不動産投資を徹底解説!初心者でもわかる収益の仕組みと始め方
将来の資産構築という意味で、不動産投資を始めてみたいと考えている方も増えています。しかしその仕組みや投資対象となる物件の種類など、専門的な内容も多いため、不動産投資はハードルが高いというイメージも。
そこで今回は不動産投資の始め方をテーマに、不動産投資の意味や仕組みから物件の種類など、初心者やサラリーマンの方へ向けて分かりやすく解説していきます。
不動産投資で資産を作りたい方は、基本から解説している今回の記事を参考に検討してみてください。
不動産投資とは家賃収入や売却益を得る投資
不動産投資とは次のような収益を得ることができる投資を指します。
- 不動産売買による売却益
- 第三者に部屋・物件を貸し出すことによる家賃収入
1つ目の不動産売買による売却益というのは、株式投資の売却益と同じような仕組みで、不動産を安く買って高く売ります。また、不動産投資業界では、キャピタルゲインとも呼ばれています。
2つ目の家賃収入は、文字通り入居者から毎月家賃収入を得ることを指しており、不動産投資の専門用語でインカムゲインと呼びます。
1回の収益額としては、キャピタルゲインの方が大きいですが、株式投資のように景気動向など価格予測をしなければならず、不動産投資初心者には難しい要素が含まれています。
不動産投資と他の投資(金融商品)との違い
次に、投資初心者やサラリーマンが、不動産投資の疑問として挙げられる他の投資(金融商品)とどの点が違うのかについて解説します。
不動産投資と「株式投資・FX」の違い
株式投資やFXは、ネット証券から手軽に取引が始められ、少額資金でも投資ができることからサラリーマンや主婦も始めるケースがあります。
不動産投資との違いは、キャピタルゲインが主な収益源という部分でしょう。
株式投資には配当、FXには金利差益といったようにインカムゲインはあるのですが、多額の資金量と銘柄の相場が上昇傾向でないと、長期的な利益は難しいのです。
従って、一般的には売買による利益を狙うキャピタルゲインが主な収益源となっており、基本的にハイリスク・ハイリターンの傾向があります。
対して不動産投資は、インカムゲインとなる家賃収入で毎月数万円以上の収益を得ることが可能です。
つまり長期的な投資計画を立てるのが不動産投資、短期的に大きな利益を狙う計画を立てるのが株式投資やFXという違いがあります。
不動産投資と投資信託の違い
投資信託は投資法人が投資家から資金を集めて、委託会社に運用を行わせて利益を出す投資です。不動産投資と同様に、インカムゲインが継続的に得られる仕組みに近いですが、その金額は資金量に比例するため、大きく稼ごうとするほど資金が必要となります。
不動産投資を始めるポイントとメリット・デメリット
不動産投資で儲ける仕組みは不動産つまりマンションやアパートなどを購入し、その物件価格が上昇した所で売るキャピタルゲインと、家賃収入を得るインカムゲインがです。
特に資産を構築していきたいと考えている人は、長期的な収益が入るインカムゲインを先に覚えておくとよいでしょう。
インカムゲインでは、次の4つのポイントがあります。
- 銀行
- 管理会社
- 不動産物件と入居者
銀行
不動産投資を行うためには資金が必要ですが、投資初心者やサラリーマン・主婦といった方の多くは、投資用資金を用意することは難しいので融資を受ける事となります。ですので、銀行などの金融機関から融資手続きを行います。
管理会社
オーナーに代わって家賃の回収や入居者募集など、不動産物件の管理を行う業者のことです。また仲介業務や管理業務、建設から管理まで一貫して行うなど、その役割は管理会社によって異なります。
不動産物件と入居者
不動産投資の特徴ですが、初心者でも投資の流れや手続きを覚えやすいという点や、サラリーマンが始めている割合が多いといったことでしょう。
一般的に不動産投資というと、資産家などが行うイメージが強いですが、実際にはサラリーマンなどが将来の資産構築の一環として始めるケースもあります。
また初心者でも始めやすい理由については、株式投資と違って分析手法などの専門的な知識がなくとも収益を出すことが可能だからです。更に、FXと違い毎日相場をチェックするといった作業も不要です。
不動産投資のメリット・デメリットまとめ
続いて不動産投資のメリットは次の5点が挙げられます。
- 老後の資産・収入になる
- 長期的に安定的な収益を得やすい(インカムゲイン)
- 不動産投資に関する専門的知識がなくとも始められる
- 不動産を活用した節税ができる
- 生命保険としても活用できる
特に少子高齢化が深刻となっている日本では、社会保障制度についても懸念事項があるので、年金代わりもしくは不足分の補填として考えることができます。
次に不動産投資のデメリットを見ていきましょう。
- 不動産の資産価値下落
- 維持管理費コストが掛かる
- 災害リスクがある
近年では、地震や噴火といった災害リスクも考慮する必要があるので、不動産投資では災害時に損傷や倒壊といった万が一の事象についての対策も必要です。
しかし、不動産投資を行っていれば、万が一本業での収入が減少した場合でも、家賃収入による一時的な補填ができるというメリットがあります。
