老親と進める終活準備!高齢の親が元気なうちに聞くべき4つのこと
この記事では高齢の親が元気なうちに聞いておいたほうがいいことについて解説していきます。
親が元気なうちに重要なことを聞いておくことで、親が体調を崩したときや介護が必要になったときにもすぐに対応できるのです。
聞きやすいタイミングやメモしておくこともあわせて紹介しているので、参考にしてくださいね。
親に聞きにくい老後のこと!質問しやすいタイミングとコツ
話を切り出しやすいタイミングは、以下のとおり。
- 親が介護保険の保険証を受け取るとき(親が65歳)
- 子が介護保険料を納付し始めるとき(子が40歳)
- 親が定年退職になったとき
- 親の誕生日や長寿祝いをしたとき
- 祖父母や親戚の葬儀があったとき
これらのタイミングに親と話をするといいでしょう。
ですが、ただ話を始めるだけでは、うまく話が進まない、話がまとまらないといった可能性もあります。
親と話をする際に、子である自分自身も一緒に終活してみる、エンディングノートを書いてみるなど、下で紹介する記事を参考に自分自身の今後のことについても考えてみてくださいね。
親と今後のことについて話ができるのは、親が元気である間だけ。話をすることが難しくなってからでは、できなくなります。元気なうちに話をしておきましょう。
(1)お金(貯蓄や資産・収入と支出)について聞いておこう
高齢の親に聞いておきたいお金のことは以下の2つ。
- 貯蓄や資産
- 収入と支出
これらのお金のことについて、親が元気なうちに話をしておきましょう。具体的にどんな内容を話すのかを解説していきます。
①金融資産や加入保険、不動産やローンなどの資産について
親が遺言書やエンディングノートなどの書類を残しておいてくれれば、もめることは少なくなるもの。ですが、それらの書類を残していない場合は相続のことなどでもめる可能性があります。
親の死後、問題が起こるのを防ぐためにも、資産などについては事前に聞いておくことが重要です。とはいっても、資産の金額や内容まで細かく教えてくれるとは限りません。
- 資産を預けている金融機関名
- 土地や家などの資産
- 加入している保険名
- クレジットカード
- ローン
- 契約書や印鑑などの重要書類の保管場所
どの程度資産があるのかはわからなくても、金融機関名さえわかっておけば、万が一の際にも問い合わせすることは可能です。無理に金額まで聞く必要はありません。金融機関名などを一覧表にしておいてもらいましょう。
また、契約書や印鑑など重要なものがどこにしまわれているのかも聞いておくと安心です。
②年金や日々の支払いなど、収入や支出について
生活していくために必要な収入や支出。主なものは以下の5つです。
- 年金
- 後期高齢者医療保険料や介護保険料
- 電気代・水道代・ガス代
- 固定電話料金・携帯電話料金
- 新聞購読料・NHKの受信料
これらの料金がどの口座に入金され引き落としされるのか、きちんと聞いておきましょう。
この中でも特に注意が必要なのが、公的保険の支払い。
後期高齢者医療保険料や介護保険料を支払っていなければ、サービスの利用料の全額負担もしくは受けることができないといった最悪の事態になる場合も。
親が自分で支払うことが難しい場合には、たとえ別居していたとしても子の扶養とすることも可能です。親の経済状況は確認しておきましょう。
親の収入によっては、親を扶養に入れたほうがお互いに節約・節税になることも。一度検討してみてくださいね。
(2)健康状態や持病のチェック!かかりつけ医がわかると安心
年老いた親が元気なうちに聞いておきたい親の健康に関する主なことは以下の5つ。
- 現在の体調・老化の状態
- 持病の有無・既往歴
- かかりつけ医
- 服用薬
- 健康保険証や年金手帳などの保管場所
これらはどれも親の健康に関するとても重要なこと。健康に関することは書類にまとめるなどしてもらい、常に把握できるようにしておくのがおすすめです。通院歴や1日のタイムスケジュールなど、運動時間も把握するために行動範囲も聞いておくと安心ですね。
今は元気でも歳を重ねると、いつどのような事態になるかはわかりません。親と密に連絡を取るようにし、現在の状況を把握しておくと安心でしょう。
もし「身体が思うように動かない」「視力が落ちた」などの変化が見られたら、免許返納を促すのも家族を守るために必要なことです。
