬で決められ、報酬比例部分の年金額(本来水準)の算出が報酬比例部分の年金額(従前額保障)で算出した額より下回る場合は比例部分の年金額(従前額保障)の算出額が受給できる年金額になります。
大黒柱が亡くなったときに遺族がもらえる年金については、次の記事で詳しく解説しています。
「高額療養費制度」と「乳幼児医療費助成制度」について
高額療養費制度とは?
高額療養費制度は高額な医療費だった場合、月の上限を超える部分の支払いを免除する制度です。認定証を取得して診察時に提示すると月ごとの上限を超える部分を支払う必要がなくなります。
高額療養費制度について詳しくは次の記事をご覧ください。
乳幼児医療費助成制度とは?
乳幼児医療費助成制度は対象となる年齢は各自治体によって違うので確認する必要があります。国民健康保険・健康保険・医療保険などに加入していない乳幼児、生活保護を受けている乳幼児は対象外となります。
健康診断や予防接種は助成の対象外となるので注意しましょう。
なお医療費が高額で「高額療養費制度」が適用される場合は「乳幼児医療費助成制度」が適用されません。
詳しい内容は住んでいる自治体に問い合わせてみましょう。助成額も自治体によって異なります。例えば東京都世田谷区で助成を受けるには「子ども医療助成費支給申請書」という申請書の提出が必要です。
「児童手当」「児童扶養手当」「児童育成手当」について
児童手当とは中学校を卒業するまでの国内に住所を有する児童が対象となる制度です。手当の月額は以下の通りです。
年齢 | 手当月額 |
---|---|
0歳〜3歳未満 | 一律15,000円 |
3歳〜小学校修了 | 第2子まで10,000円(第3子以降15,000円) |
中学生 | 一律10,000円 |
所得制限以上 | 一律5,000円(特例給付) |
毎年2月・6月及び10月に支給されます。所得制限は基本的に年収960万円以上の世帯が対象になります。
「育児休業給付金」について
育児休業中は会社からの給与が得られなくなるため、その間の収入の一部を補う制度。
この制度は「育休手当」とも呼ばれていて、子供が1歳になる前日までが支給対象期間です。基本的に手続きは受給者と会社、会社とハローワーク(公共職業安定所)で行います。
母子手帳の写しなどが必要になりますが、大半の書類は会社で揃えてくれるでしょう。2ヶ月経過するごとに申請しなければならないので少し面倒に感じるかもしれません。
まだ世間では夫が育児休業を取ることがメジャーではありません。しかし、女性だけの制度ではないので男性でも育児休業を取れるような環境の勤務先であれば是非給付金の申請をしましょう。
子供にはどんな費用がかかる?教育費や生活費など
子供の生活費には以下のようなものがかかります。
- 衣類
- 食費
- 日用品(オムツなど)
- お小遣い
- 携帯電話代
- 娯楽費
年齢が高くなるにつれお小遣いの値段は上がり、中学生くらいになると携帯電話を持ち始めるので生活費がどんどん高くなっていきます。
保険や貯金も加えて月5万円〜8万円程度かかると考えた方が良いでしょう。
教育費は以下の通りです。全て公立だとしても1,000万円以上の費用がかかり、遠方で一人暮らしするとなれば仕送りも必要になります。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
幼稚園(3年間) | 70万円 | 150万円 |
小学校(6年間) | 190万円 | 920万円 |
中学校(3年間) | 140万円 | 400万円 |
高校(3年間) | 120万円 | 300万円 |
大学(4年間) | 480万円 | ・文系700万円 ・理系880万円 |
もし離婚して片親になってしまった場合の養育費
子供の「養育費」とは生活費や教育費などの自立するまで(20歳になるまで)にかかる費用のことを指します。
子供の親権は妻になったと仮定すると、養育費は月2万円〜4万円程度となります。
養育費は「養育費算定表」を基準にして決められます。
産まれる前に確認!子供のために加入しておきたい保険とは
子供が産まれるとわかったら子供の保険を考えるのはもちろん、親の保険も見直しましょう。
親の保険は生命保険(死亡保険)の保障額が足りるのか確認してみてください。
万が一亡くなった場合に子供の教育費は負担していけるくらいの保障があるのか公的給付金なども考慮しつつ、考えてみてください。出産をしてから自立するまでの間は保障額を上げておくと残された家族の不安や負担が軽減されます。
終身保険にすでに加入しているのであれば、定期保険や収入保障保険など掛け捨ての保険料が安いタイプが合理的かと思います。
必要な期間だけ備えられるので無駄に保険をかけておくこともありません。
では子供はどんな保険に加入しておくと良いのでしょうか。
- 学資保険
- 生命保険
この2つの保険を考えておいた方が良いでしょう。
学資保険は出生前から加入できる商品もあるので早めに窓口で相談してみましょう。満期保険金の返戻率は保険会社によって異なります。さまざまな商品を比較してみてください。
子供が幼いうちは公的給付金があるので、医療費はほとんどかかりません。
そのため無理して医療保険に加入する必要はないですが、公的給付金をもらえなくなる年齢になる頃に改めて加入の検討をしてみても良いでしょう。
公的医療制度などを活用すれば、必ずしも保険は必要ではない
教育ローン以外にも住宅を購入して、住宅ローンも支払うことが考えられます。将来の家族のライフプランを一度考えてみてどのくらいの費用がかかるのか確認しておきましょう。自分たちの保障を手厚くして子供の将来の道の選択肢を増やしてあげてください。