不動産投資の資金調達は融資による資金調達と運用が一般的
不動産投資にかかる初期費用とは「不動産投資を始める上で必要な資金のこと」を指します。従って、物件価格や諸手続き費用全てのコストを含めないので、約80万円が平均相場と考えていいでしょう。他にも物件価格の約1割程度という考え方もあります。
更に初期費用は次の3つに分けられます。
- 登記費用
- 金融機関から融資に関する費用
- その他の費用
勘違いしてはいけないのが、あくまで初期費用とは別に、物件購入の費用がかかるということです。
物件購入に掛かる費用は、融資によってカバーするのが一般的で、安い物件で数100万円、都心の物件は数1000万円から億単位の相場が平均的です。
初期費用の詳細な内訳や最低限必要な自己資金については、次の記事で詳しく解説しています。
続いて融資の種類ですが、アパートローンとプロパーローンに大きく分けることができます。
アパートローンとは、融資条件が既に定まっていてサラリーマンを対象にした商品です。対してプロパーローンは融資条件が定まっておらず、借り手の資金力や融資目的、物件の評価額などから算出します。
初心者やサラリーマンは、既に条件が定まっているアパートローンを視野に入れるといいでしょう。
アパートローンについて詳しく知りたい人は次の記事もあわせて参考にしてくださいね。
またローンの自己資金の割合で「オーバーローン」と「フルローン」に分けることもできます。それぞれの違いも次の記事で詳しく解説しています。
不動産投資にかかる税金は購入時から売却時の各項目で発生する
不動産投資を始める前に、税金についても基本的な事柄から知っておく必要があります。不動産投資で得た利益は、所得税として確定申告する必要がありますし、場合によっては相続税が掛かる場面もでてくるでしょう。
不動産投資にかかる税金を考える上で、初心者でも覚えやすい方法が次の分け方です。
- 購入時
- 保有時
- 売却時
- 消費税などその他
つまり不動産投資を購入から売却まで時系列で考えた時に、各手続で発生する税金に分けているということです。その他については、時系列に関係なく発生すると考えるということです。
- 印紙税
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 固定資産税
- 都市計画税
- インカムゲインによる所得税・住民税
- 譲渡による所得税・住民税
そして、その他については課税売上高が1000万円を超える場合などに、消費税の課税義務が発生します。
不動産投資を活用した節税対策には、損益通算や減価償却を利用した所得税の減額や、相続税や贈与税を抑える方法があるのです。
どれも不動産投資の知識を身に付ける上で役立つ内容なので、最初の内に是非覚えておいてくださいね。
その1、所得税の節税が可能
その仕組みですが、損益通算と減価償却などを活用します。
損益通算を活用すると、不動産の維持管理や取得にかかる必要経費を計上し、赤字となった場合は給与所得と合算して所得税を抑える事ができます。
また、減価償却とは、物件の資産価値が経年劣化することを想定して、会計上で費用として計上できるものです。この仕組みを活用して、こちらも必要経費として計上し所得税を抑えられます。
その2、相続税と贈与税の節税に活用できる
相続税の計算を簡単に説明しますと、物件や土地の価値を相続税評価額といい、建物は固定資産税評価額、土地は路線価方式や倍率方式、といった方法で評価額を決めます。
どの方法も評価額を減らすことが可能で、尚且つ基礎控除額よりも低い評価額となれば、相続税は発生しません。
また、贈与額が2500万円まで課税されない、相続時清算課税制度という制度が適用されるので、贈与税も節税が可能です。
しかし、節税対策を軸にした不動産投資は、長期的に赤字となるリスクもあるので注意しましょう。
不動産投資と税金の関係についてさらに詳しく知りたい人は、次の記事もチェックしてみてください。
不動産投資の始め方は物件探しと自己資金の確認から行う
不動産投資の仕組みや税金の基本まで押さえたら、次は不動産投資の始め方についてです。
一連の流れをインカムゲインを例に説明しましょう。
- 不動産物件を決めて売買契約をする
- 融資の手続き
- 賃貸の開始
実際には火災保険契約手続きや決済、不動産の引き渡しなどが間に入りますが、初めて不動産投資を行う方は大まかな流れを把握することが大切です。
また融資を受けるタイミングは中間に位置していますが、その前に自己資金の確認と整理を行うことが必要です。融資を受けるといっても、希望額通りに審査・手続きが進む保証はありませんので、余裕を持った資金計画を立てましょう。
(1)不動産物件を決めて売買契約をする
不動産物件の選び方についてですが、投資用不動産として販売されている物件の種類は、一戸建て、アパート、マンション、ワンルームマンション、中古アパートなどに分けられます。
それぞれ、価格や周辺環境、金利など様々な条件が違っており、各投資家の収益目標や資金力によって向いている物件は変わります。しかし、不動産投資初心者のサラリーマンや主婦の方の場合、なるべくリスクを抑えて継続的な家賃収入を得る方法がいいでしょう。
(2)融資の手続き
