収入保障保険とは?メリットとデメリットから必要性を考えよう
もし不慮の事故で亡くなってしまったり、高度障害状態になってしまった時にあなたならどうしますか?毎月安定した収入を得ていたのに急に収入がなくなってしまうと、毎月の生活費が払えなくなってしまいます。
その上、治療費や入院費用を支払わなければなりません。家族がいる人は特に不安にさせてしまいますよね。教育費やローンがある人は今後の将来について不安になってしまうでしょう。
収入保障保険はどんな時に支払われるのか、メリットとデメリットを交えながら詳しく説明します。どんな人が収入保障保険に加入した方が良いのかを知り、万が一の際に備えましょう。
収入保障保険とはどんな保険?特徴を解説
収入保障保険とは、被保険者が万が一亡くなった時・高度障害状態になった時に保険金が毎月受け取ることができる生命保険(死亡保険)です。保険でよく使われる言葉である「高度障害」とはどういう状態なのか、意味は以下の通りです。
病気やけがによって身体に障害がある状態になってしまったことを高度障害と呼びます。かなり障害が重い状態であり、生活に支障をきたしてしまいます。
例として、両目の視力を失ってしまった、臓器に障害が残り介護を要する状態になってしまった、両下肢、上肢を失ってしまったという状態が該当します。これらに該当し、それぞれさらに詳しい条件があります。
自分でご飯を食べられなくなったり、衣服の着脱ができなくなったりと自分の力では生活できなくなってしまいます。家族や親戚の支えが必要になってしまい、働くことができなくなった本人は精神的にも金銭的にも悩むことになってしまうでしょう。
収入保障保険と生命保険(死亡保険)の違いは
収入保障保険は「三角の保険」とも言われています。三角の保険とは加入時から少しずつもらえる保険金(保障額)の総額が下がっていくことからその名がつきました。
一方、終身保険や養老保険などの生命保険(死亡保険)は万が一亡くなった時にもらえる保障金額は契約当初から変わりません。
保険金の受け取り方にも違いがあり、一般的な生命保険はまとまった保険金・収入保障保険は毎月一定額の保険金を受け取ります。
収入保障保険と似たような保険として「就業不能保険」「所得補償保険」というものがあります。よく、これらの保険と内容を混在させてしまっている人がいますが、保障内容が違います。
就業不能保険には「6ヶ月以上仕事ができない状態」「高度障害の状態」「医師から60日以上就業できないと診断された状態」と条件があります。
似ている保険ですが、条件は異なるので違いをしっかりと把握しておきましょう。死亡した時ではなく、生きている時に保障を受けたい人は収入保障保険ではなく「就業不能保険」となります。
所得補償保険と就業不能保険の違いとは
所得補償保険という保険も見かけることもありますが、就業不能保険と似ています。しかし保険金の支払期間や保障期間などいくつか違いがあります。
保険/特徴 | 保険会社 | 保険期間 |
---|---|---|
就業不能保険 | 生命保険会社 | 50歳〜70歳 |
所得補償保険 | 損害保険会社 | 1年〜5年更新 |
損害保険会社では「所得補償保険」生命保険会社では「就業不能保険」と呼び名が異なりますが、亡くなった場合ではなく、けがや病気で働けなくなった場合という点は共通です。
他にも所得補償保険は収入の60%程度と保険金額として設定し、就業不能保険は10万〜50万円の間から5万円単位で保険金額を設定します。それぞれの特徴があるので、違いを知って自分にあった保険を選びましょう。
「収入保障保険」「就業不能保険」「所得補償保険」3つの保険の違いについては、次の記事で保障内容の比較とあわせて、さらに詳しく説明をしています。
就業不能保険については「就業不能保険とは何か?なぜオススメなのか分かりやすく解説」をご覧ください。
収入保障保険に加入するメリットとデメリット
続いて収入保障保険に加入するメリットとデメリットを説明します。収入保障保険への加入を検討する上で、しっかりとデメリットを確認しておきましょう。メリットは保険会社のホームページやパンフレットで大きく取り上げられますが、デメリットは加入してから気づいてしまうパターンが多いです。
