老後の資産や貯金はいくら必要?生活費の必要額を解説します
「老後資金の貯金はなんとなくしているけれど、実際いくら必要なのかわからない」という人は多いと思います。
高齢になると、現役時代ほどの収入を得るのは難しくなるもの。お金が足りているか分からないまま、老後を迎えるのは不安ですよね。
このカテゴリーでは、老後資金がいくらあると安心なのか、目安額を確認していきましょう。老後のための貯蓄にぜひ役立ててください。
夫婦世帯は老後資金がいくらあると安心?貯蓄額の平均を見てみよう
ただし老後の収入・支出は世帯によって異なるため、必要な老後資金も家庭によってさまざまです。あくまで目安として考えてくださいね。
総務省による「平成29年 家計調査報告」によると、2人以上の高齢者世帯(世帯主が60代以上)の中央値※は1639万円でした。
データを数値の高い・または低い順に並べた際、真ん中にくる値のこと。平均値に比べ、極端な数値の影響を受けにくいという特徴があります。
ただし貯蓄額は、年収によっても異なります。次に政府統計「平成26年全国消費実態調査」の結果から60代・2人以上の世帯の平均貯蓄残高を年間収入別に見ていきましょう。
2人以上の世帯の平均貯蓄額は、次のとおりです。
年間収入階級 (平均世帯人数) |
平均貯蓄残高 |
---|---|
200万円未満(2.31人) | 約1042万円 |
200万円~300万円未満(2.34人) | 約1280万円 |
300万円~400万円未満(2.39人) | 約1622万円 |
400万円~500万円未満(2.54人) | 約1865万円 |
500万円~600万円未満(2.61人) | 約2278万円 |
600万円~800万円未満(2.87人) | 約2473万円 |
800万円~1000万円未満(3.12人) | 約2690万円 |
1000万円~1250万円未満(3.28人) | 約2991万円 |
1250万円~1500万円未満(3.40人) | 約3625万円 |
1500万円以上(3.14人) | 約5754万円 |
貯蓄額は年収にほぼ比例して、収入が多い世帯ほど貯蓄も多いことがわかります。
ちなみに貯蓄額の分布を見てみると、300万円未満の世帯は全体の約13%。2500万円以上は約34%という割合です。
勤労者世帯(会社員など)のみに絞ると、結果は少し異なりますよ。
勤労者世帯の場合、年収別に見る「世帯主が60代・2人以上の世帯の平均貯蓄残高」は次のとおりです。
年間収入階級 (平均世帯人数) |
平均貯蓄残高 |
---|---|
200万円未満(2.38人) | 約507万円 |
200万円~300万円未満(2.47人) | 約832万円 |
300万円~400万円未満(2.43人) | 約1202万円 |
400万円~500万円未満(2.53人) | 約1506万円 |
500万円~600万円未満(2.58人) | 約1859万円 |
600万円~800万円未満(2.83人) | 約1989万円 |
800万円~1000万円未満(3.11人) | 約2574万円 |
1000万円~1250万円未満(3.38人) | 約2508万円 |
1250万円~1500万円未満(3.53人) | 約3400万円 |
1500万円以上(3.31人) | 約4828万円 |
勤労者世帯の貯蓄額は比較的低めです。とくに年間収入階級が「200万円未満」の場合、データを勤労者世帯のみに絞ると、平均貯蓄額はおよそ半分になります。
また貯蓄と年金以外にも、老後の収入源を確保しておくのが得策でしょう。
老後の収入源の増やし方を、のちほど「老後の収入源を増やそう!不労所得は早めの準備が必要」でお伝えしますね。
夫婦世帯に必要な老後資金や貯蓄方法などについては、次の記事で説明しています。
子どもがいない夫婦の老後について悩み・疑問を解消したい方には「★内部リンク予定」の記事もオススメです。
独身世帯の老後資金はいくら貯めるべき?
