お墓・葬送

お墓を建てるまでの流れ・値段を徹底解説!失敗しないお墓の作り方

故人を供養するためだけではなく、そこに遺骨が埋葬されていることを表すお墓。

日本ではお墓の基準は「墓地、埋葬等に関する法律」で定められています。

例えば、この法律により自分の土地にお墓を建てることはできません。

今回はこのようなお墓についての基礎知識から建てるため必要となる流れや手順について詳しく解説していきます。

お墓を建てるには決して安くない費用や時間がかかるもの。建てた後に後悔しないよう、ぜひこの記事の内容を参考にしてくださいね。

お墓を建てる手順を解説!基本の流れを確認しよう

まずはお墓を建てる時の手順を説明していきましょう。

  1. 墓地に関する情報を集める
  2. 予算から墓地を決める
  3. 石材店を選ぶ
  4. 墓石を選ぶ
  5. お墓の工事
  6. 完成したお墓を確認する

1.墓地に関する情報を集める

墓地には公営霊園・民営霊園・寺院墓地があります。まだ種類を決めていないという方は、次の記事でそれぞれの場所の特徴や違いを説明しているので、どの墓地が家のお墓に適しているかを確認してみてくださいね。

利便性が高いところは利用料も高めになってしまいますが、墓地は家から近い通いやすい立地にあるところがおすすめ。

できれば低価格な墓地を選びたいところですが、アクセスや管理が行き届いているかなどはその後のお墓の管理にも直結します。契約する前に一度足を運んでみましょう。

2.予算から墓地を決める

様々な墓地の情報を集めると相場を知ることができます。相場を確認してから予算を決めてみましょう。

思っていたより費用がかかり、予算オーバーをしてしまうのであればお墓を建てるのではなく別の埋葬方法を選ぶのも手です。

3.石材店を選ぶ

高い買い物なので、お客さんのことを考えてくれるような相談しやすいスタッフがいる石材店を選ぶと良いでしょう。

さらに実際に墓石を確認できるところであればイメージと違うものができるという心配はなくなります。万が一に備え、アフターケアがあるところもおすすめです。

アフターケアとは何をしてもらえるのですか?
墓地の清掃をしてくれたり、施工などに不良があったときに対応してくれたりします。

4.墓石を選ぶ

墓石を選ぶときには「材質」「形」「刻む文字」を決めます。墓石の付属品もこのときに注文します。

5.お墓の工事

お墓を建てる土地の基礎工事や外作の工事、石材の加工と設置を行なっていきます。だいたい1ヶ月〜2ヶ月ほどかかります。

6.完成したお墓を確認する

お墓が完成したら確認をします。確認して問題なければ、石材店へ代金を支払います。

代金は完成してから全額支払う方法と前金制という方法があります。

なお、お墓が建ったら「開眼供養(建碑式)」を行います。開眼供養後は、お祝いをするために僧侶や参列者を招いて会食を開くのが通例です。

開眼供養とは僧侶に読経してもらい、お墓に仏様の魂を入れる供養です。

開眼供養は供養とお祝いの儀式なので、参列者はお祝いのお金を包みます。ご祝儀をいただいたら、半額相当のお返しを準備して送ります。表書きには「志」「御礼」と書きましょう。

お墓を建てるときに必要な書類3つを紹介

お墓を建てるときには以下の書類が必要になります。

  • 工事届
  • 埋葬許可証
  • 墓地使用許可証

工事届

工事をするのに必要な書類であり、市営墓地では特に必要になってきます。基本的に石材店で用意してくれます。

埋葬許可証

お墓が完成したら納骨をしなければいけません。そのときに必要なものが埋葬許可証です。埋葬許可証は役所から発送されるものであり、火葬時に必要な火葬許可証が埋葬許可証となります。

なお火葬許可証は火葬後に火葬場から返却されます。

墓地使用許可証

墓石工事と納骨のときに必要な書類となります。原本以外に何枚かコピーしておくと便利です。

墓地使用許可証は墓地の管理をしているところから発行され、使用許可証を受け取ることで墓地の使用権を得られます。

墓地使用許可証を提出するまでの流れ
  1. 墓地使用申込書を提出
  2. 期限内に墓地使用料と管理料を支払う
  3. 墓地使用許可証が発行される
  4. 墓地使用許可証・工事届を提出
  5. 墓地使用許可証と埋葬許可証を提出

