親のもしもに備える

親のもしもに備えよう!親が亡くなる前に聞くべき・すべき4つのこと

友人のお父さんが突然倒れ、介護が必要になってしまったみたいなんです。うちは義両親が遠方に住んでいて普段話すことがないため、急に不安になってきました・・・。
たしかに。今は大丈夫かもしれませんが、急に病気になる可能性も。最悪の場合に備えるためにもいろいろなことを聞いておかなければ大変ですね。
えっ!?どういうことでしょうか?
もし親が病気になったり、介護が必要になったりすると、しなければならないことがたくさんあるんですよ。

まだ元気だから大丈夫だと思いたいですが、その日がいつ訪れるかはだれにもわかりません。いつか必ず来る親との別れ、そのとき親の希望通りに送ることができるよう、いろいろなことを聞いて備えておきましょう。

高齢の親とコミュニケーションを取るメリットと3つのタイミング

親が元気なうちに、親が自分の終活や介護、相続、葬儀、お墓などについて、どのような考えをしているのか、コミュニケーションをとっておくと、万が一の場合にも安心です。

(1)親とコミュニケーションをとろう!そのためにはエンディングノートがおすすめ

親が元気なうちにぜひやっておきたいのが、エンディングノートを書くこと。

エンディングノートとは

誰もが迎える死という最期に対して、自分の希望や思いなどを書き記すノートのこと。決まった様式はなく、自分が伝えておきたいことを自由に書いておくことができます。

自分がどのような最期を迎えたいか自分の死について考え準備をする終活が一般的になってきたことで、エンディングノートも広く知られるようになりました。

エンディングノートに書く内容は以下のとおり。

  • 資産について
  • 貴重品や重要書類について
  • パソコンやスマホのIDやパスワードについて
  • 自分自身の歴史や人生について
  • 自分の趣味や思い出について
  • 友人や知人の連絡先やリスト
  • 家族や親戚の連絡先や家系図
  • 医療や介護、葬儀の希望
  • 家族への感謝の気持ち
エンディングノート書いてくれると親のこといろいろとわかっていいっすね!でも素直に書いてくれるのかなぁ?
そうですね、実は素直に書いてくれない親も多いんですよ。
えぇ!?そうなんですね!じゃあ、どうすればいいんすか?
エンディングノートを自分も書いてみるのがおすすめです!そうすると、親も一緒に書いてみようかという気になるものですよ。

(2)親が病気になってからでは遅い!?実家の片付け

親が元気なうちにしておきたいのが、実家の片付け。

というのも、親が高齢になると、徐々に片付けができにくくなり実家が散らかることが多くなってくるもの。実家に帰るたびに、こんなはずじゃなかったと考える人も多くいます。

実家が散らかっていると、重要なものがどこにあるのかも見つかりません。さらに床にものが溢れることで高齢の親がつまづいて、怪我をしてしまうことも。親が自分で動けるうちに実家の片付けを進めておきましょう。

(3)親が元気なことをお祝いしよう!長寿のお祝い

親が元気で長生きしていることをお祝いするのが長寿のお祝い。

長寿のお祝いは主なものだけでも以下の通り。

  • 還暦(60歳)
  • 古希(70歳)
  • 喜寿(77歳)
  • 傘寿(80歳)
  • 米寿(88歳)
  • 卒寿(90歳)
  • 白寿(99歳)

これらの年齢に親がなった場合は、コミュニケーションを取るベストタイミング。お祝いの機会にいまの親の健康状況や困っていることをチェックすることができます。

避けられない親の介護!そのために今からできること

将来親に介護が必要になったときのために何かしておけることはあるのでしょうか?
介護のときに必要なもののありかを知っておく、介護サービスについて知っておくなど、知っておいた方がいいことはいろいろとありますよ。

必要なもののありかを知っておいて親の介護に備えよう

もしも急に親の介護をしなければならなくなった場合に困るのが、必要なものがどこにあるのかわからないということ。

介護になった際に困らないよう、必要なものがどこにあるのか聞いておきましょう。

  • 健康保険証・介護保険証
  • 印鑑
  • 通帳
  • お金

最低限、これらのものの保管場所は聞いておくと安心です。

知っておくと安心!介護保険について勉強しておこう

介護保険とは

40歳以上の人が加入する公的な保険サービスのこと。介護保険料を支払う代わりに要介護・要支援認定を受ければ、1~3割の負担で介護保険サービスを受けることができます。

介護を受けることになった場合は、市区町村役場に申請を行い介護保険のサービスを使うことがほとんどです。

いざというときのために、どの市区町村役場に申請をすればよいか、どんなサービスがあるかを事前にチェックしておきましょう。

介護で仕事を休むことになったら?介護休暇と介護休業について知っておこう

親の介護をしなければならなくなったら、介護休暇と介護休業という制度を利用できます。

介護休暇と介護休業の大きな違いは、休むことができる期間。

介護休暇は時間単位や半日単位で休暇を取ることができるのに対し、介護休業の場合は2週間以上の長期間を休業することができます。

介護休業を取得する場合は、収入が少なくなるため金銭的な負担が出てくるもの。そのような場合に役に立つのが、介護休業給付金制度です。

介護休業給付金制度とは

雇用保険加入者ならば給付金をもらうことができる制度のこと。賃金の67%の金額をもらうことができます。

雇用保険に加入している人が介護休業休暇を取得する場合は、介護休業給付金制度をぜひ利用しましょう。

介護で知っておきたい基礎知識や注意点は「知らないと介護が辛くなる?介護する人に必要な知識とは」にて詳しく解説しています。こちらも参考にしてくださいね。

親が亡くなったら?しなければならない手続き一覧表

親が亡くなったら、悲しいけれど悲しんでいる暇はなく、いろいろなことをしないといけないと聞きました・・・。
ええ。実は手続き関係はとても多く、辛いですがゆっくりと悲しんでいる時間はありません・・・。

