定期預金
定期預金の金利はどう動く?現在までの推移と今後の見通しを解説!

定期預金の金利はどう動く?現在までの推移と今後の見通しを解説!

せっかくの資産、今後に向けて上手に増やしたいですよね。資産を安全に預けつつ増やすのであれば、定期預金が確実です。

ただ、定期預金も金利が低ければ増える金額は微々たるものになってしまいます。せっかくなら、定期預金の金利が高いときに預けたいと思うのは当然ですよね。

定期預金の金利は今までどのように変わってきたのか、それはどのような要因で変動したのか、そして今後はどうなっていくのか、金利に関する疑問を解消していきましょう。

1つじゃない!定期預金の利率が推移する要因をチェック

金利というのは、上がることもありますが下がることもあります。上昇と下降を繰り返しているわけですが、もちろん金利の変動には理由があります。

定期預金などの利率は、政策金利や国債の金利を参考に決められているものです。つまり、政策金利がどう動くかで定期預金だけでなく普通預金やローンなどの金利も決まってくるわけですね。

定期預金は、決められた期間固定金利となっていることが一般的です。ですから、定期預金に預け入れている間に金利が上がってしまうと、定期預金を利用していたからこそ損をしてしまう可能性もあるのです。

定期預金のメリット・デメリットについては、こちらの記事でも解説しています。

金利の動向を知ることは、定期預金を検討する上で非常に重要なポイントであることは間違いありません。

では、政策金利や国債の金利が変動する際には、どのような要因があるのでしょうか。

代表的な要因として挙げられるのが、以下の3点です。

  • 国内景気
  • 国内物価
  • 海外金利

それぞれの点について解説していきましょう。

国内景気

景気が良い、悪いということは、金利と大きな関りがあります。

項目 景気が良い 景気が悪い
収入・売上 増えていく 減っていく
借入 増える
(設備投資等の事業資金)
減る
金利 上がる 下がる

景気によって金利が変動するのは、借り入れを調整する目的があります。

景気が良くどんどん借り入れをして設備投資などを行えば、最終的需要を上回る供給となり、景気が悪化してしまう恐れがあるのです。これが、バブルの崩壊です。

ですから、景気が良いときは金利が上がる傾向にあり、逆に景気が悪くなれば金利を引き下げて借入を促すように調整するのです。

なるほど。景気が良いときはどんどん貸し付けをした方が良いのだとばかり思っていましたが、それがバブル崩壊に繋がらないように金融政策として金利を上げるのですね。
どんどん借入を促す方が景気のために良いと思われがちですが、日本銀行は金融政策としてブレーキをかけているのです。

金利は、金融政策が大きく関わっていることを押さえておきましょう。

国内物価

物価も、金利を左右する要因の1つとなります。

物価が上がる 物価が下がる
お金の需要が高まる お金の需要が減退する

景気が良くなれば財布のひもも緩むために物価が上昇していきます。

どんどん物価が上がるとなれば、不動産など高額なものは早めに買おうとする動きになり、お金の需要そのものが高まってくるわけです。

ですから、物価が上がれば金利は高くなる傾向にあります。一方で、物価が下がった時は借り入れをしてまで何かを購入する人は減ってきます。つまり、お金そのものの需要が減る為、金利も下がっていくわけです。

海外金利

海外金利も、国内金利を決める要因の1つになります。

海外の金利が上がった場合、金利の低い日本で借り入れをしようという人が増え、需要が高まるので金利も上がることになります。

逆に、海外金利が下がれば日本で借り入れをする人が減ってしまいますので、日本の金利も下がる傾向にあります。これは、国債価格にも影響すると言えますね。

過去の定期預金金利をチェック

では、今まで定期預金の金利はどのように推移してきたのかを見ていきましょう。

今までの定期預金の金利を、簡単に表でご紹介します。

金利 要因
1987年~1991年 6%前後 バブルを抑えるために
金利引き上げ
2001~2006年 0.05%程度 日銀による民間金融機関への
大量資金供給で金利がほぼゼロに