これらの書類の名称は地域によって異なる場合がありますが、用途は同じです。

お墓を建てるには2~3カ月かかる!生前に建てるなら注意点も

お墓を建てるときに悩むのが建てる時期です。お墓を建てるときには、時期に決まりはありません。

ただしお墓を建てるには2ヶ月〜3ヶ月ほどかかるため、いつまでにお墓を建てたいという期限があるときは早めに準備をしましょう。

「厄年」や「うるう年」「仏滅」にはお墓を建ててはいけないんですよね?
そこは個人の考え方によるところで、厳密な決まりはありません。故人を祀るという気持ちが大切だと思いますが気になる人は年月日もチェックしておいてくださいね。

ただお墓を建ててはいけないという噂が流れていますが、故人への贈り物であるため時期は関係ありません。故人を祀るということが大切です。

生前にお墓を建てるメリットとデメリット

お墓は生前に建てることも可能です。生前に建てることを「生前墓」「寿陵」と呼びます。主なメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
好きなお墓が建てられる 管理料がかかる
家族の負担が減る 生前墓を受け入れない所がある

他にも生前墓を建てると、節税ができるというメリットもあります。

お墓のデザインにこだわりがあるという人は生前に建てることで、自分の好きなお墓を建てることができます。

生前に建てるのであれば墓の種類(夫婦墓や両家墓など)も決めなければいけません。

夫婦墓 継承を前提としないお墓。家名ではなく、夫婦それぞれの名前が墓石に刻まれる。
比較的安価。
両家墓 昔からあるスタイルで、名字が違う2つの家を1つのお墓に祀ったもの。一人娘など、お墓を継承する人がいない場合に選ばれることが多い。

生前墓は基本的にお墓に入る人が費用を負担するので家族の負担は減ります。ただし管理料はお墓を建てた時点からかかってくるので注意しましょう。また、生前墓を建てるときには受け入れてもらえない霊園やお寺があります。

お墓を建てる前に費用と祭祀承継者に注意しよう

お墓を建てるときには「お墓の種類」「お墓を継ぐ人」などを決めておかなければいけません。

お墓を建てるのに必要な費用の目安

お墓を建てると「墓石代」や「永代使用料」「管理費」「加工費用」お布施などの「法要費用」がかかります。

墓石本体代 120万円〜175万円
加工費用 3万円〜7万円
永代使用料 25万円〜30万円
管理費 2,000円〜15,000円
法要費用 3万円〜5万円

合計してだいたい150万円〜300万円が相場です。

お墓の承継者(祭祀承継者)に優先順位はない

お墓の承継者は相続とは異なり、お墓に入る予定のある人が承継者となります。

承継者は長男や長女とは決まっていません。

承継者となった人は管理費などの費用を負担する義務があります。兄弟でお墓にまつわる費用を負担しあうことも可能ですが、あとでトラブルがおきないようにしましょう。

お墓を建てるお金がないときは?無理せずほかの選択肢を考えよう

お墓を建てるお金がない場合はどうしたら良いですか?
お墓を建てるお金がないのであれば、埋葬方法を変えて費用を抑えるのがおすすめです。

遺骨の埋葬方法は一般的なお墓だけではありません。永代供養をお願いできる合祀墓や納骨堂、自然葬などもあります。

墓石代は高額なので無理にお墓を建てずに、こういった埋葬方法を検討してみるのも良いでしょう。

だがお墓がないというのもかわいそうじゃのう。ワシの世代からしてみたら、墓石あってのお墓じゃ。
どうしてもいまお墓を建てたい人はローンを組む方法もあります。

ローンの種類には金融機関のメモリアルローンまたは石材店の建墓ローンなど。条件はそれぞれ異なるのでしっかりと比較をする必要しましょう。

お墓を建てるときは準備が大事

お墓を建てるときには予算を決めたり、建てる土地を決めたりいろいろと準備しておかなければいけません。お墓を建てる霊園やお寺によって金額も変わってきます。

お墓を建てて終わりではなく、管理費など長期に渡って費用がかかってくるものなのでしっかりと比較して支払うことができるか考えましょう。

お墓が完成するには2ヶ月〜3ヶ月かかるので、今回の記事を参考にしながらじっくり良いお墓を建ててくださいね。