公的機関で行う手続き一覧

親が亡くなった場合、市区町村役場など公的な機関で行わなければならない手続きも多くあります。そんな手続きを一覧表にして紹介します。

公的機関で行う手続き一覧表
やるべきこと 手続き先や場所 時間や期限
死亡届の提出 市区町村役場 7日以内
年金受給停止手続き 社会保険事務所 14日以内
国民健康保険や介護保険の資格喪失届
世帯主変更届(3人以上の世帯主だった場合)
市区町村役場 14日以内
公共料金の名義変更または解約 電気、水道、ガスなどの契約会社 わかり次第すぐに

相続の手続き一覧

親が亡くなった場合にしなければならないのが、遺産の相続。

そんな相続に関する手続きを一覧表でまとめました。いざというときのために知っておきましょう。

相続に関する手続き一覧表
やるべきこと 手続き先や場所 時間や期限
遺言書の確認・検認の申し立て 家庭裁判所 3カ月以内
遺産の確認 3カ月以内
遺産分割・遺産相続 10カ月以内
不動産名義変更 地方法務局 相続確定後すぐに
口座名義変更 金融機関 相続確定後すぐに
相続税の申告・納税 税務署 10カ月以内

相続は相続権を持つ親族全員が関わるもの。なおかつ手続きには期限が決まっているものもあります。

マイナス財産だったため、相続放棄をしなければならなかったなんて人も。遺産の確認は早めに行っておくのがおすすめです。

家族が亡くなった後に必要となる手続きは「【死亡後の手続き一覧】家族や身内の葬儀後にやることチェックリスト」でも詳しく紹介しています。あわせて参考にしてみてください。

親や親族の希望は?葬式や葬儀を滞りなく済ませるための予備知識

親が亡くなったら、まずは葬儀の準備をしなければならないのでしょうか?すぐに葬儀をしなければならないイメージがあります。
はい。まずしなければならないのが、葬儀の準備ともいえます。葬儀会社がいろいろなことを手配してくれますが、どのような葬儀の種類があるかなど、事前に葬儀について知っておくと安心できますよ。

葬式や葬儀に関して事前に知っておいた方がいいことは主に以下の4つ。

  • 良い葬儀社の選び方
  • 葬儀の種類
  • 葬儀の費用
  • 葬儀に呼ぶ人の連絡先

葬儀社を選ぶ場合に重要なポイントは、どのような葬儀をしたいのか、故人の宗派はどうだったのかということ。

親がどの形式の葬儀をしたいのか、どの宗派なのか、元気なうちに聞いておくことが重要です。

聞きにくい場合は、冒頭で紹介したエンディングノートを活用してみるのもいいでしょう。

葬儀全体の流れを丁寧に解説!費用と役割を知って後悔しないお別れを」の記事では葬儀を行う前に知っておきたい情報や注意点を紹介しています。葬儀費用はとても高額であり、やり直しはできないもの。満足がいくかたちで故人を送れるよう、備えておきましょう。

親の希望を叶えるためにも!知っておくべきお墓の種類や供養のかたち

ワシは死んだら親と同じ墓に入るのは嫌じゃ!仲が悪かったからのう(笑)
えぇっ!?そんな・・・!そのことはお子さんに知らせてありますか?
そんなこと伝えておらんよ!
それは、きちんとお子さんに希望を伝えておかないと!お子さんが知らなければ、希望通りにしてもらえませんよ。
そうか・・・。素直に希望を伝えてみるかのう。
それがいいですよ。お子さんとコミュニケーションをとっておくことをおすすめしますよ。

これまでは先祖から受け継いだお墓を引き継ぐのが当たり前でした。ですが、遠方でお墓参りに行けない、維持管理が大変といった理由から、お墓の在り方自体が変わりつつあります。

お墓について、親が元気なうちにどのような形式にしたいのか、どのお墓に入るのかということを話し合っておくのがおすすめです。

近年増えつつあるお墓の種類、主なものだけでも以下のとおり。

  • 一般葬
  • 共同墓地
  • 樹木葬
  • 散骨

そして、お墓で問題になりやすいのは以下の3点。

  • 入るお墓があるのか
  • お墓の管理は誰が行うのか
  • お墓を継ぐ人がいない場合にどうするのか

お墓を継ぐ人がいない場合、継がせたくない場合は「墓じまい」や「改葬」を検討する必要があります。

お墓の悩みや疑問を解決!管理に必要な基礎知識と新しい供養のかたち」の記事ではお墓の管理方法や建て方についても詳しく解説しています。お墓についてもっと知っておきたいという方はぜひ読んでみてくださいね。

親が元気なうちからさまざまなことを聞いておこう!

親が元気なうちには「まだ大丈夫」と詳しく聞くことが、どうしても少なくなってしまうもの。ですが親が病気や介護が必要な状態になってからでは、いろいろなことを聞くことも難しくなります。

もしもに備えて聞いておきたいことは、親の終活、介護、葬儀、お墓などについて。知っておきたいことは、亡くなった後にしなければならない手続きについてです。

親が元気なうちに親の死に備えてさまざまな準備をしておくのは、とても大切なこと。片付けや断捨離など、本人に体力がないとできないこともたくさんあります。早めに準備しておきましょう。

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