
安定した需要が続く銀への投資はお得?それとも損?
貴金属投資としては、金投資が有名ですよね。しかし、実は欧米では銀投資も盛んに行われているということはご存知ですか?
銀は市場規模が小さいという事実はありますが、実は安定した需要が続くことが見込まれるので、投資に向いているとも言えるのです。
銀投資はどのような特徴があるのか、これから始めるのはお得なのか、損なのか、気になる情報を詳しくご紹介していきましょう。
銀の価値は絶対に消えない!その理由とは
まずは、銀投資の基本を押さえておきましょう。
銀投資の最大の魅力、それは、銀は現物資産としてその価値が一生失われることが無いという点です。
銀は、鉱物資源です。つまり、いつかは失われてしまう資源だと言えます。銀そのものを持っている限り、その価値が上下することはあってもゼロになることは絶対にありません。
また、銀はアクセサリーの材料として使用されているイメージが強い方もいるかもしれませんが、実は工業分野で多く用いられています。
銀の需要の6割は工業用であり、太陽光発電で使うソーラーパネルや、半導体などの電子材料として用いられています。
アクセサリーだけではなく工業用としても用途があることで、銀は需要がゼロになるということ、その価値が失われることはないのです。
銀投資が、欧米で一般的な投資方法として根強い人気がある理由の1つですね。
ちなみに、金の価値や今後の価格動向については、こちらの記事でご紹介しています。
銀投資と金投資の4つの違い
では、ここで金投資と銀投資を比較してみましょう。
金投資と銀投資には、主に4つの違いが挙げられます。それが、以下の点です。
- 価格
- 取引単位
- 市場規模
- 変動幅
それぞれのポイントについて見ていきましょう。
価格
実は、銀は貴金属投資としては比較的安価で投資することができます。
銀の価格相場は、金の約76分の1程度です。
現在、金相場は1gあたり4,500円~5,000円程度となっていますが、銀は1gあたり60円前後となっているのです。
ただ、金の中にも比較的少額で購入出来るものがあります。それが金貨ですね。金貨については、こちら少額から購入できる金貨!購入方法やその他の特徴を詳しくご紹介で詳しくご紹介しています。
ではなぜ銀がここまで安価なのか、それは、金よりも圧倒的に生産量が多いためです。
ただ、金より多くとれるからといって、銀の価値が軽視されているというわけでもありません。先ほども紹介した通り、銀はその需要も多くありますから、金の方が銀よりもお得だとは言い切れないのです。
値動きとしては、銀は金と違う動きをするのでしょうか。
ただ、銀は工業用途でも用いられますから、産業・経済の状況次第ではその値を大きく変動させる場合もあります。この点は金と異なりますね。
比較的安価で金投資ができる純金積立について興味がある方は、こちら純金積立は1,000円からOK!?そのメリット・デメリットとはの記事がオススメです。
取引単位
取引単位も、銀と金では異なります。
サクソバンクFX証券で銀や金の先物取引をする場合、銀と金の取引単位や金額の違いを見ていきましょう。
金や銀の取引は、トロイオンス単位を用いることも多くあります。1トロイオンスあたり、31.1gです。
今回は、次の条件で比較します。
- 銀価格…1トロイオンス14ドル
- 金価格…1トロイオンス1,100ドル
- 為替…1ドル120円
項目 | 銀 | 金 |
---|---|---|
売買最小単位 | 100トロイオンス (3,110g) |
10トロイオンス (310g) |
取引金額 | 100×14ドル×120円 =168,000円 |
10×1,100ドル×120円 =1,320,000円 |
1回あたりの最低取引量は、銀の方が多くなっています。しかし、銀は価格が安いため、結果的に銀取引と金取引では、1回の取引で110万円以上も差が出てしまうのです。
1回あたりの取引量が少額で押さえられれば、万が一銀の価値が下がったとしても損失を抑えることができるとも言えますね。
