お墓・葬送

お墓の種類を一覧で解説!墓石、墓地、納骨先別の最適なお墓の選び方

お墓を建てようと決めたものの、どんなデザインにするのか迷っていませんか?現代のお墓のスタイルにはさまざまな種類があり、墓地も選ぶことができます。

今回はお墓のデザインやスタイル、お墓を建てるための墓地や霊園の種類を詳しく説明してきます。承継者がいない人のために、承継者不要のお墓も紹介していきます。

お墓は高額な買い物であり、簡単に買い換えるものではありません。この記事を参考にぜひあなたに合ったお墓を見つけてくださいね。

お墓に入る人は誰?お墓の種類をチェック

建てようとしているお墓は誰が入るお墓なのかによって選択肢が変わっていきます。主に4種類のお墓の形式があり、ひとり用から大人数まで入れるものがあります。

代表的なお墓の種類
家墓 先祖代々の一般的なお墓
両家墓 姓が異なる親族も埋葬するお墓
個人墓 1人だけ埋葬されるお墓
夫婦墓 夫婦だけで埋葬されるお墓

それぞれのお墓の特徴とメリット・デメリットを詳しく解説してきましょう。

家墓のメリットとデメリット

家墓とは累代墓とも呼ばれており、「〇〇家之墓」「先祖代々之墓」と彫刻されているお墓が該当します。竿石の側面・裏面または墓誌に故人の「戒名」と「法名」「俗名」などを彫刻していきます。

家墓のメリットは、新たなにお墓を探さなくて良いこと。デメリットはお墓の場所がすでに決まっているため、遠方の場合は管理が大変。そして跡継ぎが必要なことです。

両家墓のメリットとデメリット

姓の違う親族同士でお墓に入ることができる形式です。

一人娘が嫁いでしまって、自分の家のお墓と夫の家のお墓の両方を継承しなければならないときに利用されることが多いです。

両家墓のメリットは、両家のお墓がまとまっているので管理しやすいところ。

デメリットは墓地によっては両家墓が認められていないところがあるということです。

個人墓のメリットとデメリット

個人墓は芸能人や著名人が選ぶことの多い形式であり、自分の好きな形のお墓を建てることができます。暮石には自分の座右の銘や、好きな詩の一句を彫刻することも可能です。

メリットは家制度にとらわれずに自分の個性を出したお墓を建てることができるということです。

デメリットは永代供養でない場合、お墓の管理をしてくれる人がいなくなる可能性があることです。

夫婦墓のメリットとデメリット

この形式は夫婦だけで入り、他の親族とは別のお墓に埋葬されます。

メリットはあまり仲の良くない親戚と同じお墓に入らなくて良いこと、永代供養付きの場合は跡継ぎの心配をしなくて良いこと。

デメリットは永代供養付きの場合あとから合祀される可能性が高いこと、永代供養がなければ跡継ぎがいなくなる可能性があることです。

親戚が同じお墓に入るほど、管理されやすいということですね。
個人や夫婦だけのお墓は自由度が高いのですが、跡継ぎをどうするかをしっかり考えておかなければなりません。

好きなものを選べる!暮石のデザインやスタイルを紹介

暮石のデザインには和型や洋型、デザイン型など複数の様式があります。

和型の墓石の特徴

一般的なものは和型であり、縦長の四角い暮石が特徴です。このこの型は古代インドのストゥーパ(卒塔婆)を起源としている供養塔や五輪塔が簡略化されたものが今の型へと変わりました。

日本人に馴染みのあるデザインなので、風習を大事にするような人や多くの世代の人にも受け入れられやすいでしょう。

ただし、縦長の型なので洋型に比べて地震に弱かったり、一文字の彫刻ができなかったりするデメリットがあります。

洋型の墓石の特徴

洋型は横長のデザインが特徴で、いかにもお墓という和型のお墓が嫌な人に選ばれている型です。最近ではこの型が多く選ばれているので、新しくできた公園墓地や芝生墓地には和型暮石より洋型暮石の方が多く建てられています。

高さが低いので和型よりも比較的地震にも強いです。和型よりも費用はかからず、暮石の面積が広いので彫刻でデザインを変えることもできるのがメリットです。

デザイン型の墓石の特徴

自分の個性を表現することができるデザイン型は好きなデザインにできますが、最近ではデザイン墓を商品化している石材店も増えています。

オーダーメイドで作ってしまうと費用がかかってしまう点、お墓の形式によりますが他の親族から理解を得られない可能性がある点がデメリットとなります。

お墓を建てる墓地や霊園の種類とそれぞれの違い

お墓の種類以外にもお墓を建てる墓地や霊園にも種類があります。場所によって建てられるお墓が異なったり、料金が変わってきたりします。

寺院墓地 お寺が管理している墓地
民営霊園 民間の会社が運営している墓地
公営霊園 地方自治体が管理している墓地

それぞれの墓地の特徴を比較していきましょう。

寺院墓地の特徴

菩提寺を持つ人はまず寺院墓地にお墓を建てることになることがほとんどです。寺院墓地とはお寺の境内にある墓地のことであり、基本的に宗派や宗教が決められています。

  • 供養が手厚い
  • 寄付金などの費用がかかる
  • 生前購入することができる

お寺に建てる場合は檀家になる必要があり、費用がかかるという点がありますが、お寺が親身になってくれる・お墓以外の仏事の相談にも対応してくれるというメリットもあります。