次の表は政府統計「平成26年全国消費実態調査」による、独身世帯の男女の貯金現在高です。
年齢 | 貯蓄現在高 |
---|---|
60~69歳 | <男性> 1611万円 <女性> 1622万円 |
70歳以上 | <男性> 1501万円 <女性> 1432万円 |
また老後資金は、生活費や医療費など「暮らしていくうえで欠かせないもの」だけでなく、趣味・移住などに使う支出も踏まえて貯蓄するのがオススメ。老後の楽しみが増えますよ。
「実はまだ老後資金の貯金をまったくしていない」という人もいますよね。当サイトでは、老後資金の貯蓄をいつから始めるべきか解説した記事「★内部リンク予定」も用意しているので、こちらも参考にしてください。
介護費用は月20万円近くかかる場合も!老後の大きな出費に注意
老後生活では、自分や配偶者などに介護が必要となるケースも多く、大きな出費となる可能性も。
そのため老後資金を貯蓄する際には、「介護費用」もしっかり確保しておくことが大切です。
ここではサービス体系別に、全国平均の介護費用を見てみましょう。
厚生労働省「平成27年度介護給付費等実態調査の概況」によると、1カ月間でかかる介護費用の全国平均は次のようになっています。
サービス体系 | 介護費用 |
---|---|
介護予防サービス(※1) | 36,000円 |
介護サービス(※2) | 190,900円 |
要介護状態になるのを未然に防いだり、可能な限り遅らせたりすることを目的としたサービスのこと。要介護状態でも介護度が低い人が、状態の悪化を防ぐ(遅らせる)ために受ける場合もあります。
「要介護」または「要支援」と見なされた人が受けられるサービス。
訪問介護や短期入所などの居宅サービス、介護福祉施設などさまざまな種類があります。
ちなみに表中の「介護費用」とは、保険給付や公費負担額、利用者負担額(公費の本人負担額を含む)の合計額のことで、市区町村が支払う費用は含まれません。
しかし受けるサービスの種類や福祉用具の購入、住宅改修などの費用によって介護費用は高額になります。
ちなみに介護保険サービスを受けるための条件・申請方法などについては「介護保険を受けるには?手続きと流れをご紹介」で説明しています。
老後資金がいくら必要か知っておけば老後破産を防げる
ここまで老後資金がいくら必要なのか、高齢者の貯蓄額などのデータをもとに説明してきました。
目標額を設定して老後のための貯蓄を十分に行えば、老後破産など将来の不安を取り除けます。
老後破産とはその名のとおり、老後に貯金が底をつき生活費が足りなくなってしまうこと。
老後破産を引き起こす原因はさまざまですが、「老後資金を十分に貯蓄できなかった」というパターンも多いです。
老後破産の原因や対処法については「老後破産したらどうなる?原因と老後破産予備軍にならないための対策」で説明しているので、そちらも読んでみてください。
長生きすることで亡くなる前に貯蓄が底をつき、金銭的に苦しい状況になるリスクのことです。
長生きリスクの回避方法やオススメの資産運用については、次の記事で紹介しています。
長生きするのはいいことですが、生活費がなくて食事をまともに摂れなかったり、医療費がなくて病院に行けなかったりするのは困りますよね。
老後資金がいくらあると安心か確認しておくことも、老後の不安を取り除く方法の1つです。
老後の収入源を増やそう!不労所得は早めの準備が必要
いまの仕事を引退したら収入が減るので、もしもの場合に貯蓄で十分に補える自信がないです。
老後の収入を増やす方法は「勤労所得」と「不労所得」の2パターン。主に次のような方法があります。
勤労所得 | ・アルバイト ・在宅ワーク ・独立開業 |
---|---|
不労所得 | ・不動産投資 ・個人向け国債 ・投資信託 ・個人年金保険 |
不労所得を得ながら、可能であれば勤労所得を得ると、老後の収入を効率的に増やせます。
老後の収入を増やす方法については、次の記事を参考にしてください。
老後資金がいくら必要か確認し、将来の不安をなくす対策を
介護費用や医療費など、予期せぬ出費も考えて貯蓄していきましょう。
年金の支給額や消費税の増減、病気のリスクなど、数十年先のことなんて誰にも予測はできません。しかし預金額の目安を知り、効率的に貯蓄することで老後の不安を解消しやすくなります。
長生きできても「生活費がなくて食事をまともに摂れない」「医療費が足りず病院に行けない」なんてことにならないよう、早めに準備するのがオススメです。
当サイトでは貯蓄や資産運用にオススメの方法、老後資金を増やすコツも紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。