金の投資方法
純金積立は1,000円からOK!?そのメリット・デメリットとは

純金積立は1,000円からOK!?そのメリット・デメリットとは

純金積立を知っていますか?純金積立はいくつかある金投資方法の中の1つです。金投資と聞くと、どうしても高額な費用がかかる、口数あたりでの購入になるから一定額の購入がしづらい、そんなイメージがあるかもしれません。

しかし、純金積立なら月々1,000円からの投資が可能で、しかも金地金だけでなく金貨などと交換することもできるのです。純金積立はどのような仕組みになっているのか、そしてそのメリット・デメリットにはどのような点が挙げられるのか、純金積立に関する疑問にお答えしていきましょう!

毎月一定額を購入する純金積立の仕組みとは

まずは、純金積立がどのような仕組みになっているのかをご紹介していきます。

純金積立とは

毎月一定額で金を買って、それを積み立てていくというもの。自動的に購入してくれるので手間がかからず、積立て金額も1,000円から始められるものもある。

金の価格は日々変わっていきますよね。毎月一定額を購入する、ということですが、そのタイミングはいつになるのでしょうか?

自分で決められるのですか?

純金積立は毎月一定額を購入しますが、実は営業日に毎日買っています。

その月の営業日が20日で毎月1,000円で積み立てる場合であれば、1,000円/20日=50円となり、毎日50円ずつ購入するのです。

純金積立は、購入タイミングを分散されることでリスクを回避することができる点も魅力だと言えますね。

他の金投資法については、こちら金の投資方法を徹底比較!自分に合った方法を探すポイントとはで詳しくご紹介しています。

純金積立を始める方法をご紹介

では、具体的に純金積立を始めるためにはどうすれば良いのかをご紹介しましょう。

純金積立は、次の流れで始めることになります。

①取り扱い会社を選び口座を開設する
②毎月の積立て金額を決める

たった2ステップで純金積立を始めることができるのです。

現在証券会社に口座がある場合は、純金積立の為の口座を追加で設定すればOKです。

純金積立を始めるとき証券会社や取り扱い会社はどう選ぶ?

純金積立をする際、自分でどこの証券会社にするかを選ばなければいけません。その際、ポイントとしてチェックしてほしいのが次の3点です。

  • 年会費
  • 購入手数料
  • 保管方法

特に注目してほしいのが、年会費と購入手数料です。手数料が高ければ、コストだけがかかって思うような利益が得られないという恐れがあるのです。

ここでは、4つの取り扱い先をピックアップしてご紹介しましょう。

会社名 年会費 購入手数料 保管方法
SBI証券 0円 2.0%(税込み2.16%) 特定保管
マネックス証券 0円 2.5%(税込み2.7%) 消費委託
楽天証券 0円 2.5%(税込み2.7%) 消費委託
田中貴金属工業 0円 1.5~5%
*積立金額に応じて変わる
特定保管

購入手数料は、購入するたびに発生するものですから、少しでもコストを抑えたいということであれば、購入手数料が低いところを選択するようにしたいですね。

保管方法もチェックしておくべきだって言ってたけどほんと?

別に保管方法とか重要な気がしないんだけど。

保管方法によって、現物資産として金を持つか、得た利益をさらに還元されるかが変わってきます。ですから、保管方法の確認は大切なのです。

保管方法については、後ほど詳しくご紹介します。

純金積立取り扱い会社については、こちらの記事でさらに詳しく比較・解説しています。

純金積立のメリット・デメリット

他の金投資と同じように、純金積立にもメリットとデメリットがあります。純金積立を始める前に、しっかりチェックしておきましょう。

金投資そのものについて更に詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事をチェックしてください。

純金積立の3つのメリット

まずは、純金積立のメリットを見ていきましょう。主なメリットが、以下の3点です。

  • 金の価値がゼロにならない
  • 有事やインフレに強い
  • 売却益も期待できる

まず、前提として金は実物資産になります。

純金積立は、金そのものが存在している限り価値がなくなることはありません。

そして、株式取引では懸念事項となるインフレに対しても強いという点も大きなメリットです。

もちろん、金は持ち続けるだけでなく、必要時には売却することも可能です。購入時よりも高い価格で売却できれば、売却益が期待できます。

金の価値は上下変動を繰り返します。価値がゼロになることがないからこそ、金価格が上がるまで待つことができるのも魅力だと言えるでしょう。

純金積立は、確かに金そのものの価値がなくなることはないという魅力があるのは分かります。ただ、よほどのことが無い限り大きな売却益が期待できるとも思えません。

純金積立はそれでもメリットがあるのでしょうか。

確かに、金価格が一気に高騰することがなければ大きなリターンは見込めないかもしれません。しかし、他の投資とは違う値動きをする金投資を加えておくことで、リスク軽減効果が期待できます。