金取引は少しの量でも、高額な資金が必要となる場合があります。金の投資方法については、「金の投資方法をご紹介!堅実な方におすすめな理由」で特集しています。
市場規模
金取引に比べて、銀取引の市場規模は小さいものです。売りたいときに売ることができないという可能性も、ゼロではありません。
また、銀は金と比べて投資方法も少なくなっています。銀投資の方法については、後程詳しくご紹介します。
変動幅
銀の価格は、金と同様の動きを見せることも多くなっています。なぜなら、金投資をするまでの資金を用意できない人が銀投資に流れることが少なくないためです。
ただ、銀は市場規模が小さいこと、そして安価であることから、金よりも値動きが大きくなってしまう特徴もあります。
アメリカのハント兄弟が米国市場の60%に相当する銀を買い占め、銀の価格が暴騰、その後に暴落したという過去があります。その価格は、1トロイオンスあたり50ドルから11ドルにまで下がったのです。
ちなみに、貴金属への投資としてはプラチナ投資も挙げられます。プラチナは金より希少性が高いのですが、やはり銀投資と同じく市場が小さく価格変動が大きいという特徴がありますね。
プラチナについての情報は、こちら金より希少価値の高いプラチナへの投資メリットとデメリットでご紹介しています。
銀投資の方法は4つ!その特徴をチェック
銀投資の方法は、主に4つです。
- 銀の現物購入
- 純銀積立
- 銀ETF
- 銀先物取引
それぞれの方法について、ご紹介していきましょう。
銀の現物購入
銀そのものを購入するか、積み立て方式で銀を購入するというものですね。
ただ、現物を購入する際に注意しなければいけないことがあります。それが、保管です。
銀は黒く変色しやすいという特徴があり、定期的な手入れが必要です。
また、盗難リスクを考えて保管する金庫などを用意しなければいけません。
銀は比較的価格が安価であることは魅力ではありますが、その為、一定の資産を確保するためには大量の銀が必要になるというデメリットもあります。
金の現物購入、金地金については、こちら金地金に興味がある方は要チェック!種類や購入方法などを詳しく解説で特集しています。
純銀積立
純銀積立は、毎月一定額の銀が継続して購入できるというものです。
計画的に積立が出来るだけでなく、分散して購入することで高値掴みのリスク軽減にも繋がります。
銀だけでなく、金やプラチナといった他の貴金属投資と組み合わせることで、よりリスクを避けることも可能です。
月に1回買う程度で、購入価格を平均してもあんまり分散できる気がしないんだけど。
ですから、安い時は多く、高い時は少なく変えますので、価格変動リスクに対応することができるわけですね。
銀ETF
日本では2つの銀ETF商品があります。その1つが、純銀上場信託である銀の果実です。
銀の果実では1口単位からの取引が可能ですから、比較的お得に投資を始めることができます。また、トロイオンスではなくグラム/円という分かりやすい単位になっているのも特徴的ですね。
貴金属の現物は日本国内の倉庫に保管され、保有コストや防犯対策を心配することがありません。
金ETFの銘柄については、こちら国内市場上場の金ETFは5銘柄!その特徴を徹底比較の記事でチェックしてください。
銀先物取引
先物取引は、証拠金を支払えばその金額の数倍もの取引が可能となるものです。
少額で何倍もの利益を得ることができる可能性はありますが、反対に大きな損失を被る可能性もあります。
銀投資は価格変動が大きいため、ハイリスク・ハイリターンだと言われています。先物取引をする際には、その点に十分注意しましょう。
銀投資は他の投資と組み合わせるのがオススメ!
安価で始められるからこそ、リスク分散を目的とした他の投資と組み合わせる投資法としては適しています。
銀投資のみを始める場合は、保管の手間やコストがかかる現物購入、ハイリスクである先物取引ではなく、比較的リスクの低い純銀積立や銀ETFを検討してみることをオススメします。