不動産投資に関する融資を受ける際は、いわゆる事業ローンと呼ばれる投資用不動産の融資を受ける方法を選ぶといいでしょう。
事業ローンの返済方法は、不動産の家賃収入から返済を行うので、自己資金による支出を行わないメリットがあります。
ただし空室リスク時の返済方法についても、事前に準備と対策を行う必要があります。
(3)賃貸の開始
賃貸すなわち入居者の募集を開始します。入居者選びにもポイントがあり、入居者が家賃滞納をしない生活環境かどうか事前に確認する必要があります。
具体的には、面談にて年収の確認や連帯保証人を付けてもらうなど、リスク回避を行うことが大切です。
不動産投資の投資対象はマンションやアパートなど種類が豊富
不動産投資の始め方を覚える上で、物件や投資対象の種類についても知っておく必要があります。
不動産投資の投資対象は、主に次の物件を指しています。
- マンション
- 新築マンション
- ワンルームマンション
- アパート
- 中古アパート
- 一戸建て
- 駐車場
実質金利が低い物件は、マンションやワンルームマンションが挙げられます。理由としては、マンションが建設される地域は都心や開発区域であることが多く、立地条件などがおおむね良好なことから金利が3%台と低い傾向にあります。
ただしワンルームマンションには注意点も。次の記事で魅力とともに解説します。
ただし、駐車場や一戸建ての場合は、アパートと少し事情が違います。駐車場は、土地代のみが費用となっているので安いケースが多いですし、一戸建ては家族で入居するケースも多いので、長期的に家賃収入が見込めるメリットもあります。
どの物件が良いかは借り手の戦略や経験年数、物件の周辺環境によっても大きく変わります。
駐車場経営のポイントは次の記事で詳しく解説しています。
ですので、投資対象となる物件を見つけたら、内見や周辺環境の確認をして、入居者にとって住みたいと思う物件か考えてみるのもいいですよ。
不動産投資の物件選びでは立地条件と金利やリスクを確認すること
物件の選び方については立地条件と金利、利回り、リスクを事前に確認することが大切です。
立地条件で見極めるポイントは、周辺に最寄り駅があり治安の良い地域がどうかという点です。
入居需要が高まる条件は、最寄り駅などがある交通網が発達している地域で、周辺にスーパーやコンビニなどがある住みやすい地域であることが基本です。
また、治安の悪さは需要の伸びを鈍らせる原因になります。
不動産投資物件の探し方については次の記事も参考にしてくださいね。
もっとも実質金利が高い物件はハイリスクであることも知っておくとよいでしょう。実質金利が高いということは、周辺に最寄り駅やコンビニなどが少ないため空室リスクが高いことも示しています。
2018年時点では、3%台が平均的な金利とされているので、これを目安として物件を選ぶとよいでしょう。
そして不動産投資の利回りは、不動産の価格を算定する為に必要となります。利回りが興味がある人は、ぜひ次の記事を読んでみてください。
最後にリスクというのは、各物件に含まれている様々なリスクのことです。例えば、次のようなリスクを考えた上で、対策を施したり物件を選んだりするのが基本です。
- 災害による損壊・倒壊リスク
- 経年劣化による資産価値及び家賃下落リスク
- 家賃滞納者リスク
- 周辺環境の治安リスク
経年劣化による資産価値の下落については、減価償却費を使った節税などにも関係があるので、築何年で購入時点の資産価値がどれだけあるか確認しましょう。また不動産投資のリスクを確認し、物件によっては好条件でもやめたほうがいいと判断する場面もでてきます。
この場合は利益よりも、リスク回避へ向かうことが大切です。損失をいかに抑えるかという考え方も、長期的に利益を得るポイントの1つといえます。
不動産投資信託(リート)の仕組みと特徴
次に初めて不動産投資を行う方が疑問に感じる、リートについて簡単に説明します。リートとは不動産投資信託のことで、日本版不動産投資信託はJリートと呼ばれています。
投資法人は、委託会社が運用した不動産投資の利益を投資家へ分配金として渡し、投資家の収益は分配金となります。従って、家賃収入や売却益を直接得られないので、資金力がある場合を除いてローリスク・ローリターンとなる特徴があります。
メリットは、少額資金から不動産投資を始められるという点で、デメリットは家賃収入や売却益といった、まとまった利益を1度に得られないという点でしょう。
リートの意味については「リート(REIT)とは?意味や売買の仕組み、特徴について解説」、Jリートファンドについては「Jリートファンドとは?不動産投資信託の仕組みや選び方について解説」で詳しく説明しています。
初めて不動産投資を行う時は1つ1つの準備を丁寧にこなすこと
また、詳細な諸経費を含めないで計算された、表面金利で記述されている例もありますが、こちらの場合は実際の金利と違うことがほとんどですので、実質金利を改めて計算することが大切です。
不動産投資で押さえておくべきポイントは、考えられるリスクを全てリストアップすること。それらの状況に陥った場合の対策もしておきましょう。
不動産投資は極端に難しいものではありませんが、金額が大きいので慎重に考えることが大切です。