民営霊園の特徴

民営霊園は宗教法人が主体となって石材店などが出資している霊園となります。管理会社が霊園を管理していて、バリアフリーだったり休憩所などのサービス設備が充実しているのが特徴です。

  • 設備が充実している
  • 管理料が比較的高い
  • 石材店が決められていることがある

ただし宗教者が常駐していないので、相談事や供養をお願いしたいときには自分でお寺さんを探す必要があります。

公営霊園の特徴

公営霊園は自治体が管理していて、宗教を問わないところがポイントです。墓地がある自治体と同じところに住んでいなければ使用することができない可能性が高いので注意しましょう。

  • 暮石や石材店を選択できる
  • 都心部は人気で抽選倍率が高い
  • 費用が比較的安い

他の墓地よりも永代使用料が比較的安価なので人気があります。

そのため人気が高いところは抽選制になっており、応募しても倍率が高くて受からないことも多いです。

民営霊園と公園霊園の違いは次の記事でさらに詳しく解説しています。

承継の必要がないお墓の種類(1)暮石があるタイプ

さまざまな事情があり、お墓を承継することができないこともあります。そんなときに注目したいのが承継の必要がないお墓です。

まずは承継者不要の暮石があるタイプのお墓を紹介していきます。

永代供養墓 墓地の管理者が供養してくれるお墓
共同墓 血縁関係がない人と入るお墓
合祀墓 他人と一緒に埋葬されるお墓

永代供養墓の特徴

管理者が基本的に供養してくれますが、永代供養の期間を過ぎると他の遺骨と一緒に埋葬(合祀)されてしまうので覚えておきましょう。永代供養墓は定期的に僧侶がお経を上げてくれるので、忙しくてお墓の管理をなかなかできない人にも人気があります。

共同墓の特徴

血縁関係のない友人や同じ信仰を持つ人々と入ることができます。ただし、共同墓を設立した団体が解散したときにはお墓の維持が困難になってしまい、最終的に合祀されてしまう可能性があります。

合祀墓の特徴

とても安い値段ですが、全く知らない人と一緒にお墓になります。そして後からお墓を建てたいと思っても遺骨を取り出すことはできません。

どれもお墓を建てるよりも費用を抑えることができるので、あまり費用をかけられない人は検討してみると良いでしょう。

承継の必要がないお墓の種類(2)暮石がないタイプ

承継者を探す必要がないお墓には暮石がないタイプもあります。

納骨堂 建物内に納骨スペースを設けているお墓
樹木葬 木を墓標として遺骨を埋葬する
散骨 海や川・山に遺骨を撒く

永代供養ができるものを選べば、基本的にお墓の跡継ぎを心配することがなくなるため最近人気のスタイルです。

納骨堂の特徴

「ロッカー式」と「マンション型」があり、天候を気にする必要がないので最近では選ぶ人が増えてきています。

遺骨の個別安置の期限を決めているところでは期限を過ぎると合祀されてしまいます。

樹木葬の特徴

墓標とする木の下に遺骨を埋葬し、遺骨ごとに木が植えられているタイプと1本の木に複数の遺骨が合祀されるタイプがあります。土に還る骨袋に入れて納骨した場合は遺骨が自然に還り、骨壷に入れて納骨をした場合は遺骨が自然に還らずに残ります。

散骨の特徴

特別な機械で遺骨を粉砕してから自然にまきます。最近では宇宙に散骨するのが人気があり、遺灰を専用のカプセルに入れてからロケットで打ち上げます。散骨をするときには複数の遺族と同じ場所で散骨しに行く方が費用を抑えることができます。

ただ、散骨をした場合、お参りをすることができなくなってしまうのでよく考えましょう。

自分だけのものじゃない!親族も納得するお墓を決めよう

お墓は自分のものだけではなく、親族や家族にとっても大事なものとなります。例えば、自分は安い合祀で良いと勝手に決めてしまって、しっかりと時間をかけて供養したいと思っている家族の気持ちを無視することになってしまった、なんてことも。

  • 希望のお墓を建てることができる墓地なのか
  • 管理費を継続的に支払っていくことができるか
  • 跡継ぎがいるのか

こういったポイントもチェックしながら探してみてください。

最近は選択肢が多く、納骨堂など永代供養してくれるお墓の需要が高まってきています。お墓に入る人・親族・遺族でしっかりと話し合って納得のいくお墓を選びましょう。お墓の種類がある程度定まった方は「お墓を建てるまでの流れ・値段を徹底解説!失敗しないお墓の作り方」の記事も参考にしてみてくださいね。