他の投資を考えている方の安心材料としてもオススメだと言えますね。

純金積立の3つのデメリット

純金積立は、メリットだけではなく当然デメリットも存在しています。

純金積立のデメリットとして考えられるのが、次の3つです。

  • 配当や利息は無し
  • 手数料がかかる
  • 値下がりリスクがある

まず、純金積立では株や債券投資のような配当や利息を得ることはできません。

また、先ほど証券会社の選び方でもご紹介した通り、純金積立では手数料がかかります。

ただ持っているだけ、そして手数料はかかるし配当は得られない、これは純金積立のデメリットだと言えますね。

また、金は価格が変動しますから売りたいときに金価格が下がっていれば損をする可能性もあるわけです。

ただ、純金積立は長期で見れば価値がゼロになることはない安心の実物資産になると言えます。短期的なメリットを期待するのでなければ、純金積立は投資方法の1つとして検討する価値はあるでしょう。

金の保管方法は2つ!特定保管と消費寄託の違いとは

純金積立で購入した金の保管方法は、2つあります。

  • 特定保管
  • 消費寄託

この2つがどう違うのか、簡単に比較してみましょう。

項目 特定保管 消費寄託
方法 ・現物のまま専用金庫で
 保管
・購入した金を
 海外のリース市場に貸し出し
 得た利益をポイントなどで還元
取り扱い会社 ・SBI証券、田中貴金属工業 ・その他取り扱い会社
特徴 ・会社が破綻となっても
 金はそのまま契約者へ渡される
・積立額プラスアルファの
 リターンが期待できる
・倒産・破産した場合は
 金が戻ってこない可能性がある

安心なのは、やはり取り扱い会社が倒産しても購入した自分の金が確実に保証される特定保管です。

ただ、特定保管を取り扱っている会社は少なく、代表的なのはSBI証券と田中貴金属工業です。一般的に純金積立の保管方法は消費寄託であり、万が一の時は金が手元に戻ってこないリスクがあるということを覚えておきましょう。

利用者としては特定保管の方が魅力的に思えるのですが、どうして消費委託の方が一般的なのでしょう。
特定保管は魅力的ですが、消費委託の場合は金をまとめて管理・運用することでコストを抑えることができ、手数料が比較的安くなる傾向にあるのです。

どちらにもメリットはあるということを押さえておきたいですね。

純金積立の利益には税金がかかるので確定申告が必要!?

純金積立で得た金を売却した際に、売却利益が出る場合があります。このときに得た利益については、税金がかかるので確定申告が必要となるのです。

ちなみに、金貨を売却した際の税金については、こちら少額から購入出来る金貨!購入方法やその他の特徴を詳しくご紹介で詳しくご紹介しています。

まずは、純金積立で得られた売却益を申告する方法としては、2つの方法があります。

  • 雑所得
  • 譲渡所得

この2つの違いについて確認しておきましょう。

項目 雑所得 譲渡所得
概要 給料以外の収入として申告 資産譲渡による利益として申告
申告不要条件 ・給与収入2,000万円以下
・給料以外の所得と純金積立利益の
 合計額が20万円以下
・売却額30万円以下
・金の利益と他の譲渡所得の
 合計額が50万円以下

雑所得は営利目的で継続的に売買をしている場合、通常の個人での資産運用による売買の場合は譲渡所得になるのが一般的です。

売却した際の利益によっては、確定申告が不要となる場合があるということを覚えておきましょう。

利益の金額によっては税金がかからないということですね。この利益については必ず利益として申告しなければいけないのでしょうか。

購入価格によっては売却しても損をしていることもあるのですが…。

課税価額は、もちろん売却金額と積立価額によって計算を行います。計算式は次で紹介しますが、ここで損失が出ていれば他の譲渡所得の利益と損益通算をすることができます。

ただ、譲渡所得以外との損益通算はできないので注意したいですね。

ちなみに、金地金投資をして売却する際の税金などについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

譲渡所得で申請する場合の所得計算式とは

譲渡所得で申請する場合、課税対象となる課税所得は次の計算式によって求められます。

【所有期間5年以内の場合】
売却金額―積立価額―特別控除50万円

【所有期間5年超えの場合】
(売却金額―積立価額―特別控除50万円)×1/2

譲渡所得は、所有期間が5年を超えると所得額が5年以内の場合と比較して半分となりますので、かなり大きな節税効果が期待できます。

課税価格の計算方法について、しっかりとチェックしておきましょう。

金は無価値にならないことから、不景気になると金投資への注目が集まります。

また、金はこれからも価値が上がるとの見方もありますので、売却するにしても5年以上の長期保管をして、課税価額が少なくなってから検討するというのも良いでしょう。

金価格の今後の見通しについて、こちらの記事でも言及しています。興味がある方はぜひチェックしてください。

純金積立はメリットとデメリットをあらかじめチェックしてから始めよう

純金積立は、毎月一定額を自動で積み立ててくれる簡単で便利な投資方法です。金は資産価値がゼロになることはなく、インフレにも強いので、長期資産として持つことに適しています。

ただ、その一方で配当や利息がなく、購入時には手数料が取られてしまう、値下がりするリスクがあるといったデメリットがあるのも事実です。

純金積立のメリットだけでなくデメリットもしっかりと認識した上で、取引する会社を選択していきたいですね。