実は、1980年以前の定期預金金利については、公式なデータは残っていません。ただ、1974年には普通預金の金利が3.0%であったことから、かなりの高金利であったことが伺えます。

ゼロ金利とマイナス金利!?2000年以降の定期預金の金利推移

2000年以降の金利推移について、少し詳しく見ていきます。

年・期・月末 3年定期預金
金利
2000年 0.22%
2001年 0.08%
2002年 0.057%
2003年 0.053%
2004年 0.052%
2005年 0.051%
2006年 0.243%
2007年 0.333%
2008年 0.259%
2009年 0.153%
2010年 0.062%
2011年 0.049%
2012年 0.038%
2013年 0.037%
2014年 0.037%
2015年 0.036%
2016年 0.020%
2017年 0.016%

1998年にゼロ金利政策が取られ、金利が大きく下がりました。2000年に一時的に解除はされましたが、やはり米国同時多発テロなどによる経済状況の悪化から2001年に再びゼロ金利が復活します。

2006年に大きく定期預金の金利が上がっていますが、これはゼロ金利が解除されたためです。景気が回復したとの判断によるものでしたが、結局景気は大きく回復することはありませんでした。

2016年にはマイナス金利政策が発表され、現在は定期預金でもかなりの低金利設定となっている状態です。

マイナス金利政策って、定期預金の金利もマイナスになるってことだったりする?
まず押さえておきたいのは、マイナス金利はあくまでも民間銀行と日本銀行との間の話だと言うことです。日本銀行にお金を預けるとマイナス金利の場合お金を支払う必要が出てくるので、預けるのを控えます。

それによって民間企業への貸し付けを促そうとするものなのです。

良かった。とりあえず個人にはあんまり関係ないってことか。
いえ、マイナスにはならなくても、現在定期預金の金利がほぼ0になっているのは確実にマイナス金利政策によるものです。

定期預金の金利は、政策に大きく左右されてしまうのです。

定期預金の金利は今後上がる?その理由とは

現在、定期預金の金利はゼロに近いところにあります。普通預金の金利と比較しても、あまり変わらないという金融機関も少なくはありません。

定期預金を検討するにあたって、いくら得することができるか、いくら資産を増やすことができるかは、重要なポイントです。

定期預金の金利でいくら得するかを知りたい方は、ぜひこちら定期預金でいくら得する?金利計算に必要な知識を詳しくご紹介!の記事をチェックしてくださいね。

では今後、定期預金の金利はどう推移していくと予想できるのでしょうか。

現在の低金利を考えると、時間はかかっても確実に金利は上がっていくと予想できます。

これ以上は下がりようがないため、上がるしかないということです。ただ、いつ上がるかは分かりません。

そして、定期預金は長期になればなるほど金利は上がるものですが、現在の超低金利時代では長期で預けてもそこまで大きな差はありません。

そこでオススメなのが、普通預金よりも定期預金を選択する際、上がる時のことを考えて短期のものを選ぶということです。

定期預金は、満期まで解約しないものです。もし途中で解約した場合は適用金利が下がってしまい、定期預金に預けた意味が無くなってしまいます。

つまり、定期預金を申し込む際に1か月や1年といった短期で契約し、満期のタイミングで金利状況を見極めて継続や解約を検討するのが良いわけです。

満期前の解約について興味がある方には、こちらの記事がオススメです。

定期預金の金利は今後上昇することは予想できても、その時期はまだ分からないのですね。

とりあえず短期で様子を見てみることにします。

定期預金の金利は景気や金融政策に左右される!

定期預金の金利は、景気や金融政策に大きく左右されます。景気が良ければ金利が上がり、景気が悪くなれば金利が下がってしまうのです。必要以上に借入が増えたり少なくなったりしないよう金融政策が取られている為でもあります。

現在はマイナス金利で定期預金の金利もかなり低くなっていますから、今後は上昇していくことが予想されます。ただ、その時期は分かりません。

これから定期預金を考える際には、金利上昇に備えて短期のものを検討すると良いでしょう。