養老保険と個人年金保険の違いは?比較される理由と選び方のポイント
養老保険と個人年金保険はどちらも積立型(貯蓄型)の生命保険です。よく比較されることが多いですが、その理由はご存知ですか?どちらも老後に保険金を受け取れるような満期のある保険です。似たようなところもありますが、違いもいくつかあるので理解しておくことが大切です。
今回は養老保険と個人年金保険の特徴や保障内容、メリットやデメリットを詳しく説明します。自分にあった保険はどちらなのか比較のポイントを確認しながら検討してみましょう。
養老保険と個人年金保険の特徴・保障内容とは?
養老保険と個人年金保険どちらも貯蓄を目的とした保険商品です。若いうちに保険料を支払い、積み立てて40代から老後に満期が来るような保険です。ではそれぞれの保険の特徴と保障内容を確認していきましょう。
養老保険の特徴
養老保険は満期がある死亡保障が備わった保険です。死亡保険と呼ばれることもあり、満期保険金の額と死亡保険金の額は一緒です。
加入年齢 | 20歳~60歳 |
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保障期間 | 5年~20年 |
昔は利率が良く、お宝保険と呼ばれていた養老保険ですが、最近は利率が低いため保険会社でもあまり勧めてはいません。昔より魅力は落ちている保険ですが、貯蓄をしながら死亡保障が欲しい人は検討してみるのも良いかもしれません。
個人年金保険の特徴
個人年金保険は老後のために保険料を支払い、払込終了後に年金として積み立てた資金を受け取ることができる保険です。
老後不自由なく生活するために必要な資金は意外と多く、公的年金だけでは足りないかもしれません。そんな時に資金を備えておきたいと思う人が加入するのが個人年金保険です。
加入年齢 | 0歳~80歳 |
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払込終了年齢 | 55歳・60歳 |
個人年金保険の保障期間は「加入年齢」と「年金の支払い開始年齢」で異なります。若いうちに加入した方が払込期間は延びるため、月々の保険料が安く済みます。
個人年金保険の保険料は一時払いで支払うことも可能です。
なぜ養老保険と個人年金保険は比べられることが多い?
養老保険と個人年金保険が比べられることが多い理由は次のとおりです。
- 貯蓄タイプであること
- 老後の資金に備えられること
しかし予定利率や保障内容、保険金の受け取り方法など異なる部分も多くあります。
しっかりと2つの違いを把握できていると自分に適した保険を選びやすいですね。
養老保険に加入するメリットとデメリット
それでは養老保険に加入するメリット・デメリットを確認していきましょう。
メリット | デメリット |
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・死亡保障がついている ・一時所得となる ・生命保険料控除を受けられる |
・保険料が高い ・利率が低い ・中途解約で元本割れする可能性がある |
養老保険は死亡保険金と満期保険金が同じのため、払込途中で亡くなっても残された遺族はまとまった資金を受け取ることができます。ただし保険料が保障分と貯蓄分でかかるので高いのがデメリットです。
マイナス金利の影響で保険も預金も全体的に下がっており、基本的に養老保険は個人年金保険より利率が下回っています。
個人年金保険に加入するメリットとデメリット
一方で個人年金保険にはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
メリット | デメリット |
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・養老保険より利率が良い ・安い保険料から加入できる ・個人年金保険料控除を受けられる |
・払込途中で亡くなった場合保険料相当額のみ ・インフレに弱い ・中途解約で元本割れする可能性がある |
個人年金保険は養老保険より利率が高く、最低保証利率が設定されているため払込保険料総額より下回ることはありません。しかしインフレに弱く、受取金額が確定されていません。
支払った保険料は運用されるため、もしかしたら大きな資金を受け取れる可能性もあります。養老保険と同様、中途解約は元本割れする可能性があります。
死亡保険ではないためもしも払込途中で亡くなった場合は払込保険料相当分のみとなります。
養老保険と個人年金保険どちらに加入するべき?比較のポイント
- 貯蓄以外に保障が必要か
- 分割で受け取るか
- 保険料控除・税金の違い
個人年金保険には死亡保障がないため、もしものときの保障が欲しい人は「生命保険(死亡保険)の加入」を検討するとよいでしょう。
養老保険はまとまった資金が受け取れるのに対し、個人年金保険は分割で受け取るため余計にお金を使ってしまう心配はありません。しかしローンの返済などに急にまとまったお金を利用したいときに困るケースもあります。
養老保険・個人年金保険とも保険料控除を受けることができますが、保険料控除の種類が異なります。そして保険金を受け取る時にかかる税金は毎年受け取る場合は「雑所得」、まとめて受け取る(年金を一括で受け取る)場合は「一時所得」となります。
一時所得の対象となる場合は50万円の特別控除を受けることができます。
養老保険は今の時代に加入を勧めません
終身保険にもさまざまな種類があり、返戻率が高いものもあるのであえて養老保険に加入する必要はないでしょう。
死亡保障はないですが、個人年金保険の払込期間中に万が一のことがあっても保険料が戻ってこないわけではないので、そこまで損することもありません。
保険会社の窓口などで利率がどのくらいなのか相談して、老後のために自分にあった保険を選んでみましょう。