収入保障保険に加入するメリット
- お給料の代わりとして保険金を受け取ることができる
- 保険料が安い
- 金額が減っていくので合理的に保険金が受け取れる
- 毎月一定額なので使いすぎる心配がない
お給料の代わりに保険金を毎月受け取ることができるので、使いすぎる心配がない上に収入があった時と感覚で生活をすることができます。契約時に保障金額を設定するので心配もありません。保険料が安く、万が一の保障に備えられるので加入しやすく負担が少ない保険です。
保障金額が徐々に下がっていくのはデメリットとも言えますが、ライフプランに合わせてもらえる金額が減っていくので合理的とも言えます。子どもの成長に合わせて保障額を合わせると良いでしょう。
収入保障保険に加入するデメリット
- 年数が経つにつれ、もらえる金額が減っていくこと
- 亡くなった時と高度障害の時にしか保険金がもらえないこと
- 一括で受け取ることができないこと
- 保障がいつまでも続くわけではないこと
年数が経過することによって保障額は下がっていきます。今まで支払っていた保険料が掛け捨てられるため、長生きする人は必要ないとも言えます。また、解約返戻金はありません。
終身保険や養老保険などの満期保険金とは違い、一括で受け取ることができないためまとまった資金が必要な人には向いていません。毎月お給料のように受け取るのが収入保障保険の特徴です。保障期間は決められているので、生きたまま期間が終了すれば保険金を受け取らずに消滅します。
収入保障保険に課税される税金
収入保障保険に課税される税金は保険金の受け取り方によって違いがあります。一時金として受け取る場合は「相続税」年金として受け取る場合は「相続税」「贈与税」「所得税」のいずれかとなります。
一般的には配偶者は受取人となっているかと思いますが、課税される税金は加入時に契約関係者がどのように決められているかによって異なります。
税金/関係者 | 保険料負担者 | 被保険者 | 保険金受取人 |
---|---|---|---|
相続税 | B | B | A |
贈与税 | A | B | C |
所得税 | A | B | A |
相続税は受取人が被保険者の法定相続人である場合となります。もし、法定相続人以外となる場合は贈与税の扱いになります。
税金の課税額をできるだけ抑えたいという人は一時金で受け取り相続税が課税されるような契約が良いでしょう。しかし、年金としてもらう場合と一時金でもらう場合の保険金の額は異なるので少なくなってしまう可能性があります。加入前にいくらもらえるのか確認しましょう。
もし「年金」として受け取る場合の所得税・贈与税は相続税として課税対象にならなかった部分が対象となります。
収入保障保険の必要性
特徴を知って、収入保障保険は必要なのか?と思う人もいるでしょう。
この保険は死亡保険であり、残された家族のための保障なので独身の人は必要ないと考えられます。
もし独身で収入が減ることに不安を感じるのであれば「就業不能保険」「所得補償保険」に加入することをおすすめします。この2つの保険は自分で受け取ることができるので、個人事業主や自営業の人は検討すると良いでしょう。
収入保障保険は保険料が終身保険などよりも安いので生活費を圧迫しないのも特徴です。家族がいて余裕がある人は加入しておくと良いでしょう。
収入保障保険に加入した方が良い人はどんな人?
子どもの進学やローンが残っている人は一家の大黒柱がいなくなることでかなり生活を圧迫することになります。食費などは節約できても教育費やローンの金額は変わりません。しかし子どもが独立するような年であれば、必要はないでしょう。
子どもが生まれたばかりの人は加入しておきたい収入保障保険
共働きをしている人はまだ収入が途絶えることがないので負担は減りますが、専業主婦の場合にはかなりの負担がかかります。
どちらにしても残された家族は不安になってしまいます。保険料は通常の死亡保険よりかなり安いので、自分の収入にあった保障額で収入保障保険に加入しておきましょう。