金の投資方法
金投資にかかる税金を徹底解説!

金投資にかかる税金を徹底解説!

金投資は、不景気になると人気になる投資法です。それは金が無価値にならないこと、そして不況に強いことが理由になっているのですが、金投資をするなら是非押さえておきたいのが税金に関する情報です。

金投資には色々な方法がありますが、どの方法を選択しても基本的に税金を支払う対象となります。金投資を始めてから思ったよりも税金がかかった、こんなはずじゃなかった、という事態は避けたいですよね。

金投資にはどのような税金がかかるのか、しっかりチェックしておきましょう。

金売買に関係する4つの税金をチェック

金の売買など、金投資をするにあたって関係する税金は、主に4つあります。

  • 所得税(雑所得・譲渡所得・配当所得)
  • 消費税
  • 贈与税
  • 相続税

これらがどのような税金なのか、簡単にご紹介しましょう。

税金の種類 内容
所得税
(雑所得・譲渡所得・配当所得)
金の売却や株式配当などによって
利益を得た場合にかかる
消費税 購入・売却時にかかる
売却時は消費税を支払うのではなく
受け取ることになる
贈与税 金地金や金貨を贈与した場合に発生
相続税 金地金や金貨を相続した場合発生

それぞれの税金について、更に詳しく見ていきましょう。

所得税(譲渡所得・雑所得・配当所得)

金投資でかかる所得税には、3つのパターンが考えられます。それが、譲渡所得・雑所得・配当所得です。

所得の種類 内容
譲渡所得 金地金を売却した際、一般的には譲渡所得となる
他の譲渡所得と合わせて年間50万円の特別控除あり
金地金の保有年数によって、計算式が変わる
雑所得 営利目的に金地金を売買したときには雑所得となる
個人事業主の場合は事業所得
総収入金額ー必要経費=所得金額となる
配当所得 金の株式などで得られた配当は配当所得となる
2037年12月31日までは20.315%
これは所得税および復興特別所得税15.315%
住民税5%が含まれている

このように、金で得た利益は、それがどのような所得なのかによってかかる税金が変わってくるのです。

金投資で得た利益は、全て同じ税金がかかるわけじゃないってことか。
税金が異なるというより、課税対象となる金額が異なると考えてください。

購入金額と売却金額の差額全てが課税対象となるか、特別控除を受けられるか、しっかりチェックしておきたいですね。

金地金などを売却する際には、保有していた期間によって所得額を算出する計算式が異なります。

保有期間 計算式
5年以内 売却価額ー(取得価額+売却費用)ー特別控除50万円
5年超え {売却価額ー(取得価額+売却費用)ー特別控除50万円}×1/2
所有期間が5年を超えた場合、課税対象となる所得額は所有期間が5年以内と比較して半額となります。つまり、所有期間が長くなれば支払う税金が少なくなるのです。

金地金や金貨の売却時には、5年以上保有した方がお得であるということを覚えておきましょう。

金地金については、こちらの記事で購入方法などについてご紹介しています。

消費税

金地金や金貨を購入、売却する際には、消費税がかかります。購入時に消費税がかかるのはイメージしやすいと思いますが、実は売却時にも消費税は発生するのです。

ただ、売却時の消費税は売った人が支払う訳ではありません。

売却時の消費税は、金価格に上乗せして受け取ることができるのです。

金の購入と売却には、消費税が大きく関わることを覚えておきましょう。

金は購入時と売却時の消費税の差分だけ得をするわけですが、もっと詳しく知りたい方にはこちらの記事がオススメです。

贈与税

金投資で購入した金を贈与した場合は、贈与税の対象となります。

ただ、贈与税の場合は年間110万円まで非課税となっていますから、この金額の範囲内であれば課税対象にはなりません。

金額は、贈与時の時価で計算します。

相続税

相続税は、金地金を相続した場合に課税対象となります。

ただ、相続税がかかるのは課税価格が基礎控除を超えた場合のみです。

基礎控除額は、以下の式で計算します。

3,000万円+600万円×法定相続人

金地金の価値については、死亡日の小売価格(時価)で計算します。

金売却など金投資にかかる税金を投資方法別にご紹介

金売却など、金投資をした際には税金がかかるということを紹介しました。

では、どの税金がどの投資法でかかるのか、一覧で確認してみましょう。

かかる税金 関係する金投資方法
所得税 雑所得…純金積立
譲渡所得…金地金・金貨・金ETF
配当所得…金投資信託・金鉱株投資
消費税 金地金・金貨
贈与税 金地金・金貨
相続税 金地金・金貨