(3)実家の状態は?親の身の回りの状態や困っていることも確認しておこう
親の老化に伴い、生活をするうえで困ることが多くなるのも事実。親が生活の中のどのようなことで悩んでいるのか聞いておきましょう。
特に、年老いた親の生活に対して子どもがおかしいと感じやすいのが実家の状態。これまできれいに整えられていた実家が散らかる、片付けがされていないなどの状態になり、「こんなはずではなかった」と落胆する人も多くいます。
ですが、親も散らかすつもりで散らかしているわけではありません。身体が思うように動かなくなり、家が散らかってしまうことも多いのです。
子ども側から親に対して、身の回りで困っていることはないか、定期的に聞いてあげるといいでしょう。
実家の片付けや生前整理の手順や進め方は次の記事で詳しく解説していますので、こちらも参考にしてみてくださいね
(4)葬儀やお墓はどうしたい?終活に関する希望を確認
自分の死について考え、最期まで自分らしく過ごすために行う活動のことを終活と言います。終活をすることで、どのような最期を迎えたいか希望を伝えられるのです。
終活の際に考えることは、以下の4つ。
- 介護に関すること
- 延命治療のこと
- 葬儀やお墓の希望
- 連絡先リスト
親の希望する最期を迎えてもらうためにも、これらのことを親にきちんと聞いておく必要があります。
終活をする際におすすめなのが、記事の冒頭でも紹介したエンディングノートです。
終活の際に考えておきたいことが事前に項目としてノートに記載してあるため、ノートを埋めていけば必要な事項を書き記すことができます。
介護が必要になった際の希望
親によって、介護に関する考え方は異なります。聞きにくい話題ではありますが、家で介護してほしいのか施設でしてほしいのか、誰にしてほしいのかといった希望を親にきちんと聞いておきましょう。
介護で必要になる基礎知識は「知らないと介護が辛くなる?介護する人に必要な知識とは」で詳しく解説しています。
延命治療の希望
治療なしでは生きることができない状態の方に対して行う治療のこと。治療をやめれば、生命を維持することができなくなります。
人工呼吸器や胃ろう、点滴といった延命治療は、行わなければ生命を維持できないこともあり、子どもは延命治療をしないという選択肢は選びにくいもの。
そのような場合に、親が延命治療をしないという意思をしっかり伝えておけば、親の意思を子どもや医療機関などにしっかりと伝えることができます。
葬儀・葬式の希望
最近では、葬儀やお墓の多様化も進み、様々なスタイルを選択できるようになってきました。
代表的な葬儀は以下のとおり。
一般的な葬儀のスタイルである一般葬だけでなく、家族や親族のみで行う家族葬、通夜を行わない一日葬など、様々な種類の葬儀があります。
親がどのような葬儀のスタイルを望んでいるのか聞いてみましょう。
そして離れた場所に暮らしていると、親がどのような人と交流があるのかということまではわかりません。そのため、いざというときに誰に連絡をすればいいのかわからず、親の意向に添えない場合もあります。
親が日々どのような人たちを交流していたか知るためにも、親に連絡先リストを作っておいてもらいましょう。
お墓の希望
お墓の代表的なスタイルは以下のとおり。
これまでのスタンダードなスタイルであった一般墓だけでなく、他の人とともに永代に渡って供養してもらう永代供養や自然葬の1つである樹木葬など、様々なスタイルのお墓を選択することができるようになりました。
また、これまでのお墓に入りたいのか、新たにお墓を作ってほしいのかといった希望がある場合も。
高齢の親が元気なうちに重要なことを聞いておこう!
親に関して知っておきたいことは、お金、健康、生活、どのような最期を迎えたいか考える終活の4点。これらについて詳しく知っておくと安心です。
直接聞くことが難しければ、親にエンディングノートを書いてもらえるよう勧めてみましょう。その際には、自分自身も親と一緒にエンディングノートを書いてみると親にも書いてもらいやすくなります。高齢の場合、文字の読み書きが負担になるので、インタビュー形式で子が書いてあげるのもよいですね。
万が一の場合に備えて、親のさまざまなことについて聞いておき、対応できるようにしておきましょう。