マンションを貸したいなら売却も検討すべき!メリット・デメリット解説
「遠方への転勤が決まった」「離婚したのでマンションを手放したい」など、マンションを貸したいと思うきっかけはさまざま。
また「マンションを貸したいけど、何をすればいいの?」「なかなか売れないから、賃貸にしてみようかな・・・。」など悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
しかし「トラブルに対応するのが大変」「空室になっているあいだは収入がなく、赤字になるので損」といったデメリットも。自分の労力や収支のバランスを予測し、慎重に検討しましょう。
この記事ではマンションを貸したい人向けに、マンションを貸す流れやメリット・デメリット、かかる費用について解説します。
マンション賃貸の基本的な流れを見てみよう
- 賃料の相場(目安)を調べる
- 賃貸にかかる費用を調べる
- 賃料の査定を依頼する
- 不動産会社に依頼・契約する
- 貸出前の準備をする
- 賃貸条件を決定する
- 入居者を募集する
- 入居申込者の審査を行う
- 賃貸借契約を結ぶ
- 入居中の対応を行う
- 解約・清算手続きを行う
マンションの家賃相場は、HOME’S(ホームズ)やSUUMO(スーモ)などのポータルサイトなどで調べることが可能です。
賃貸にかかる費用については、のちほど「マンションを貸したいなら、かかる費用も確認しておくべき!」で詳しく説明します。
家賃相場の目安(収入)とかかる費用の目安(支出)がわかり、収支のバランスに問題なければ、不動産会社に賃料の査定を依頼します。
そして貸出前の準備や賃貸条件の決定から入居者との賃貸契約まで行っていきます。入居者が退去する際には、解約・清算手続きも必要です。
マンションを貸すメリット・デメリット!絶対に得とは限らない
ではマンションを貸すメリット・デメリットについて、さらに詳しく見ていきましょう。
マンションを貸すメリットは、主に収入と節税効果!
マンションを貸すメリットは、主に次のとおり。
- 不労所得が得られる
- 分譲マンションは賃料が高め
- 節税できる
入居者がいれば、貸主は家賃収入などを定期的に得ることが可能です。また分譲マンションを貸す場合、設備・管理の状況が賃貸マンションに比べ良好であることが多いため、賃料は高い傾向にあります。
- 固定資産税
- 管理費
- 修繕費
- 火災保険
- 地震保険
- 住宅ローン金利
マンションを貸すデメリットは、かかる労力と費用
マンションを貸す場合、次のようなリスクが生じる可能性も。
- 入居者がいなければ収入が得られない
- クレーム・トラブルに対応する必要がある
- 二重ローンの場合、審査が通らない場合も
マンションが空室のあいだは収入が得られず、管理費などの出費だけが生じる状態になります。
貸出中は入居者からのクレーム・トラブルに対応する必要があるため、それなりの労力も必要です。
管理会社などに一時的な対応を依頼することがほとんどだと思いますが、所有者である自分が責任者である事実は変わりません。
では次の章で、マンションを貸す際にかかる費用についても見ていきましょう。
マンションを貸したいなら、かかる費用も確認しておくべき!
マンションを貸すと収入・支出の両方が発生します。
そのため「賃料や管理費などの目安」と「かかるコスト」がどれくらいになるか調べ、損しないかどうか検討することが大切です。
ローンを完済していないマンションを貸したいのであれば、融資を受けた金融機関へ必ず相談してくださいね。
マンションを貸した場合、かかる費用は主に次のとおり。金額は物件によって異なります。
費用 | 内容 |
---|---|
管理委託費 | 不動産会社へ次の委託をする場合のみ必要 ・入居者管理 ・建物管理 <金額の相場> |
住替え先の住居費 | (例) ・住替え先の賃料 ・新たに家を購入する際にかかる費用 |
メンテナンス費用 修繕費用 |
(例) ・室内設備故障のメンテナンス費用 ・入居者退去時の補修費用 ・クリーニング費用 |
仲介手数料 | 不動産会社に依頼する場合のみ必要 |
その他 | (例) ・損害保険料 ・交通費 ・通信費 |
仲介手数料の仕組みについては、次の記事で詳しく説明しているので読んでみてください。
また貸していなくても、所有しているだけで主に次のような費用が発生します。
- 固定資産税
- 都市計画税
- 管理費
- 修繕積立金
マンションを貸したい場合、売却も検討すべき理由
「マンションを貸したいけれど、最終的には売却したい」という方も要注意。
一度でも貸したマンションは、次のような理由で売却価格が安くなる傾向にあるのです。
- マンションが古くなる(賃貸期間が長くなる)と価格が下がりやすい
- 入居者がいる場合、自分の意思で自由に賃貸を止められない
マンションを長期間貸すなどして築年数が古くなった場合、売りに出す部屋の状況だけでなく、建物全体の劣化などの理由により売却価格が安くなってしまう恐れがあります。
また入居者が退去するまでは簡単に空室として売り出せなくなるというデメリットも。賃貸に出したことで売り時を逃し、長期間所有することになる可能性もあります。
ただし入居者がいる場合には、投資用マンションとして購入されるケースも。立地・条件がいいマンションなら、賃貸に出すメリットも大きいです。
マンションを売る場合と貸す場合のメリット・デメリットは、次の記事でお伝えしています。
「マンション売却も検討したい」と思った方は別記事「不動産売却の流れを分かりやすく解説!」で、不動産売却の基本的な流れについても確認してみてください。
一括査定サイトのメリット・デメリットや、各サイトの特徴比較については、別記事「おすすめな不動産一括査定サイトを厳選して紹介!」を読んでみてください。
マンションが売れない理由や対処法、すぐに処分する方法については、次の記事をご覧ください。
マンションを貸したいけど、また住みたい場合は『定期借家契約』
定期借家契約とは、物件を貸す期間(期限)が設けられる貸借制度のこと。
平成12年3月1日に「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」が施行されたことにより導入されました。
しかし定期借家契約なら、貸主が理由なしに契約更新を拒否し、借主に退去を求めることが可能です。
しかし「長期間安定して住みたい」という借り手からすると、期限付きであることがマイナス要因になってしまうことも知っておきましょう。
マンションを貸したいなら、売却も一緒に検討してみよう
しかし「空室の期間が長いといろいろな費用がかさんで損」「貸してから売却すると、思い通りの金額やタイミングで売れないことがある」など、リスクも生じます。
筆者としては、マンションを貸したいのであれば、まず売却も一緒に検討してみるのがオススメ。
たとえば住み替え予定なら、家賃相場・売却価格の目安などを比較して、マイホーム購入が現実的な方法を選択しましょう。不動産会社など、信頼できる専門家に相談するのもいいですね。
当サイトではマンション売却の注意点や、売却成功のコツなども紹介しています。そちらもぜひ参考にしてください。
大切なのは「なぜ貸したいのか」をしっかり考えることです。
そうすれば、これからかかる手間や費用が見合うものなのか、売ってしまう決断をした方が良いのか、なども考えやすくなります。今日ではインターネットによる査定なども簡単に依頼できますので、積極的に利用してベストな道を見つけましょう。
4年ほど専任の宅建士として不動産業者に勤務し、現在はマンション管理士・消防設備士として独立。
宅建士としての知識や立場を活かし、不動産売買時の疑問点などの相談を受けている。