やはり一番関係するのは、所得税です。所得税の対象となる所得には、3つの種類があることを先ほど紹介しましたが、それぞれ金投資法によって所得の種類も異なりますのでしっかり確認しておきましょう。

雑所得で計算することも多い純金積立については、こちらの記事で特集しています。

配当所得が関係してくる金投資法には、金鉱株投資が挙げられます。金鉱株投資についての情報は、こちらハイリスクハイリターンの金鉱株投資を徹底解説でご紹介しています。

金投資には色々な税金がかかるのですね。これは、他の貴金属投資でも同じなのでしょうか。

それとも金投資ならではなのでしょうか。

これらの税金は金地金だけでなく、銀投資やプラチナ投資でも発生します。

基本的に同じと考えて良いでしょう。

銀投資について知りたい方は、こちら安定した需要が続く銀への投資はお得?それとも損?の記事をチェックしてください

金より希少なプラチナへの投資については、こちら金地金に興味がある方は要チェック!種類や購入方法などを詳しく解説で特集しています。

金の売却で損失が!そのときは損益通算が可能かも

金の売買は、必ずしも得をするばかりではありません。売却した結果、購入時よりも低い値段になってしまう、つまり、損をしてしまう場合もあるのです。

金売買によって、購入価格よりも売却価格が低かった、いわゆる損をしてしまった場合は、その取引自体の確定申告は不要となります。

またそれだけでなく、同じ譲渡所得間での損益通算が可能となる場合があるのです。

損益通算とは

一定期間内の利益と損失を相殺すること。他の譲渡益から損失を差し引いて、税金を減らすことができる。

つまり、他にも譲渡所得があり、そちらで利益が出ている場合、金売却の損失と合算して所得額を減らす、税金を減らすことができるのです。

これは譲渡所得だけでなく、雑所得も同様となります。雑所得で損失が出れば、他の雑所得の利益と合わせた損益通算ができるのです。

金と損益通算ができる譲渡所得には、以下のものが挙げられます。

  • ゴルフ会員権
  • 美術品

どんな譲渡所得でも損益通算が可能という訳でありませんので注意しておきましょう。

せっかく損失を利益から差し引けるのなら、普通の所得と損益通算ができると嬉しいのですが、どうして出来ないのでしょうか。
金地金や金貨は、生活に通常必要ではない資産ですよね。それを売却して得た利益や損失を、他の所得と合わせることはできないのです。

譲渡所得は譲渡所得で損益通算が出来ないのは、その為なのです。

金売買で損失が生じるケースとは

では、金売買で損失が生じるケースにはどのようなものがあるのかをご紹介しましょう。

  • 購入時より売却時の金相場が下がった
  • 為替が円高になった

分かりやすいのは、購入時より金相場が下がった場合です。金の本体価格自体が下がってしまっているわけですから、売却した時に損失が出てしまうのも当然ですよね。

ここでしっかりチェックしておきたいのが、為替の変動です。

金の価格は、基本的にドル建てとなっています。つまり、金の価格はドル価格を円換算しているわけです。

金はトロイオンス単位で価格が設定されます。1トロイオンス1,000ドルの金を購入する場合、1ドル100円であれば10万円で購入できますが、1ドル120円であれば12万円が必要となります。

ですから、購入時はもちろん売却時にも為替相場をチェックしておくことが重要なのです。

金の価格は、円安になれば値上がりするのですが、逆に円高になってしまえば金の価格は値下がりしてしまうということを覚えておきましょう。

今後の金の価格見通しなどについては、こちらの記事でご紹介しています。

金投資をする前には4つの税金を要チェック!

金投資をする際には、その利益が課税対象になるということを認識しておく必要があります。

課税対象となる所得は、金の投資法によって異なります。譲渡所得か、雑所得か、配当所得かによって、全額が課税対象になるかどうかが決まりますので、しっかりチェックしておきましょう。

また、金地金や金貨売却によって損失が生じた場合は、他の譲渡所得なら譲渡所得と、雑所得なら雑所得との損益通算が可能です。

金投資にかかる税金、金投資を始める前に、しっかり押さえておきましょう。